団体
ヴェールが崩壊して以後、世界各地で様々な要注意団体が活発化しだした。第二次パラテックバブル、各種超常事件、諸々が齎す情勢に影響され、これら団体には独自の変遷を遂げていくものも数多い。あるいは、新たな団体が芽を吹くことさえも。
SCP財団
別称: 財団、ファウンダー
異常存在を収容・研究する超国家規模の巨大組織。ヴェール崩壊以後の世界秩序の一角を担う。アノマリーへの態度が若干軟化しており、微弱ではあるがより公開的。正常性策定組織としても知られ、超常技術の取締などもある程度担う。
2020年代からは増加する一方の人型異常存在に対して財団指定難病(DIDF)の患者と称して治療を開始し、医療的側面も覗かせる。しかしながら2041年のサイト-81Q5での一件は、組織に重い爪痕を残すこととなったようだ。
- サイト-81Q5
異常疾患が増加しつつあるこの世界において、対抗策として財団が建設した特殊医療サイト。全国の病院とつながっていて、何か危険性の高い病気、財団指定難病に指定される異常疾患の患者が搬送されてくるシステムが構築されている。しかし、その管理者の体質や組織としての問題から、あるいは一極集中がもたらした難点なのか、サイト-81Q5は異常な世界での医療ミスともいえる事件を引き起こしてしまった。それにより、サイト-81Q5の現実性は大きく崩壊し、収容されていた患者や職員を全て巻き込んでしまった。一般的にはサイト-81Q5現実性崩壊事件と呼称されるこの事件は、財団の信用度や収容体制にも大きく影響した。
- サイト-81GB
2017年12月の東京事変によって崩壊した東京都内で出現するオブジェクトに対し、確保・収容・保護のアプローチを行うために2018年に設立された特殊財団施設である。立地は旧皇居の直下、深度350m地点であり、種々の超常災害への物理的・現実的耐久性に重点を置いて設計されている。しかし東京の異常環境下で活用可能な資源は限られており、(1998年カノンの視点における)前時代的と見做されるような収容手順の使用を強いられている例も存在するかもしれない。2020年時点では、SCP-2408-JPをはじめとする幾らかのオブジェクトに対する簡易的な収容業務を遂行している。
- 信濃中央新聞社
詳細は「報道機関」の項目を参照。
世界オカルト連合
別称: GOC、GoI-016(財団)、ゴックス(俗称)
国連を母体として成立した、世界二大正常性維持機関の一角。異常存在を粛清・破壊する姿勢から財団と対立しているが、ヴェールの崩壊以後は融和路線に転じ、相互交流に積極的。とはいえ長年の遺恨はそう簡単に消えるものではなく、政治的・軍事的な対立は今なお残る。
- 世界超保健機関
通称WPhO。2022年に設立されたWHOの対異常疾患部門であり、GOCの下部組織。財団とともに異常疾患の対応に当たる一方、サイト-81Q5の真実について探っているようだ。
連邦捜査局異常事件課
別称: UIU、GoI-102(財団)、ブラックメン(俗称)
アメリカ合衆国司法省の有する、FBI内部の対異常部門。超常存在が公のものとなって以降、捜査員を増員し権限と予算規模の拡大に努めている。もはや彼らは無能でも傀儡でもないが、対処すべき事案は膨大だ。
警視庁公安部特事課
説明
日本超常組織平和友好条約機構
説明
国交省次元管理局
説明
ポーランド異常事例中央総局
別称: CBSP, GoI-486(財団)
通称CBSP。正史では2007年に設立された団体だが、'98カノンにおいては神格存在出現事件を受け、前身組織であるポーランド国防省 超常事例調査局を改組・拡張する形で1999年に組織された。ポーランド政府直轄の対異常組織であり、基本的には財団やGOC、UIUと言った各国超常機関と協働して行動するものの、時にはあえて情報を隠蔽するなどの行動を取ることもあるだろう。
プロメテウス研究所
別称: GoI-014(財団)、プロメテウス・ラボ(一般)、プロメテウス・ラボ・コンツェルン(一般)
パラテックを中心に取り扱う巨大企業連合コンツェルン。正史では'98年に倒産しているが、この世界では神格事件のクリーンアップと、ヴェール崩壊による一般市場への参画によって大きく業績を回復させた。プロメテウスはいまや再び、世界にその名を轟かせている。
アンダーソン・ロボティクス
