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背景情報
このセクションは?
このセクションでは、1998年カノンの世界設定について解説しています。これさえ読んでおけば、大体の記事は飲み込めることでしょう。
その性質上、多少のネタバレが含まれるため閲覧する際はご注意ください。
より詳しく知りたい方は、外部サイトの拡張版設定資料集も確認してみるといいでしょう。
情勢
世界の情勢は日々変動し続けています。我々のような世界でさえ政治経済の事情は目まぐるしくしく変わっていくのに、ましてや異常・超常が世に現れ、技術が急激に向上し、常識を超えた事件や災害が起こる世界なら? ファンタジーが現実を上塗りする日がやって来ます。
まとめる?
1998、ポーランドで神格存在出現
プロメテウスが関与
ナツドリズム誕生と拡散
アメリカ合衆国
1998年のヴェール崩壊をきっかけに、SCP財団、世界オカルト連合、プロメテウス研究所、そしてアメリカ合衆国の間には同盟関係が確立された。この4権力を中核とする体制は、既存の条約──SUSEOCT (Southern United States Extranormal Organization Cooperation Treaty, 米国南部超常組織協力条約)、通称「メキシコ湾条約」を足掛かりに結成されたことから、俗に「メキシコ湾体制」の名で呼ばれていた。新世界秩序の傘下、世界は当初想定されていたよりは緩やかな日々を送っていた。
一方で、この体制を快く思わなかった者もいた。その代表格が第三世界を中心に活動する財団分派の半軍事組織「カオス・インサージェンシー」である。1999年2月、ランブイエ和平が世界オカルト連合監督下で成立して以降、インサージェンシーはメキシコ湾条約締結勢力への批判を本格化した。これに伴って、インサージェンシーはいくつかの攻撃を実行し、その意思を喧伝。2000年末までに、東欧・中東・中央アフリカに跨る秘匿された超常犯罪ネットワークが確立されと考えられ、これらの地域では闇資金と超常兵器の供給が急増し、紛争の激化を招いていた。
2001年9月1日に開会した国際連合超常問題特別総会は、7.12事件から3年間の国際情勢を鑑み、これらの問題への対処方針を策定するためにニューヨーク市の国連本部ビルで開催されていた。インサージェンシーはこの会議を標的にテロ攻撃を画策し、5機の旅客機をハイジャック。うち3機がマンハッタン島上空で魔術的儀式陣を構築したものの、GOCの呪術的迎撃措置により本来予定していた国際連合本部への突入には失敗し、目標を変更して世界貿易センタービルへ突入。これと同時に世界貿易センタービル付近の空間が異次元へ崩落し、連鎖的に周辺区域への浸食・拡大を開始し、多数の暴徒化した悪魔の集団が出現して市民を襲った。財団らは対応を開始したものの、悪魔の軍勢に加えて多数のCI工作員、彼らが持ち込んだ古代ゴーレムや歩行戦車、超常兵器
(詳細すぎかも)
メキシコ湾体制
マンハッタン・クライシス
悪魔労働者
パラテク繁茂によるカルト・犯罪組織の増加
UIU
(画像: マンハッタン)
日本
夏鳥思想の発祥地はここ日本である。本来この思想は市井より生まれ、過去へ帰ろうとする郷愁的観念を中核とするだけの、問題がないとは言い難いが、現況と比較すればそれほど悪いものでもない思想だった。ヴェーリズムの終焉と共に、市民の間には「異常の無い」世界へ帰るという願望が生まれ始め、夏鳥思想はその受け皿として機能していた。当時、インターネットを通じて「ナツドリ」として広まった夏鳥思想は、次第に海外でも賛同者が現れるようになっていく。特に強く受け入れられたのが欧米圏である。ショパン事変やマンハッタン・クライシスで傷ついた両者には、異常なき世界への郷愁が広く見られた。その後、これらの思想は社会情勢を受けてさらなる別の思想へと変わっていくのであるが──。
第二次パラテック・バブルで不死鳥がごとく蘇ったプロメテウス・グループは、当然というべきかアジア圏への攻勢も進めた。その進軍は日本まで届き、理外研や東弊重工といった
インターネットにのって広まる夏鳥
プロメテウス攻勢
奇蹄病事件とニッソ倒産
ナツドリズムが逆輸入
東京事変
ODSE産業と地下東京
ヌートリア移民と被災地周縁部
中央新都心構想
Yakushiの台頭とニッソ医機の勃興
道州制の導入
旧群馬県に作られるサイト-81Q5
超常医療産業と多様性シンギュラリティ
AC権利闘争の暁
ヨーロッパ
ソ連崩壊期の宗教ブームで巨大化
GoI-484Aから分離したGoI-484Eが東欧で増長
1998、ポーランドで神格存在出現
プロメテウスが関与
ナツドリズム誕生と拡散
EU、JOVEの活動
ギリシャが新伝承部族政策
2015、スペイン トンガラシ事件
長期間に渡る異常イベント
次元穴の国営探査、ODSE産業の芽生え
アフリカ・南米
ジョン・ドゥ・カルテル拡大
コロンビア陥落、マギファナ流通
UIU潜入→攻撃→悪魔契約でOC誕生
国連信託領
オネイロイ
エジプト・伝承部族
2019CK
正常化した2大陸へのナツドリスト流入
伝承部族やパラテクノロジー企業相手の攻撃
