interview-by-ukit

Yukko Yukko : 進行は私、ゆっこが務めさせて頂きます。
幾つかの質問をこれから提示させて頂くので、ukitukit氏がそれらに答えて頂き、それに対して追加の質問等があれば、私、若しくはエンダーマン氏が質問させて頂きます。

ukitukit: 承知しました

Yukko Yukko : では、早速なのですが、質問から入らせて頂きます。

まず、【執筆準備段階〜執筆開始段階について】
についての質問です。

❴1❵ Taleを執筆する際の創作に向かう動機としてはどういったものがあるでしょうか。書きたいシーンが浮かぶ、このキャラのこんなところが見たいから等どういった切っ掛けからアイデアの源泉を掴むのか、といった事をお聞きしたいです。(補足情報としまして、アイデアは浮かぶがそれが "書くべきアイデアか捨て置くべきアイデアか" の判断に迷われる方や、大筋が先に浮かんだ後にオチを思いつけずに悩まれる方等がいらっしゃるようです。)

よろしくお願いします。

ukitukit: 自分が常に「あのSCPとこのSCPがであったらどうなるだろうか」と想像してますね。あるいは、あのキャラクターとあのキャラクターが……など、そういうタネはずっと練り続けています。あとは他の人がSNSで話題にしているもので、いいなと思ったものをお話にしています。

Enderman_desuEnderman_desu: そうして思いついたアイデアは、どのようにして記事としての粒度を高くしていくのでしょうか?

ukitukit: 粒度ですね、ひたすらに手の中で転がし続けて洗練を図ります。一週間のうちなんども表現を変えてみたり、シーンの位置を入れ替えてみたり外してみたりですとか。素人創作である分、時間をかけてやる感じですね。

Yukko Yukko : なるほど、それは脳内で組み立てていく感じですかね? それともプロットとしてしっかり書いてから、消したり付け足したりする物なんですかね?

ukitukit: 私としてはプロットというよりかは、サッとまず本文を書き出してしまって、書いて重ねたものを整理整頓して整形していきます。あとでも言いますが、私はプロットは設計図程度でやって、あとは流れに身を任せるようにしていますね

Enderman_desuEnderman_desu: 大まかな構図を最初に立てるんですね。

ukitukit: 構図は必須ですね。割り箸を割る人みたいに、構想から完成まで数時間で仕上げる場合には「ながら」で一筆書きしてしまうこともありますが

ukitukit: 「割り箸を割る人」http://scp-jp.wikidot.com/ohashi
これが一筆書き的にササって書いてしまったやつですね。

ukitukit: こういうのも不可能じゃないですが、絶対破綻はあるので、そういう破綻を減じるにはプロットは必須です

Yukko Yukko : やはりプロットを作る事は作品作りの上で大事なんですね。
私から始めてしまって何ですが、この話は後程でもするので、一旦棚の上に上げておきましょうか。

では、次の質問に参ります。
同じく、【執筆準備段階〜執筆開始段階について】の質問です。

❴3❵ Taleの前提知識となるオブジェクトは、どのように選定しているのでしょうか?(例えば有名所を見回してそこから選ぶ、ですとか、書きたい話に合致する性質のオブジェクトを後から探す、ですとか、そういった話を伺いたいです。)

よろしくお願いします。

ukitukit: 自分が読んだものを元にお話にしています。逆に、こういう物を書きたいからと自分に合う作品を探しに行ったりはしませんね。わたしは常に元となる作品ありきです。それが私なりの原著者さんリスペクトですね。

Enderman_desuEnderman_desu: あくまでも既知の作品からアプローチを試みているんですね。

ukitukit: 自分から新しい概念を導入してっていうよりは、既存のものを組み合わせて世界観を深めていきたい派です。
kidonoiさんの「音のない悲鳴」は好例であり、見習っていきたいありようでした。

Yukko Yukko : なるほど。ですがそれだと、作品作りに関して少し受動的になる気がするのですが、「これを作りたい」となった時はどうされるのでしょうか?
それとも、記事を読んだ上で「こういう物を書きたい」となるのでしょうか?

ukitukit: 私は常に後者ですね。主体者ではなくて、あくまで参加者です。熱量は新進気鋭の人に任せ、そして流行ってるのには大便乗するというのが私です。それで、センスのいいのを一本でも残せればいいかなと

Yukko Yukko : なるほど。ありがとう御座います。
エンダーマン氏からは何か追加で質問する事はありますでしょうか?

Enderman_desuEnderman_desu: 先程の「世界観を深める」といった話についてなのですが、組み合わせによる世界観の融和、といった点で執筆がより進みにくくなったりはしないのでしょうか?受動的に作品を作る上で、組み合わせというのはかなりの難易度だと思っていまして。

ukitukit: そこはちょっと「ちょい」します。「書いてないことは不確定だからいくらでも盛っていい」「和洋の収容サイト違い?臨時で日本に来てたんですよ、ええ」みたいな感じで。違和感は面白さで押しつぶします

Enderman_desuEnderman_desu: ”面白さ”という面では後半の質問になるので省きますが、所謂「ヘッドカノン」との衝突が起こったりはしないのでしょうか?

ukitukit: 私にヘッドカノンはほぼないですね。例えばSCP-073はカクタスバースのアダム・エル・アセムの子という設定で書いた次の瞬間に、聖書のアダムの子という設定で別作品を書いたりも出来ます。〇〇でないといけない。は私は好まない性質です

Enderman_desuEnderman_desu: なるほど、ありがとうございます。

Yukko Yukko : オブジェクト同士で世界観を融合させる時も、多作品を書かれる時も、柔軟な発想で書かれてらっしゃるんですね。

ukitukit: 頑なさが有効に面白さにつながることもありますし、一長一短ですが。好きなことがやりたいですからね!

