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リサイクルコンテスト2021 アイデア個別ページ

投稿者: stengan774stengan774

種別: 塩漬け記事

タイトル: 祝福、新たなる時代へ

概要: テスト

詳細:

監督評議会による指令

このファイルはレベル4機密対象です1

==要LEVEL4クリアランス==

時代をゼロから始めよう。

アイテム番号: SCP-2000-JP

オブジェクトクラス: Safe/Keter2

特別収容プロトコル: SCP-2000-JPの位置情報は一般社会から完全に秘匿されます。SCP-2000-JPの収容位置は最低でも5m×5m×5mの大きさの部屋の中央を維持し、装置の下部の検査をできるよう油圧リフトにのせます。部屋のドアは常に施錠されており、[データ削除済]。担当研究班とLevel5以上の職員はアクセスコードを使用することができます。SCP-2000-JPに関する全ての科学調査は明確なO5承認でのみ認可します。

SCP-2000-JPが精神影響性を有しているために、収容室の内部に侵入する職員はテレキル合金製のスーツを装着し、SCP-2000-JPと接触した職員は接触してから1ヶ月以内にHMCL監督官の指示による定例精神鑑定を受けてください。

SCP-2000-JPへのエネルギー供給は評議会指令によって無期限に継続されます。

説明: SCP-2000-JPは人の背丈ほどの大きさの巨大な機械に見えます。重さは█████████.███ポンドです。装置は主に多種の金属で構成されており、金属部は真鍮、ベリリウム青銅、鋳造・錬成された鉄、銅、鋼、アルミニウム、[データ削除済]からできています。

SCP-2000-JPの特徴はその素材の特殊性だけではなく、周囲の人間に対して異常なミーム3を拡散することにあります。

SCP-2000-JPの能力範囲はおおよそ地球の北半球全域(とくに先進国の人口密集地帯を中心とする)に重なっており、非常に広範囲であるといえます。

SCP-2000-JPがもたらすミームの内容は、西暦2000年以前に対する懐古主義を暴露者に及ぼすことです。特にこの効果は  個人差はありますが  SCP-2000-JPに近づくほど強く発揮されています。研究者たちは、この影響が健全な文明発展に影響するのではと危惧してます。

覚書: 曝露者は、「現在の自分の生活が“色あせて”いるように感じる」、「未来への漠然とした不安」、「1999年は大昔に感じるが2000年は最近のようだ」といったことを発言しがちです。さらなる情報は暴露実験記録███-█を参照のこと。

- ギアーズ博士

補遺2000-JP-01: SCP-2000-JPの顕著な暴露者に対するインタビュー記録です。

対象: Dr.█████

インタビュアー: [評価が完了するまで編集済。記録の中では「インタビュアー」と記述]

前文: インタビューはSCP-2000-JPの効果発覚後に行われた。対象はSCP-2000-JP研究班の一人である。インタビュー時点で対象はSCP-2000-JPの能力を正しく認識し、自分がそれに曝露していることを自覚している。

<録音開始>

インタビュアー: それではインタビューを始めたいと思います。

Dr.█████: ああ、よろしく頼むよ。

インタビュアー: あなた自身がSCP-2000-JPの影響下にあると気づいたのはいつですか?

Dr.█████: たしか、SCP-2000-JPの[データ削除]実験を終えてから帰宅した頃だったと思う。私は好きなビデオを見ることにした。ミッション:インポッシブル2だ。トム・クルーズの活躍がいつも通り私の気分をすかっとさせてくれるはずだった。

インタビュアー: それが違った訳ですね。

Dr.█████: ああ、突然、何とも言えない虚無感に襲われたんだ。私はいぶかった。映画におかしな点は何もなかった  何度も巻き戻して確かめた  そしてやっと気づいたんだ。

インタビュアー: なにが原因だったのでしょう。

Dr.█████: 今は何年だ?

インタビュアー: 2003年ですね。

Dr.█████: M:I-2は2000年の映画だ。もう3年だと? 信じられない。M:I-2は最新映画じゃないのか? つい最近までシネマでやっていたような気がする。

インタビュアー: 落ち着いて下さい。論理的に考えてそんなことはあり得ません。

Dr.█████: ああ、分かってる。それは分かっているんだが・・・・・・。感覚が受け入れられなかったんだ。なんだか、全てが遠く過ぎ去っていくようで。自分だけが変われずに取り残されているような・・・・・・。

インタビュアー: それで財団に通報したわけですね。

Dr.█████: そうだ。・・・・・・なあ、これは異常なんだよな。私は、正常じゃないんだな。これで私の不安は、説明できるんだよな。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー後、対象には記憶処理(amnesia)を施してみたが、精神状態は改善しなかった。

恐れるものは何もない。

補遺2000-JP-02: SCP-2000-JPは2002年に北緯35度4█分██.██秒 東経137度4█分██.██秒地点で、休暇中の財団エージェントによって回収されました。その地点には財団の認知していない巨大な施設が存在しており、SCP-2000-JPを稼働させるためのエネルギープラント4となっていました。このことからSCP-2000-JPを維持するためにこの施設内でSCP-2000-JPの封じ込めがなされています。


また、奇妙な点として施設内には“SCP財団 怪奇部門(Department of Abnormalities)”と表記された金属製プレートが多数壁に貼り付けられていました。

さらにエージェントは1996年頃に失踪した「管理者」のものと見られる手記を発見しました。以下がその全文です。

歴史が流れ続ける大河であるとするならば、我々一人一人の人生は水のひとしずくであろうか。それとも水面にたゆたう泡であろうか。どちらにせよ、大いなる変遷の中で「個」を保つことは、かように難しい。

我々は人類が恐怖するものと最前線で戦い、科学の粋を尽くして災厄を封じ込め、伝説の怪物を伝説のまま遠ざけてきた。そして今、我々はどこへ向かっているのだろうか。何に成ろうとしているのだろうか。

我々の数は多くに増えたが、不可解なるものもそれに応じて力を増している。人類が、そして財団が、私の力を必要とせず立ち上がらなければならない。この施設は、私から人類への最後の希望だ。

新たなる世紀が、条理の灯に満ちたものであることを願って。

scp-logo-signature.png
確保、収容、保護。

管理者

歴史をゼロに巻き戻すんだ。

padlock.png

注記: 以上のファイルは歴史的資料としてのみの掲載です。

当ファイルは現行文書の過去のバージョンです。そのためロックされ、アーカイブされています。内部に含まれる情報は不正確であるか、最近の利用可能なデータを反映していない可能性があります。

あなたは現在、この文書の初版(2003/02/14)を閲覧しています。この文書の最新版を閲覧する際はセキュリティクリアランス適合確認をクリアした上で最新版のファイルにアクセスしてください。

— 記録・情報保安管理局(RAISA)管理官、マリア・ジョーンズ

・・・

・・・

・・・

答えはすべてそこにある。

一般通告2000-JP-アルファ

SCP-2000-JP文書情報取得にはHMCLおよびO5による許可が必要です。
閲覧端末のIDと以下の認証コードを照会しますか?
RAISA認証コード-ぬばたまの黝き月か吼ゆると

・・・

・・・

・・・

BY ORDER OF THE OVERSEER COUNCIL



The file you are attempting to access is available to personnel with Level 4/2000-JP clearance only.