*対夏鳥戦争は本史では起きてないかもっとマシな形だと思われる (あれは一巡前/過去干渉前の世界である)
コロンビアのその後
団体
要注意団体はこのカノンにおける花形です。事件を起こすだけでなく、様々な形で社会と相互作用する様子を描くことができるでしょう。
メジャーカノンでも存在する団体の多くは、ヴェール崩壊後に活動が活発化したことを除いて、やっていることはあまり変わっていないでしょう。しかしながら社会情勢の変化に伴って、一部の団体は全く独自の道を歩んでいますし、新たに誕生した団体も多数存在します。
以下はこのカノンにおける、特筆すべき主要な団体の一覧です。
正常性維持機関・国家超常機関
人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない。
我々自身が立ち上がらなければならないのだ。
確保、収容、保護。
財団
財団、あるいはSCP財団は、GOCと並ぶ世界最大規模の超常機関である。彼らは”確保・収容・保護”の3つのスローガンの下に、人類史の背後で超国家的な収容活動を続けてきた。そこで取られていた超常隠蔽の方針こそが、世に言う”ヴェール・プロトコル”であった。
しかし、1998年のポーランド南部での大事件は、神秘のヴェールを捲くりあげてしまった。元凶となった神格実体の討伐後、財団は世間にその姿を表し、後に歴史の教科書にも載るように、異常とその対応機関の存在を公に認めることとなる。
そして2001年、テロ鎮圧の暁に財団が連合と共同で発表した“ハドソン川協定”をきっかけとして、異常存在の収容・粛清活動は以前よりも抑制される運びとなり、”超常の春”が社会に訪れた。
とはいえ、彼らは未だ財団であり、新世界においても”正常な社会”の維持に向けて活動を続けている。新たな財団は”人類の守護者”としての性格がより強まり、異常な事物の対策機関の位置づけで社会にその名を知られている。”正常”はもはや我々の知る姿ではないが、彼らの策定する基準に従って収容活動は続けられているし、超常技術等の取締にも各国機関ともども関与する。平和を脅かす脅威が迫れば、彼らは剣を抜くだろう。
2030年代からは世界各地で増殖しつつある反復性の異常症状を”財団指定難病”に割り振り、その治療に向けて精力的な活動を始めた。……しかしながら、その中枢施設の一つであるサイト-81Q5は、大きな翳りを孕んでいるようだ。
- サイト-81Q5
増加しつつある異常疾患への対抗策として、財団が建設した特殊医療サイト。日本全国の病院とつながっており、財団指定難病に区分される異常疾患の患者が搬送されてくるシステムが構築されている。しかし、奇妙な医療ミスなどの不審な点が垣間見えており……。
- 信濃中央新聞社
長野県に本社を置く財団フロント企業。ヴェール崩壊下においては、財団の実質的な機関紙として活躍している。その影響で同社は日本最大手のメディアにまで成長し、電子版アプリやテレビ会社を子会社に持つ等、大きな発展を遂げている。
終わりなき常闇との闘いに於いて我らが種を助けるために、君はここにいる。
だから私は君にこう言おう、ようこそと。
灯火を掲げよ。どれほどの犠牲を払おうとも、人類の安寧と生存のために勝利せよ。
世界オカルト連合
国際連合を母体とする、財団と対をなす世界二大正常性維持機関の片割れ。世界オカルト連合はその名の通り世界各地の超常組織を束ねた”連合”であり、財団同様に1998年以前から世界の背後で人類を守護してきた存在であった。GOCは財団同様にヴェール崩壊後も存続しており、”異常の警察”として振る舞っている。
異常存在の破壊・粛清を基本とする姿勢から財団とは対立していたものの、ヴェール崩壊以後は融和路線に転じ、相互交流に積極的な姿勢を見せている。とはいえ長年の遺恨はそう簡単に消えるものではなく、政治的・軍事的な対立は今なお残り続ける。
マンハッタン・クライシスの暁に発表された”ハドソン川協定”以後、彼らは粛清範囲を縮小させたものの、未だ脅威存在と認定した異常実体に対しては排除活動も行っている。特に大型敵性実体の出現時などには財団と共闘することも多く、その鍛え抜かれた手腕・技術は頼りになるだろう。
- 世界超保健機関 (WPhO)
WHOの対異常疾患部門。日々異常疾患に対処する傍らで、サイト-81Q5の実態について調査しているようだ。
- 国際統一奇跡論研究センター (ICSUT)
奇跡論研究を専門的に取り扱う、GOC最大の研究・教育機関。財団の教育機関であるプリチャード学院や、やや自由にすぎる校風で知られるディア大学とはライバル関係にある。
終わりなき常闇との闘いに於いて我らが種を助けるために、君はここにいる。
だから私は君にこう言おう、ようこそと。
灯火を掲げよ。どれほどの犠牲を払おうとも、人類の安寧と生存のために勝利せよ。
FBI 異常事件課
アメリカ合衆国司法省の有する、FBI内部の対異常部門。元は冷戦下で設立された部門であり、当時は様々な活動上の締付によって辛酸を味合わされてきた。超常存在が公のものとなってから、UIUは捜査員を増員し、権限と予算規模の拡大に努めている。特に9.11以降は対テロ闘争を名目に彼らの出番も増したようだ。