本史においては1998年のプロメテウス・ラボ倒産に伴ってその技術者を取り込み、その空隙を埋める形で一気に勢力を拡大した企業だが、この世界ではそもそもプロメテウスが崩壊していないためにそこまで強大にはなっていない。その技術を欲してか、2018年にはプロメテウスから資本提携を取り付けられている。
Maxwellism
マクスウェリズム教会の企業的側面。詳細は「異常宗教団体」の項目を参照。
ニッソ医機/日本生類創研
別称: GoI-8101(財団)、JOICL(一般)
日本生類創研は2009年の偶発的アウトブレイクを切欠に大きく衰退してしまった結果、組織は解体された。しかし再び結集し確かな技術力と徹底した自浄努力、国の支援もあって数々の医療機器で世界トップシェアを誇る。「ニッソ医機」という大企業に生まれ変わった。「ニッソグループ」系企業の中核企業でもある。「Yakushi」不参加。
東弊重工
日本のパラテック業界を牽引する大企業。しかしながらその性質はかつての職人根性を引き継いでおり、2040年には現実性維持装置の開発が難航しているにも関わらず続行したことで5年連続赤字になってしまっている。そこにつけ込む形でプロメテウス・ラボが資本提携を申し出ているが、彼らのその後は不明。また、相変わらずニッソとの仲は良いらしい。
医療企業連合"Yakushi"
仏の名を名乗る巨大な医療企業の連合体。2040年代には異常な疾患に対応するための企業が複数興っており、これはその中でもとりわけ代表的な連合といえる。やってることは普通の企業とはあまり違いがないが、連合体特有の財力と巨大さから時折財団と対立し、長いこと緊張状態にある。堀街医師の出身。
理外研グループ
多分野で構成される超常企業グループとしては日本最大級。旧理外研産業団1をルーツに持つ独立した企業達が、戦後も分野の枠を超えた横の連携を維持してきた。
グループ構成企業は、ヴェール消失から市場開放前にかけて、営利事業を行う国内最大規模の認可団体2として日本の各市場に名を轟かせたが、プロメテウス等の攻勢によって後退した。以降、グループの各社は各々の分野で企業連を結成、または参加するなど、様々に巻き返しを図っているようだ。企業連での役回りの多くは政府や財団との太いパイプを生かした渉外である。
- 財団法人 理外学研究所
自然科学系総合超常研究所として広く知られる。そのルーツは大正時代に理研の裏に結成された同名の超常研究者集団。資金源は理外研グループによる共同出資や、同法人が持つ特許。グループ企業の研究者プールや共同研究体制を組織する為のベースとして機能している。
- 理外研電子計算機株式会社
理外研電算機・理外研計算機とも。理外研グループのコンピュータ関連企業。非悪魔工学のパラテックコンピュータを主力製品にしている。2010年代の市場開放に伴うプロメテウスや中国系企業の攻勢によって打撃を受けたようだ。
- 理外研製薬
理外研グループの医療関連企業。Yakushi構成企業の一つであり、生命エネルギーの研究開発にかかわっている。
- 理外研メディカル
理外研グループの医療関連企業。Yakushi幹事企業の一つであり、2040年代のニッソグループの台頭にYakushiともども苦しんでいる。
- 理外研建機
理外研グループの建設機械メーカー。2023年に倒産した。
- 理外研開発
理外研グループの不動産・建設企業。本来は国内ネクサスを中心にした不動産業を軸に据えていたが、長く続いているフリーポートへの移住人気を背景に伸張しており、パラコンストラクションまでを事業内容としている。2006年に世界初の鉄道営業用跳躍路建設を実現させた。
帝都大学
大黒グループ
如月工務店/MOONホールディングス
説明
闇寿司
手段を選ばぬ邪悪な寿司屋。カノン”スシブレード”の住人だが、1998世界においてスシブレードが存在するかは定かではない。今のところ、当カノンでの描写は一風変わった寿司屋程度である。
PZGA
ポーランド南部を中心に活動する異常菌類愛好家集団。菌類の収集、栽培、加工、取引、研究等に携わる。イベント・ペルセポネによって大きな損害を受けたものの復興し、ニッソと協働してセミバスターダケを開発したりもしている。
信濃中央新聞社
長野県に本社を置く財団フロント企業。'98カノンにおいては日本で最大手のメディアとなっており、電子版アプリやテレビ会社を子会社に持つ等の発展を遂げている。
