アイテム番号: SCP-990-JP-J
オブジェクトクラス: Hen…shin!/Achoo!
特別収容プロトコル: 敵対GoIや邪悪アノマリーとの混戦時、君のポケットにあるそのチキン、パウダーが力をくれる。
さぁ今だ!熱い心パワーでぶっ飛ばせ!!!
説明: SCP-990-JP-Jは各財団サイトにて放送中のヒーロー・フライドチキンのコマーシャル 映像群 "「HEROの鳥味RED!」シリーズ" 内に登場する、赤を基調とした装甲服に身を包んだヒーローの姿をした実写キャラクターです。
"「HEROの鳥味RED!」シリーズ" は現在までにCM-1〜3の3種が制作/放送されており、各内容は以下の通りです。
CM-1 - 只今参上!HEROの鳥味RED! 編
【登場人物】
- SCP-990-JP-J
- 男性エージェント
【映像内容】
(天井が崩れ瓦礫の散らばる半壊したコンクリート張りの室内で、煤汚れて衣類が激しく損傷した半裸の男性エージェントが独り佇んでいる)
(男性エージェントは汗を流しながら両手で把持したヒーロー・フライドチキンを凝視する)
SCP-990-JP-J: おいしさヤベぇぜ HEROの鳥! 草分け根分け手を伸ばせ!!! (上空から猛スピードで降下しながら出現し、崩れた天井から男性エージェントの背後へとスーパーヒーロー着地する)
男性エージェント: なっ!?
SCP-990-JP-J: ブレイブキャンペナァァァァアー!!!!!! (両肩アーマーに装備された送風機から、男性エージェントに突風を浴びせかける)
男性エージェント: うおぉぉぉぅあア゛ァァァァァ〜!!!!!? (汗が吹き飛んでテンションがおかしくなり、両目を激しくひん剥いて急速にヒーロー・フライドチキンに齧り付く)
(男性エージェントは迅速に完食し、)
男性エージェント: ぐがムシャグゴむシュリュ ごぐガゴムシュリュゴば! 旨い!!!!!
SCP-990-JP-J: 今ならヒーロー・フライドチキンをセットで買うと、もれなく特製炭酸飲料ライム缶サイダー1本プレゼント中!
(SCP-990-JP-Jがカメラに向かって力強くサムズアップし、画面上に被る形でヒーロー・フライドチキンLLセット1とライム缶サイダーの画像が表示される)
<映像終了>
CM-2 - 即刻打倒!怪人・メシ不味いかぁ鬼 編
【登場人物】
- SCP-990-JP-J
- 男性事務員
- 怪人・メシ不味いかぁ鬼キ
- 女性オペレーター
【映像内容】
(財団サイトの一画で、くすんだ軍服色の体をした怪人が出現し、書類整理中だった男性事務員の肩に手をかけて振り向かせる)
男性事務員: な、何なんですかぁぁあ!!??
(軍服色の怪人 "メシ不味いかぁ鬼" は、見るからに干からびたボソボソのオニギリをおもむろに男性事務員の口に詰め込む)
男性事務員: ムグォごぶフフブッフ……
メシ不味いかぁ鬼: どうかね?不味いか?不味いのかぁああ?
・ ・ ・ ・
(ヒーロー番組の基地風に演出されたサイト内の司令室で、モニターに表示されたエネルギーゲージの値の急速な低下に気付いた女性オペレーターが血相を変え、インカムのマイクに向けて警告を告げる)
女性オペレーター: 士気低下により、サイトの危機耐久値が低下しています……このままでは危険です!!!
・ ・ ・ ・
(SCP-990-JP-Jが装甲服のメット部分の機能で司令室からの緊急警告をキャッチし、迅速に走り出して次の瞬間には冒頭の一画に到着する)
メシ不味いかぁ鬼: 何だお前は!?
SCP-990-JP-J: 不味い食事を振りまく事など、この俺が絶対許さない!!!今なら何と、ミニチキンボールが1個増量中!!!
男性事務員: 貴方は!!!
SCP-990-JP-J: 君、共に怪人・メシ不味いかぁ鬼を倒そう……!
(SCP-990-JP-Jは装甲服のバックパックからヒーロー・フライドチキンとカップ容器入りのミニチキンボールを取り出し、男性事務員に力強く勧める)
男性事務員: よし……!うおぉぉぉぅあァァァア゛!!!!!!
(男性事務員は右手で受け取ったヒーロー・フライドチキンに齧り付くと目に見えて力が漲り、更に左手でカップ容器を掴み取ると呷るようにミニチキンボールを完食する)
SCP-990-JP-J: 行くぞ!!!