もはや彼らは無能でも傀儡でもない。しかし悪魔の労働闘争、過激主義者による魔導テロリズム計画、裏社会で流通するパラドラッグ、近年再興しつつある禁酒法時代のギャングなどなど、対処すべき事案は膨大だ。彼らはニューヨークの夜からシカゴの朝まで、アメリカ全土をかけずり回る日々を余儀なくされている。
MIA 異常調査局
ヴェール崩壊後、オリガルヒの関与によってロシア内務省傘下に設立された政府機関。異常存在の調査、回収、研究を通してパラテクノロジーの開発を行い、国際的に激化する超常競争のなかで母国の立場を向上させるために働いている。実地に赴いてアノマリーの異常性を把握する実働調査課、彼らの取得したデータを基に本格的な解析をする解析調査課、といったかたちで、異常調査局はいくつかの課によって成り立っているとされる。
財団やGOCとの関係は流動的であり、祖国の利害と対立しない限りは協力して任務にあたることも珍しくない。ただし、同じロシア国内の政府機関でも、国防省傘下の軍事機関であるGRU "P"部局とはゆるやかな対立関係にあるようだ。
超常技術供給者・学術研究機関
研究と洞察により、神秘はありふれたものとなる。
宇宙の扉は我々に向けて開かれているのだ。
我々と共に踏み出そう。
プロメテウス・グループ
パラテクノロジーを中心に取り扱う巨大企業連合であり、プロメテウス研究所がその中核に位置する。
プロメテウスは大戦期〜冷戦期にかけての超常開発競争の加熱化で巨大な勢力に発展していたが、冷戦終結に伴ってその力は急速に弱まり、1998年には経営難によってほとんど解体直前にまで追い込まれていた。かつては同等に渡り合っていた財団と連合からも、もはや解散前提で事後処理について議論されているような有様であった。
しかしそんな最中において、ポーランドでの神格出現事件とヴェールプロトコルの崩壊が発生し、世界情勢は大きく揺れることとなる。この際、二大正常性維持機関はプロメテウスの崩壊による超常技術の散逸、およびそれに伴う社会情勢の更なる混乱を見過ごせないという形で合意に達した。ここで両者は壊滅したポーランドの立て直し計画にプロメテウスを関与させ、巨額の出資とともにエンジンの紐を引っ張り直したわけである。
この”ポーランド特需”への対応とともに、同社は財団・連合の目下に置かれながらも一般市場への参画を再開させ、後に第二次パラテックバブルと呼ばれることになる景気情勢によってその業績を大幅に回復させることに成功した。
かくして不死鳥がごとく灰の中から蘇ったプロメテウスは、メキシコ湾体制に参加しつつその手を広げていった。彼らの波は世界各地の超常資本から脅威と受け取られ、それは遠きアジアの島国にまで及ぶこととなる。
しかし9.11をきっかけとする体制のゆるやかな崩壊のなか、プロメテウスは徐々に財団や連合の手綱を離れ始めたことが確認されている。……もはや制御しきれなくなった炎の行き先は、いったい誰が知るだろう?
ニッソ医機/日本生類創研
ヴェール崩壊と続く第二次パラテックバブルの影響はここ日本にも波及し、我らが日本生類創研もまた世界へと羽ばたいた。しかしJAGPATOの認可を受けずに活動していたことから財団、連合、日本政府から疎ましく思われていたところに、2009年に発生した獣変調ウィルスの偶発的アウトブレイクが重くのしかかる。上記事案を機に、社は積極的な取締対象とされ、更には多額の賠償責任がのしかかった。徐々に弱体化しゆく日本生類創研は、ついには法的解体にまで至ってしまったのだった。
しかし東京事変以後、国内企業の建て直しを図る政策に乗っかる形で再始動。再び結集した日本生類創研は確かな技術力と徹底した自浄努力、国の支援もあって数々の医療機器で世界トップシェアを誇る大企業へ返り咲き、「ニッソ医機」として新生することに成功した。「ニッソグループ」系企業の中核企業でもあり、同時期の医療企業連合である「Yakushi」には参加していない。
Yakushi
仏の名を名乗る巨大な医療企業の連合体。2040年代には異常な疾患に対応するための企業が複数興っており、これはその中でもとりわけ代表的な連合といえる。活動内容は普通の企業とはあまり変わらないが、連合体特有の財力と巨大さから時折財団と対立し、長いこと緊張状態にある。
- 薬師寺製薬
Yakushiの中核企業であり不動の序列一位。
日本人なら誰もがこの団体のコマーシャルを聞いたことがある。「どんな人でも大丈夫、仏のマークの薬師寺製薬!」
ドラッグストアには必ず薬師寺製薬の医薬品が置いてある。スキンケア用品、エナジードリンクなどカバー範囲は極めて広い。また、研究開発型企業としても活躍しており、ミーム風邪治療薬「アンタミン」を自社開発し上市した。主な研究分野はミーム感染症、超常整形外科疾患など。
1763年、薬師寺家の当主薬師寺惣兵衛が薬種中買商として独立した日が企業としての創立記念日とされているが、薬師寺家の歴史はさらに古く、一説によれば蒐集院の医療関係を担当していたとされている。
理外研グループ
多分野で構成される超常企業グループとしては日本最大級。旧理外研産業団1をルーツに持つ独立した企業達は、戦後も分野の枠を超えた横の連携を維持してきた。
