いんたびゅう by.vetman氏
mee: 執筆に於いて、最も重視することは何ですか?(例えば、キャラの心情を描ききること、作中での設定の破綻が無いように展開を計算しきって形作ること等)
vetman氏: 『地味に刺さる展開で何度も性癖をブチ抜く』ことです。映画や漫画、或いは財団作品からでも摂取できる「今の展開やシーンが地味に刺さった。何回でも読み返したい」みたいな要素を兎に角かき集めて、自分の中に「こういう展開作ったら皆がエモいって言ってくれる」というパターンをストックしてます。
vetman氏: ただ、展開のエモさを重視しすぎるあまり中身が伴わなかったりするとかえってつまらなくなるので、『コイツで刺したい!』というよりは『この主題でこう書くのであればこのシーンにこの展開ぶち込める!』みたいな発想が生まれるように書いてます。
mee: 少し質問です。エモいパターンをストックする、とありますが、私はTaleの経験がなく、また記事もあまり書けていない為ストックが存在しません。こういう時はどうすればよいでしょうか……?
vetman氏: Tale以外にもストックに繋げられる媒体は沢山あります。映画や漫画、小説、ラノベ等の中でも、頭一つ抜けて受けている作品をちゃんと履修することが案外大切だったりします。
mee: なるほど……。ありがとうございます!
vetman氏: 財団における創作の着火薬が必ずしも財団作品でなくてはならない……ってわけでもないです。そして記事を書かなくても他人の作った面白い作品ならいっぱい摂取できちゃうので、兎に角自分で『今のやつ面白い!』って思ったのであれば真似たりストックしたりを繰り返したほうがいいです。やり続ければ自分の書く展開がパクリ以上の何かに化けます
teruteru: ふむふむ。
mee: それでは次の質問に移りますね。
mee: 書いている内に当初の構想から内容が変化していく、というのは経験としてよくある事なのでしょうか。創作において、例えば書いていく内にキャラクターの造形がハッキリすることで、初期構想で言わせる取らせるつもりだった言動をキャラクター側が拒否する(このキャラはこんな言動はしないな、と作者自身が思ってしまう)、という様な事例もあると聞きますが……。もしそういった「書いていく内にキャラの言動やストーリーの内容が変わった」経験をお持ちでしたら、それをどうなさったか(そのまま変化するに任せたのか、ある程度以上は構想から脱線しないように修正したのか)という事をお聞きしたいです。
vetman氏: よくあります。書いてるうちに作品そのものに対する解像度は深まっていくものですし、キャラや世界観、各スタンスや本来あるべき結末なんかはそれに応じて変わっちゃうものです。長編を書くときによく陥りがちですね。
vetman氏: これの対策に関してですが、前もって超念入りにプロットを作っておくのが最善策だと思ってます。複数人でやればなお確実です。行きあたりばったりの書き方は一番キャラがブレやすいです。
vetman氏: 短編だとどうにかなることもありますね。『ヒーローの辞表』は本当に行きあたりばったりでどうにかしました
teruteru: なるほど。やはり短編と長編では書き方を変えたほうがいいのでしょうか
vetman氏: 長編でそんなマネできる人はまずいないと思ってください。もちろんこれからTaleを書こうとしてるみなさんも含めた話です。
これは実例ですが、現在連載中の『蛇と焚書のカルテット』シリーズでも、私を含む3人の著者が十数話近くに渡る構成をかなり綿密に立てながら、「いや、俺の中のソイツはそういう行動しないかな」みたいな指摘を出し合ってキャラのブレを抑えてます。他にも1人のキャラにやって欲しいアクションや言動をメモに羅列しておくと、後で作中で使うか使えないかを分けやすいですね。
mee: vetmanさんでも行き当たりばったりでなんとか短編を書けるぐらいであれば、慣れていない方はプロットを組むのが本当に大事ですね……
teruteru: キャラクターについてのメモをとったり、プロットを綿密に組むことはやはり大事なのですね
vetman氏: 逆に考えれば『綿密にプロットを練ればそれだけブレの抑制に繋がる』ということです。まずは練りましょう。一人じゃ厳しいようであれば皆で練りましょう。私は一人だけじゃ厳しかったので三人でやりました
teruteru: 質問なのですが、オススメのプロットの組み方はありますかね?