男性事務員: おう!!!
SCP-990-JP-J: カウンターフライドだ!!!
SCP-990-JP-J、男性事務員: デヤァァァァアーーーーーー!!!!!!!
(SCP-990-JP-Jと男性事務員がダブルパンチを繰り出し、直撃を喰らいメシ不味いかぁ鬼は後方へ吹き飛ぶ)
メシ不味いかぁ鬼: グぁアァァ゛ァぁ ァ ァ ァ 〜 〜 〜!!!!!…………
(メシ不味いかぁ鬼はそのままサイト室内後方の壁を突き破ってサイト外へと飛んでいき、遥か彼方で爆発する)
SCP-990-JP-J: ヒーロー・フライドチキンもチキンボールも全てが旨い!それが君にも力をくれる!!! レッツ!イートフェニックス!!!!!!!
(SCP-990-JP-Jがカメラに向かってこれみよがしにサムズアップし、画面上に被る形でヒーロー・フライドチキン2とミニチキンボール3の画像が表示される)
<映像終了>
CM-3 - 俺たちにはパウダーもある!怪人・ドロンじゃあ魔女 編
補足: このCM-3は1、2よりも少し後の時期に放送されたバージョンであり、新発売の「ヒーロー・フライドチキンの香辛料や肉汁等各種の味わいを再現した小袋入りパウダー、 "ヒーロー・フライ鳥ドリパウダー"4」の宣伝を兼ねた内容である。
【登場人物】
- SCP-990-JP-J
- 怪人・ドロンじゃあ魔女ウィッチ
- 研究員(男女2名)
- Dクラス(計4名)
【映像内容】
(男女2名の研究員と4名のDクラスがオフィス隅のデスクの陰に纏まって隠れている)
(怪人・ドロンじゃあ魔女は同オフィス内を荒らし回っており、手当り次第にサイトの備品や機密書類を奪い、自身の巨大な頭部の上部に開いたハッチ状の開口部へと放り込んで行く)
ドロンじゃあ魔女: サイト中全て何もかもを頂いてぇ、そのままドロンするだけじゃあぁ……!
(オフィスの窓を突き破りSCP-990-JP-Jが駆けつける)
SCP-990-JP-J: なんて事だ、このサイトのヒーロー・フライドチキンも、全部アイツの頭の中か!?
ドロンじゃあ魔女: あぁそうじゃ!お前さんにできる事なんて無いんじゃよぉ……!!!
(SCP-990-JP-Jは装甲服ポケットから新商品ヒーロー・フライ鳥パウダーの小袋を取り出す)
SCP-990-JP-J: ここで負ける訳にはいかない!君たち、共に俺たちのヒーロー・フライドチキンを取り返すんだ!!!
(SCP-990-JP-Jは叫びと共に研究員とDクラスたちが身を隠していたデスクを蹴り退け、彼ら7名に向けてヒーロー・フライ鳥パウダーを浴びせかける。)
ドロンじゃあ魔女: なぁにぃ!?何じゃそんな所におったんk ヌあぁあアァ!!???
(研究員とDクラスたちは目に見えて力が漲り、ヒーロー・フライドチキンに目が眩んだDクラスたちが一斉にタックルをしかけてドロンじゃあ魔女が転倒する)
Dクラス1: (ドロンじゃあ魔女の頭部を押さえ付け)何処だ!?
Dクラス2: 隠すな寄越せ!!!(ドロンじゃあ魔女頭部のハッチをこじ開ける)
ドロンじゃあ魔女: 待てェ!ヤメロ待たんかぁ!?
ベギィッ!(Dクラス3、4がハッチの蓋を引き千切る)
女性研究員: 私たちも早くチキンと書類を!
(男性研究員が頷き、2人の研究員も走り出す)
男性研究員: 我々も早く、チキンと書類と機器とチキンを!!!
(2名の研究員も諸々の奪還のためにモミクチャになってるドロンじゃあ魔女へと突っ込み、取り合いの末にドロンじゃあ魔女の頭部が首から外れる)
SCP-990-JP-J: おお、凄ぇ。(一瞬後、カメラ目線に向き直って)そうさ、ヒーロー・フライドチキンもこのパウダーも全てが旨い!それが我らに力をくれる!!! レッツ!イートフェニックス!!!!!!!