- 中央テレビ
全国ネットの放送会社。98カノンにおける放送会社では最も就職先として人気だったり、高視聴率の番組を何本も持っている。また財団の緊急連絡網としての一面もある。
恋昏崎新聞社
別称: GoI-0853(財団)
要注意団体構成員らの集う異次元都市”恋昏崎”に居を構える報道機関。報道は迅速だが、財団嫌いの社員が多いことから、財団に対する偏向報道や捏造がたびたび確認される。
近未来では恋昏崎ニュースエージェンシーに改名している模様。
境界線イニシアチブ
1960年代に異常存在の脅威から宗教的価値観を守るために設立された、アブラハム宗教の連合組織。マンハッタン・クライシスでの貢献から、彼らの悪魔祓い技術は世界的な注目を浴びることとなった。
壊れた神の教会
説明
ナルキシズム/サーキシズム
説明
ショパン・カルト
別称: GoI-484(財団)
ショパン・カルトはポーランドを中心に活動する超常カルトであり、伝説的な音楽家、フレデリック・ショパンをある種の神、救世主として崇拝している。ショパンがクリスチャンであったからか、カルトには随所にキリスト教の影響が見られるものの、根本は全くの別物となっている。
- 聖ショパン正教会
財団の指定はGoI-484A。最も”真っ当な”派閥であり、要注意団体-PLに掲載されているショパン・カルトの説明に最も近い団体。1960年頃にジェラゾヴァ・ヴォラでアンソニー・ブコウスキ氏により立ち上げられた小規模カルトが母体となっている。聖書としてショパンの書いた楽譜を”読み”、また月一度の降霊式でショパンその人と交信を行う。GoI-484Aにおいて聖人とされるのはショパンの重度関係者のみ。
- 聖ショパン再誕のための音術師協会
財団の指定はGoI-484E。GoI-484Aから破門されたヴォイチェフ・ノヴァク司祭が1982年に設立した、非常に過激な団体。ある時ノヴァク司祭が異次元の神格存在に接触し(彼はこの神を聖ショパン本人だと考えた)、直接その恩恵を受け取ったことで急成長を遂げた。GoI-484Aと同様、彼等もまたショパンとの交信式を執り行うが、その相手はショパンに擬態した暴力的な邪神である。退廃的な儀式と引き換えに、この神は信者へと多数の強力な現実改変能力や奇跡論行使能力を授けた。GoI-484Eにおいては、一定以上の業績を残した音楽家は全て聖人とされ、それを統べるのが聖ショパンであるとされていた。神格存在出現事件にて指導者含む8割のメンバーが死亡し、生き残ったメンバーもその後の正常性維持機関による掃討作戦でほぼ根絶されたが、未だ彼等の影響は続いている。
マナによる慈善財団
説明
ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ
設立から翌年の1998年にイベント・ペルセポネが発生し、急遽ポーランドで動物救助を行う。これによりポーランド政府から表彰を受けたことで知名度と寄付額が大きく上がり、勢力を拡大。様々な事態に巻き込まれつつも活動を続ける。このカノンでは世界規模で活動している模様。
カオス・インサージェンシー
別称: GoI-003(財団)
財団から分派した超常テロ組織。合衆国・財団・連合・プロメテウス研究所の4大権力の癒着による 新たな世界秩序を阻止するため、後に9.11と呼ばれるテロを敢行しマンハッタンを異界に転落させる。
夏鳥思想連盟
別称: GoI-1958(財団)
この世界での夏鳥思想連盟は異常を拒絶する。彼らは“正常な”過去に想いを馳せながら、穏やかに生活する者から財団や異常な物品を販売する要注意団体に攻撃する過激派まで幅広く存在する。また、彼らはポーランド人(酷い場合には欧州人全体を)酷く差別している。非合理なことに過激派の多くは攻撃を他者に加える時にアノマリーの使用を厭わない。また、彼らの中には富裕層も多く含まれている。資金源の中には著名人が多く含まれているだろう。
オルタナティブ・コロンビア
別称: コロンビア(一般)、コロンビア・コレクティブ(夢界)
説明
サメ殴りセンター
相も変わらずサメを殴っている。ジョイクル・ラボラトリーズ(日本生類創研)とSPC-1710-JPを共同開発したり、太平洋上に出現した巨大神格存在を殴打したりしている。おそらくGOCとの仲は悪い。