vetman氏: オススメのプロットの組み方、あります。皆で限界オタクになる方法です
teruteru: ふむふむ
vetman氏: 「コイツだけオートマ車しか乗れなさそう」「家でチワワ飼ってそう」「絶対に次男坊や」「人妻でしか興奮しなさそう」みたいな使い所の無い幻覚でも構いません。複数人で1つのキャラや組織の「こういうことやりそう。いやこうであってほしい」みたいなのを出し合うんです
vetman氏: その中でたまに「子供の異常存在を撃つときに躊躇うか否か」といった、キャラの書き分けにおいてかなり重要になってくることを決めるんです
teruteru: なるほど。キャラや組織のイメージや性格等を作り出すのですね
vetman氏: そうですね。この辺のイメージや予想は一人で生み出すのも大変ですし、早めに限界が来るものです
mee: 物語の中盤あたりでいらないだろう情報が展開の鍵を握る、とかになったらめちゃめちゃ面白そうですね
vetman氏: 本当にそれが起こりうるので恐ろしいものです。蛇と焚書のカルテットでもこういった余計な幻覚が正式採用された例がいくつかあります
vetman氏: とある陣営のキャラに私の執筆仲間が「ぼくの中だと胡散臭い関西弁キャラ」って呟いたんですよ。
vetman氏: そしたら台詞の書き分けで重宝するという理由から急遽正式採用されたんです。重ねて言いますが複数人でプロット練ればブレは抑制できます。そして引き出しの数が一気に稼げます。是非みんなで書きましょう
mee: では次の質問に移りますね。
mee: テーマや軸などの、taleの中心となる要素を決めて書く場合に気を付けている事をお聞きしたいです。
(後程)
mee: 執筆されるtaleによっては前提となる知識を情報収集される場合があると思いますが、その際どの様な手段を用いて、またどの程度詳しいところまで情報収集を行われますか?検索なのか取材なのか、どういった基準を満たせば収集完了と見なして良いのか、といった事をお聞きしたいです。
vetman氏: 知識の事前収集は本当に大切です。その時点で足りてないものを補完するに越したことはありません。
vetman氏: 私の場合は『蛇と焚書のカルテット』中央図書館編の執筆に際して、実際に現地に赴いて地形や建造物の解像度を高めたりしましたが、正直これは「著者がどこまで書きたいのか」によって必要性も変わってきます。
vetman氏: 私は横浜市の地形や中央図書館の立地をどうやって活用するかを考えるために(そして聖地巡礼したときに解釈違いを起こさないために)、実際にその場に立ったり、郷土資料が何階のどこに収納されているのかを確認したり、近隣に利用できそうな施設があるかを確かめたりしました。
vetman氏: が、逆に『名前の無いファイル』においては通常のミサイルの発射システムをまるっきり無視して書くように心掛けました。発射シークエンスを長々やるよりはボタン叩きまくって屋上行ってエモく〆る方が格好いいので。
vetman氏: 「解像度を上げた方が格好いいのか、ざっくり書いて文量減らして疾走感を高めるべきなのか」で書き込む知識量は変わってきますね。でもなるべく専門知識は調べられるだけ調べた上で使うか使わないかを判断したほうがいいかな……
vetman氏: ちなみにですが、現実世界でいくら調べてもキリがないもの、例えばGOC排撃班の武装だったり編成だったりは自分で作って整合性調節を批評してもらっちゃうのでも大丈夫だと思ってます。財団の機動部隊が30人編成だろうが5人編成だろうがヘッドカノンとして押し通せばそれまでなので
vetman氏: 一方で、カノン『ODSS』を主導してる方々は現実の政治に関する知識や軍事に関する知識をある程度得た上で書かれてますね。アレが雑に書かれた『それっぽいリアリティ』に留まってるとカノン作品としての魅力がなくなってしまうので当然といえば当然ですが
vetman氏: 難しい話ですけれども、どこからどこまで必要なのかを見極めるのは著者本人ですし、必要な知識を十分摂取しないで書くのもまた危ういと思います。情報収集マジ大事
mee: 仮に身につけた知識がその記事の内容に必要なかったとしても今後どこかで役に立つということはありますもんね
vetman氏: そうですね。同ジャンルで別作品書くときの良い足場になってくれることは確かです。
vetman氏: こんなところですかね
mee: それじゃ、次の質問に移りますね
mee: (物語上で発生するイベントそのものや登場人物の動作描写、あるいはイベントを飾るという意味合いでの)演出について、自身の個性として入れ込むもの(=特定の表現や特定作品の影響)について教えてください。
vetman氏: いくつがありますが、最近ハマってるのは体言止めと短文の羅列です。極限まで情報量と文字数を削いで疾走感を稼ぐのに重宝してます
vetman氏: 一例として昨日練習用に書いたものを載せましょう。
『右手前方のロッカーの影から奇襲。敵数1。素人同然の動きだ。テンプレ通りに斬り上げ、返す刀で斬り下ろす。すれ違いざまに絶命した。倒れ込んでくる死体を軽く押し退け、進む。』
teruteru: 確かに疾走感がありますね。
vetman氏: 削れるだけ削るとこうなりますが、逆に削りすぎると何が起きているのか解りにくくなりますね。
“すれ違いざまに絶命していた”はここから除くこともできますが、たとえば『素人同然の動きだ』が抜けてると主人公の強さが若干つまらい印象に落ち着いてしまいます。
teruteru: ふむふむ……
vetman氏: 動きを見て瞬時に『あ、素人だな』って解る奴が瞬殺したんだな〜というシーンを作る上では地味に重要な文になりますね。
mee: 情報量と疾走感のバランス、かなり難しいのにそれが完璧なのほんとすごいですね…………
vetman氏: 比喩の類を一切なくしても案外かっこよくなるんですよね。逆に文章の乾きが目立ってくれるんです。
vetman氏: 余分な情報量で見せるのであれば、たとえば
『廊下から壁、天井へとかけて血飛沫がほとばしる。あの鳥居の道がフラッシュバックする』みたいなのを付け足しても映えはするんですよ
vetman氏: でもどうしても文量が多くなる。漫画で文字数が多すぎるとページをめくるまでのイライラが若干増すのと同じです。アニメの止め絵で長台詞が続くと少し萎えるアレと同じです。削れば疾走感稼げます
vetman氏: 指標としては、『そのパートだけで画としてのシーンが脳裏に再現されればOK。全然足りないなら付け足す』という認識でいいと思います。
疾走感のあるTale、格好いいのでいっぱい読みたいなぁ
mee: あ、少し質問いいですか
vetman氏: はい。どうぞ
mee: vetmanさんだと「疾走感」が自身の作品の個性、だと仰られていましたが、その個性は執筆を始めた頃からあったものなのでしょうか……?また、最初からではなかったとしたら、自分で個性を作ろうとしたのか、自分なりに書いていくうちにこれが個性だと実感するようになったのかを教えてください。
vetman氏: 執筆を始めた頃からあったっぽいですが、最近ようやく自覚し始めましたね
vetman氏: どうにも比喩を避ける傾向があったらしく、実際処女作である『ヒーローの辞表』では比喩表現が本当に一度も登場しません
vetman氏: 読者さんに『比喩一切なしのTale』と評され、その時初めて『ああ、俺の強さは情報量を思いっきり切り詰めた疾走感のある文章なのか』とようやく自覚するに至りましたね
mee: もう1つ質問を……
vetman氏: いくらでも答えちゃいますよ
mee: Taleとかストーリー重視の記事とかを書きたいけど個性がない!!!!!魅力的な個性がほしい!!!!!!ぐあ!!!!!!ってなる人まあまあ多いと思うんです。自分もそのうちの1人です。
そういう人は無理してでも個性を作りにいくべきだと思いますか……?
