主に東京ジュブナイル用
テーマ
- 自由奪還
- 児童文学系冒険譚
- 暗い地下東京から太陽の下へ、地上へ、外へ。
- 東京全域は現在壁で覆われている。檻の表現。
- 少年は父の夢に囚われ、少女は母の期待に囚われている。重くしすぎるつもりはないが、地下東京脱出に話を通して彼らは自分を手に入れる。
- 青年団は少年少女の肯定者。夢破れの中年たちは少年少女の夢のために戦う。
- 事変集結前後の話。最後にエピローグで集結後の話を描いて、事変自体にも一区切りを。
- これ1話夜コンに出せないかな (7/26-8/16)
用語
- 無人駅
地下東京各所に点在する無人駅。単に無人なだけの場合もあるが、多くの場合は相応の理由がある。もし何らかの理由で無人駅で一夜を明かさねばならない場合、見張りを設けて警戒を怠らないようにせねばならない。
- 銀河鉄道 (複製品)
かつての遠野大移動時に回収した銀河鉄道の破片を元にIJAMEA (と東弊組) が作り上げた模造品。その性能は本物には及ばないものの、実際に空を飛ぶことが可能であり、呪術結界型バリアで多少の現実汚染にも耐えられる。東京地下の極秘路線に隠されていたが、ジムシたちの情報をもとにタキオリはこれを突き止めていた。
最終的に少年少女とタキオリが乗り込み (タキオリが車掌)、これまで来た道をかけ戻りつつオオウツロから脱出。脱出時に落下物との衝突や現実雲の影響で故障してしまったたが、その後彼らは手持ちの車両で異災特区へと走っていく。途中/乗車時に怪獣と遭遇してしまったため、タキオリがそれを引き寄せる形で離脱、少年少女のみがたどり着いた。なおタキオリはちゃっかり生きており、後日10年後のエピローグで再開する。
- オオウツロ
- ジムシ
都心地下で活動していたIJAMEA残党。昆虫のようなマスクに身を覆っており、その姿は一見異様。彼らのキャンプを通過する際は通行料を要求される。無理だったら身ぐるみ剥がされて食われる。悪食。
- 鉄道狂信
鉄道/ニクデンシャを崇めるカルティストたち。各駅に散在しており、小規模なグループこそあれど、きちんと体系だった組織を持つものはあまり見られない。よくある自然な鉄道崇拝者と違い、鉄道狂信は多くの場合キサラギ市場を中心に出回っている怪文書”鉄道聖書”の影響を受けている。同文書ではデンシャを念頭に置く歪曲された失楽園と救済の物語が綴られるが、ところどころでかつての東京を思い起こさせる。一説には初期生存者の誰かが戯れに作ったものではないかとも。
- 東京脱出青年団
- 東京駅管理局
東京駅に居合わせた/駐留していた財団/GOC職員 (大多数が財団) と一般市民たちからなるコミュニティ。要塞状のバリケードを構築し、周辺の駅をいくつか傘下に置いている。自らを地下東京全体の管理人と考えており、各地に (表向きは別の素性を持つ) 調査員をバラまいてアノマリーの記録・対策や物資の分配を行っている。特に後者の分配のせいで複数の有力大型駅コミュニティと敵対しており、過去には戦争さえ発生した。制限はされているものの、人材・資材が比較的潤っている。少年少女もコイワからスシを頂いたが、そんなものを食える生活を送っているから敵視されるのである。
- ハードスーツ
探京家が着るスーツと、それをもとにGOCホワイトスーツを改造して東京駅管理局内で独自制作されたものの2種類が存在。前者は落ちてこないと手に入らないうえに新宿駅は敵対環境であり、更に落下時に基本ひどい故障に見舞われている (過去1着のみが東京駅の手に渡っている)。後者もせいぜい6着しかなく、うち5着はこれまでの救援要請時に失われている (救援要請も失敗している)。そのためラスト1着は東京駅の資材室に保管されていた。新青年団は修理したスーツの1着とこのラスト1着を持って東京駅を逃亡。書き置き曰く”今度こそ救援要請を成功させてやる”らしいが……。なお一緒に現実改変対策装備を積んだ特殊車両が封印されていた。こちらも残り1つ。