グループ構成企業は、ヴェール消失から市場開放前にかけて、営利事業を行う国内最大規模の認可団体2として、日本の各市場に名を轟かせたものの、プロメテウス等の攻勢によって後退。以降、グループの各社は各々の分野で企業連を結成、または参加するなど、様々に巻き返しを図っているようである。企業連での役回りの多くは政府や財団との太いパイプを生かした渉外。
- 財団法人 理外学研究所
自然科学系総合超常研究所として広く知られる。そのルーツは大正時代に理研の裏に結成された同名の超常研究者集団。資金源は理外研グループによる共同出資や、同法人が持つ特許。グループ企業の研究者プールや共同研究体制を組織する為のベースとして機能している。
花籠学園
東京都9区に大規模なガーデンシステムの"庭"を内包する形で設立された私立の学園。敷地内の9割以上の面積を誇る"庭"は高度な能力を持つコンピューターに類するものであり、莫大なエネルギーを産む悪魔工学の召喚機構でもある。"庭"はあらゆる資源として転用されることが期待されており、医療分野、エネルギー生成施設、あるいは人工知能に対する試みの1つでもある。
それらの分野に関わる数多の企業、病院、政府機関の陰謀と策略によって成立した学園であるが、それに負けず劣らず在学生らも強烈な個性を持っている。花籠学園の設立目的には社会の急激な変化によって生じた異常性を持つ子供たちの教育を行うことが含まれる。要注意団体に所属している者も多く、財団のプリチャード学院がカバーできない者たちへの教育を確保する機関でもあると言える。
花籠学園は東京都の9区に位置しているが、1998年カノンにおける東京は次元災害によって壊滅してしまっているとされることが少なくない。花籠学園の存在は“東京事変”が発生した事実とは対立する関係にあるが、これらが実は両立した概念である可能性も存在する。
ショパン・カルト
ポーランドを中心に活動する超常カルトであり、伝説的な音楽家、フレデリック・ショパンをある種の神、救世主として崇拝している集団。ショパンがクリスチャンであったからか、カルトには随所にキリスト教の影響が見られるものの、根本は全くの別物となっていることに注意。
- 聖ショパン正教会
財団の指定はGoI-484A。最も”真っ当な”派閥であり、要注意団体-PLに掲載されているショパン・カルトの説明に最も近い団体。1960年頃にジェラゾヴァ・ヴォラでアンソニー・ブコウスキ氏により立ち上げられた小規模カルトが母体となっている。
- 聖ショパン再誕のための音術師協会
財団の指定はGoI-484E。GoI-484Aから破門されたヴォイチェフ・ノヴァク司祭が1982年に設立した、非常に過激な団体。
ある時ノヴァク司祭が異次元の神格存在に接触し、直接その恩恵を受け取ったことで急成長を遂げた。彼はこの神を聖ショパン本人だと考えていたものの、実際にはショパンに擬態しただけの暴力的な邪神であった。退廃的な儀式と引き換えに、この神は信者へと多数の強力な現実改変能力や奇跡論行使能力を授けてきた。
神格存在出現事件にて指導者含む8割のメンバーが死亡し、生き残ったメンバーもその後の正常性維持機関による掃討作戦でほぼ根絶されたが、未だ彼等の影響は続いているようだ。
帳が破られた今、虚構の存在が舞台を降りてやってきた。友好の仮面を被り嗤う彼らを、我らは再び封じ込めよう。
進歩を憂うか? 後退を掲げるか? ならば続け。人類の未来は今君の肩にかかっている。
カオス・インサージェンシー
第三世界の広域に広がる犯罪ネットワークと、多数の超常資産を保有する財団分派組織。正体不明の司令部“デルタ・コマンド”と作戦立案者“エンジニア”によって率いられ、その命を受けた工作員たちによって様々な“作戦”が実行される。
ヴェール崩壊後、合衆国・財団・連合・プロメテウス研究所の4大権力が接近し、俗に“メキシコ湾体制”と呼ばれる体制によって新たな世界秩序が構築されつつあった。これを危険視したインサージェンシーは後に9.11と呼ばれるテロを敢行し、マンハッタンを異界に転落させる。マンハッタン・クライシス自体は皆の奮闘あって解決を迎えたものの、この際に生じた組織間の割れ目から、4権力は徐々に離散していくこととなった。
マンハッタン・クライシス後の報道で広く知られるようになったカオス・インサージェンシーは、その後も様々な犯罪関与を続けており、世間一般では代表的な超常テロ組織の一つとして認知されている。
この世界における彼らの真の目的は、“人間による人間の世界の維持”である。異常が暴露され、人ならざる者たちが氾濫しつつある現状を憂い、かつての人間主義的な世界を取り戻そうと暗躍する。インサージェンシーにとっては彼らこそ人類の最後の防壁であり、目標達成のためならば、いかなる手段であろうと躊躇なく行使することだろう。
あの頃は良かった。異常なんてものはなく、世界には道理が通っていた。神格災害も、魔術テロも、何もなかった。
あの日々を取り戻したい。とうの昔に奪われた、美しかったあの日々を。
ナツドリズム諸団体
本来の夏鳥思想 (Natsudori Thought) は、日本の市井で生じたムーヴメントの1つに過ぎなかった。それは行動的な懐古主義の一形態として、個々人の思い出の中に還ろうとする、多少の問題はあるが比較的ささやかな運動だった。自動車の騒音がない時代を懐かしむように、彼らはパラテクや異常のない世界に郷愁を抱いていた。