vetman氏: 作るよりは誰かに見つけてもらうか自分で分析するかのほうが遥かに楽ですね……実際私も人に見つけてもらったのがきっかけで伸びましたし
vetman氏: その得意分野を見つけるためにはとりあえず文章書き続けるのが一番だと思ってます。サンプルの母数が多ければ隠れていた法則性や癖が見つかりやすくなるので
mee: ありがとうございます!!
vetman氏: 最初は誰だって自分の得意分野が解りません。当たり前のことだと割り切って探してみてください!
mee: じゃ、次の質問に移りしょうか
mee: 冒頭書き出し部分について、気をつけていることを教えてください。またこれに関連して、冒頭を書けなくは無いが時間がかかってしまう、台詞やポエムのような文章以外の選択肢が取れない、といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるとの事ですので、そういった悩みへの打開策も併せて伺えますと幸いです。
vetman氏: 「ブラウザバックされる前に読者を掴んで全文読ませる」ってのは大前提にしてます。ここでさっきの疾走感のある描写、極限まで情報量を削ぎ落とされた描写が活きてきますね
vetman氏: 名前の無いファイルで「世界終焉シナリオ開始から数日経った今(情景)、彼は(心情)──」というシチュを構築して初手で引き込んだアレです。
ヒーローの辞表で「妹をブッ殺した(情景)。明日ここを辞める(心情)」という状況を構築したアレです。
vetman氏: ちょっと次の展開が気になる情景描写を淡々と書き連ねて、「ん!?」と思わせてスクロールさせちまえばこっちの勝ちです
vetman氏: 実例をたった今描き下ろしました。
『左手首が外れた。関節とかそういう次元ではなく、マジの意味で分離した。くっつけても元に戻らないが、何故か脈だけは打ってる。腐る兆候も見受けられない。……ので、医者に駆け込む前にちょっとだけ実験をしてみようと思う』
mee: すごい続き気になる…………
vetman氏: ここまで比喩一切無しです。代わりに情景描写はバキッとキメました。
teruteru: どんな実験をするのか、続きが気になりますね
vetman氏: その他、情景全体を描写して引き込む以外にも、情景の一部だけを最初にドンッと映してから次第にその周囲を……みたいなやり方も安定しますね。
vetman氏: 『“血の海”。その喩えがここまでシックリ来る状況には中々立ち会えないものだろう。陣笠を片手で傾け、男は低く唸った。
あたり一面の屍肉。屍肉。群がる烏に集る蠅。』
足元(超短い比喩を付与)→“男”→足元周辺からかなり遠くまで→その上には何があるのか
と、大まかに『どうやって見せるのか』の流れを作ってあげるとこうなります
vetman氏: 参考程度にですが、一回無理矢理作った比喩特化型の書き出しも置いておきますね
vetman氏: 『鋼鉄。例えるなら正にそれだ。
よく延びてよく捻くれて、やたら頑丈で、ひとたび熱を与えれば簡単に溶け落ちてしまうほどに柔らかくて、そうでなければ今握っている通りに固く、堅く、硬く、ひたすらに冷たいまま。しかしただ放っておこうものなら、たちまち赫く朽ち崩れてしまえるほどに、脆い』
この次の段落で『自分の隣で手を繋いで息絶えている少女』を書くと「あ!さっきの喩えは女の子の話なわけね!?」と軽くびっくりさせられるのです
vetman氏: これは逆に比喩以外の情景を一切書かずに作ったものです。中途半端に混ぜるよりは比喩か情景のどちらかに極振りした文章を作ったほうがいいですね
mee: 言葉のチョイスが独特かつ完璧で面白いです……!!是非参考にさせていただきます!