- キサラギ市場
存在しないはずの駅”キサラギ”に存在する大型の市場。各地の商人が集っており、物資のみならず情報の交易も盛ん。タキオリもよく通っている。キサラギ市場は各地の駅間に時空を歪めて割り込む形でランダムに現れるが (そのためもとの駅に帰るまでの間宿泊する場所もある)、実はヤマノテ線を特定ルートで回っていくと確実にたどり着くことができる。多分本編には直接は出てこない。
- トーキョー・ウォール
東京全域を取り囲む環状の壁。探京家はここを通って東京へ足を踏み入れる。ゲート周辺には壁の建築、修繕、各種団体・企業の出先研究機関、探京家用の施設などが町を作っている。そのさらに外には大型スラム地帯”トーキョー・サークル”が存在し、非合法探京家クランを形成していたり、地下通路から内部へ侵入していたりするが、それはまた別の話……。自由を阻む檻のメタファー。
- ニクデンシャ / デンシャ
事変時に電車が変質した存在であり、金属製の骨格と剥き出しの肉から構成される巨大駆動半生命体。事変前と比べるとかなり本数は減ったものの、今でも走行を続けており、しばらくの時間を開けてはいるが定時的に駅に現れる。タキオリたちは手押しの簡素なトロッコ列車でもって、このインターバル中に移動し、途中駅で停泊しつつ東京駅まで移動した。なお、東京駅の勢力圏目前でイレギュラーのニクデンシャと遭遇し、横に逃れて傘ガード (便利な防具だ) でギリギリ耐えたものの、傘とトロッコは壊れてしまい、以降徒歩で進むことに。この途中で彼らは異常発生したウラの群れ (これを取り込んだことでニクデンシャが元気一杯になって加速したぞ! マジで?) と遭遇することとなる。東京駅では家畜化された個体が飼育されている。
- ”ウラ”
時空間断裂の影響で”裏東京”からやって来た異常存在の総称。多くは肉塊状の姿をとり、集団で出現する。ポストアポカリプス空間のゾンビ枠。主に東京駅周辺で多く出現するため、東京駅管理局は戦闘訓練を欠かさず、駅自体も要塞状になっている。内部のポータルは封鎖された。なお、東京駅周辺に多数出現することは、東京駅勢力が他の拠点都市を掌握しようとする要因の1つともなった。作中ではトロッコを失った少年少女・タキオリが遭遇し、タキオリが捨て身で食い止めて少年少女に先を急がせたほか、東京駅滞在中にも交戦が生じてサイレンが鳴り響き、シマさんが戦った。
- 探京家
このシリーズにおいて、探京家は地上の東京探索者のみを指す。元々そのつもりで使っていた用語だったのだが、他著者記事では地下東京内の探索者もこの用語で呼ばれている。今回、地下東京内の探索者は単に”探索者”か”ストーカー”と呼ぶこととする。
- 下水ワニ
異常な敵性大型生命体の総称。多くは旧日本生類創研の施設から抜け出した (あるいは既に事変前から抜け出していた個体もいたかもしれない) 連中か、その後の残党たちが作り出した存在である。一部食べれるものもあるが、刺し身にした結果腹の内部で再生した事例がある。カスガイの死は下水ワニを食い止めて少年少女に先を行かせたことに起因する。
- サイト-81GB
多分存在しない。東京駅管理局の立場を作中世界観およびストーリー上で明確化し、外部との通信/交易路を潰すためには存在しない方が今回は良さげ。
- 地下戦争
フレーバー程度に使用するかも。情報量も少ないし、本題とは関係ないのであまり掘り下げないと思う。
- その他雑多なアイデア。小ネタやミニエピソードに使えるかもしれない。
- カッパ。地下水道に暮らしており、様々な機械部品を買い取ってくれたり、それらから作った道具を供与してくれたりする。実際にはテスターがほしいだけであり、またロクでもない副作用や故障などもあるので、”カッパの言うことは川に流せ”と言い伝えられている。昔は寿司屋に地下で重労働を課されていたらしい。
