政治的思想・価値観テストをつくろう - 1998年

1. クランプ・チャートと8大分類

クランプ1・チャート(1998年世界のノーラン・チャート)。

ヴェール支持 ヴェール反対
異常との共存 財団 蛇の手
異常との闘争 世界オカルト連合 ???

クランプ8大分類

異常公開主義(ヴェール左派) 異常秘匿主義(ヴェール右派)
「異常存在は人類の資産なので、いかなる規制もかけられるべきでない」 「異常存在へのアクセスは財団やGOCのような専門知識を持つ権威のみに限定される」
異常非干渉主義 異常介入主義
「異常との不用意な接触は破局を招きかねず、関わるべきではない」 「異常と積極的に接触し、それを解明していくことは人類の使命である」
異常闘争主義 異常共存主義
「異常は人類にとって脅威であり、それを取り除くのは当然である」 「異常を人類が支配することはできない。異常と共存していくしかない」
異常民主主義 異常官僚主義
「異常への対応は人類の重大な問題であり、ゆえに民主的に管理されるべき」 「異常への対応には専門的知識が最重要であり、民主的統制はかえって邪魔である」

2. 超常コミュニティと保守・革新

2.1. ヴェール崩壊以前

財団や世界オカルト連合に代表される正常性維持機関は、基本的には超常世界の保守勢力として受け入れられていた可能性が高い。ヴェール政策を数十年以上に渡って継続してきたという経緯や、そもそも彼らが超国家的組織として国家主権の上位に君臨していたという事実があるためである。

対して、「蛇の手」はヴェール崩壊後における革新的超常勢力の代表的存在として挙げられていたと考えられる。人権思想の適用範囲を非ヒト種族へと拡げてきたのが1998年世界における人類だが、蛇の手の思想はそれに近い。「抑圧者」である財団や連合に敵対してきたという経緯もそれを後押ししている。

これらはいわゆる政治的立場としての保守・革新の対立ではなく、あくまでも非ヒト種知的生命体や超常技術の秘匿という特定された分野におけるスタンスの違いを指すものである。ヴェール崩壊前までの超常コミュニティにおける対立構造は、おおむね上記のような形で説明が可能だった。

2.1. ヴェール崩壊後

ヴェール崩壊前と比較して、以後の時代における対立構造はより多層的・多面的になった。超常コミュニティは以前ほど閉鎖的ではなくなり、「国際社会」というアナーキーな世界へ統合された。「主権国家と国民」という新たなプレイヤーが、正常性維持機関や超常組織と肩を並べるようになった。

国家の持つ超常的存在へのスタンスは、あくまで各国の指導者や世論に委ねられている。ヴェール崩壊は権力者たちと正常性維持機関の共犯関係を終わらせ、国家とその国民は自分たちの頭上から指図してきた者たちへ堂々とものが言えるようになった。

正常性維持機関と国家が主だった対立を見せるのは、主に超常技術へのアクセスと主権侵害という二つの分野である。ヴェールはすでに崩壊しているため争点にはならず、非ヒト種知的生命体の問題で対立することも少ない(例外的に、AFCや伝承部族といった非ヒト種族が国家を形成した場合には対立が起きる)。

上に図示された超常コミュニティにおける政治的立場を説明するクランプ・チャートは、内容を拡大した8大分類へと発展し、さまざまな主体(アクター)がどういった立場を採るのかを分類できるようになった。同時に、保守・革新という二項的な対立軸ではもはや説明が難しくなりつつあることも示した。

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