Scp 6987 1

共同内部メモ: SCP-6987


O5評議会 御中

ご存知の通り、このクリアランスレベルに到達する職員に対して派手な色は不要です。

提供される保険契約は新規昇進者向けに調整されます。例示に適したサンプルを選定してあります。

エゼキエル・ヤン博士
財政秘術部門

シェルドン・カッツ法務官
法務部門

確保、収容、保護


レベル3クリアランスの地位への昇進を受け入れることにより、あなたは、自身が以下の情報の全文を読み、その内容と責任を認識していることを認めることになります。


アイテム番号: SCP-6987
レベル3
収容クラス:
euclid
副次クラス:
radix
撹乱クラス:
dark
リスククラス:
notice

特別収容プロトコル


レベル3研究員は、前例の無い異常現象を調査対象とします。もし、自身の業務において自分または自分のチームが晒され得るリスクが、SCP-6987の契約で十分に保障されていないと思われる場合は、保障範囲の拡張が可能かを判断するため、法務部門に連絡してください。

ゴールドベイカー=ラインツ社側のSCP-6987-0に対する違反の可能性または疑いは、全てゴールドベイカー=ラインツ社財団監査タスクフォースに報告してください。


法務・財務担当者からのメッセージ


はじめに、レベル3への昇進・配属を心からお祝い申し上げます。

あなたは、これまでよりも広い範囲の責任を負うことになります。人型SCPオブジェクトの収容責任者になるかもしれませんし、自らの研究室を持ち、率いる方もいるでしょう。どのような理由であれ、あなたは今、財団とゴールドベイカー=ラインツ社の関係性の本質を、より詳細に理解しなければなりません。

ゴールドベイカー=ラインツ社は、自然災害やテロ攻撃などの従来予測不可能とされる事象に対し、不合理な程に正確な予測モデルを持つ、最高水準の保険会社です。また、これらの事象に対して適正な保険料を請求し、保険金の支払いを行えるだけの流動資産を保有する唯一の保険会社でもあります。マーシャル、カーター&ダーク社は経験上、自らの儲けを第一にしていることがはっきり分かっていますし、財団の内部ソリューションは規模が著しく制限されたものです。

財団が彼らの活動に対して行う監査は、我々の契約に関連する事項のみを対象としています。ですが、そこに限っても、彼らの数理モデルの根幹を見ることはできません。そのため、

  • 我々は、彼らのモデルがどのような原理で機能しているのか — どのように災害を予知しているのかを把握していません。
  • 我々は、彼らの資金の出処 — どのようにして、常にほんの僅かに利益が出るように、公正な保険料を請求しているのかを把握していません。
  • 我々は、彼らがより…… 深妙なサービスを提供している方法を把握していません。
  • 我々は、彼らの善性を示す根拠を、これまでの活動実績以外に有しません — しかし実際、彼らは常に契約を遵守してきました。

問題がお分かりですね。

もしかすると、同社との契約をSCP-6987として分類するだけでなく、ゴールドベイカー=ラインツ社それ自体を独自のSCP指定で正式に分類させようと考え、そしてそれが自分の名声に繋がると思う人もいるかもしれません。

止めてください。試した人は過去に複数いましたが、彼らはもうここで働いていません。

我々とゴールドベイカー=ラインツ社との関係は、あなた1人の雇用の継続よりも価値あるものです。彼らとの契約を全て把握するには、何千人ものフルタイムの仕事を要しますが、それでも、彼らは常に利益をもたらしてきました。

エゼキエル・ヤン博士
財政秘術部門

シェルドン・カッツ法務官
法務部門

確保、収容、保護


基本契約SCP-6987-0の機密解除情報:

第108条: 調停、契約条項、利益相反

通称: 1946年中立条項

ゴールドベイカー=ラインツ社は、108評議会の投票権を有する組織として、財団-GOC間の対立における重大な利益相反を有します。

第108条では、ゴールドベイカー=ラインツ社がサービスを提供する二者の対立によって両者ともに重大な損害が生じた場合、適切な損害賠償を決定する中立の第三者が発見されるまでの期間、ゴールドベイカー=ラインツ社は賠償を保留する権利を有すると規定されています。

SCP財団およびゴールドベイカー=ラインツ社に関する中立の第三者は、SCPフロント企業及び収容下の異常企業、108評議会加盟組織、国際連合、アスガルドとの間に未公表の関係があってはなりません。

本条項の設置により、ゴールドベイカー=ラインツ社はクライアント間の競合を最小限に抑えることを試みています。

第617条: 契約違反時に適用可能な罰則

SCP-6987に違反した場合の罰則の例が、以下の非網羅的なリストに概説されています。罰則の厳しさは、違反の大きさに応じます。

ゴールドベイカー=ラインツ社による契約違反への罰則:

  • 通常の保険金に上乗せされる保障の増額
  • 複数年分の保険料の割引
  • 108評議会からの自発的辞任
  • 正式な収容

財団による契約違反への罰則:

  • 保険料の値上げ (財団全体の補償に影響します)
  • SCP指定物品の担保としての移譲
  • 上位の指導的職員の強制的採用
  • GOCによる正式な脅威存在指定