当時力を増しつつあったインターネットを通して、夏鳥思想は日本のみならず、世界にまでも伝搬した。問題は、当時の欧米がこれをどう受け取ったかだ。当時、既にショパン事変やマンハッタンテロで激動の最中にあった欧米では、異常存在への悪感情がにわかに加熱しつつあった。そこに持ち込まれてしまった夏鳥思想は、徐々に何か別のものへと変わっていく──すなわち、ヴェール時代への回帰、超常の排斥を唱える市民運動へと。
そうして生まれた欧米的な夏鳥思想は、本来の思想と区別してナツドリズム (Natsudorism) と呼ばれることもある。この“ナツドリズム”は次第に欧米で猛威を振るうようになっていき、拡散・拡大・先鋭化を重ねていく。こうして歪な発展を遂げたナツドリズムは日本にも逆輸入され、奇蹄病事件や東京事変といった大変動のなかで感化される者も急速に増していった。更には2019年の南米大陸・アフリカ大陸の“正常化”に伴い、聖地と見なされた両大陸には世界中からナツドリズム主義者が流入し、複数の過激派組織によって紛争の激化や人道問題が生じている。
こうした背景から、ナツドリズムはその政治色と連帯性を強めていき、いくつかの思想集団を形成した。こうしたナツドリズム団体たちは活動地域や思想に広いバリエーションを有しているが、時に互いに協力して活動することも確認されている。穏健派や個人主義的なナツドリストも多数存在する一方で、過激派は差別発言や傷害事件などを起こす場合も多く、一部団体はテロ活動などにも手を染めている。このため世間一般にナツドリズムはあまり良い目をされておらず、肩身が狭くなった穏健派が過激派へ転向する負のフィードバックが生じる例もある。
ナツドリストは全体的にその傾向があるものの、特に過激派は悪魔、伝承部族、パラヒューマン、AFCといった存在に敵感情を向けることが珍しくなく、時にその矛先は異常関連団体や超常災害の被災者にさえ向けられる。しかし非合理なことに、過激派の多くは自らの目的を達成するためならばアノマリーの使用を厭わない。彼らのテロ活動や紛争地帯での犯罪には、超常技術が利用されているという報告が複数ある。
ナツドリストの大部分は貧困層〜中層であるが、富裕層にも彼らの側につくものが多数存在する。一部過激派団体の影には著名人たちの資金提供もあるとされているが、詳しいことはわかっていない。
- サハラ夏鳥臨時軍事政府
2019年の二大陸正常回帰事件をきっかけに、エジプトでナツドリストたちが成立させた政体。回帰前のエジプトが採っていた伝承部族との融和政策を放棄し、ホモ・サピエンス中心の活動を行う姿は、世間からの非難を浴びた。
- 南米正常解放軍
2019年の二大陸正常回帰事件をきっかけに、南米でナツドリストたちが結成した武装組織。南米に再進出しようとする超常企業たちへ向けて攻撃を行っているが、その活動には異常性保有者やパラテクノロジーが関わっているとの報告も上がっている。
もう、疲れてしまったんじゃないか。進み続けるこの世界に。悲惨が拡大するこの世界に。
ともに停滞に溺れよう。夢幻の享楽の海に沈んでしまおう。天上の楽園が君たちを待っている。
オルタナティブ・コロンビア
かねてより麻薬の氾濫で知られるコロンビアであったが、ヴェール崩壊後に出現した犯罪組織”ジョン・ドゥ・カルテル”によって多数のパラドラッグがバラまかれ、政府機能はその手に落ちた。合衆国にまで溢れ出したドラッグの出処を追ううちにUIUはコロンビアの実情を把握するが、傀儡政権は他の主権国家・正常性維持機関からの干渉断絶を宣言し、国土一帯がどこからともなく湧き出した麻薬の霧に覆われ、立ち入ったものは夢の世界に取り込まれるようになってしまった。
コロンビア領土は国際連合の信託統治領となり、立入禁止区域に指定された。領域内ではカルテルと結託した悪魔実体たちが徘徊し、目覚めない民衆からエネルギーを回収し続けていることが確認されておる。民衆の精神世界に構築された第二のコロンビアは、パラドラッグ漬けの狂気と退廃に溺れた世界となっており、ボゴタ上空に形成された幻像”オルタナティブ・コロンビア”にその光景が投影されている。
領域内では年齢・性別・国籍・種族を問わずあらゆる存在が同居していることがわかっており、そこを”楽園”と見なす者たちによってパラドラッグを媒介にした布教活動が行われている。
この夢法国家は現在カルテルたちに支配され、精神世界への移行も彼らが悪魔と契約を結んで引き起こしたものだと考えられている。コロンビアは世界最大規模のパラドラッグの産出地となっており、”魔薬” (マギファナ) の国際的流通や、暴徒化した悪魔による近隣地域での被害が問題となっている。
しかし2019年に南米大陸を襲ったCKクラス: 再構築イベントの影響で、天空のオルタナティブ・コロンビアも消失を迎えた──はず、だった。
用語
様々な用語があり、それぞれに独自の背景があるとき、その世界は彩られます。1998年カノンにおいても、そうして多数の用語が使用されてきました。
これらの用語には元々サイト内に存在していたものもあれば、1998年カノン内で独自に作成されたものも存在します。