Attempting access beyond this point without necessary clearance is grounds for termination of Foundation employment and cancellation of all educational, medical, retirement, and mortality benefits. By submitting your credentials you hereby consent to exposure to a known cognitohazardous image, and verify that you have been inoculated against that image.

In the event of unauthorized access, this console will become inoperable. Security personnel will be dispatched to revive you and escort you to a detention cell for interrogation. Attempting to access this file from any computer not connected to the Foundation Intranet will result in immediate termination regardless of clearance.

item#: SCP-2000-JP


監督評議会命令

下記のファイルはレベル4/2000-JPの機密事項に指定されています。不正なアクセスは禁じられています。

2000-JP

現在を進めよう。

    • _


    nature-sunset-river-dusk.jpg



    生命反応検出。

    ミーム接種を確認。

    ようこそ、担当職員様。



    サイトja.scp-wiki.netが見つかりません。

    脅威レベル:

    view-of-earth-map.jpg

    SCP-2000-JP-Cの主な影響地点


    配属サイト サイト管理官 研究責任者 担当機動部隊
    JPINNG サイト-8111 J・カーライル・アクタス ラルフ・ロジェ E-11 “九尾狐”

    特別収容プロトコル

    SCP-2000-JPおよびその封じ込めと維持に関わるあらゆる手順に言及する正確な情報はレベル4/2000-JP未満のクリアランスを持つ財団職員から完全に秘匿されます。レベル5/2000-JP以上のクリアランスを持つ職員もしくはO5承認を受けた職員のみがSCP-2000-JP-Bのサブレベル3:SCP-2000-JP-A収容室階へのアクセスコードを使用することが可能です。レベル5/2000-JP以上のクリアランスを持つ職員もしくはSCP-2000-JP担当HMCL監督官の裁量によって追加の人員がSCP-2000-JPに割り当てられ、一時的にレベル4/2000-JPクリアランスを与えられることが許可されています。

    評議会指令によってSCP-2000-JP-Aは常にSCP-2000-JP-Bと接続され、無期限に稼働を継続されます。SCP-2000-JP-A収容室への進入は定期検査の際のみに限定されます。

    SCP-2000-JP-Bは外観を非異常性の工業施設のように偽装されます。その性質上、一般的財団施設保安プロトコルに加え、クレフ/コンドラキ敵対的異常妨害手順(C/KAAシーカーシステム)により、物理・超常脅威から最大限の保護がなされます。SCP-2000-JP-B維持職員は必ず1ヶ月ごとに心理学的精神スキャンを受けることが義務づけられています。この際HMCL監督官の指示による認容基準からの著しい逸脱者にはクラスA記憶処置が施され、他の高セキュリティあるいはKeterクラスオブジェクトへの割り当てと整合する虚偽記憶が埋め込まれます。

    SCP-2000-JP-Cに関連する事象については財団の資源によってできる限り軽減されるべきではありますが、資源割り当てはSCP-2000-JP-A、-Bの維持を優先します。この方針はSCP-2000-JP運用アセスメントにおいて指摘されている懸念点に留意した上でO5評議会決定に責任を委ねられます。

    説明

    SCP-2000-JPは「管理者」によって2000年~2002年の間に構築・建造・発生されたと考えられている一連のオブジェクト群に与えられる統合ナンバリングです。管理者の失踪以後、財団は管理者の実行していたプロジェクトについて関知することはありませんでした。そのため、SCP-2000-JPがどのような運用を想定されていたのかは不明です。発見から現在までSCP-2000-JPは財団によってその稼働を維持し続けられています。

    movement-2532158_640.jpg

    SCP-2000-JP-Aの機構の一部

    SCP-2000-JP-AはSCP-2000-JP総体の制御装置です。SCP-2000-JP-Aは未知の金属を構成要素に含んでおり、発見当初はその素材の特殊性からSCP-2000-JP-Aのみがオブジェクトとしてナンバリングされていました。また、SCP-2000-JP-Aはその機能の一部に財団の秘教技術を使用されており、これが後述するSCP-2000-JP-Cの発生要因となっていると考えられています。

    SCP-2000-JP-Aの前面にはディスプレイがあり、常に以下のように表示されています。

    The ListPages module does not work recursively.



    ------
    Welcome, User
    ------



    世界は滞りなく停滞中です

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    SCP-2000-JP-Bの外観

    SCP-2000-JP-BはSCP-2000-JP総体の維持に関わる施設群です。施設の基幹部位は地上75mから始まり、100mの深さまで広がっています。施設はレベル2~サブレベル3までの6階層に区別されており、それぞれに固有の機能と役割が設定されています。詳細な施設レベルのリストは文書2000-SS-JPを閲覧して下さい。

      • _

      brainwash.jpg

      レベル2: ハトザキ概念攪拌房

      レベル2: 効果拡散施設
      後述するSCP-2000-JP-Cの効果範囲を拡大するための施設です。この施設は多様な機械的・電気的・生物的・魔術的(thaumaturgic)機構からなり、その機能と構造はSCP-4004類似したものですが、構成する異常物品の中にはSCP-052-JPSCP-1408部品などの全米確保収容イニシアチブ(ASCI)との関連性が薄いオブジェクトや、モルフェウス型夢界侵犯誘導技術を筆頭とする最新技術の使用などSCP-4004とは異なる点が散見されます。

      pipeline.jpg

      レベル1: エネルギーパイプライン

      レベル1: 第1エネルギープラント
      主にレベル2へ供給するエネルギーを生産している施設です。レベル2の性質上のためか、構成する技術は超常的なものが多く見られます。具体的な例では、テスラ-アンボロー・エントロピー反応炉ソリダリティ溶解ナトリウム熱交換システムなど財団に現在解明されている超常技術の一部が使用されていることが判明しています。

      generater.jpg

      レベル0: ジェネレーター

      レベル0: エントランス
      大部分がレベル1と吹き抜けで接続されており、大きな点での差異はありません。しかしレベル0の最深部には書斎もしくは作業室が存在しており、残されていた手記などから「管理者」によって使用されていたと考えられています。

      facility.jpg

      サブレベル1: エネルギー生産プラント

      サブレベル1: 第2エネルギープラント
      主にサブレベル2以下へ供給するエネルギーを生産している施設です。サブレベル2の性質上のためか、構成する技術は一般的物理法則に則したものが多く見られます。具体的な例を挙げると、液体フッ化トリウム反応炉(LTFR)電源や地熱発電機などです。サブレベル1以下の施設はレベル0以上の施設とは完全に独立した構造となっており、これはSCP-2000-JP-Aを維持するための施設を地下に集中させ、重要施設の安全性を上げるための一種のフェイルセーフだと考えられています。

      library.jpg

      サブレベル2: 電子ライブラリ

      サブレベル2: ライブラリ
      恐らくSCP-2000-JP-Cを発生させる前段階に集積された情報群を保存する施設だと考えられています。西暦2000年における社会状況・気候環境・音楽や文学などの各種文化活動・政治法律・経済活動が電子的媒体及びバックアップとして紙媒体/マイクロフィルムで記録されており、常にSCP-2000-JP-Aが参照できるように構築されています。