- ファクトリー東京支社。様々な物資を回収しているが、一方で立ち入ったものは労働者として取り込まれてしまう。倉庫だけが確認されており、労働者にされた者の行き先はわかっていない。
- ミニニクデンシャ / コドモニクデンシャ。ニクデンシャの幼生である。小さくてかわいい。初期のニクデンシャは既存の電車外殻に取り付いて生育していたが、このタイプは自身で電車骨格を形成できるまでに至っている。金属資源の採集元としても使える。
キャラクター
- タイヨウ (少年)
- ソラ (少女)
- タキオリ
本作品の狂言回し。タキオリを書きたいからこれをやってるフシがある。2回死にかけたのに生きてた。
手押しトロッコの2両列車を愛用。
ある種の秘密道具として多数の荷物をまとめて持ち歩ける拡張次元アタッシュケース、奇跡強化タッカーガン、傘型の呪縛防御陣形成機などを持ち歩いており、特に傘については気に入っているようで、自身のことを”地底のメリー・ポピンズ”と称していた。なお少女からは”薄汚いドラえもん”よばわりされた。これらの道具を持ち歩いているのは、彼が個人活動を好み (負い目から隠れて脱出口を探していたからである)、通例と違って調査員の2人体制を取らないからである。これゆえに調査員であることの発覚が比較的しづらかった (実際にはけっこうバレかけているが)。なおこれらの秘密道具は児童小説のオジサン魔法使いみたいな存在を踏まえている。
トロッコと傘は道中で破損し、タッカーガンは後に少年の手に渡り、彼自身はアタッシュケースから刀を出してウラと交戦していた (東京駅管理局では刀や鈍器を使うのが一般的である)。アタッシュケース自体はスーツを無事東京駅まで届けるために少年少女に渡された。新青年団合流時には刀も折れて何も持っていない状態になっているし、疲労がたまって服も破れている。
最初こそ (何だかんだで) 頼れる人間であったが、最終的に地上では何も持たない状態で気力だけで怪獣を自分の方におびき寄せてフェードアウトした。
しかしその実地下に戻って生存しており、エピローグで成長した少年少女と日差しのよく当たるカフェの席で再開することとなる。
*当初はただの怪しいオッサンのつもりだったので、ここまで色々秘密道具をもたせることになったのがちょっと悩ましい。こんな強いはずじゃなかった。どうするかな……。
- カスガイ
キーパーソン。笑いつつもどこか悔しそうに死ぬ。
- シマさん
戦闘担当。笑いつつもどこか悔しそうに死ぬ。
- リュウドウ
元青年団メンバー。解散後に紆余曲折を経て新宿駅までたどり着き、タイヨウの父親となった。だが、タイヨウ本人は彼の素性を知らない。タキオリはどこか目に似たものを感じ取っている。
- モリタケ
どっかの駅 (どこにしよう?) に住んでいる元青年団メンバー。ちょっと垂れ目ぎみのダンディなオッサン。タバコ状の奇跡論式無限パラドラッグを吸ってる。悪人には手厳しい。タキオリから預かった少年少女 (と諸々) を東京駅まで送り届けた。
- とある鉄道狂信者
タキオリの伝言をもとにモリタケのもとへやって来た少年少女をモリタケのフリをして迎え入れる。朝にやって来るニクデンシャへの捧げものとして彼らを利用しようとしたが失敗。最終的に縛られて連れてかれた挙げ句、ジムシ・ゲートを通る際にモリタケに”食いもんだ”と言って通行料代わりに投げ渡された。
- コイワ
東京駅にいる丸眼鏡・ポニーテールのお姉さん。世話焼きで快活。元青年団メンバーであり、東京駅滞在中の少年少女の保護者・案内役を務めた。青年団時代の昔話とかもしたし、そこでリュウドウが新宿に向かったことも語る。見た目のイメージはちょっとハンジに近いかもしれない……?
