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GoI-8136 (“博士”) の近年の動向に関して

なぜ今更“博士”の話をするんだと、君はそう思っているのかもしれない。いや、十中八九この読みは当たっているはずだ。十年以上前に死んだはずの人間を追ってどうなる、とね。

確かに先代の博士は致命傷を追ってどこかへ消えた。まずもって生きてはいないだろう。だが、倒した命の蠟燭は他所へと燃え広がった。側に積んであった無数の火薬が、今にも終わりの業火を解き放たんとしている。

──“博士”は蘇った。それも、一斉に。

— 骨折博士


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要注意領域: ワンダー・ワールドWonder World

要注意団体番号: 386

別名: WW、“工房”The Workshop1“ウォンカーズ”Wonka's2“キディランド”Kiddyland3

脅威レベル:

担当部隊: 機動部隊アルファ-98 “フォーカス・テスターズ”Focus Testers

領域説明: ワンダー・ワールドは広大な空間アノマリーであり、同名の都市 (ワンダー・ワールド!™4)、様々な工業団地、研究施設、居住区画、学校、大学、そしてワンダーテインメント博士の本社を内包しています。

ワンダー・ワールドの人口構成はほぼ不明なものの、現人口はおよそ15,000程度と見積もられています (2014年頃)。様々な証言、ならびに捕獲された人物から得られた証拠は、エリアの異常性がそこに居住する人間の外観を時とともに変化させていくことを示しています。基準人類はその生涯を通じて、髪、肌、目が自然でない色に変化したり、目のサイズが拡大するなどといった小規模な変化を受けます。これらの変化は世代を重ねるにつれ増幅するようであり、追加の四肢の発生や首の伸長、保持力を持った尾などといった突然変異を含む、より劇的なものとなっていきます。

ワンダー・ワールドの文化は“ワンダーメイキング”Wondermakingという概念を中心に回っています。これは、人生の目的とは、“世界をワンダフルな場所に”してみせようとすることであるという信念です。暦体系は主な商業的祝日 (ブラックフライデー、クリスマス、ボクシング・デーなど) が重複し、グレゴリオ暦と多くの共通点が見られる一方で、ワンダー暦ではワンダー年法の年に従います。ワンダーテインメント博士社の設立が、この暦の0年と見なされています。

一般的な教育カリキュラムには、ワンダーテインメントブランドとその製品ラインの歴史、経済学5、マーケティング、異常芸術史、奇跡術、奇跡論、サイオニクス、職人技工、俗世研究が含まれます。市民の大半は数年間のインターシップとワークスタディを完了させてからワンダーテインメント博士社に雇用されますが、就業は必須ではありません。

財団は1935年以来ワンダー・ワールドの存在を認知してきましたが、信頼の置ける実地調査は2006年になるまで不可能でした。

関連する要注意人物

  • 先代“博士” (PoI-8136-PRIME):
  • “博士” (PoI-8136-002)
  • “盾” (PoI-8136-003) 身長3メートル近い、長身痩躯の大男。触れた証拠品に指紋が残っておらず、指紋を切除しているか、ないしは人間でない可能性あり。一行のボディーガードとして活動し、財団やGOCによる追跡・戦力展開を妨害する。しばしば監視網をかいくぐって出現することから、先代“博士”の失踪にも関与した疑いが持たれている。
  • “運転手” (PoI-8136-004) 一行の逃走車両の運転手と考えられる人物。現在まで姿は確認されていないが、無線の傍受記録からその存在を確実視されている。2010年代にアウターオーサカで活動していた超常犯罪者/走り屋/運び屋の“カミカゼ” と声質が高い確度で一致。一行の“拠点”を運転しているのも彼だと考えられる。
  • “被験体” (PoI-8136-005) “ディ”と呼称される30代程度の男性。しばしば一行に同行し、パラクライムの補助を行う。無線の傍受記録からは“博士”の被験体として様々な実験の対象にされていることが伺え、おそらくは不死者ないしは高レベルの自然回復者であると推測される。2016年の大規模収容違反で行方不明になったDクラス職員、D-8165と顔が一致。
  • “商人” (PoI-8136-006)
  • “研究助手”