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      サブレベル3: アクセスゲート

      サブレベル3: SCP-2000-JP-A収容室階
      SCP-2000-JP-Aの収容室及びSCP-2000-JP-Aに接続される各種供給ラインが構築されている巨大な空間です。SCP-2000-JP-A収容室にアクセス可能な唯一の扉には"CAUTION: THIS MACINE HAS NO BRAIN USE YOUR OWN"(警告: この機械は思考する頭脳を持たないため自分の脳をお使い下さい)という文面の看板が取り付けられています。


    SCP-2000-JP-CはSCP-2000-JP-A、-Bによって発生させることが可能である世界的なミームベクトル操作です。このミーム的異常は当初、西暦2000年以前に対する懐古主義としてのみ観測されていましたが、のちにミーム及びヒュームに関する研究が進展したことにより、その副次的効果と併せて性質が解明され、SCP-2000-JP-Cとして指定されることになりました。

    SCP-2000-JP-Cの影響範囲は世界の主要人口密集部と重複しており、人型アノマリー群を含む全人類の少なくとも7割強がその曝露者であると判明しています。これはノウアスフィア5の改変をもたらし、人類の合意的現実consensus realityに対して直接作用します。

    合意的現実とは世間の大多数が現実と考える事柄であり、共有する個人の表層によってヒューム的な安定状態にある形而下学的事物を指します。この合意的現実とそれ以外の秘匿されるべき異常の境界がヴェールと呼称されます。

    SCP-2000-JP-Cのミーム効果は合意的現実作用による表層意識群の統合により、本来それを及ぼすにに不十分な改変強度を収束させることで結果として全世界的な現実改変を発生させます。6この改変の内容は、西暦2000年の社会情勢への再帰指向という形で一般的に表出されます。以下は、SCP-2000-JP-Cの効果によって発生したと考えられる西暦2000年との類似事象のうち、より最新版の要約リストです。完全なリストは文書I 2000-JPを参照してください。


    概要 2000年における事象 2019年における類似事象
    日付・時刻に関連する機械の不具合 2000年問題によるコンピュータシステムの不具合が複数発生するが、予想されたほどの大きな問題は起きなかった。 UTC4月6日23時59分41秒にGPSの内部時計がオーバーフローして0に戻ったため、一部の航空機の運航に遅延・欠航が生じた。
    台湾の政治情勢 台湾の総統選挙が行われ、民主進歩党の陳水扁が当選。 2020年の台湾総統選挙を前に、当初優勢だった国民党の韓国瑜氏に対する支持率が急速に下落し、民主進歩党の蔡英文氏が筆頭有力候補となった。
    統一的価値観に対する反発 ワシントンD.C.にてグローバリゼーションに関する国際フォーラム(International Forum on Globalization)が開催した講習会を切っ掛けに、反グローバリゼーションの大規模デモが発生する。 香港で逃亡犯条例改正案に抗議する大規模デモが開始される。これは中華人民共和国の一帯一路構想に代表される影響力拡大方針によって「一国二制度」を超えた干渉が懸念されたことが大きな要因とされる。
    アメリカ合衆国の経済 1994年夏からのアメリカ株式市場の高騰が、S&P500指数で1530.09の大天井をつけ、以後は減速する。 同様の経済停滞が継続中。
    環境問題に対する社会的関心の高まり 1990年代ダイオキシン問題のクローズアップや京都議定書の採択から始まる、環境問題に関する関心の高まり。 アメリカ合衆国カリフォルニア州でレストランでのプラスチック製ストロー使用制限法案が成立したことを皮切りに世界的に環境問題に対する対策がとられ始めた。

    財団はエージェントGreta Ernman Thunbergに環境活動を開始させ、社会的関心の高まりに対する表向きの理由付けを行った。

    これらSCP-2000-JP-C効果影響の内財団が最も重要な効果と見なしているものはヴェールの保護効果です。SCP-2000-JP-Cが正常に機能している限り、一般社会に大きく波及することを予測された超常インシデントはその影響を抑制されます。この効果は共有ノウアスフィア内の正常性バイアスに起因するものと考えられており、SCP-2000-JP-Cによって与えられる具体として西暦2000年が支持されているものと予想されています。

    概要 2000年における事象 2019年における類似事象
    ヴェールの維持 一般社会に露見する超常的事象は発生せず、正常性は保護されている。 予測されていた複数のK-クラスシナリオは発生せず、正常性は保護されている。


    SCP-2000-JP-Cによって回避されたK-クラスシナリオの例として2015年に発生する予測であったSCP-2003-確定事象XRが挙げられます。確定事象XRは800万体に増加7したHomo ignotusと人類との激しい紛争が発生し、人類は全ての抵抗手段が破壊されるというタイムライン予測であり、これを回避する試みが行われ続けていましたが、有効な手段が発見されないままインシデントXRが発生しました。しかし、SCP-2000-JP-Cの現実改変効果によって確定事象XRが一般社会にその影響を波及することはありませんでした。詳細な経緯は、以下のボイスレコーダー記録8を参照して下さい。(総再生時間116秒)

    SCP-2000-JP-Cの現実改変効果はインシデントの影響が財団の持つ能力を超えている場合、すなわちカバーストーリーや記憶処理では一般社会の大部分に隠蔽が不可能と判断されるヴェールへの脅威にのみ働きます。これは逆説的に、SCP-2000-JP-Cが機能している限りあらゆるインシデントの影響が財団の処理できる範囲内に収まるということを意味します。