mee: 少し思ったのが、語彙力ない人が無理やりこれをしようとするとめちゃめちゃ事故りますね……
vetman氏: 私も最初はめっちゃ事故りました
vetman氏: 書きやすい方でやるのが一番ですね。個人的には情景特化型の書き出しをオススメします
mee: 今度自分も試してみようとおもいます
teruteru: なるほど。書きやすい方でやるのがいいですか。参考にさせていただきます
vetman氏: こうやって掴みを成功させつつ、情景→当事者の心理状態etcとスムーズに繋げられたら完璧ですね
mee: それじゃ、次の質問に移りますか
vetman氏: はーい
mee: では質問に移りますね〜
mee: 表現・分量など、地の文を書く際に気をつけていることをお聞きしたいです。
vetman氏: 書き終えるたびに音読して、文章が長すぎるのか短すぎるのか適切なのかを考えながら調節してます。でも正直この辺の感覚って書いてるうちにどんどん麻痺してくるので、たまに別の方に読んでもらったほうがいいです。
vetman氏: 音読すれば誤字に気づきやすくなりますし、表現がクドいのかそうでないのかも理解しやすいです。どう書き直すのかは技量次第ですが、治すべきポイントを洗い出すだけなら音読が一番効果的です。声に出して読みましょう。するかしないかで文の質は大きく変わります。
teruteru: ふむふむ。声に出すこと、ですか
mee: 音読……したことないですね、今度やってみます
vetman氏: 声に出すこと、本当に大切です。句読点の振り方や余分な文章の洗い出しでこれやらないと詰むこともあるので音読はしましょう
teruteru: 今度からわたしも取り入れようかと思います
vetman氏: 『このまま、どこか遠くへ逃げてやりたい気持ちだけがグンと高まるが僕は(以下略)』←試しに声に出して読んでみてください。
teruteru: 何か違和感……
vetman氏: テンポの悪さが原因ですね。これ、音読しないと早々に気付けないものなんですよ
mee: 文章だと違和感あまり感じないのに声に出して読むとこんなに分かるものなんですね……
vetman氏: じゃあ読みやすくなるまで切ったり貼ったりしてみましょう『このままどこか、どこか遠くに逃げ出したい気持ちだけが高まるが、僕は』
vetman氏: まだ少しクドいかも。高まるとが、の間に『。』入れてが、を消して『それでも』を挿入すると…どうでしょうか
teruteru: 読みやすくなってますね
mee: すご……
vetman氏: 音読してちょっといじっただけです。
vetman氏: やってるうちに感覚が麻痺してわけがわからなくなることもありますが、凄いでしょう音読の力。発音するだけでほぼすべての違和感の正体を洗い出せるんですよ
vetman氏: 音読を怠った例として蛇と焚書のカルテット第一頁を上げておきます。お暇なときに読んでいただいて、「内容はしっかりしてるけど少し読みにくい…?どこが原因だ…?」と考察していただければ
teruteru: 分かりました。暇な時に読んで考えてみます
vetman氏: その他何か質問などがあれば遠慮なく。
vetman氏: 適当に作った例文を直すのとかでも構いませんよ
mee: あ、じゃあちょっとだけ質問を
vetman氏: はーい
mee: 文章って基本は読みやすいのが1番ですけど、あえて読みづらい文章にすることってありますか?
vetman氏: あー--、セリフで頭の悪さを醸し出す演出とか、あと意識が朦朧としているときの演出には使いますね
vetman氏: オタク特有の「聞いてくれるかどうかは二の次。聞かせるだけ」みたいな奴のセリフからは句読点全部抜いたり。
vetman氏: あくまで一例ですけどね。『ありえない。いや待てこれは夢か。夢なのか。唇が俺の唇が佐々木さんの唇と正面衝突したらしいが果たしてこれはマジのマジで現実なのか』みたいな書き方でテンパったキャラの一人称心理描写を焦りの感情で満たしたりもできますね
vetman氏: やりようはありますが、これもやはり音読あってのテンポの悪さです。音を聞かずして不協和音は作れません
mee: 確かに音読をすればテンポを良くするのも悪くするのもできちゃうのか……音読って大事。
teruteru: 音読って凄いですね
vetman氏: ついでに誤字脱字も見つけやすくなりますからね。しばらくは意識してみてください
teruteru: 分かりました
vetman氏: 他質問ある方はいらっしゃいますか?
teruteru: わたしは特にないですね。
mee: 私も大丈夫です。
mee: 中々Taleとしての文章を長く書き連ねる事ができず、途中で次に続けるべき文章や展開、具体的な書くべき描写、或いはクリニカルトーンとは逆に感情に訴えかける詩的、文学的な表現が浮かばなくなり、筆が止まってしまう著者の方もいらっしゃるようです。このような場合、どのようなアドバイスを行いますか……?