  • ワンダーテインメント博士 (PoI-386-プライム): 絶対的なワンダーテインメント博士が存在するわけではありません。後継者は前の称号保持者から指名され、その後ワンダーテインメント博士社の役員会で承認されます。現在の称号保持者は“ホリィ・ライト”という名前のワンダー・ワールド市民であると考えられます。行動事由については現時点では不明です。
  • チェスター・ウィリアムズChester Williams (PoI-386-001): (推定死亡) 1929年に出願された、ワンダーテインメント博士の最初の特許保持者です。マサチューセッツ州ボストンで、“ワンダーテインメント博士の奇天烈世界”の名前で玩具店を開きました。ワンダーテインメント博士の最初の称号保持者である疑いあり。1942年後期に姿を消しています。
  • マリア・へリングMaria Herring (PoI-386-002): (推定死亡) マサチューセッツ州ボストンにあった“ワンダーテインメント博士の奇天烈世界”の共同所有者。蛇の手と関係のあるクラス-B現実改変者の疑いあり。1942年後期に姿を消しています。
  • コーネリアス・ムイナルチクCornelius Młynarczyk (PoI-386-069): (推定死亡) ワンダー・ワールドの市民であり、三代目の“ワンダーテインメント博士”の称号保持者。1969年にポーランドからマサチューセッツ州ボストンへ移住。リトル・ミスターズの創造に携わったと考えられます。
  • ブライアン・ハーディングBrian Harding (PoI-386-126) またの名を ブレイニー・ブライアン:Brainy Brian (状態不明) ワンダーテインメント博士社の脱退者であり、世界オカルト連合の活動によって無力化されたと考えられる連続児童殺人鬼。ブライアン・ハーディングの行為は、ワンダー・ワールドとワンダーテインメント博士社のポリシーに一大転換を引き起こしました。地元住民はハーディングの話題をタブー視しており、事件については悲劇と見なされています。
  • ジュディス・D・アチリーズ/パピルJudith D. Achilles/Papill (PoI-386-639) またの名を 長舌ジュディ:Judy the Tongue スイーツ&食品部門の現部門長。保持力のある長さ不明の舌を有し、その長さは最低2mはあると推測されます。ワンダーテインメント博士社の役員会の高位メンバーであると考えられます。

要注意団体との接触: ワンダー・ワールドはこれまでに有力な要注意団体と接触してきています。既知の接触例を以下に列挙します。

  • Are We Cool Yet?: 異常芸術家たちがワンダーテインメント博士のために仕事を行うことが把握されており、何人かのメンバーは社の雇用後にワンダー・ワールドへと移住しています。
  • シカゴ・スピリット (現存せず): 1929年から1932年の間、シカゴ・スピリットのメンバーらがワンダー・ワールドの異次元空間を貯蔵庫として利用していました。
  • ディア大学: ワンダーテインメント博士社は年2回のキャリアフェアにおける著名なプレゼンターであり、同校の卒業生を雇用することで知られています。
  • ザ・ファクトリー: ワンダーテインメント博士とファクトリーの関係は、70年代にムイナルチクによって確立されたようです。合意条件は不明であるものの、ワンダーテインメント博士社は商品の大量生産と引き換えに一括払いに合意したと考えられます。ホリィ・ライトは、ワンダーテインメント博士への任命時点でこの合意を終わらせたと思われます。
  • ゲーマーズ・アゲインスト・ウィード: ミスターズ・アゲインスト・ウィードのコンセプトはリトル・ミスターズ製品のパロディです。詳しくはSCP-3012を確認してください。ワンダーテインメントはGAWについて聞いたことがないか、あるいは認識していないようです。
  • マナによる慈善財団: MCFは、1978年以来ワンダーテインメント博士から最低16回の寄付を受けています。最新の寄付内容は衣服や玩具といった非異常のワンダーテインメントブランドの商品でしたが、異常な寄付についても報告されています。
  • マーシャル・カーター&ダーク社: ワンダーテインメント博士社はMC&D社のサプライヤーとして知られ、様々な独占的製品ラインを製造しています。
  • 蛇の手: マリア・へリングがワンダーテインメント博士社に影響を与えたことで、蛇の手との関係が発展したと現在推察されています。手の捕獲されたメンバーは放浪者の図書館からワンダー・ワールドへと繋がる“道”の存在を示唆していますが、この主張については未確認のままです。
  • ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ: これまで、WWSとワンダーテインメント博士社の間の接触は一度記録されたのみです。WWSはこれ以上の接触を禁じられています。詳しくはSCP-3879を確認してください。


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