      • _
      日付 予測インシデント概要 実際に発生した事象
      2019/01/11 2018/12/24、衛星軌道付近に突如出現したSCP-370Yと呼ばれる発光巨大非実体存在は、肉眼で視認した曝露者にSCP-370Yに対する盲目的な信仰心を抱かせる。この効果はいかなるレベルの記憶処理でも解除できない。O5評議会はAK-クラス″狂気″シナリオ、またはSK-クラス支配シフトシナリオが進行中と判断し、ヴェール・プロトコルを全面放棄、未曝露者の保護・人類の独立性の維持を最優先に活動を開始する。 示唆される存在は財団関連施設にのみ観測され、一般の天文台・航空宇宙技術研究所・天文マニアに混乱は発生しなかった。財団は反社会的人格障害の患者にSCP-370Yの影響が及ばないことを確認し、迅速に収容措置を行った。現在は研究宇宙施設に偽装されたサイトにて収容を継続している。
      2019/02/02 世界オカルト連合(GOC)蛇の手国際連合合衆国の異常事件課、その他の複数の要注意団体がSCP-3396の獲得及び曝露を争って行った結果、財団のコントロールを超えて汚染が広がり、世界人口の推定2.5%が異常な能力を持った人類であるSCP-3731に変換される。これはTPK-クラス奇蹟論的増殖シナリオと定義され、GOCは全世界の全ユニットに対してSCP-3731に対する致死的な手段の使用を許可し、LV-ZeroKクラス“捲られたヴェール”シナリオと広範な暴動を引き起こす。 SCP-3396は考古学的発掘の最中に偶然発見された。居合わせた研究グループの各メンバーがSCP-3396へ曝露した直後から体調不良を訴え始めたことで、財団への通報は早期に行われ、大規模な人口密集地に戻るのを阻止することが可能となった。
      19/03/05 SCP-3519と呼ばれる終末論的悲観主義ミーム感染によって、ほぼ全ての人類が自殺もしくは疾病や必須サービスの喪失・限定的な核戦争によって死亡するXK-クラス世界終焉シナリオ。 当該日時までに同様の性質を持つ異常ミームは発見できなかった。
      2019/03/11 SCP-4804のテレサインシデント発生が集団ヒステリーとしてインターネット上で拡散され、財団のWebクローラーに当イベントは削除されるが、これまでオレンジ(Citrus sinensis)を消費してきた人間全てをSCP-4804が支配していることが明らかになる。 H.P.ラヴクラフトはザ・オレンジと題された短編小説を執筆・発表したことがない。これは記録上の事実である。
      2019/04/21 ブレナン奇跡論測定衛星(BTS)によって全世界のアキヴァ放射線値の記録的喪失を確認後、これに続く4ヶ月間、世界各地で宗教的熱情の減退傾向が確認される。これはSCP-4519の異常性によるものであり、シン・ソフィスト“全世界宗教崩壊”シナリオの発生とともにあらゆる有知性体が信仰心を失う。 オペレーション: メンデックス・スイッチはSCP-4519を運用するSAPHIR無神論を宗教と見なす無神論によって内乱状態にあり、計画を実行できる状態にないことを確認している。
      2019/05/01 SCP-1111-JPにおける"継承イベント"の際、SCP-1111-JP-A-125とSCP-1111-JP-A-126との間にあった内部ヒューム値の差異が、SCP-1111-JP-2とSCP-1111-JP-3による81ブロック内のヒューム値恒常性の維持が短期間の間不安定な状態になることを引き起こし、日本全域に現実性の揺らぎを発生させる。これは異常ミームを確立させ、財団内では職員の中に現実改変実体が入り込んでいるという強迫観念を抱いた職員による内乱が発生する。 現実性の揺らぎは一般社会に露見しない最小限のものに押さえられる。
      2019/06/05 SCP-2646-1が繁華街の商業地区に向けて転移を始めたことが報告される。 SCP-2646-1の性質上一般社会へ露見する可能性は低く、新たなSCP-2646-2も確認されていない。
      2019/06/26 SCP-3221の収容違反がタジキスタン全域の次元侵攻を招く。財団はLV-ZeroKクラス“捲られたヴェール”シナリオを回避するため、イランのロウハーニー大統領に命じてG20サミットに出席した各国首脳を爆弾テロで全員抹殺し、それをカモフラージュとしてSCP-3221の対策に動かざるをえない。 タジキスタンに対する著しい国際社会の関心の低下。プロトサーキック壊れた神の教会イスラム・アーティファクト開発事務局(ORIA)、GOC、財団の五組織連合軍と“プレスター・ジョンの王国”との激しい戦いによってタジキスタンは壊滅状態となったが、一般社会にこの戦いが露見することはなかった。
      2019/07/07 ロンドンのウェストミンスターにあるマークス&スペンサー・グループの事務職員であるシーン・エステベス(SCP-4710)の頭部の直径が約57cmから6.4km以上に拡大し続け、事象開始から9時間半で結果的にBM-クラス“壊された虚構”シナリオが発生する。副次的事象としてウェストミンスター地区の大部分が完全に破壊され、イギリス内閣の大半が死亡したのを含め、数十万人の死傷者が発生する。 事象開始9時間後に財団によって熱核兵器の使用が検討された直後、エステベス氏の頭部は爆発的に破裂した。目撃者は、爆発の直前に銀のピンを持った巨大な手が雲から降下してきたと報告している。
      2019/07/22 日本の内閣が国民投票を経て憲法第九条を廃棄、軍の正式保有を宣言し、自衛隊が解散され、陸軍、海軍、空軍、海兵隊が創設される。 これと同時に旧日本軍のオブジェクトであるSCP-447-KOの行動が大規模に変化し、90式戦車、10式戦車などで武装を開始する。財団は鎮圧のため空襲を試みるが、非常に稠密な対空防御能力により失敗する。 憲法第九条の改正案が国会に数回提出されたが、すべて野党の激しい反対によって否決されている。
      2019/08/01 日本北海道にて45歳の男性が運転する軽トラックに、9歳の女児(SCP-1645-JP-1)がはねられ死亡する交通事故が発生する。この事故の概要を認識することはSCP-1645-JP-1やその近親者に対する強い憎悪・害心を発生させる。財団はこの異常ミームを北海道全域では除去することに成功するが、インターネット上で媒介されたミームは全国に広まっているものと考えられる。 同様の交通事故が発生したが、交通死亡事故記録についての北海道外における関心は無感動、無感情であり、財団の対応によってSCP-1645-JPの情報とミームの影響は完全に消去されたと考えられた。
      2019/08/13 SCP-2003-確定事象XRにおいて、異常人型生命体が最も人口の多い中心地に現れ、医療、科学、エネルギー生産、耕作技術、芸術について重大な先進技術を提供した後、これらの存在は急速に人類に受け入れられる。その後SK-クラス支配シフトシナリオが発生し、全ての人間は2024年内に組織的に抹殺される。 当該実体の出現は観測されず、望ましい選択として確定事象XNが選択されているため、確定事象XRは回避されたものと見なされる。
      2019/12/31 SCP-610の大規模収容違反の発生及びサーキック・カルトの一斉蜂起シナリオXK-610-Ωを防止するため、財団は全ての秘匿プロトコルを無効とする。また、壊れた神の教会及び財団と境界線イニシアチブ、世界オカルト連合との共同特殊部隊”三頭政治”は協力し、LV-ZeroKクラス“捲られたヴェール”シナリオに一般大衆を順応させるため、異常存在を民間人に曝露させるプロジェクト・アンニュイを実行する。 現在に至るまでヴェールは剥がされていない。プロジェクト・アンニュイは必要ではない。