vetman氏: めっちゃ難易度高いので1on1で話し込んで解決策を導くと思います。その手のトラブルはざっくりとしたアドバイスで覆せるものでもないので…
vetman氏: 私はだいぶ最近まで「人の手と時間をお借りしてまで解決するトラブルじゃないから」と孤独にスランプの中を藻掻いていましたが、ボイスチャットで「じゃそこばっさりカットしてスッキリさせちゃわない?」みたいなリアタイでのアンサー貰いながら書いたらあっけなく書き終わっちゃいまいた。慣れない内は慣れないなりに恥じることなく人に頼って、一緒に解決していくのが一番確実な方法です
vetman氏: ここまで言い切っちゃった以上私も逃げるわけにはいかなくなったので、主に展開と情景の方面のみにはなりますがある程度の相談を受け付けます……大学の予定的に厳しそうだけど
mee: 有名な著者さんの方々が「批評依頼受け付けてます」って書いていても、あまり関わりがない方に対して依頼しようとするとめちゃめちゃ不安になるんですよね…………
実際に批評依頼ってされたことありますか…?される側の気持ちを知っておきたくて
vetman氏: 直接的な依頼はチームコンテストでのチーム内批評が初めてだったんですが、やはり死ぬほど緊張します。「俺みたいな素人がこんな神著者に…」って。でも得られるものはとても大きかったですね
vetman氏: 批評エキスパートなる役職が今年度から日本支部にも設立されるらしいですが、まずは腹括って記事引っ提げて突撃してみてください。書きかけのままどうしても完成しないのであればひとまず私のところに来てください。一緒に厳格練ったり「こういう展開とかあったら熱そうじゃね?」くらいの回答はできます
vetman氏: あ、される側か。少しお待ちを
mee: する側もされる側も意見貰えるのありがたいです……!!
vetman氏: 批評依頼、あまりにも完成品の高い完成品を持ってこられて「どこをどう訂正すりゃええんだ」と途方に暮れたことは何度かありますが、書き途中の記事を持ち込まれたときはやたらポンポンと打開策が出てきました。「主にどのへんで詰まっているのか」を前もって教えていただければやりやすいです。
vetman氏: ただ先にも述べた通りプロットはまとめられるだけまとめてきてほしいですね…
vetman氏: アドバイスに関してはこんなところです。
mee: 次移りましょう
mee: 所謂「クサみ」が出るのが怖くエモ系の会話文に苦手意識がある、という方からの質問です。これについて、気を付けているコツなどはありますでしょうか。
vetman氏: まず思いっきりスカした文章を書いてから人に見てもらうようにしてます。クサいかどうかが気になる気持ちはわかりますし、私もこの手のさじ加減を指摘されたら相当凹むと思いますが、人に読ませることを想定している以上は一度できる限り彫り込んだ方がいいです
vetman氏: 可能な限り彫り込んでください。比喩とか言い回しとかの加減が解らなくても盛るだけ盛った後の調整は効くので
teruteru: ふむふむ
mee: とりあえず自分のやりたいことをドーン!!!!って書いてそこから調理していくのがいいんですね なんか料理みたい……
vetman氏: 文章の場合は皿に盛った後も化学調味料の分量変えられますからね
vetman氏: 作品のテイストにもよりますけど、不死身のキャラに吐かせる台詞に「気にするな。地獄の淵なら歩き慣れてる」とか言わせたときに、時期によって著者本人が「いや流石にこれはクセえかな」ってなったりならなかったりするものです。俺は正直これはやりすぎかなって思ってるんですがお二方はどうでしょうか
teruteru: ううむ、何というかクサい感じがします。自然じゃないような
mee: 自分はこういうの結構いいなって思っちゃうんですよね。クサい言葉に触れる機会が多かったのか慣れてしまってます
mee: ただそれが他の人からしてみれば違うわけで
vetman氏: 早速意見が割れましたね。マジで先程述べられた通り、飯の味加減と一緒なんです。好みはひどく分かれます
vetman氏: じゃあさっきのキャラが何回か死ぬこと前提の作戦に投入される前提でもっかい同じニュアンスのセルフ吐かせてみましょう。ちょっとテイスト変えますか。
「まあ、半殺しで2時間野ざらしにされるよかマシだわな」
vetman氏: 比喩ではなく過去の事例、事実だけ引っ張り出してきて厚みを持たせました。
vetman氏: かなりの薄味ではありますが、(前提条件ガタガタですみません)過去の描写を引っ張り出してくるだけでも台詞の歯ごたえはよくなるものなんですよ
teruteru: 何というか、先程の台詞よりも良い感じがしますね。自然になっているような
mee: 調味料を使わずに原料をいかすみたいな感じですね
vetman氏: まじめな話、会話のエモさを醸し出すために比喩を使う必要性があるとは言い切れません。比喩で盛らないと味がしない時点で物語全体の物足りなさが浮き彫りになってるってことなので
vetman氏: 隠喩や直喩でその辺のさじ加減を調節するよりはまず状況そのもので魅せといたほうがいいんじゃねえの?ってのが私の意見ですね
teruteru: なるほど。状況で魅せる、ですか
vetman氏: まずは素材の味で勝負してからです。クサみを気にするのはそのあとで
mee: 次の質問移りましょうか
mee: 自分の文を読み返すのが苦手で、結果細部の整合性のチェックが抜け落ちてしまう場合がある、という方からの質問です。このような状況に陥ったとしたら、どのように対処されますでしょうか……?