108評議会の加盟組織をSCP分類することは、現在のところ外交的に不可能です。


あなたのクリアランスレベルで追加利用可能な保険契約


特に断りのない限り、全ての保険料支払いは金銭で行われ、毎月請求されます。

SCP-6987-E1-E3: 異常人型存在向け医療保険

SCP-6987-E1-E3は人型の異常存在に対する標準的な医療措置に適用される保険です。

人型SCPオブジェクトに対する全ての医療措置が対象であり、これには健康のための措置、実験のための措置、収容のための措置が含まれます。

ゴールドベイカー=ラインツ社は、人型SCPオブジェクトについて、そのオブジェクトが財団の完全な雇用下にない限りは生命保険の保障対象としません。

SCP-6987-E16: 必須人員

高度に専門的な、あるいは高価値な人員の喪失の際、財団はその専門的技能の損失に対する補償を受け取ります。

財団は、この保険に基づき、過去に存在したはずがないと考えられている人物についての支払いを受けています。ゴールドベイカー=ラインツ社は、彼らの保有する記録上、それらの保険契約は守られなければならないと述べていますが、その保険の対象となる人物が存在しないため、それ以上の情報を提供することは不可能でした。


年次変動支払い


以下の契約については、ゴールドベイカー=ラインツ社と財団それぞれの代表者らが、SCP-6987-0 第109条に定める日時に会合を開き、全部担保の適正価格について交渉するものとします。

両者ともに、将来の事象を予測する能力を有しています。財団の交渉担当者からなる分野横断的なチームは、最も安価に、最も多くの保障契約を結ぶことを試みます。

ゴールドベイカー=ラインツ社が、財団の見積もり最終価格を100%以上上回る、または50%以上下回る金額を提示した場合、その金額は交渉なしで受け入れるものとします。

SCP-6987-E18-E30: 自然災害

これらの契約条項は、異常/非異常を問わず、自然災害による損害を補償します。

財団サイトは、その地理的位置についての関連する契約で保障されます。

SCP-6987-E31-E50: 異常なテロリスト団体の活動

財団は、特定のGoIによる敵対的行動について、対応する保険契約を結んでいます。全GoIについての補償範囲ステータスは SCiPNet GoI ステータストラッカーで閲覧可能です。

補償対象となり得る損害の概要を以下に挙げます。

  • 予定外の離反を含む、カオス・インサージェンシーの行動による人員および財産の損失
  • マクスウェリズム教会、壊れたる教会、歯車仕掛正教に由来する基礎構造に対するソフトウェアまたはハードウェアの組み込みに起因するデータセキュリティの侵害
  • 第五主義者の宗教的実践によって発生する付随的な因果律違反による損害
  • ナルカ (サーキック) の肉工芸的な攻撃による四肢の変形
  • 軟骨魚類様の特徴を持つ職員または収容下の実体に対する、殴打による負傷

この補償の特筆すべき例外が、マーシャル、カーター&ダーク株式会社です。MC&D社とのやり取りによって発生した損失は補償対象外となります。

SCP-6987-E305: 農業収量の不足

保険料支払い: 1ヶ月ごとにXブッシェルの小麦 (Xの値は年ごとに交渉されます)

ある年の農作物の収穫量が少なく、収容プロトコルの維持に必要な原料作物や加工食品の購入に必要な額が財団の年間食料予算を超える場合、ゴールドベイカー=ラインツ社はその差額を財団に支払います。


補遺 L3-1: 財団白書からの要約抜粋


この論文の全文は、 SCiPNet 財団白書アーカイブで閲覧可能です。

外部持ち出しを禁ず

財団白書 2009年 1~2月
財政秘術部門

一体全体どうやって? ゴールドベイカー=ラインツ社の存続についての仮説提唱

エゼキエル・ヤンa、チェン・セッピンb、デイビッド・カーc、エリカ・ロペスd
a 財政秘術部門
b 経済学部門
c 応用数理魔術部門
d 司法会計学部門、GR社監査チーム

アブストラクト: ゴールドベイカー=ラインツ社は、現代における最有力な異常保険提供業者の1つである。典型的な保険会社における現金の流れ (キャッシュフロー) は、低額だが安定して支払われる保険料として流入し、予測困難で稀な高額の保険金として流出する。しかしながら、SCP-6987の契約下で財団とゴールドベイカー=ラインツ社の間で交わされる金銭のやり取りからは、ゴールドベイカー=ラインツ社が正味負のキャッシュフローを持つことが示唆されており、財団への過去の支払額を考慮すれば、ゴールドベイカー=ラインツ社は既に破綻しているはずである。

本論文は、ゴールドベイカー=ラインツ社の過去の保険料収入と保険金支出に基づくキャッシュフローの最良推定値を提供し、全顧客を対象にそれを外挿する。その結果、ゴールドベイカー=ラインツ社の純資産の維持が不正によるものである可能性は低く、聖遺物や希少な生物資源といった、非標準的な保険料支払いの非金銭的な価値によって説明される可能性があることが明らかになった。我々は、ゴールドベイカー=ラインツ社が深妙的価値を金銭的価値に変換する仕組みと、債務不履行を回避するために将来の確率論的現金収入の予定に採用される予測モデルの必須仕様の両方を推定する。

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