    SCP-2000-JP-CはSCP-2000-JP-A、-Bの接続を分断することで容易に停止可能であることが判明しています。

    補遺2000-JP.1
    運用アセスメント01

    SCP-2000-JP-Cのミーム的異常と副次効果が判明した後に、第1回目のSCP-2000-JP運用アセスメントが開始されました。SCP-2000-JP運用アセスメントは四半期ごとに実行され、検討チームは最終的な方針をO5評議会に委ねます。

    検討チームにおける最初期の懸念点は以下の通りです。

      • _

      アクセス承認

      CLASSIFIED

      SCP-2000-JP

      運用アセスメント

      目的:
      SCP-2000-JPの影響評価

      結果:
      中程度脅威

      監督者:
      O5-12

      分析責任者:
      ティルダ・ムース

      運用に対する懸念点


      多数の一般人のミーム的異常への曝露

      人類の大部分が継続してミーム的異常に曝露することで発生する社会的影響は未知数であり、今後深刻な問題が露呈する可能性が示唆される。
      特に懸念される問題は懐古主義の扇動による内向的な人格の形成9であり、若年世代のコミュニケーション能力の減衰に対して有意な作用を与えることが予測される。また、そうした傾向は一般社会の経済トレンド、環境要因、社会情勢の変化に異常な影響となる可能性がある。

                                 報告: ブランズウィック・グリンコ博士

      懐古主義の隆盛による文明発展への影響

      数学的分析による一般的科学技術の発展への統計的影響調査は、本来予測されていた技術成長率をすでに23%下回っていることを明らかにしている。
      加えて文化に関する影響も大きく、オールドファッション・デカダンティズムの流行によって被る健全な文化的発展のダメージは、将来的に人類全体の創造的感性及び熱意の醸成に著しい滞りをもたらすMK-クラス:"熱量消失"シナリオを引き起こす恐れがある。

                                      報告: ヨハネス・ソーツ博士

      false

    O5評議会決議概要

    議題:
    “SCP-2000-JPの運用には複数の懸念点がある。運用を続行すべきか否か” (O5-12)

    評議会投票概要:

    棄権
    O5-01 O5-02 O5-13
    O5-03 O5-07
    O5-04 O5-09
    O5-05 O5-10
    O5-06 O5-11
    O5-08
    O5-12

    結果
    承認

    注記:
    SCP-2000-JP-Cの恩恵は指摘されている欠点を補って余りある。運用は続行される。

    補遺2000-JP.2
    運用アセスメント73

    2019年度の運用アセスメントにおいて、SCP-2000-JP-Cの脅威評価は極強に再指定されました。その際、以前までの懸念点に付け加えて新たな懸念点が以下のように追加されました。

      • _

      アクセス承認

      CLASSIFIED

      SCP-2000-JP

      運用アセスメント

      目的:
      SCP-2000-JPの影響評価

      結果:
      極強脅威

      監督者:
      O5-02

      分析責任者: ジーン・カーライル・アクタス

      運用に対する懸念点

      異常気象の発生と経済的損失

      西暦2000年前後より、世界各地で大気の乱れの観測が頻発化している。SCP-2000-JP-C現実改変効果が気象状況に対して再現的悪影響を与えている可能性の他、断続的小規模現実改変による現実構造の脆弱化そのものが異常気象の引き金となっている可能性が考えられる。

      こうした仮定の下に2019年度のゲリラ豪雨や爆弾低気圧、竜巻の被害を評価10した場合、中国における台風9号、アメリカにおけるハリケーン「ドリアン」、日本における台風19号などの気候変動に起因する災害の発生に対してそれぞれ10,000,000,000ドルを超えた経済損失をSCP-2000-JPの運用リスクに加算することができる。
                                       報告: 天文/気象予報部門

      ナショナリズムの潮流

      21世紀に入り、世界各地域でナショナリズムの高揚が顕在化している。このナショナリズムの高揚は健全なレベルを超えた過剰なものであり、財団の予測モデル・理想的融和モデルを大きく逸脱するものであることから、グローバルリズムに対するSCP-2000-JP-Cの影響として懐古主義的反発が発生しているものと考えられる。影響のタイプは主に、①貿易や移民などの問題を原因とする反グローバリズム11、②宗教を含むイデオロギーを中心としたナショナリズム強化、③「過去の栄光」の再興12、④大国や近隣国、旧宗主国への反発、⑤自民族の「神聖視」、⑥国際秩序への反発、拡張主義、の6つに分けられる。特に注目すべきは人口比でSCP-2000-JP-Cの影響を受ける単純割合が高いロシア及び中国の行動であり、2014年のクリミア併合南沙諸島の埋め立て活動はその顕著な指標であると言える。この2大国の行動もさることながら、今までアメリカが担っていた国際秩序の重石役の不在が、19世紀的「弱肉強食の時代」への回帰に拍車をかけている。

      さらにナショナリズムの高揚が超常社会にもたらす1つの大きな影響として、かつての国家主義的超常組織の再興が挙げられる。代表的な例としては、近年中国で活動の活発化が見られる大日本帝国異常事例調査局(IJAMEA)残党や、オブスクラ軍団第四帝国といったナチズムをルーツとする組織、イタリア王立異常事例研究院の流れをくむオカルトファシスト/暗黒結束評議会などがその筆頭であり、財団の活動にとって障害になる可能性が非常に高い。

                                    報告: ウスマン・アズマガン博士

      要注意団体の発展

      これまで暗黙の了解として大部分の超常組織間で自主的に行われていた「正常性への紳士協定」と俗に呼称されるヴェール保護プロトコルが、SCP-2000-JP-Cの影響によってヴェールの“可視化”が為されたために、ヴェール保護プロトコルに対する無感情や無意味さを浸透させ、どのようなミスを犯してもSCP-2000-JP-Cがそれを隠匿してくれるだろうという考えの下に、要注意団体構成員が必要よりも遥かに大きな危険性のある行為を行うことに繋がっている。

      この20年間で新たに存在・設立が確認された要注意団体の数は、財団の過去21世紀以前の100年間の記録と比較して7倍以上に当たり、また、そうして飽和した要注意団体の受け皿として既存の要注意領域13であった放浪者の図書館スリーポートランドに加え、オレゴン州ボーリング香城恋昏崎といった領域の需要の高まりと”大胆な”勢力拡大の遠因としてSCP-2000-JP-Cの存在が考えられる。

                         報告: アンドリュー・ウェイストーン・オフラハティ博士

      異常思想の流行

      ここ10年で、異常思想を母体とする超常組織は既存の異常宗教組織の発展のみならず、その種類と背景の複雑さを増してきている。既存組織の例としては、ネオサーキシズムの上流階級における流行やマクロカオシズム諸宗派の勃興、70年代以来の第五教会復権はもちろんのこと、第二ハイトス教会が近年の超常組織界における惑星外侵出への需要の高まりとともに勢力を伸ばしており、関連する異常物品も多く確認されている。また、90年代以来の救世思想流行、鮫科に対する異常な執着絶滅主義アニヒリズムショパニスト空想科学仏教順列ポテンダー崇拝・・・・・・。最近の例では、フィルブソン症候群の患者数の大幅な増加が確認されている。

