98年初夏に発生したポーランドでの神格存在の降臨は、長く続いたヴェール政策の瓦解を齎した。事件はまた次の事件を生む──WTCでの超常テロ、拡散する異常疾患、エトセトラエトセトラ…。それでも、彼らは前へと進んでゆく。
ポーランドは明日、世界に先駆けて新たな一歩を踏み出します。ヴェールの先へ、闇へ立ち向かうために。ポーランドに未来あれ。
以下の記事が該当します:
メモ:
- Taleシリーズ化要件: Tale2作以上 ✓
- カノン化要件: 3人以上の著者がTaleまたはGoIフォーマットを5作以上書いている ✓
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「1998年」は、ヴェール崩壊により変貌していく世界、そして表立って活動するようになった各種要注意団体らによって次々と引き起こされる超常事件と、それらの最中における人々や組織達の動向を描き出すカノンだ。
上述したように、このカノンにおいては'98年7月にヴェールが失われている。これはポーランドで発生した神格の降臨により齎された。シーズン1「ワルツの夜」ではこの事件にまつわるストーリーを取り扱っている。
このように、'98カノンにおいては軸となる超常事件ごとに”シーズン”で区分され、各シーズンにはそれに関するストーリーが置かれるという形式になっている。もちろん、これに限るものではない。特定のシーズンに属さない記事のため、別途”幕間”の項目も用意してある。
他のシーズンについての概要も紹介しよう。
シーズン2「合衆国の最も長い日」は2001年9月11日、インサージェンシーがアメリカで引き起こした超常テロに関するストーリーだ。ただ、このシーズンは現在未投稿であることには注意してほしい。
シーズン3「病院の窓から覗いた朝」の舞台は近未来。財団は異常疾患の”治療”に乗り出し、そうした患者たちをまとめるべくサイト-81Q5を建造した。だが2041年、同サイトで現実崩壊事象が発生する。シーズン3では上述した異常疾患、およびサイト-81Q5の事件に関するストーリーを描いていく。
シーズンの追加は自由だが、ハブに編集を加える前には、ディスカッションまたは後述するDiscordチャンネルで確認をとるようにしてほしい。
全体的な世界観として、このカノンは前向きだ。大規模な超常事件が次々と起き、無数の人々がそれで喪われていくにも関わらず、この点は一貫している。人類はその歩みを止めることはない。財団も、形態こそ変われど存続していくだろう。ただ、これに反する作品も当然歓迎している。現時点ではそのような雰囲気である、というだけだからだ。
また、'98カノンならではの──と言い切れるかは微妙だが──特徴として、そもそもがメインタイムラインから離れた世界であるがゆえに、要注意団体や人物の背景設定を全く異なることにすることもできる。例えば、このカノンにおいては'98年に倒産したはずのプロメテウス研究所が存続している。彼らは神格事件のクリーンアップを担当したことで業績が回復し、ヴェールのない世界で堂々と商業活動を始めた。同様に、この世界では異なる歴史を歩む者たちが大勢いる。そうして新たな歴史が編纂されていくのだ。これもまた、このカノンにおける1つの醍醐味だろう。
最後に、「壊された虚構」との差異について話そう。実を言うと、このカノンは元々、壊された虚構のサブカノンだった。大元となる1710-JPは壊された虚構のIfとして書かれたし、少なくとも初期はヴェール崩壊をストーリーの中心に据えたものが大半だった。というか、”壊された虚構”のタグすら付いていた。そういう経緯である以上、”全く異なるカノンである”と声高に主張するのはちょっと畏れ多いのだが、それでもこうして言っておこう。「'98年は壊された虚構ではない」。壊された虚構がヴェール崩壊を中核に据えるのに対して、現在の'98シリーズは超常事件と、基準現実とは違う歩み方をした歴史の方を中核に据えている。少なくとも、私(Dr_Kasugai)はそう主張する。とりあえず、今のところはまだ独自色が強くなってき始めた、程度の段階だ。これからどうなっていくのかは、私にもわからない。
長い!短くして!: 名前にもなっている'98年のヴェール崩壊を機として数々の超常事件が起きるようになり、メインタイムラインとは異なる歴史を歩むようになっていった世界を描くカノン。「壊された虚構」から派生したが、次第に独自色が強まっていったことで別個のカノンとなった。だがまだ発展中だ。
もっと短く!: 公然と超常事件が起きる世界のカノンです!!!!!
