SCP-2350-JP - 肉食教(ししばみきょう)
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アイテム番号: SCP-2350-JP
オブジェクトクラス: Eparch
レベル2/2350-JP
Restricted


分類委員会覚書: Eparchクラスは、それ自体が異常では無いものの異常に関連しているオブジェクトの分類として定義されています


特別収容プロトコル: SCP-2350-JPの担当職員は定期的なメディカルチェック及び心理鑑定が行われます。SCP-2530-JPの調査/研究を目的とした前哨基地が██村付近の洞窟内に建設されます。該当洞窟は崩落を理由に封鎖されます。██村には定期的に民俗学者に扮した財団の研究員が訪れ、SCP-2350-JPに関連する情報や物品の収集を行います。収集した情報及び物品は研究の後に適切な保存方法によって保存されます。

説明: SCP-2350-JPは██県██村にて信仰されている宗教の指定名称です。SCP-2350-JPの目的は"人肉を摂食することで肉体の神格化を図る"というものであることが確認されています。歴史資料や村民の証言等の情報はSCP-2350-JPがかつて██村に在住していた神々廻氏を由来とするものであることを示唆しています。神々廻氏の行方は判明していません。SCP-2350-JPの信仰体系等はGoI-8111("石榴倶楽部")及びGoI-8124("弟の食料品")に通じる部分が存在しており、関連性が疑われています。調査の結果、SCP-2350-JPに異常性は存在していないことが判明しています。

発見: SCP-2350-JPは██村付近の山中にて発見された死体が保持していたスマートフォン内に記録されていた映像記録、画像データ、音声記録の解析の結果発見されました。該当データにはGoI-8111及びGoI-8124との関連点が複数確認されたため、関連性が疑われました。該当データは前哨基地にてアーカイブされています。閲覧には担当職員の許可が必要になります。

以下、██村より回収された情報及び物品のリストアップです。

# 詳細
# 01 血のついた鉈。鉈は著しく錆付いており、刃毀れ等の劣化が確認されている。異常性は確認されていない。
# 13 "神の果実"と呼称される果物。調査の結果、非異常性のザクロ(学名: Punica)であると判明している。摂食に関連する異常は確認されていません。
# 37 切り落とした指を"小枝"と呼称すること。これは手を木にたとえたものに由来することが確認されている。呼称についての異常は確認されていない。
# 49 死亡した人物の顔をくり抜き、██村の村民全員で摂食する儀式。文献の調査の結果、魂の器である脳等を摂食することにより、肉体の神格化や俗世との乖離を図るものと推測されている。
# 56 ██村南部に存在する祠。毎年3 月に行われる行事の際に非異常性のザクロと死体を捧げることが確認されている。意図は不明。祠にはヒト男性及び女性の白骨死体が配置されている。白骨死体の手足は欠損している。

補遺: インタビュー記録

インタビュー記録 2350-JP


対象: ██ 幸助氏(██村村長)

インタビュアー: 岳博士


[記録開始]


対象: この村の宗教に興味があるとお聞きしています。

インタビュアー: はい。人を食べるという独自の文化が魅力的でして  もしよろしければ、村の宗教のルーツについて教えていただけないでしょうか。

対象: いいですよ。まず、丁度40 年程前にこの村に神が降り立ったんです。その神の名前は神々廻 █1といって、生まれながらにして人々を導き、真実を見透かす神の瞳2を持っていたのです。

インタビュアー: ふむふむ。

対象: しばらく成長してから、神は私たちに「なぜ豚や牛は食べるのに人は食べないのか」と問いかけてきました。普通の人が言ったら確実におかしなものですが、神が言うと妙に説得力がありました。その日から、私たちは神の考えを理解し、同じ土台に立つことを目的に人を食べるようになりました。

インタビュアー: どのようにして食用の人を集めていたのですか?

対象: 寿命が来て命尽きてしまった者を喰らったり、不要な子  双子の片割れの命をいただくなどしていました。戴くときはまず神にささげ、そのおこぼれを私たちが食しました。いつか、村民の中には人を喰らうことに快楽を見出すものもいました。

インタビュアー: では、その神は今どこにいるかわかりますか?

対象: ある日、自らの両親を殺して村から行方をくらませました。おそらく、私たちが神に依存しすぎたのがいけなかったのでしょう。きっとこれは試練で、神なき今をいかに生きるかを試されているのではないかと考えています。

インタビュアー: なるほど。

対象: ですが、神の両親の手足はありませんでした。何か鋭利なもの  ナイフか何かで切り落としたのでしょう。

インタビュアー: なぜ、両親の手足がなかったのかわかりますか?

対象: わからないですね。

インタビュアー: ありがとうございます。非常に有意義な話でした。

対象: いえいえ、またいらしてください。歓迎しますよ  ああ、そういえば。

インタビュアー: そういえば?

対象: 今、神に似た方が都内で料理店を営んでいるとか。

インタビュアー: その  料理店の名前を教えてください。

対象: 確か  弟の食料品だったと思いますよ。


[記録終了]


終了報告書: 本インタビューにより、SCP-2350-JPとGoI-8124との関連が明確になりました。これを受け、異常及び超常コミュニティと密接に現在も関連していると推測されたため、Eprachクラスに分類されました。

調査は継続されます。

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