(ヒーロー・フライドチキンを奪い合う研究員とDクラスたちをバックにSCP-990-JP-Jがカメラにサムズアップをし、画面上に被る形でヒーロー・フライドチキン5とヒーロー・フライ鳥パウダー6の画像が表示される)
<映像終了>
SCP-990-JP-Jのスーツデザインや台詞の声色、コマーシャル内の各種挙動は視聴者に対する特定ミームの刷り込み効果を発生させる事を意図して作られており、以下の「ミームドーパー・プロジェクト」に基づいて作成されたキャラクターです。
【ミームドーパー・プロジェクト】
2020/03/01 立案
目標: 敵対GoIや人型アノマリーとの混戦時を想定し、非異常性物質の投与や噴霧を行うことで事前に特定ミームに暴露済の職員にのみ作用する、強力なドーピング効果を実現する
方法: 専用に開発する財団製オブジェクトを用いた特定の映像メディアによる事前のミーメティック誘導で特定の物質と脳のリミッターの完全な解除(所謂 "火事場の馬鹿力" の最大出力バージョン)を強力に紐付け、上記物質の摂取によって瞬間的な体力や瞬発力、持久力の増強を発生させる
ミームドーパー・プロジェクトに使用する物質の選定に於いては、本来ならば一切薬学的な効果を伴わない物質(食品)である点、財団内にて確立された生産ラインが既に存在/稼働している点、そして既に当該製品に関連したミーム誘発オブジェクトが存在する為に部分流用や改造による開発コスト大幅削減が期待できる点を受け、満場一致でヒーロー・フライドチキンが選出されました。これまでに制作されたCM-1〜3はそれぞれ以下の効果の為に作られています。
番号 | 効果 |
---|---|
CM-1 | 視聴者の深層意識に作用し、ヒーロー・フライドチキンと "強烈な力強さ" のイメージを紐付ける。また同時にライム缶サイダープレゼントの強調により、「ヒーロー・フライドチキンを買うのはオトクな行為である」との認識を刷り込み購買意欲を増進させる。 |
CM-2 | 視聴者の深層意識に作用し、ヒーロー・フライドチキンの摂取によって齎される具体的なドーピング効果の認識を強固に刷り込み定着させる。また同時にミニチキンボール増量中の強調により、「ヒーロー・フライドチキン関連の商品はやはりオトクである」との認識を刷り込み購買意欲を増進させる。7 |
CM-3 | 粉末噴霧によるより実用的な運用を可能とするヒーロー・フライ鳥パウダーの開発完了に伴って制作されたバージョンであり、その具体的使用方法と効果8の認識を強固に刷り込み定着させる。 |
上述のコマーシャル映像群を繰り返し視聴した人物の脳内では製品群に対する購買意欲の増大と共にヒーロー・フライドチキン関連商品の摂取と瞬間的な身体能力の底上げが強力に結び付けられます。これにより、1週間に2回程度の頻度で関連コマーシャルを目にする状態が1ヶ月程継続した段階で関連商品摂食時にドーピング効果が表れ始め、同様の状態の継続が12ヶ月間に至った時点でCM-2、3内にて描写されるものと同等の効果を発揮する状態へと達します。
補遺[2022/03/12追記](ミームドーパー・プロジェクト成果近況):
ミームドーパー・プロジェクト成果近況
2022/03/12 報告
現状: CM-1〜3のミーメティック誘導によるドーピング効果誘発の試みは、現時点で100%の成功を収めています。既にサイト-8181、8114、8182にて各収容区画近傍から重点的に施設内部各所へのヒーロー・フライ鳥パウダー即時噴霧を可能とする自動散粉ユニット設置が完了しており、サイト-81BB、エリア-81JH、セクター-8105に於いても同様の機器の設置作業が進行中です。9上述の全ての財団施設に於いてCM-1〜3は大好評を博して放送中であり、ヒーロー・フライドチキン関連商品の売上も極めて上々10です。
成果: これまでにミームドーパー・プロジェクトの効果により、主立ったものだけでも4件の大規模収容違反の即時収束、5件の敵対GoIによる襲撃の即時鎮圧、ドーピング状態の職員群と対峙した86体のKeterオブジェクト並びに全ての有自我Euclidオブジェクトの恒久的な脱走意欲消失といった成果が得られています。またより小規模な事例も合わせると当該プロジェクトの効果により収束した事案件数は現時点で1790件に上ります。
今後の展望: 今後SCP-990-JP-Jは日本支部内に留まらず、財団本部や他支部に於ける大々的な運用の検討が進行中です。詳細についてはSCP-990-JP-J海外展開計画【Project: Power-Dopers】資料を参照して下さい。
事件記録-990-JP-J: 2022/06/12、日常的にヒーロー・フライドチキンを購入していたAgt.賀上が味覚的な差異を訴えた事からの調査によって、サイト-8181内の複数の食堂にて正規品とは異なる仕入れルートから混入したヒーロー・フライドチキンの偽造品が正規品に紛れて販売されている事実が判明しました。これらの偽造品は各種香辛料の配合の観点からは正規品の完全な模倣となっていましたが、使用されている鶏肉は正規品から大きく劣る味と肉質のものでした。このような粗悪品の混入は正規のヒーロー・フライドチキンの信用を毀損するものでありミームドーパー・プロジェクトの正常な進行に対する妨害行為に他ならない為、早急な調査が実施され犯人が特定されました。
以下は本事件の犯人であった村崎博士に対し行われた尋問の記録です。
尋問記録『村崎博士』 #1
2022/06/26
≪開始≫
[インタビュー室にAgt.時任、Agt.賀上の2名(以下、時任、賀上と呼称)が入室する。]
村崎博士: あ! お前ら! 何も椅子に縛り付けること無いだろう!
