百足夜行とパワーレンジャー

マンハッタンは燃えていた。

3機の飛行機がビルに突っ込んでからというもの、世界は文字通りの意味で地獄に堕ちた。俺たちも皆巻き添えだ。

地獄にはありったけの悪魔に加え、得体のしれないモンどもがウヨウヨしていやがった。俺たち5人組は咄嗟に、近場にあったショッピングモールへと逃げ込んだ。

「なあオイ、こりゃマズイぞ」
そう言うのはグループで一番映画好きのマイク。黒人メガネのナードだ。

「何がまずいってんだよ」
コイツはチャンク。グループで一番腕っぷしが強いナードだ。自称”ヤリチン”らしいが、俺たちの誰もコイツが女を連れているところを見たことはない。

「まずいに決まってんだろ!ホラー映画とかパニック映画じゃショッピングモールは死地そのものだよ!きっとここにもゾンビかなんか出やがるぞ」

「ゾンビなんか出るわけないだろ?」

「さっきの見ても言えるわけ?」
救援に回ったのはバーチ。常にフレンチ・メイド服を着たナードだ。ちなみに性別は誰も知らない。

「いや……まあそうだな」

「だろォ?ここはヤベーって」

「でも他に行く場所もないですよね」
彼はパット。伝統的ナードだ。”特撮”オタクのジャパン被れ。

「とにかくだ、俺たちはここに籠城するしかねえ。今更出ていくのも危険だ。確かにここはそういうジャンルだとゾンビボックスになりがちだがよ、それだけ良い場所だってことでもあるだろ」
そして俺。ゲーマーのサンディ。こいつ等のまとめ役を負うことが多い。ナードではないぜ、決して。

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