      こうした異常思想蔓延の背景には、SCP-2000-JP-Cの懐古主義的思想によって、自身の現状に対する内面的に極めて狭量な姿勢が醸成されていることが考えられ、未来に対する否定的姿勢が異常思想への傾倒を加速させている可能性が指摘できる。ましてや懐古主義危険思想の隆盛にSCP-2000-JP-Cが関連している可能性の高さについては言うまでも無い。
                                 報告: ジャスティン・エバーウッド博士


    O5評議会決議概要

    議題:
    “SCP-2000-JPの運用に関する喫緊の懸念点を踏まえて、運用を続行すべきであるか” (O5-02)

    評議会投票概要:

    棄権
    O5-03 O5-01 O5-13
    O5-04 O5-02
    O5-05 O5-07
    O5-06 O5-08
        O5-09
    O5-10
    O5-11
    O5-12

    結果
    否決

    注記:
    評議会はこれ以上の一般社会への影響を正常性として許容できない。運用は停止される。

    この決定に基づき、オブジェクトクラス及び収容プロトコルの改定が予定されています。協議の結果SCP-2000-JP-A、-Bの接続は即時に分断され、SCP-2000-JP-Bは2020/02/15までに完全停止されます。

    グランドクロス・プロジェクトによってこの決定は現在再検討されています。詳細は補遺2000-JP.4を参照して下さい。

    補遺2000-JP.3
    O5声明

    O5評議会においてSCP-2000-JP運用停止宣言が出されたことを受けて、O5-08、O5-02、O5-01の3名はSCP-2000-JP関係者に対して声明文を発表しました。

    この声明文を読んでいる者は、きっとSCP-2000-JPの初版報告書を読んでくれたことと思う。

    読んでどう感じただろうか。嫌悪感か、それともあきれ返ったか。2つのオブジェクトクラスの併用、検閲された収容プロトコル、不適切な重量単位・・・・・・。報告書の問題点は、挙げれば切りがない。

    こうした表現はもちろん現在の財団では避けられるか、あるいは好まれないものだ。しかし、執筆当時の財団  すなわち財団の黎明期においては特段問題視される事柄でもなかった。そのころは我々O5ですら安定した組織ではなく、財団は純粋に未知を究明しようとする者たちが、発見した怪異を次々にリストアップする場であった。オブジェクトはアーティファクトだとか、オーパーツであったり、もっと単純に物(things)と呼ぶ者もいた。そうした時代には、報告書には”そいつに何ができるか”を書くだけで脅威に対する備えとしては十分だった。

    やがて異常の研究者たちは、不可解なものをSCiPとして閉じ込めておくだけでは不十分であると考え始めた。彼らは、よりその異常に”意味”を求め始めた。「なぜこの少女は人間を砂糖菓子に変えられるんだろう?」 「どうやって金属の塊が人を狂わせているんだろう?」我々はこの世界の不条理に対して、より科学的に、より論理的に、説明をつけようと試みた。そうしてミームであったり、現実改変といった今日共有された多くの法則を発見することとなった。SCP-2000-JPの発見はそうした一種のターニングポイントの時期に当たる。

    今では、テレキル合金をミーム系オブジェクトの収容プロトコルに用いる者はいない。効果がないことは分かり切っているからだ。

    しかしそうした”あたりまえ”も、宇宙のちいさな歪みから新たな発見を汲みだそうとしてきた努力の積み重ねの上に成り立っていることを忘れてはならない。SCP-2000-JPの研究も然りだ。 科学のための科学。発展を極限まで加速した最先端へ。その歩みの中で、財団は々は今まで信じていた大地が崩れ去るような発見を何度も何度もしてきた。だが、今もなお我々は常識を更新し続け、異常の解明を止めない。

    SCP-2000-JPの運用プロジェクトが停止されるにあたって、私が述べたいのは、これまでの君たちの努力が否定されることは決して無いということだ。

    過去の意思を偽りで覆い隠すことはできない。

    この世界はただ偶然に存続してきたわけではない。すべての報告書は、試行錯誤を重ねた収容プロトコルと科学のために殉じた人々の歴史を持つ、当時の人々が瞬間瞬間を必死に駆け抜けてきたその記録なのだ。その過去があって、我々は巨人の肩に立っていた。そして今、我々自身が巨人の一部となり、新たな礎になろうとしている。

    財団は記録し続ける。君たちの戦いを忘れることはない。


    O5-08

    転石苔を生ぜず(A rolling stone gathers no moss)ということわざの意味を知っている者も多いはずです。

    元々はやり方を変えてばかりいると大成しないことのたとえでしたが、現在では、活発な活動を続けている者はいつまでも時代に取り残されないことのたとえにも用いられます。変化に関することわざの意味もまた変化しているのは、ちょっとした皮肉でしょうか。

    このことわざは、一字一句変わってはいません。ただ受け取り手という外界の環境が変わっていったのです。

    同じようなことは古代ローマにもいえるでしょう。

    建国当時は王政であった古代ローマの人々は、その後王を追放し、400年以上も元老院と執政官による共和制を築きました。しかしその後、広大になった領土を元老院が隅々まで管理できなくなったローマは帝政に移り変わることになります。

    これは、共和制ローマの政治システムが最初から欠点を抱えていたという歴史的事実として述べたのではありません。

    共和制ローマの政治システムは運用開始当初はうまくいっていたのでしょう。しかし、外界の環境変化によって、システムは機能不全を起こし始めました。システムは最適な環境に置かれてこそ最大の能力を発揮できるのです・・・・・・。まさにゴミを入れればゴミが出てくるということでしょうか。

    それは王政も帝政も同様です。システムを構築した当時の人々は最善を尽くしていました。今日、先進国で多く支持されている民主制も、当然不完全であり、将来もっといい政治システムが編み出されないとは限りません。さらによりよいシステムが見つかるまでは、現行のシステムこそが最善です。古びたときに変わらないことが悪なのです。

    SCP-2000-JPは財団が長いこと使い続けたオブジェクトでした。そしてSCP-2000-JPの運用というシステムをアップデートせざるをえない環境の変化がついにやってきたのです。確かにSCP-2000-JPを運用し続けるために払ってきたコストは計り知れないものでしょう・・・・・・。大勢の人間をミームで汚染し続けて、いまさら何をという人も多いかもしません。いつでも止めることができたものを、それが有用であるからという理由で放置し続けたために、現在の世界が混乱に陥ったことを考えれば、その責任はすべて私たち評議会にあります。

    だからこそ、私たちは過ちを認め前に進みます。時計の針は前にのみ進み、新たな世界に適応できなければ財団は滅びていくだけでしょう。どうか、私たちの後を継ぐ人々はこの言葉を忘れないでください。