[時任が茜刺財団新聞のニュースページを印刷した書類を村崎博士に差し出す。]
村崎博士: あ? なんすかこれ──
[お互いに数秒無言]
時任: この記事で言及されているチキンに覚えはありませんか?
村崎博士: こんな偽造品知らないっすね。ヒーロー・フライドチキンってのを食べられたこと自体無いっすから、こんな胡散臭い品が出回ろうが興味ねぇですよ。いつも売り切れだから……。
賀上: ……それは昼時買い出しに出るのが遅いせいかと。
時任: 貴方が本件の犯人であることは分かっています。そして碌にレシピを再現する技術が無いこともです。
賀上: もうこれ、明らかに味付け正規品のパウダーに頼って誤魔化してますよね。証拠も既に挙がってますし。
村崎博士: え。
時任: もう何ていうか品質が低すぎるんですよ。こんな肉質で作るチキンがありますか?
村崎博士: あ…… ち、違うんですよ、あれですわ、本物を食ってないんだから再現も何も肉質分かるわけ無いんすよそもそも。(数秒無言) ……あ。
時任: ……口を滑らせましたね。よろしければ本物のヒーロー・フライドチキンをお出ししましょうか?
村崎博士: あ…… え? マジすか?
時任: [無言で笑顔を浮かべる]
賀上: [笑顔で書類を取り出す]
村崎博士: ん……?
[村崎博士が出された書類の概要序文を確認、把握する]
村崎博士: "SCP-990-JP-Jが主役のヒーロードラマ"。…… あの、本気で言ってるんすか?
賀上: ご理解頂けたようですね。えぇ、かなり過酷な撮影になります。
村崎博士: いや、偽装したのは悪く思ってます。ちょっと、小遣い稼ぎと思ってただけなんす。許して下さいよ。
賀上: 申し訳有りませんが、そうも行かなくてですね。あなたからしたら小遣い稼ぎの感覚かもしれませんが、私たちからしたら真剣な問題です。プロジェクトが妨害されているのですよ。
村崎博士: 私はどうすればいいんです?
賀上: 法務部門を呼びたいところですが、あなたの製作物はとても興味深い。バイオ技術で鶏肉をそれらしく生成し、パウダーをかけてとはいえヒーロー・フライドチキンの偽物を作れるなんて大した技術です。グズグズな肉も、元が鶏頭水煮である事を考慮すれば素晴らしい品質アップですし、私たちの下で働いてみてはいかがでしょうか?
村崎博士: ヒーロー・フライドチキンも食えるんですか?
時任: その可能性もあるかもしれないですね。
賀上: ですが先に一仕事。先程の資料がそれです。
[村崎博士は書類に再度視線を落とし、より詳細な内容を読み込み、把握する]
村崎博士: あー、これはSCP-990-JP-Jではなさそうですね……?よく似た別のデザインだ。ああ、これは偽ヒーローがテーマなんすか。それで隣に描かれてる怪人が、この偽ヒーローの正体……。え。
時任: 把握が早いのは良いことですね。
村崎博士: ああ、ん?……これって流石におかしくないです?
賀上: 何がです?
村崎博士: だって、ドラマ撮影って言っても、ドーピング込みでの必殺パンチを体に受けたら怪人スーツの中にいる人は死んでしまいますよね?ああ、マジのバトルだ……。こんなんは特撮ドラマなんかじゃないですよ。
賀上: はい。今や特撮技法無しでもそれができる職員はいますし、これが一番効率よく撮影を行える方法です。
村崎博士: えぇ……。
時任: それに偽造品への注意喚起のために、新たな映像メディアを作成せねばならない。
村崎博士: えぇ……!?