vetman氏: カルテットの五頁に10ヶ月苦戦したのはまさにこれが原因でした。5000文字超えたりシーン数が増えたり引用する記事が増えたりするとこういう状態に陥りやすいですよね。
結局一番確実な打開策は「人に頼る」ことだと思ってます。
vetman氏: この通り私はとにかく他人(特にちゃんと作品残せてる上に批評の受付もしているような方)に頼ることを強く推奨してますが、理由は非常に単純です。これが一番簡単だからです
vetman氏: この手のトラブルは特にそうなんですが、Taleを書けぬまま悩みに悩んで当エッセイに流れ着いてきたそこのあなた、まず一人で解決できるとは思わないでください。テレキル獲ってようが何だろうが私でさえ解決できないモンなので。
vetman氏: どんなクソ強著者でも記事内での整合性を取る作業は絶対に苦戦しますし、うまくいくケースの方が稀だし、仮に一人で描き切ったとしても投稿後に矛盾点が掘り出されたら元も子もないので
vetman氏: 頼ってください。あとプロットを複数人で練ってください
teruteru: 整合性を整えるには複数人で練ったりすることが大事なのですね。
mee: 批評されることに慣れていない、DMに突撃することが苦手だ、という方は批評定例会に参加してみることから始めてみましょう!もちろん突撃することが1番ですが
http://scp-jp.wikidot.com/forum/t-13064618/scp-jp-vol-2
vetman氏: 定例会ならいやでも批評が入りますからね。普通の仕事と同じでミスのチェック役が多いに越したことはありません
vetman氏: 私もやらかしますからね。前回「勢力Aが勢力Bと勢力Cをぶつけ合わせてどっちか片方を壊滅さる手はずとして書いてたはずだったのに勢力Aから暗殺者が派遣される展開」とか何にも疑わずに描き切った後で「ここおかしくない?」って指摘されましたからね。私ですら間違えるんですから本当に複数人でやってください
vetman氏: 特にチームコンテストでその辺のノウハウを培ったメンバーはたくさんいるので……詳しくはコンテストページをチェック
teruteru: 分かりました
mee: チームコンテストで批評の練習したりされたりするのみんな得するのでめちゃめちゃいいですね
vetman氏: もっかい開催されることを切に願ってます。私もあれでいろんなノウハウ身に着けたので…
mee: もしまた開催されたとして、チームメンバーが足りない!ってなった方はぜひ誘ってください……おねがいします…
vetman氏: 因みに私のところにプロット持ってきていただければいろいろ弁図とか書いて整理するとこまではお手伝いできるかもです。
teruteru: チームコンテストは見てるだけだったので、実践でノウハウ身に付けたいですね
mee: それじゃ、移りますか
mee: 高評価を獲得した記事の中には、ご自身で投稿前から高評価を確信していたもの等はあったりするものなのでしょうか。もしございましたら、そういったTaleに共通する点や、確信していた理由、等を伺いたいです。
vetman氏: 基本的には全作品受けると思って投稿してます。
vetman氏: 理由は「散々良作を見てきた俺が心の底から面白いと思えるから」です。該当しないようであればそのレベルに漕ぎつけられるところまで改稿します
vetman氏: 「これは受けるんじゃないかな…?」と手当たり次第に投稿するよりは純粋に自分が面白いと感じたか否かで投稿した方がいいと思ってます
teruteru: なるほど。数打てば当たるのではなく、的確に見極めて投稿すると。
vetman氏: そうですね。以前からテルテルさんの投稿頻度や勢いには素直に驚かされっぱなしだったんですけど、実際テルテルさんは自分自身で「これは最高に面白いな」と思った作品を投稿してますか?
teruteru: そういえば、確かに心の底から面白いと思った記事を投稿した事はあまり無いですね。
今のところ2071JP、終末銀河旅行位しか当てはまらないと思います
vetman氏: 数作でもそういう作品があるのは非常に良いことだと思います。創作のスタンスが「書くことそのものが楽しいから低評価削除は別に構わない。残ったら儲けもの。俺は俺の書きたいように書く」とかだった場合はもう何も言うことはないんですが、浅ましいことに私は承認と喝采目当てで物書きをしています。受けたいと思った以上は数を撃つより自分を撃てる何かを練った方が良いかと
vetman氏: 絶対に勝てると信じることは難しいですし、あまりハードルを上げすぎて公開する前から「こんなクオリティじゃ駄目だ」と筆を折っては元も子もありませんが、高評価を狙う以上はまず自分自身が楽しめる作品になってるのが大前提って思います
teruteru: なるほど。確かに残したいという気持ちが先走り過ぎて自分自身で楽しみきれていなかったですね。
vetman氏: 残る=俺が楽しめるだと思っときましょう
teruteru: ふむふむ。そう思うようにします
vetman氏: まあ高評価や商人欲求だけのために苦しむのもそれはそれで不健康なので、楽しむことは忘れないようにしないとですね(カルテット五頁が書けなかった頃は本当に執筆が苦痛でした。チームメンバーはもちろんのこと図っと待ってくれている読者の方々を失望させるのが怖くて何も書けなくなってました)。
teruteru: そうですね
mee: やっぱり楽しんで書くことって大事なんですね……
vetman氏: 苦痛や呪いで人から承認される文章書けることは余程のことがない限りありえないので……
mee: うっ……勉強と一緒だ
mee: 次の質問に移りますねー
vetman氏: はーい
mee: 参照するために使っている辞書や参考資料(アナログ以外に、デジタルやオンラインも含む)はございますでしょうか。