- ミクニ
東京駅にいる丸眼鏡のちょっと丸い体型の医者。目が細く笑みを浮かべ続ける。元青年団メンバー。
- ホギワラ
東京駅にいる色素の薄い気だる気なオジサン。青年団時代はホストみたいな顔立ちをしていたらしい。
- ナナシ
東京駅にいる目の死んだオッサン。青年団に入った際は記憶喪失・素性不明だったという。何か怪しいが作中では何もわからない。
- スミオカ
墨のような真っ黒の長髪と瞳をした無口のオッサン。あちこちを歩き回って地上への出口を探し続けている。ワイヤーを仕掛けてニクデンシャを狩り、その肉を食べて/売りさばいて生活している。途中で少年少女と会ったかもしれない。無口だが割と優しい。
- ミーシャ
猫耳ショタ。事変時の影響でこの姿のまま固定されており、実年齢は普通に40代。手帳に様々なメモをとっており、彼の残した文書や注意書きが地下東京の各所に散在する。スミオカと一緒にいるかもしれない。
- ビッグローチ / ボス
タイヨウの自宅/ナワバリ/ベッドの下に住み着いている50cm~1mほどの巨大な知性ゴキブリ。低い声で喋る。リアリスト。ゴキブリなので少年少女がローチバーを食べていても冷めた反応を返す。新聞を読むのが好き。ソラからは怯えられていたが、悪いゴキブリではない。二人が出ていく際に見送った。
- おやっさん / キカイヤ
新宿駅の機械工。少女のハードスーツの調査・修理を依頼されるが、パッと見ではさっぱりわかんなかった上に翌日噂を聞きつけてやってきたタキオリに半ば無理やりバックヤードに入られて困っていたところに少年少女がやってくる。少年からは信頼されていたが、タキオリにスーツを売っぱらってしまった。このため、東京駅へ行くことも含め、少年少女はタキオリのトロッコに乗り込み、奇妙な旅が始まった。
- ウンノ with 西塔電話 (Siphone)
東京駅で働いている。事変で亡くなった西塔の亡霊が収まった携帯電話を肌見離さず持ち歩いている。カスガイたちがハードスーツを分捕って逃亡した際にエンカウント。苦労人すぎる。
- 広末サマンサ
異災特区で新たに発見された資源の取材に来ていたところ、少年少女と遭遇。彼らにインタビューを行ってこれまで現場での疑念に留まっていた地下東京の実体を赤裸々に世間へ伝えた。この件をきっかけとして生まれた世論に対し、財団/政府は本格的に救助を検討し始め、1~2年後に存在を確認。数年後に事変が終了すると、本格的な交易が始まった。このことはエピローグにて語られる。なお、父が自分を置いてあちこち取材にいっていた経験もあってか、少年少女 (特に身寄りのない少年) のその後の面倒もしばらく見てくれたりした。
#1
- 新宿駅、2018年。青年団の解散後。灰色の景色を穿ち歩いてきた男 (リュウドウ) は、割れてなお持ち場の名前を映し続ける電光掲示板 (駅保存力による) に背をかけ座り込んだ。目線の先には際限ない穴。暗闇に飲まれる駅景。タバコを取り出し、咥える。ライターはない。頭を上に向ければ、そこにもまた巨大な穴。覗くのは見慣れたはずの青い空。そして漫然ながらに煌々と輝く太陽。彼は手を伸ばし、その太陽を掴もうとした。
- 時は流れ2038年。シンジュクの上空は変わらず、太陽はなお照り続けている。異なるのは穴の様相だ。いくつもの通路が築かれ、何重にも網が張られていた。その間をいくつかの人影が (頭上に注意しつつ) 足早に通る。シンジュク上空にある空間結節点からは、時折様々な物が出現し落下していた。それは冷蔵庫であったり、牛の死骸であったりする。シンジュクの人々はそうしたものを収集し、そのまま利用したり、あるいは商人に売って暮らしていた。使えないものは下へ投げ捨て、より下層の住民へと回した。ここでは各自にナワバリがある。ここでこの物語の主人公を見に行ってみよう。きっと今頃はナワバリにいる……はず……?
- 声が聞こえる。僕の名前を呼んでいる。……父さん?
脳内イメージソング
- Barricades / 澤野弘之
And if we get out, get out
I'll think about the price of our soul
We've got to learn to live free, live free
We'll live a life without barricades
地下東京ハブ
- 落ちてきた人間へのオリエンテーションTale
(区切り)
- 概要
- 記事一覧
- 執筆ガイド
(区切り)
- 駅
- 用語
- 人物
(区切り)
- これでオリエンテーションは終わり!