    我々は、変わることを恐れない。

    常に変化を続ける。それだけが私たちの進む方法なのですから。


    O5-02


    端的に言おう。我々は20年間ずっと保護されていた。

    21世紀が始まってからの20年というもの、我々は何をしてきたのか? そのほとんどをSCP-2000-JP-Cというヴェールの内において過ごしていたのだ。正常な世界を守っていたのは財団ではなくSCP-2000-JPであり、我々はその庇護下において世界を維持しているつもりの道化を演じていたに過ぎない。

    管理者の言う「希望」とは、私は人類への挑戦状と理解した。

    SCP-2000-JPは完全無欠の神ではなくもはや制御不能の脅威だ。今こそを持ち、我々の神を殺せ。人類は自分たち自身のため立ち上がり、自らの力のみによって異常を封じ込めなければならない。

    「伝統とは火を守ることであり、灰を崇拝することではない。」とはグスタフ・マーラーの言である。

    我々の火とは異常な存在を解き明かし、不条理の闇に条理の灯を導くことだ。

    常に財団はその理念に従い、これからも変わることなく世界中の一般市民が異常に対する恐怖や疑念を抱くことなく日常を生きることができるよう、超常的存在が及ぼす影響からの人類の独立を維持する。

    恐怖から逃げ隠れていた1つの時代が終わり、ここからすべてが始まる。偽りの歴史が完全に崩壊したとき、新たな世界の夜明けへと我々は歩き出すだろう。

    確保、収容、保護。Secure, Contain, Protect.

    この使命は我々によって為され、我々のみが成すべきものだ。


    O5-01

    補遺2000-JP.4
    疑惑

    SCP-2000-JPの運用停止決議に従ってSCP-2000-JP-A、-Bの接続が分断された2020/01/01、O5-08によってSCP-2000-JPのページトップにSCP-2000-JP初版報告書と称する文書が公開されました。これらの編集は無許可で行われており、公開された文書は実際の初版報告書と内容はほぼ同一なものの、文体や表現はより”稚拙”であり、”クリニカル・トーンに欠ける”と形容される種類のものでした。記録・情報保安管理局(RAISA)はこの文書を除去することに現在まで成功しておらず、何らかの異常現象が発生していることが予測されました。

    この報告を受けて内部保安部門が調査を実施したところ、O5評議会の内、O5-08を含む8名が標準値を遙かに逸脱する基準のSCP-2000-JP-Cミーム効果影響を受けていることが発覚しました。これは過去、SCP-2000-JP-B維持職員以外で得られていなかった値であり、異常存在に直接接触することを許可されていないO5がなぜここまで効果に曝露することになったのかは現在(2020/01/10)まで判明していません。また、こうした人物のSCP-2000-JP-C-1への分類は現在再検討中です。

    事態の発覚から、O5評議会による運用停止の決定そのものに信頼性を担保できないとして、SCP-2000-JP運用アセスメント検討チームと内部保安部門、倫理委員会を交えて編成された第三者機関が組織されました。グランドクロスと命名されたこの組織は、SCP-2000-JP関連文書や運用アセスメント報告書の精査、SCP-2000-JP-B立ち入り検査等によってSCP-2000-JPの再評価プロジェクト実行を目的として活動を開始しています。

    現在、以下の事実が判明しています。

    • 運用アセスメント検討チームにも標準値を超える曝露者が存在している。
    • しかしながら、運用アセスメント報告書の内容は確実なデータに基づいており、信頼性がある。
    • ボイスレコーダー記録として掲載されていた音声に関して、MTFε-11(“九尾狐”)は関与を否認している。
    • SCP-2000-JP-Bに関する記録について、いくつかの描写において冗長の省略を超えた範囲で核心的な記述を削除された可能性がある。
    • 立ち入り検査によって、SCP-2000-JP-Bレベル0最深部の作業室と思しきスペースに高度に腐敗が進んだヒト(Homo sapiens)の遺骸を発見した。解析から少なくとも死後6年以上経過していることが判明している。遺骸には複数の凶器、複数の手によるものと判別される傷があるが、これらの傷はほぼ大半が死後与えられたものであると推測され、直接的な死因は頭部に打ち込まれている1発の銃弾であると考えられている。また、遺骸の近辺から以下の走り書きがプラスチック製ドキュメントスリーブに密封された状態で回収された。

    それは存在しない。頭の内に存在する。凋落→現実性Realityの低下を?

    それは保護されるべき押しつけるなであり、すでに多く破壊された。分断するのは隣り合うため。切り離せ。
    切り離すな。

    いつから我々は怪物になった?

    be in the veil.

    SCP-2000-JPについてさらなる調査が求められています。

    10. そして、世に不思議な出来事は尽きないというのがこの語り部の謙虚な意見である。そして今も、そして今も。そして、書物は語る「その過去がどれだけ凸凹で醜いものであろうとも、全てが現在に至るまでの変遷である。それを否定し都合の良いように作り替えようとした管理者気取りの魔王は、畏れを勇気に変えた人間たちに討ち滅ぼされ、本来バラバラの世界は再び分かたれたのでした。これが我々の歴史を記した、最後の1ページです。めでたしめでたし。我々が過去を捨て去ろうとも、過去は我々を追ってくる」。






    閲覧終了後、貴方の臨時4/2000-JPクリアランスは失効します。

    認識ニュートラル化ミームを待機して下さい。

    お疲れ様でした。


    sunrise.jpg

    あらゆるものは去り、何物も留まらない。

    さあ、新たな目映い世界を魅せてくれ。


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タグ scp-jp 2000jp thaumiel メタ ループ 機械 移動不可 外部エントロピー 金属 K-クラスシナリオ 建造物 コンピュータ 財団製 時間 未来 時空間 ミーム 精神影響 地下 知識 テレパシー 電気 情報災害 電子デバイス 場所 パラドックス 歴史 現実改変 クレフ博士 ギアーズ博士 コンドラキ博士 管理者 ムース管理官 黒 記憶影響 放浪者の図書館 スリーポートランド 香城 波戸崎研究員 アクタス管理官 エバーウッド博士 集団意識 倫理委員会 ロジェ博士 マリア・ジョーンズ

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注意: 1ページ目には意図的な誤字、脱字、SCP報告書には不適な文章表現が含まれています。

「現在は過去を凌駕してなんぼとちゃうんか。」
                                           平沢進

「万物は流転する。そこに多少の善悪があろうとも、今日も太陽は東から昇ってくる。」
「それはまるで…車輪のように。」
                                          法月将臣

「生まれてから産廃と叩かれ続けたものや、時代の流れに置いていかれ過去の栄光となったものも思わぬ逆転劇を繰り広げ産廃から人権クラスまで成り上がる事があるため、カスレアを引いてもまだ希望を持てる部分は大きい。」

                     アニヲタWiki(仮) 元カスレア(ソーシャルゲーム)より

スペシャルサンクス(敬称略): MisharyMisharyImerimoImerimoNanigashi SatoNanigashi SatominatonminatonH0H0H0H0holy_novaholy_novaMorelike Morelikeykamikuraykamikura& グスタフ・マーラー &この記事に使われている構文、CSSその他諸々の作成者&仮面ライダージオウ

