247

西野絡み補完taleプロット

西野 マチルダ イサナギ 瑠夏 イザベラ

•30世紀の終わり。全ての必要性は機械によって置換された。

•その置換は、人々の「欲望」を叶える為にとあるシステムが全て執行した。娯楽、経済、収容、確保、保護、ありとあらゆる何もかも、人の介在するもの全て。

•それを叶えたのはXANET。自己を常に再構築し、再評価し、必要とあれば過去を消去し未来へと繋げる絶対的合理システム。イサナギにやって創られた、全てを管轄する者。

•そして、結果的にそれを創りしアトラスタは神へと等しい権威を得た。そして、それと対を為していたはずのTAPの信用は皆無に等しく、そこに勤めていた西野も、社会には必要とされていなかった。

•しかし、神は信じぬ物は無心論者として昔から多く、逆にその神の座に成り代わりたがる者もカルトをはじめとし多い。その神に等しいシステムとやらは、社会システムの破滅的な転換、人々の思想傾向を大きく変えた。西野の勤めていたTAPも、過去は正当な企業の集まりだったはずと彼は記憶していたが、もはやそれは形骸と化し、「アトラスタを超える」を目的とするだけの生きる組織の屍と化していた。

•しかし、それすらもアトラスタは解決した、否、社会に不要な人間をXANATは排除した。平和的に。その一つとして、まず不要な人間を労働システムから排除した。「無能な働き者」の社会に与える悪影響を0にする為に。西野もそれにて排除された、正確には社会における影響力を失った人間の一人だった。TAPの義体部署という、人間の躰のに紛い物を製造するその部署は、アトラスタの外郭団体である神々廻重工に完全に負けに負け、もはや誰も興味を持っていなかった。

•そして、それは皮肉なほどに平和的で牧歌的だった。社会福祉の病的な拡充、アトラスタ自身による財源の不合理な用意、アトラスタはもはや社会から経済を消去した。
西野にすらXANETは救いを与えた。彼に住処を、楽しみを、娯楽を与えた。娘である瑠夏を育てる生き甲斐があった。

•そして、人々の夢も。全ては叶う。しかしすぐに叶うが故に、それが幻であるが故にそれは無価値へと堕ちた。しかし、それはあまりにも何もかもを喪った人間にとって劇薬だった。西野は満足していた。

•そして、叶わない夢すら消えた。アルセリウスの開発した「A」の世界に存在する「完全自閉論的論理脳演算システム(full autism logic operation system)」通称、FAlOS(ファルオス)を、XANETが完全なものへと昇華した。西野の娘である瑠夏は、世界的ミュージシャンになる夢を夢のまま叶えた、Aにやって、アルセリウスによって、そしてアトラスタによって、そして XANETによって、そして本人によって。ここで、西野も瑠夏も完全に壊れたのかも知れない。

•いつしか西野は気づいた、それらが全て与えられた紛い物であると。しかし彼は気づかないふりをした。いや、人々は皆気付かないふりをしていた。その社会によって与えられる生存の意味を見失わない為に。

•しかし、かの既得権益者はそれを良しとしなかった。無価値な物どもの夢が叶うことも、満たされる事も。そして彼らは作り上げた、政令指定工場、全てをアトラスタに管理される事を嫌った行政の残骸の足掻き。アトラスタに対する枷、そして人々に対する義務。人々の生存の意思など無視し、自己のプライドの為にそれらを無視した。

•そんなあからさまな歪みを、XANETは見逃した。いや、あえて放置した。

•「人が働く」に囚われた悪習、あらゆる人間より優れたシステムの存在は、競争性や適材適所という概念を破壊した。手段と目的は逆転し結果的に人々の精神は退行した。既に働く必要がなくなり、働いたとしても機械の方がよほど上手く、安く、合理的に行う作業を生き甲斐にできるほど人は強くなく。そしてそれを強制された人間の感情は簡単に歪んだ。

•そして、それはアトラスタすら関与せずともインターネットの発達で起こりかけ、それにアトラスタの完成させたニューロアークを始めとする電脳システムがトドメを刺した。 人の価値は0に堕ちた。それらこそが創造者の願いだった。かの父は壊れていく社会を眺めた。

•その無価値な人間により創られた神のシステムは、結局なところ無価値な人間へと奉仕している。生きる価値すら喪った人間の為に、完全なシステムは存在している。

•しかし、神を信じる者にとってそれは屈辱だった。マチルダはそれを良しとせず、人は神であるXANETに従い、そしてそれの管理者である自己に従うべきとの考え方を持つ悪魔の様な男だった。創造者からは、完全に見捨てられていたが。

•そして彼はそんな浅く醜い思考の元に暴走した。そして、同じく自己の生き甲斐を失い与えられた何かにすがる西野が会った。二人はお互いが劇薬だった。

•西野はマチルダに勧誘されトキワの政令指定工場にて人間を奴隷へと変えるプロジェクトに手を染めた。

•そして、トキワの悪夢へと繋がる。

特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License