vetman氏: 海外映画です。字幕版で洋画を見ながら英語の台詞ををリスニングしてると「What difficult?(何が難しい?)」を「銃はこうやって使うんだ」と日本語訳するような変態的な技が沢山見つかるので、伝えたいニュアンスに捻りを利かせるためにも、Taleの構成を作る上でも映画を参考にしています。
vetman氏: まあこれやるのはなかなかハードル高いと思います
vetman氏: が、映画(特に10年以上前からずっと「名作」と評価されてきた作品)はほんとのほんとに名作です。展開のバラエティを増やしたりシーンの繋げ方を学んだり、セリフ回しを学んだり、無言のシーンを自分ならどう文章化するかを考えたり、おおよそ150分の映像媒体から得られるものはたくさんあります
vetman氏: ただ見るだけじゃなくて「どこが凄いのか」、余裕が出てきたら「何故凄いのか」を考えられるようになるといいですね。
vetman氏: 創作に完全なる「オリジナル」は存在しません。みんな誰かの足跡をたどって自分の道を踏み抜いていくものなので、映画から技術を盗むことを恥じないでください。何から何まで一緒だったらさすがに怒りますが
vetman氏: まあ、物語の接種媒体として映画は最強そのものなので是非是非…
mee: 映画、いいですよね。アニメやドラマと違って長くても3時間で必ず完結するので。
mee: 短い時間で終わらせないといけないので内容も濃くなっていて、参考にできるところがかなりあったりしますし
vetman氏: そうなんですよ。構成を改めて確認してみるとその完成度に何度も驚くことになりますからね
vetman氏: あと私がリハビリのためにやってた練習ですが、自分の好きなアニメの第一話を一個上げるじゃないですか
vetman氏: これを可能な限りノベライズするんです。2万文字あったら足りるかな
vetman氏: 再序盤のカメラワークを如何に再現するか。誰視点で書くのが最適解なのか。京アニ作品の背景作画をいかに文字に落とし込むか。書けば書くほど解ったり解らなくなったりするのでお勧めです
mee: めちゃめちゃ難しそうで面白そうですねそれ……。
mee: ちなみにvetmanさんは何の作品でやって見たんですか…?
vetman氏: 私は初代ガンダムとテレビ版のエヴァ、映画作品では「君の名は。」の一部シーンをノベライズした後に新海誠さんの原作と比べて「勝てねえ~~~!!!」って叫んでたりしました
vetman氏: 本当に好きなシーンをピックアップして書くだけでもかなり経験になりますね
mee: 情景を文章にするのめちゃめちゃ難しいですもんね
mee: 今度やってみます
vetman氏: 何かやってみたい作品とかあるんですか?
mee: [権利的問題により削除]って映画が気になってるんですよね〜
mee: ホラー系の映画で自分は耐性一切ないんですけど、友達から面白いって聞いてて気になってました
vetman氏: 作品によっては難易度高まりますが是非お試しあれ
mee: では次へ。
Taleのメインとなるキャラ達の、人物像の造形はどのように構築するのでしょうか。(例えば、主人公がこういう性格なら周りに別のこういった性格の人物がいた方がいい、のようなテンプレートをお持ちである、そもそもこういう人物像のキャラが主人公に向いている、等の話を伺いたいです。或いはある程度フィーリングで決めているとしたら、具体的にはどのような過程を経て組み上がっていくのかを実例を交えてお聞きしたいです。)
vetman氏: メインのキャラ、手っ取り早く作る際には“対”になる関係のキャラの造形を同時に掘り下げて構築してます。単体で掘り下げるのは個人的にちょっと難しいですね
vetman氏: 例えば共通の要素として「世界のすべてが敵である」みたいなのをぶっこむじゃないですか
teruteru: はい
vetman氏: もう少し共通要素を作ってみましょうか。両方とも蛇の手のメンバーとしておきます
teruteru: ふむふむ
vetman氏: まあこの2要素だけでも背景の薄暗さが醸し出されるわけですが、この辺で1つ対になる要素をぶっこんでみましょうか
「キャラAには唯一の理解者が存在する。キャラBは本当の意味で孤独なままである」
vetman氏: 書き分けられそうな明確な違いが生まれましたね。じゃあキャラAに主軸置いてもう少し掘り下げましょう
teruteru: Aのほうの理解者というところを掘り下げるとかですかね?
vetman氏: そうですね。書きたい方にメインの視点を置いて相違点と共通点を並べていくと少しずつ掘り下げられます
vetman氏: キャラAには結局救いはありません(AB共通)。でも敵でありながらキャラAの一応の理解者であってくれるキャラCがいます。これに対しキャラBは劣等感、或いは嫉妬心を抱いており…
vetman氏: 蛇と焚書のカルテットシリーズにおいてはこういう書き方が大活躍してくれましたが、これはあくまで多陣営で大人数で多角的に物語を書くのに特化したやり方です。あまり対比描写を挟まない作品は別のやり方もあります
teruteru: あくまで一例ですね
vetman氏: 「自分が書ける性格のキャラを一定数ストックしておく」、これがシンプルに強いです
vetman氏: 私は「正常性維持機関の職員が人間でありながら人間として生きることを捨てている」みたいなのが好きなので、若干達観したようなキャラをぐりぐり動かせるようにひたすら「この局面に立たされたらどういうリアクションを取るか」みたいなのを考え続けて一つの行動パターンみたいなのを大まかに構築しています
teruteru: なるほど。
日頃からそういったことを考えたり、文字に書き起こしたりしているのですか?