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    執筆の前提として

    SCP-2000-JPコンテスト出品作品ということで、まず念頭に置いたのはSCP-2000の存在でした。SCP-2000は発表当初、恐るべき財団の切り札、万能の救いの神として設定されていました。(所々不穏な記述はあったものの。)

    しかし、例えばSCP-3480のような大きな不具合の設定であったり、だんだんその脅威を増していく(つまり強さがインフレしていった)オブジェクト群が発表されて行くにつれ、私達はSCP-2000がそこまで便利なThaumielではないと思うようになりました。これはおもしろいことに、SCP-2000自体の記述は変わっていないにも関わらず、周りの評価が変わっていったのです。私は、この現象こそがコンテストテーマの変遷そのものの体現なのではないかと思い、執筆を始めました。

    この記事においては、便利な機械仕掛けの神がだんだん不具合を起こしていき、ついには財団に停止されるというまでの変遷を描いています。つまりは私なりのSCP-2000リメイク版です。

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      斯くして変遷に至る

      さらにこの作品の裏テーマとしてあるのが「ミーム」です。

      言うまでもなく、SCP財団というこの創作の場こそ身近なミームの発信源ですが、そのミームの内容はどんどん変わっていっています。それはフォーマットや、トレンドの変遷ということも関係しているのでしょうが、SCPコミュニティの中でもまた、ヘッドカノンという名のミームが変遷を続けているからです。

      カノンは存在しないなんて考えは時々だけれどもちょいとバカっぽい考え方になる。俺たちが何も持ち合わせていないなんて事はない。俺たちには、触れ合わせたり、混ぜ合わせたり、ちょい足ししたりできる物がいっぱいある。何を信じ、何を受け入れてこの世界の中心に据えるかはあんた(そして読者)次第。それは作者がそういった意図や筋書きを盛り込めてないって意味じゃないけど、協力するってことは革新の王道なんだ。
                                            ーカノンハブより

      確固としたカノンは存在しない。これはSCPという創作コミュニティの特色であり、また多くの作品間に設定の矛盾がある理由でもあります。この記事のオブジェクトは、SCP Foundation黎明期には広く共有され、しかし今ではあまり主流ではないヘッドカノンの象徴です。何なのか考えてみるのも面白いかもしれません。
      ここだけの話、最初のモチーフはクォーツァーでした。

[[footnoteblock]][[include credit:start]]
タイトル: SCP-2000-JP - 祝福、新たなる時代へ
著者: ©︎stengan774stengan774
作成年: 2020


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評価: 0+x
評価: 0+x

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タグ scp-jp 2000jp thaumiel メタ ループ 機械 移動不可 外部エントロピー 金属 K-クラスシナリオ 建造物 コンピュータ 財団製 時間 未来 時空間 ミーム 精神影響 地下 知識 テレパシー 電気 情報災害 電子デバイス 場所 パラドックス 歴史 現実改変 クレフ博士 ギアーズ博士 コンドラキ博士 管理者 ムース管理官 黒 記憶影響 放浪者の図書館 スリーポートランド 香城 波戸崎研究員 アクタス管理官 エバーウッド博士 集団意識 倫理委員会 ロジェ博士 マリア・ジョーンズ

記事ここまで

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http://ja.scp-wiki.net/twistedgears-kaktus-proposal
http://ja.scp-wiki.net/k-cal-s-proposal
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http://ja.scp-wiki.net/scp-2798
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https://unsplash.com/photos/eR8qaAM6k1U
https://pixabay.com/photos/mine-underground-machine-dark-462318/

注意: 1ページ目には意図的な誤字、脱字、SCP報告書には不適な文章表現が含まれています。

「現在は過去を凌駕してなんぼとちゃうんか。」
                                           平沢進

「万物は流転する。そこに多少の善悪があろうとも、今日も太陽は東から昇ってくる。」
「それはまるで…車輪のように。」
                                          法月将臣

「生まれてから産廃と叩かれ続けたものや、時代の流れに置いていかれ過去の栄光となったものも思わぬ逆転劇を繰り広げ産廃から人権クラスまで成り上がる事があるため、カスレアを引いてもまだ希望を持てる部分は大きい。」

                     アニヲタWiki(仮) 元カスレア(ソーシャルゲーム)より

スペシャルサンクス(敬称略): MisharyMisharyImerimoImerimoNanigashi SatoNanigashi SatominatonminatonH0H0H0H0holy_novaholy_novaMorelike Morelikeykamikuraykamikura& グスタフ・マーラー &この記事に使われている構文、CSSその他諸々の作成者&仮面ライダージオウ

    • _

    執筆の前提として

    SCP-2000-JPコンテスト出品作品ということで、まず念頭に置いたのはSCP-2000の存在でした。SCP-2000は発表当初、恐るべき財団の切り札、万能の救いの神として設定されていました。(所々不穏な記述はあったものの。)

    しかし、例えばSCP-3480のような大きな不具合の設定であったり、だんだんその脅威を増していく(つまり強さがインフレしていった)オブジェクト群が発表されて行くにつれ、私達はSCP-2000がそこまで便利なThaumielではないと思うようになりました。これはおもしろいことに、SCP-2000自体の記述は変わっていないにも関わらず、周りの評価が変わっていったのです。私は、この現象こそがコンテストテーマの変遷そのものの体現なのではないかと思い、執筆を始めました。

    この記事においては、便利な機械仕掛けの神がだんだん不具合を起こしていき、ついには財団に停止されるというまでの変遷を描いています。つまりは私なりのSCP-2000リメイク版です。

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      斯くして変遷に至る

      さらにこの作品の裏テーマとしてあるのが「ミーム」です。

      言うまでもなく、SCP財団というこの創作の場こそ身近なミームの発信源ですが、そのミームの内容はどんどん変わっていっています。それはフォーマットや、トレンドの変遷ということも関係しているのでしょうが、SCPコミュニティの中でもまた、ヘッドカノンという名のミームが変遷を続けているからです。

      カノンは存在しないなんて考えは時々だけれどもちょいとバカっぽい考え方になる。俺たちが何も持ち合わせていないなんて事はない。俺たちには、触れ合わせたり、混ぜ合わせたり、ちょい足ししたりできる物がいっぱいある。何を信じ、何を受け入れてこの世界の中心に据えるかはあんた(そして読者)次第。それは作者がそういった意図や筋書きを盛り込めてないって意味じゃないけど、協力するってことは革新の王道なんだ。
                                            ーカノンハブより

      確固としたカノンは存在しない。これはSCPという創作コミュニティの特色であり、また多くの作品間に設定の矛盾がある理由でもあります。この記事のオブジェクトは、SCP Foundation黎明期には広く共有され、しかし今ではあまり主流ではないヘッドカノンの象徴です。何なのか考えてみるのも面白いかもしれません。
      ここだけの話、最初のモチーフはクォーツァーでした。

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