賀上: えぇ、そういう事です。既にキャラ人気も確立しているSCP-990-JP-Jを主人公とした単発ヒーロードラマの形を取り、作中での描写によって正規品が偽造品とは明確に異なり優れる事を明示的に描写しようという話になりました。……つきましては。
[一同、数秒無言]
[村崎博士、書類中の一文を読み上げる]
村崎博士: "ついては偽造品を作りまくった貴方には、偽造品でのドーピングを試みた上でSCP-990-JP-Jにボコボコにされる怪人の役でこの映像作品に出演して貰う事にした" ……。
[村崎博士、呆然と口を開いたまま顔を上げ賀上と時任を見る]
時任: そういう訳です。
賀上: [監視カメラに顔を向ける] サイト-8181のみなさん、あなたたちも私どものヒーロー・フライドチキンの品質を信頼下さっていますね。それをこの偽造品はほとんど損なっている。覚悟すべきです。ちょうど良いことに、こうして我々は正規品のずば抜けた品質の違いを明確に示す機会を得ました。だから今一度しっかりと、記憶に留めて頂きたい。いいですか。人類を恐怖から守るのは我らが正規のヒーロー・フライドチキンです。
≪終了≫
偽造品事件を起こした村崎博士は素面の人間態11と着ぐるみの両方で怪人役で出演し、ヒーロードラマ作品「HEROの鳥味RED!vs 鳥頭怪人・邪王ジャッキングラプター!~偽HERO 鳥亜人バイオREDの正体を暴け~」が制作されました。
以下に記載するのは本作品の見処シーンの文字起こしです。
<抜粋開始>
(アジトであった廃工場へとSCP-990-JP-Jが乗り込む)
(鳥亜人バイオREDはその仮面を脱ぎ捨て、鳥頭怪人・邪王ラプターの正体を現す。)
SCP-990-JP-J: 鳥亜人バイオRED。お前は「憧れ」からだと言った。そしてまた、「より多くの人を救うため」とも言った。だがその実態が……
邪王ラプター: 綺麗事めが!私は気付いたんだよ、人を愛する事に、な、な、何の意味がある?
SCP-990-JP-J: バイオRED、いや邪王ラプター!お前が棄ててしまった心を、正義を誰より求めているのはお前自身だ。それでもまだ、ヒーローに嘴を剥くというのか!
邪王ラプター: 全て綺麗事、全て偽物!本物なんてありゃしない!だから偽物が お、お前を倒し、私の言葉を証明してやる!
(邪王ラプターは懐から偽造品のヒーロー・フライドチキンを取り出し、呼応してSCP-990-JP-Jもヒーロー・フライ鳥パウダーの小袋を取り出す)
SCP-990-JP-J: 仕方ない。フェニックス・ハイパーチャージ!!!!(パウダーを頭上へと振り撒いて全身へ浴びる)
邪王ラプター: 無駄な事……!フェイクネス・アルターチャ… グホァ!???
(邪王ラプターは着ぐるみ頭部の開口部から偽造チキンを摂食しながらSCP-990-JP-Jの急接近からの上方膝蹴りを喰らい、廃工場の天井を突き破りながら吹き飛ぶ)
(SCP-990-JP-Jが追従して上空へと跳び上がる)
SCP-990-JP-J: 超!フェニックス・カウンターフライド!!!!
邪王ラプター: グぼぁアァァ゛ァぁ ァ ァ ァ 〜 〜 〜!!!!!…………
(邪王ラプターはSCP-990-JP-Jの強化必殺パンチを喰らい、遥か彼方へと吹き飛んで行く)
<抜粋終了>
超フェニックス・カウンターフライドを喰らった村崎博士はこの撮影の3日後に、撮影現場から県境を超えたサイト-8139にて回収されました。周辺地域で短期間「意味不明な体勢で飛翔する高速鳥人」の噂が流布しましたが、ミームドーパー・プロジェクトの有用性と天秤にかけた上で充分に許容可能なコストの範疇で無事に記憶処理と情報統制が完了しました。現在当ドラマ作品はサイト-8181にて大好評を博しており、近日中にサイト-8141の託児所をはじめ他の複数の財団施設でも視聴可能となる予定です。
付与予定タグ: scp jp ジョーク esoteric-class 視覚 聴覚 味覚 食物 軍事 芸能 財団製 人間型 衣類 qコン22