vetman氏: 極力やってますが、モノにするまで最短1日程度だと思ってます
vetman氏: キャラの得意不得意があるのは当然ですが、こういう「何をされたらどうするか」を考え続ければかならず得られるものがあります
mee: エモい展開の時もそうでしたけど、日頃からストックを作っておくのはめちゃめちゃ大事なんですね
vetman氏: 大事です。ストックしましょう。手を動かしてストックしましょう
mee: 次の質問に移りましょうか
vetman氏: はーい
mee: テーマであるとか軸であるとかの、taleの中心となる要素を決めて書く場合に気を付けている事をお聞きしたいです。
vetman氏: 「自分が書ける範囲で」!!!!!です
vetman氏: 書けないなら書けないなりに人に相談するとかするべきなんですが、そもそもその段階で書けんものは頑張ってもいきなり書けるようにはなりません
teruteru: はい
vetman氏: ストックにないものは書けない!よって書かない。これは徹底してます。
vetman氏: 恋愛作品なんも解らん私がノリで恋愛書いてもよくわからないまま頓挫しますからね。引き出しを増やしてから出直すようにしてます
teruteru: なるほど……
ノリで書くのはやめたほうがいいのですね。
vetman氏: やめた方がいいです。自分の書きたいものを完璧に理解できるとは思ってませんが、本当に何も解らない場合はある程度そのジャンルやテーマに沿った作品を履修して慣れておいた方がいいです
teruteru: 身に染みます……いつもノリで書いてたので……
mee: ストック=命
vetman氏: こんなところです。ストック増やしましょ
teruteru: ストック大事
1つ気になったのですが、面白いテーマはどのようにして見つけているのでしょうか
vetman氏: 財団で書けそうなテーマを探すときには手っ取り早くGoIを調べて「あ、コイツらのスタンス面白いな」と目に留まった団体をどんどん追って、その傍ら「このテーマはこの団体ならではなんじゃね?」と思える主題みたいなものをやみくもに探してます
vetman氏: 別にGoIじゃなくても大丈夫です。目に留まったジャンルを掘れるだけ掘ってみて、「書けるんじゃね?」を探り当てるまで考えるのは、根幹テーマの発見に滅茶苦茶役立ちます
vetman氏: 財団外の創作物でも構いません。きっかけはたくさん転がってるのでやみくもに発掘していきましょう
teruteru: 書きたいジャンルから上手くテーマを見抜く力、もしくは、近似したテーマを関連づける力が必要になるのですね
vetman氏: もちろん見抜く力には個人差があります。でも新しくテーマのストックを増やすためにはとにかくほかの作品を見るしかないです
mee: それでは、次の質問に移りましょうか
これは登場人物の内面や心情の変化をその登場人物自身の視点から捉えて描くことを苦手としている、との方からの質問なのですが、そのような描写を行う際、どのようなことに気をつけておりますでしょうか。
vetman氏: 「XXされたらどんなリアクションをするのか」を考えて思考のパターンをなんとなく掴むことを意識しています
vetman氏: 「即時殺害しなければならない現実改変者に接触してみたらまさかの息子と同い年くらいの少女だった場合、どんな顔で引き金を引くのか。またはそもそも引けないのか」とか、「部隊のメンバーが今回担当する収容作戦でオブジェクトクラスが変わるか否かで現金を賭け始めたときに、その話に乗るか否か」などが主な例ですね
teruteru: 沢山の選択肢の中で、「何をするか」を吟味して、且つ、それを自分の理想にしない事が大事…….という事でしょうか
vetman氏: >自分の理想にしない
これすごく大事です
vetman氏: 一人歩きでもしてしまいそうなくらい自分とはかけ離れた(そしてある程度は筋の通った)人格のイメージができちゃえばあとは気合でどうにかなります
teruteru: どうにかなっちゃうものなのですね
vetman氏: 結局最難関は「何考えてんのか著者にも解らん」ってところですからね
mee: 細かく設定を組んでいれば組んでいるほど安定性上がりますね
vetman氏: はい。その細かい部分の構築にはやっぱり「シチュエーションごとのリアクション」を見出すのが一番手っ取り早いかと
teruteru: やっぱり、vetman氏でも手こずるんですかね?これに関して。
vetman氏: 手こずりますね。リアルでコイツと絡んだら絶対嫌いになるわ…みたいなキャラ書くときは特に
teruteru: なるほど……
vetman氏: でも「打ち捨てられた猫の死体を見て心を痛めるか否か」で考えたら絶対に鼻で笑いそうなんですよそいつ
vetman氏: もうこれだけで心情描写書く上ではかなり重要な要素が確立できましたね
teruteru: ホントだ……確かにキャラクターが成り立ってますね
vetman氏: 行動のパターンを掴んで統一感持たせましょう!
vetman氏: ある程度は書けるようになります!
teruteru: 行動のパターンを掴んで、そのキャラクターを成り立たせた上で書くことである程度描写できるようになるのですね
vetman氏: コツを掴むまでは少し難しいですが、練習あるのみです。頑張りましょう
mee: これくらいで大丈夫ですかね……?
vetman氏: 私から語れるのは以上かな…
teruteru: では、そろそろ締めますか……?
vetman氏: はーい
teruteru: では、締めさせていただきます。インタビューに御協力していただきありがとうございました