以下はこのカノンにおいて、特によく登場する用語の一覧です。
- アキヴァ
意識/信仰に基づく意思エネルギーの物理的定量化指標。記号はAkであり、SI単位系に準拠する。対象に信仰が集まるほどアキヴァも高まっていくため、神格存在の強度測定によく用いられる。
- 悪魔工学
召喚デバイスを組み込んだ集積回路で悪魔を利用する技術の総称。1960~70年代には非異常の技術として一般の製品に広く取り入れられていたが、1970年代末に原因不明の異常効果が頻発すると、85年には一部の例外を除いて悪魔工学製品や技術は民間から取り除かれた。しかし、当カノンにおいてはヴェール消失後まもなく、2001年に民間企業が再発見するに及び、安全な代価として植物の生命エネルギーを用いる等の方法が発見されている。
- 悪魔実体
「悪魔」とは多元宇宙の他界を起源とする多種多様な異常な生物を指すために使用される言葉であり (第三法則ハブ参照)、様々な区分が設けられているが、召喚に際し契約に縛られる点では同一である。当カノンにおいては2001年のマンハッタン次元崩落テロ事件において大量に悪魔実体が出現、事件後はマンハッタンの復興作業に従事する個体もあれば、事件を引き起こす個体もある。
- 異常性保持者
異常性を持つ人物の広義の区分。AC (Anomalous Career) とも呼ばれる。ほぼ同義の既存用語として「超常人間/パラヒューマン」「超人間/アナヒューマン」が存在。1998年に存在が一般社会に知られ、2001年に締結されたハドソン川協定を期に権利が認められていった。
- 異常性保持者保護法
世界的な人型実体の権利保証活動の最中、日本で成立した法律。当初は後天性パラヒューマンの権利擁護を掲げていたものであった。2025年、時代の変化や異種族への受容等の理由により改正、先天性パラヒューマンや伝承部族にも対象が拡大された。
- ヴェール
世界各国の政府と正常性保護機関による、異常、超常、オカルトを人類の大多数から隠す、もしくは偽装するという方針に与えられた名称。この世界においては、1998年7月13日を境に存在しないものとなっている。
- エスパノルヌートリア
スペイン神格存在出現事件における食物連鎖の大規模な撹乱現象によってカワウソ型のAFC種族に変異したスペイン国民(イベリア半島本土在住)の総称。知能、寿命、声帯は人間自体のものを維持しており、手(前足)も通常種のカワウソのものよりも広い可動域を持つ。変異範囲外に居住していた等の理由で形質変異を経験しておらず、従来のヒトを保っているものはエスパノルヒュマノと呼ばれる。
- オルタナティブ・コロンビア事件
2006年10月2日に発生した事件。コロンビア政府による他の国家や正常性維持機関との訣別宣言およびボゴタ上空に出現した非実存領域への全生物種の移行事象の総称。これによりコロンビアは事実上の鎖国体制へと移行した。事件の詳細についてはシーズン2006: 大麻畑でつかまえてを参照。
- カック灰
アキヴァ放射によって消失した生物が残す“灰”。視認は可能だが物理的な干渉は不可能である。1998年にカック研究員によって発見された。カック灰が多く堆積した地域ではHm値が不安定になる。接触・吸引することで体内EVEに短期的な乱れが生じ、特に妖術者にとってはバックラッシュの制御を誤り致命的な事態に発展することがあるほか、初期のVERITASやカント計数機は撹乱を受けて計測不良を起こす。
- 奇跡論
所謂”魔法”を科学的に研究する学問。統一奇跡論はこの分野の中で最も広く受け入れられている理論的な体系である。詳細は████████████教授の奇跡論講座を参照。
- 奇蹄病
日本生類創研の開発した獣変調ウィルス、TX-85957による感染症。感染者の身体には動物的部位が発生し、場合によっては死に至る。2009年に神奈川県の日本生類創研施設から漏洩し、日本国内でのエピデミックを引き起こした。
- 財団指定難病
異常疾患による社会への影響を懸念し、2020年後半に策定された枠組み。非異常なもの含む疾患のうち、「1. 現代科学において解明不可能な原理に基づいている」「2. 治療の可能性を期待できるもの」「3. 他者に少なからず影響を及ぼす異常性を有していること (感染性を持つことも含む)」「4. 財団の収容が必要であると考えられるもの」の4要項を満たすものと定義され、財団医療部門特別委員会の過半数の賛成により財団指定難病として指定される。
- サイト-81Q5現実崩壊事件
2041年12月24日に財団日本支部のサイト-81Q5で発生した事件。元々は財団指定難病(DIDF)の治療目的で設立、運営されていた医療施設が事件の影響により具体的な意味性とユークリッド空間的ベクトルが喪失している危険領域となった。事件の詳細についてはシーズン2041: 病院の窓から覗いた朝を参照。
- 次元路
同一次元内に散在するアクセスポイントを経由して高速移動を可能とする技術。2010年代に開発され、先に開発された跳躍路と同様、(既存の) 災害に強い高速移動手段でありながら、建設コストが優れていたことから、これにとって代わったが、2017年に発生した東京現実崩壊性災害の際に通行者に大量の死者を出したことで、日本では公共事業から排斥された。
