SCP-XXXX-JP - 白式部
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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、サイト-81██の標準人型収容チャンバーにて収容されます。SCP-XXXX-JPには1日に3度、定期的に通常の食事を与えて下さい。

説明: SCP-XXXX-JPは出生経緯以外に異常性を持たない、現在20歳の日本人男性です。SCP-XXXX-JPは██県█市内の産婦人科医院にて20██/11/3付での出生が記録されていますが、院内の記録及び当時の勤務者への聞き込みからの情報は一貫してSCP-XXXX-JPに両親に当たる人物は存在せず、院内にて当時未使用状態であった妊婦用ベッドにて由来不明の胎児として発見された後、母体を有する一般的な胎児と同様の成長過程を経て "誕生" した事を示しています。またSCP-XXXX-JPは当時の院長により日奉白(Isanagi Haku)と命名されていますが、既知の日奉一族との関係は発見されていません。

また上述の医院からは以下の物品が回収されています。

  • 医院内に設置されている妊婦用のベッドを写した写真9枚。それぞれ構図は異なるがいずれもベッド全体を写しており、ベッドの中央上方10cm程度の位置にSCP-XXXX-JPと思われる胎児が浮遊している。
  • 日奉白の名が記載された母子手帳。両親の氏名や妊娠中の経過を記すページは空欄/未記入であるが、それら未記入ページも乳幼児期の成長過程を記した記入済ページと同程度の使用に一致する摩耗や劣化が見られる。1

SCP-XXXX-JPは自身の異常な出生経緯を記憶しておらず、また収容時点での年齢が1歳であった事から自身の被収容状態に対して疑問を抱いていません。現在SCP-XXXX-JPは自身が行った両親及び██名の既知の人物の殺害について繰り返し言及しています。しかし上述の通りSCP-XXXX-JPに両親にあたる人物は存在せず、殺害を主張している既知人物はほぼ全員2の存命が確認されています。

事案記録: 20██/11/4、SCP-XXXX-JPは突如精神状態が不安定となり、その後6時間に渡って啼泣する、収容室の壁面を殴打する、床面へと蹲る、等の行為を繰り返しました。翌11/5、精神状態の安定を待ってSCP-XXXX-JPへのインタビューが行われました。SCP-XXXX-JPは当インタビューに於ける質問の大部分への返答を拒否、或いは無視しましたが、断片的に本事案の原因との関連が推察される証言が得られました。以下に当該部分のインタビューログを抜粋します。

インタビュー記録 - 日付20██/11/5

対象: SCP-XXXX-JP

インタビュアー: 清水博士

<抜粋開始>

[抜粋開始時点でSCP-XXXX-JPは37分間に渡って清水博士の質問を無視している]

清水博士: 分かった、少し別の話をしようか。[9秒間沈黙]君は、つい先日二十歳はたちの誕生日を迎えていたっけね。

[SCP-XXXX-JPが、視線を自身の手元から一瞬清水博士に移す]

[14秒沈黙]

SCP-XXXX-JP: 僕は……、二十歳になったらやってやろうって、思って[不明瞭]

[12秒沈黙]

清水博士: 有難う。……やってやろう、というのは……?

SCP-XXXX-JP: あいつらさえいなければ、最初からやり直せると[不明瞭]

SCP-XXXX-JP: 何故僕は捕まっているんですか。皆、生き返った筈じゃないんですか……。

清水博士: 捕まっているというのは、……えぇとつまり

SCP-XXXX-JP: 家の、しがらみが、[7秒間沈黙の後、激昂し声を荒げる]家の柵なんて無ければ僕は誰も殺さなかった筈なんだ。何人も消させられた、何人かはその人の、生きてきた過去の人生諸共一緒に。

[19秒沈黙]

SCP-XXXX-JP: 僕は、僕自身以外なら何だって消せる筈だったのに。あの2人さえいなければ、あいつらを消せば日奉じゃなくなれるんじゃなかったのかよ……。

[4秒沈黙]

清水博士: 日奉?というと

SCP-XXXX-JP: 僕に自由は無いのかよ。

<抜粋終了>

本事案以降、SCP-XXXX-JPは財団に対して非協力的となり、不安定な精神状態が継続しています。また現在のSCP-XXXX-JPには、他者の過去遡及的殺害やその他の特異的行為を可能とする一切の異常性は確認されません。




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