人物
別称: PoI-3521(財団)
アメリカ合衆国を中心に活動するアマチュア超常薬理学者。「とりのぞきさーびす by dado」等、この世界においても元気に活動している模様。
堀街医師
元々は財団のカウンセラーであり、サイト-81Q5現実崩壊事件の主犯格。精神的な部分が異常性に影響を与えうる病気の患者のカウンセリングをするタイプの医師だった。サイト-81Q5現実崩壊事件以降は死んだと考えられているが、その実は不明。サイコパス。
団体
別称: GoI-003(財団)
財団から分派した超常テロ組織。合衆国・財団・連合・プロメテウス研究所の4大権力の癒着による新たな世界秩序を阻止するため、俗に9.11と呼ばれるテロを敢行。ただしこのテロは異常なものであった。[シリーズ2投稿後に追記予定]
別称: GoI-014
超常技術、通称パラテックを取り扱う巨大企業連合。正史では'98年に倒産しているはずだが、この世界では神格事件のクリーンアップと、ヴェール崩壊による一般市場への参画によって大きく業績を回復させた。プロメテウスはいまや再び、世界にその名を轟かせている。
別称: GoI-484(財団)
カノン外との差が最も大きい団体。ショパン・カルトはポーランドを中心に活動する超常カルトであり、伝説的な音楽家、フレデリック・ショパンをある種の神、救世主として崇拝している。ショパンがクリスチャンであったからか、カルトには随所にキリスト教の影響が見られるものの、根本は全くの別物となっている。
聖ショパン正教会
別称: GoI-484A(財団)
最も”真っ当な”派閥であり、要注意団体-PLに掲載されているショパン・カルトの説明に最も近い団体。1960年頃にジェラゾヴァ・ヴォラでアンソニー・ブコウスキ氏により立ち上げられた小規模カルトが母体となっている。
聖書としてショパンの書いた楽譜を”読み”、また月一度の降霊式でショパンその人と交信を行う。GoI-484Aにおいて聖人とされるのはショパンの重度関係者のみ。
聖ショパン再誕のための音術師協会
別称: GoI-484E(財団)
GoI-484Aから破門されたヴォイチェフ・ノヴァク司祭が1982年に設立した、非常に過激な団体。ある時ノヴァク司祭が異次元の神格存在に接触し(彼はこの神を聖ショパン本人だと考えた)、直接その恩恵を受け取ったことで急成長を遂げた。GoI-484Aと同様、彼等もまたショパンとの交信式を執り行うが、その相手はショパンに擬態した暴力的な邪神だ。退廃的な儀式と引き換えに、この神は信者へと多数の強力な現実改変能力や奇跡論行使能力を授けた。
GoI-484Eにおいては、一定以上の業績を残した音楽家は全て聖人とされ、それを統べるのが聖ショパンであるとされていた。神格存在出現事件にて指導者含む8割のメンバーが死亡し、生き残ったメンバーもその後の正常性維持機関による掃討作戦でほぼ根絶されたが、未だ彼等の影響は続いている。
別称: GoI-486(財団)
通称CBSP。正史では2007年に設立された団体だが、'98カノンにおいては神格存在出現事件を受け、前進組織であるポーランド国防省 超常事例調査局を改組・拡張する形で1999年に組織された。ポーランド政府直轄の対異常組織であり、基本的には財団やGOC、UIUと言った各国超常機関と協働して行動するものの、時にはあえて情報を隠蔽するなどの行動を取ることもあるだろう。
別称: GoI-8101(財団)、JOICL(一般)
ヴェール亡き後、我らが日本生類創研は世界へと羽ばたいた。いまやパラテックは公然のものだ。一時は一大勢力にまで登りつめたニッソだが、2009年の偶発的アウトブレイクを切欠に信用を失くし、大きく衰退してしまっている模様。
別称: GoI-1958(財団)
この世界での夏鳥思想連盟は異常を拒絶する。彼らは“正常な”過去に想いを馳せながら、穏やかに生活する者から財団や異常な物品を販売する要注意団体に攻撃する過激派まで幅広く存在する。また、彼らはポーランド人(酷い場合には欧州人全体を)酷く差別している。非合理なことに過激派の多くは攻撃を他者に加える時にアノマリーの使用を厭わない。また、彼らの中には富裕層も多く含まれている。資金源の中には著名人が多く含まれているだろう。