- スペイン神格存在出現事件
2015年8月13日から同年11月29日に渡り、スペイン北東部で発生した神格降臨事象とスペインのイベリア半島領土における奇跡論的災害の総称。この事件で4000万人以上が形質変異の影響を受けた。民間では"スペイン国民カワウソ化事件"、"トンガラシ事件"などと呼ばれるほか、財団では内部コードとして"イベント・オッタル"の呼称が用いられる。事件の詳細についてはシーズン2015: プルス・ウルトラを参照。
- スペイン2016年憲法
スペイン神格存在出現事件終結後にスペインで制定された新憲法。条文にはスペイン国籍を保有するパラヒューマンや異種族の権利保証が明記されており、当時の世界においては先進的なものであった。制定理由としてはスペイン神格存在出現事件の影響により動物特徴保持者(AFC)が多数派となったためとされる。
- 第█世代
1998年の神格存在出現事件以降に生まれた子供たちを「第一世代」とする年代区分。「第一世代」の子世代である「第二世代」以降、体内の平均ヒューム値が従来の約1.0Hm以上を上回るようになり、限定的な現実改変能力を獲得した。
- 中央新都心
旧群馬県前橋市をベースに作られた中枢都市。東京の政治機能・金融機能を引き継いでいるだけでなく、多様なパラテクノロジーを取り入れた先進性をも兼ね備える。
- 跳躍路
出発地と目的地に作成したポータルから小型宇宙を中継することで、高速移動を実現する技術。2006年に開業した日本のリニア中央新幹線が、世界初の鉄道営業での活用例。後発の次元路より建設が高コストの為に一時は新規着工が滞ったが、2017年の東京現実崩壊性広域災害に際して多くの犠牲を出した次元路に対し、跳躍路を死亡原因とする事例がなかったことから再注目された。
- 東京現実崩壊性広域災害
2017年12月17日に発生した東京を中心とした南関東での超常災害。現実崩壊による異常現象で都市圏が破壊され、万単位の犠牲者が発生した。この災害により東京が壊滅したため、日本国政府は首都機能を移転させることを決定した。民間では”東京事変/東京事変災害”3の呼称でも知られる。詳細についてはシーズン2017: 東京事変を参照。
- 動物特徴保持者
身体に動物の特徴を持つ人物 (特定獣人種族、知性化動物、獣変者、人獣融合者、奇蹄病患者) の総称。通称はAFC (Animal Feature Career)、アニマリー ("アニマル"と"アノマリー"を掛け合わせた造語)。異常性保持者の中で最も権利が与えられるのが遅かったグループであり、2038年時点においても差別や偏見の対象となっている。
- 長野市AFC殺傷事件
2037年8月1日に長野県長野市で発生した殺傷事件。この事件により26人が死亡、38人が負傷した。被害者に動物特徴保持者(AFC)が多かったことからこの名称が付けられた。AFC受容が進んでいたことや従来のヒトも犠牲になっていたことから容疑者への世間の反応は冷ややかなものであった。事件の詳細についてはシーズン2037: 黎明に轟く咆哮を参照。
- 二大陸正常回帰事件
2019年9月13日に発生した限定的なCK-クラス:再構築シナリオ事象。結果として、アフリカ大陸および南アメリカ大陸がポーランド神格存在出現事件を経験していない形となった。両大陸の住民は再び異常に対して無知となる事を強いられたほか、夏鳥思想連盟を含む反アノマリー主義者たちは当該地域を聖地として認定し、人口の流入を加速させた。
- 認知現実論
人類の共有する世界観、つまりは世間の大多数が現実と考える合意的現実によって、認知学的に世界のあり方が規定されているという学説。この理論に照らして、ヴェール崩壊で異常が公知となったことが、異常発生件数の増加した原因ではないかと疑われている。
- ハドソン川協定
国際連合本部での超常問題特別総会開催中に発生したマンハッタン次元崩落テロ事件終息に際し、財団と世界オカルト連合間で締結された協定。当該事件の事後処理に関連する全125条に及び、特に正常性・現実性を毀損しない限り人型異常/脅威実体の人権を擁護することを表明した第125条は、パラヒューマンの人権問題の一里塚である。
- パラテクノロジー
現在の (ヴェールの外側での) 最先端技術を超えた非異常性技術 (所謂オーバーテクノロジー) と、未だ十分に理解されていない超常的な原理を利用した、あるいはそこから派生した技術の総称。当カノンではヴェールが破れているため、1998年が遠ざかるほど、後者の意味合いが強まると考えられる。パラテック、パラテクなどと略されることが多い。
- パラドラッグ
超常的手段で製造された違法薬物/電子ドラッグの総称。超常生物や超常植物から生成されたものや悪魔実体から生成されたもの、中には脳神経に直接的な影響を及ぼす電子情報など多岐に渡る。オルタナティブ・コロンビアの重要な外貨となっているほか、同領域内における超常的文化の主軸となっている。
- 不詳実体
Unknown Entity、略してUEとも。未特定・未分類の実体に対して暫定的に使用される。実体が収容または詳細に研究された場合は別の呼称が設定されるため、このコードが設定された実体は詳細不明のまま消失あるいは殲滅されていることが多い。財団と世界オカルト連合の統一コード。
- ポーランド神格存在出現事件
1998年7月12日午後から13日早朝に渡り、ポーランド南部で発生した神格降臨事象。この事件を切欠として、この世界のヴェールは捲くられた。民間では"0712事件"、"7.12"などと呼ばれるほか、財団での内部コードとして"イベント・ペルセポネ"の呼称が用いられる。事件の詳細についてはシーズン1998: ワルツの夜を参照。
- マンハッタン次元崩落テロ事件
2001年9月11日発生、15日終結。米国マンハッタンにおいてカオス・インサージェンシーが引き起こした大規模超常テロ事件であり、一時的に同市を悪魔実体らの住まう異次元空間へと引きずり込んだ。事件の名称については、民間ではマンハッタン・クライシス、9.11テロなどと呼ばれるほか、財団では内部コードとして"マンハッタン・カオス"の呼称が用いられる。事件の詳細についてはシーズン2001: 合衆国の一番長い日を参照。
- メキシコ湾体制
SCP財団・世界オカルト連合・プロメテウス研究所・アメリカ合衆国の4大権力から構築される新世界秩序の俗称。米国南部超常組織協力条約 (SUSEOCT) を基盤に構築されたためこの名で呼ばれる。財団視点では財団・連合の特殊資産が集中する北米全域における衝突の防止、ヴェール・プロトコルの段階的廃止におけるモデルケースとして運用されていたとされる。しかし9.11を切欠として団体間に亀裂が生じ、体制は次第に弱まっていった。
年表
1998年のヴェール崩壊を皮切りに、この世界は波乱万丈極まりない歴史を送ってきました。社会の様相は、様々な事件の発生や技術の進展によって、日々目まぐるしく変化し続けています。彼らが描く軌道は、最初こそ我々とよく似ているものの、段々と異なる方面へ進んでいくでしょう。
以下の年表では、社会に大きな影響を出した事件や、その頃の状況を象徴するような出来事についてまとめています。実際には時間異常や著者ごとの解釈の差異が加わるため、年表はもっと複雑なものとなり得ますが、ここでは大部分の著者に共有されている基本的な”メジャーライン”に絞って掲載しています。
- 1998年
- 2001年
- 2006年
- 2009年
- 1月28日 ― 奇蹄病事件発生。日本生類創研によりTX-85957獣変調ウィルスの偶発的アウトブレイクが引き起こされ、事態の収束までに日本国内で1500名が死亡。日本国内における動物特徴保持者の数が大幅に増加する。[言及]
- 2015年
- スペイン国民カワウソ化事件発生。スペイン王国にて要注意人物「トンガラシ翁」が神性を獲得。スペイン国民の9割がカワウソに変異し、翁の捕食対象となる。[言及]
- 2017年
- 12月17日 ― 東京現実崩壊性広域災害 (東京事変) 発生。東京全域で異常現象が急発生し、以後26年間東京を中心とする南関東を破壊し続ける。[言及]
- 2019年
- 9月13日 ― 二大陸正常化事件発生。大規模なCKクラス: 再構築シナリオが発生し、アフリカおよび南米がイベント・ペルセポネの影響を受けていない形にリセットされる。これに伴い夏鳥思想連盟の活動が活発化。[言及]
- 2020年
- 2025年
- 日本で異常性保持者保護法が改正され、新たに動物特徴保持者が保護の対象となる。[言及]
- 2026年
- 3月13日 ― 日本が道州制を採用する。新たな首都となった群馬は大きな発展を遂げている。[言及]
- 2041年
- 12月24日 ― サイト-81Q5現実崩壊事件発生。巨大医療施設サイト-81Q5にて局所的な現実崩壊が発生し、大量の患者・職員を巻き込んで異常空間化する。[言及]
- 2043年
- 東京現実崩壊性広域災害が終結。調査隊が派遣されだす。[言及]
- 2048年
- 淡路島にて巨大神格存在が出現するも、現地に駐屯していた自衛隊により爆破処理される。[言及]
To Be Continued…
執筆リソース
より詳細な設定集やCSSテーマなどの、あなたの執筆に役立つかもしれないリソース。
拡張版設定資料集
SCP-JP環境再現サイト (外部サイト) に置かれている詳細な設定集。完全なものではなく、有識者を中心に日々追記が行なわれています。
その他のまとめページ
いずれもSCP-JP環境再現サイトのものです。
テーマ / コンポーネント
1998カノンに強く関連するテーマやコンポーネント。
- SCP-JPへの正式投稿済
- 外部サイト
コンテストアーカイブ
過去開催されたカノン内イベントの記録。

投稿期間
2021/2/8 0:00 ~ 2021/3/8 23:59
投票期間
2021/3/9 0:00 ~ 2021/3/15 23:59
総合部門記録
金賞
駅・戦争・天使
by carbon13
銀賞
財団 SCP-606-JP“拷問教会”の機密指定を解除
by ykamikura
銅賞
プロメテウス・ジャーナル2021年春号日本語版
by Tark_IOL
その他の参加作品についてはコンテストハブをご確認ください。
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