通称WPhO。WHOの対異常疾患部門であり、GOCに所属する。財団とともに異常疾患の対応に当たる一方、サイト-81Q5の真実について探っているようだ。
医療企業連合"Yakushi"
仏の名を名乗る巨大な医療企業の連合体。シーズン3の時代には異常な疾患に対応するための企業が複数興っており、これはその中でもとりわけ代表的な連合といえる。やってることは普通の企業とはあまり違いがないが、連合体特有の財力と巨大さから時折財団と対立し、長いこと緊張状態にある。堀街医師の出身。
(あいうえお順)
ヴェール: 世界政府と正常性保護機関による、異常、超常、オカルトを人類の大多数から隠す、もしくは偽装するという方針に与えられた名称。'98カノンの世界においては、1998年7月13日を境に存在しないものとなっている。
カック灰: アキヴァ放射によって消失した生物が残す“灰”。視認は可能だが物理的な干渉は不可能である。1998年にカック研究員によって発見された。カック灰が多く堆積した地域ではHm値が不安定になる。
財団指定難病(DIDF): 異常疾患による社会への影響を懸念し、2020年後半に策定された枠組み。非異常なもの含む疾患のうち、「1. 現代科学において解明不可能な原理に基づいている」「2. 治療の可能性を期待できるもの」「3. 他者に少なからず影響を及ぼす異常性を有していること(感染性を持つことも含む)」「4. 財団の収容が必要であると考えられるもの」の4要項を満たすものと定義され、財団医療部門特別委員会の過半数の賛成により財団指定難病として指定される。
神格存在出現事件: 1998年7月12日〜13日にかけてポーランド共和国南部で発生した、巨大神格存在の出現事件。ショパン・カルトの異端派である”聖ショパン再誕のための音術師協会”(GoI-484E)によって引き起こされた。出現した神格存在は財団・GOC・ポーランド軍の合同で破壊されたものの、多数の犠牲者を出しただけでなく、広範囲での物質消失や現実性汚染、更にはヴェール政策の崩壊を齎した。イベント・ペルセポネ(財団)、0712事件(一般)と呼ばれることも。
1998年:
7月: 12-13日、ポーランドにて神格存在出現事件が発生、ヴェールが崩壊する。ポーランド内閣が再編され、復興活動が開始する。
1999年:
1月: 1日、アメリカにて超常薬理学者"dado"が”とりのぞきさーびす by dado”を開始。
不明(7月30日以前): ポーランド国防省 超常事例調査局が改組され、ポーランド異常事例中央総局となる。
2001年:
9月: 11日、アメリカにてカオス・インサージェンシーが大規模なテロを敢行。
2003年:
不明: 日本生類創研 ポーランド菌類研究所によりセミバスターダケが開発される。
2009年:
9月: 日本生類創研によりTX-85957獣変調ウィルスの偶発的アウトブレイクが引き起こされる(奇蹄病事件)。
2020年:
後半: 財団指定難病(DIDF)が制度化される。
2022年:
11月: 9日、WPhOがWHOの1部門として公的に発足する。
2041年:
12月: サイト-81Q5で現実崩壊事件が発生する。
(以下の内容は準備中です。タグはまだ存在しません)
当カノンの記事を執筆する際に注意すべきことはただ1つ:
- 1998年7月にポーランドで発生した神格出現事案によりヴェールが捲くられ、財団、GOC、異常存在らが世間の知れ渡るところとなった。
以上。ここさえ守っていれば後は何をやっても問題はないだろう(もちろんサイトルールは守るように!)。どうせならば他記事と設定が符合するようにしておいた方がいいのも確かだが、絶対ではない。
当カノンの記事を書いた場合は「1998」のタグを付けてほしい。タグが付いた記事は発見次第ハブへと追加されるが、ディスカッションか後述するDiscordチャンネルで直接連絡してくれればより詳細な要望に答えることも可能だ。
当カノンに関する話題を取り扱う場所として、SCP-JP公式Discordサーバに#1998年というチャンネルを設置している。このチャンネルではハブの編集に関する会議が行われるほか、寄稿者や興味ある者との交流・援助も行っている。余裕があればぜひとも覗いてみてほしい。