Yukko Yukko : なるほど!。一貫するというのも大事ですもんね。上手く使いこなせると面白くなりそうです。

では次の質問です。

同じく【執筆準備段階〜執筆開始段階について】から、

❴4❵ Taleを書く際、プロットは作成されますでしょうか。プロットの構築自体を苦手とする方もいらっしゃるとの事でして、もし普段作成されているならばその構築の手順やコツ等をお聞きしたい形です。

最初のものと似た話題なのですが、もう一度詳しくお願い致します。

ukitukit: プロットは立てます。ですが私にとってのプロットというのは「全体的な枠組みをここまでに定める」というもので、プロット段階では内容を詳しくは決めません。ここでこういうスジをいれて、ここでキャラクターに大見得を切らせるくらいの感じです。そして、書いているうちに素晴らしい案が持ち上がってきたら、元々のプロットを破壊してでもそれを入れ込みます。素人創作のよいところですね。

Yukko Yukko : ukitukit氏自身が「面白い」と感じる部分をピックアップした骨組みを作られるという事ですか?

ukitukit: そうですね!面白いシーンを集めて組み合わせて全体像を決めて、骨組みを作っていくようにしています。

Enderman_desuEnderman_desu: 後から肉付けをしていくような感じなんでしょうかね。大体の起承転結を決めて、それも漠然としたものであるのでしょうか。

ukitukit: 肉付けはやはりあとからになりますね。起承転結だけはここで決めてしまいます

Yukko Yukko : 次は【執筆中、内容面について】から、

❴8❵ 「静かなシーン」と「アツいシーン」の起伏を作るにはどうすれば良いでしょうか?またそれに伴って、シーンごとの「感情の起伏」はどれくらいのバランス配分が良いでしょうか?

よろしくお願いします。

ukitukit: 起伏について。これは難しい問題ですが、載せたいものを全部載せてみるというのが私としてはやりやすいですね。というのも、例えばアツい場面、静かなシーンなど全部まず書いてみる。書いてみた上で、それがプロットに適合的でなければ排除します。一見無駄に思えますが「書いたものは消さない」。これが大事です。書いて残しておけば、いずれまた使える時が来るでしょう。

Enderman_desuEnderman_desu: 取捨選択するという事でしょうかね?やりたいものと言うと構図と言いますか、書きたい描写がある程度定まっているのでしょうか。

ukitukit: そうですね、書くからにはやりたいシーンや描写はかならずあるとおもうので、定まっているものをまず形にして、それをプロットの方に入れ込んでやると自然とバランスが整っていくと思います。
そして、感情の起伏に関してはあくまで感情の発露はポイントだけで、ずっと怒らせるとか、ずっと泣かせるというのはナシですね。

Yukko Yukko : ずっと一つの感情を続けるよりも、何かしら起伏があった方が面白いし、且つ読み易いですもんね。

では次に参ります。

同じく【執筆準備段階〜執筆開始段階について】から、

❴9❵ 書いている内に当初の構想から内容が変化していく、というのは経験としてよくある事なのでしょうか。創作において、例えば書いていく内にキャラクターの造形がハッキリすることで、初期構想で言わせる取らせるつもりだった言動をキャラクター側が拒否する(このキャラはこんな言動はしないな、と作者自身が思ってしまう)、という様な事例もあると聞きます(企画主催者談)が……。もしそういった「書いていく内にキャラの言動やストーリーの内容が変わった」経験をお持ちでしたら、それをどうなさったか(そのまま変化するに任せたのか、ある程度以上は構想から脱線しないように修正したのか)という事をお聞きしたいです。

よろしくお願いします。

ukitukit: 書いているうちに変化するというのは、致し方のないことでこれは常に体験し続けています。その時の体調や心理条件というのは日々変化していくもので、その時に応じて、書かれるものは変化します。そうした場合には、私は変化するに任せ、局所的に修正をくわえるというよりも全体や、その後の流れを合わせていくようにしています。

Enderman_desuEnderman_desu: そうした場合に、構成が大きく崩れてしまったりはしないのでしょうか?プロット段階で決定的な変化があった場合、どうやってバランスを整えているのでしょうか。

ukitukit: 崩れるときは崩れちゃいますね……そうしたらもう、最初から書き直すくらいのつもりでやっています。でも消さない。書き直したあとのやつにシーンを挿入できるかも知らないですからね

Yukko Yukko : やはり、削除ではなく排除なんですね

ukitukit: 蓄積があればごまかしは如何様にも効かせられますからね。消さないのが大事です

Yukko Yukko : 成程。「面白い」を取っておいて、使うべき所で使うんですね。消さないという事自体は誰でも出来るので、やっておいて損は無いですね。

ukitukit: この質問に関連して、キャラクターが生を帯びてくるのが最も変化の原因として多いと感じます。キャラクターが書き手の内面で自我を得て、物語を引き回していく。これが逆に楽しい体験を生んでくれます。あと私はということで言えば、面白い展開を思いついたから、先ほど行ったような形でここ以降の初期構想は捨てる!で全部ひっくり返すこともありますね。

Enderman_desuEnderman_desu: 変化した事によって執筆が難航するのではなく、かえって新規のアイデアとして取り込んでいくのですね。

ukitukit: 崩れたところでより良い展開を産めれば良しというスタンスでやってますね!

Yukko Yukko : 今気になったのですが、やはり登場人物と、ukitukit氏が考えている意見が、思いもよらぬ場所で相反する事はあるのでしょうか?

ukitukit: 矛盾という形で現れることはありますね「あ、こいつこんな事言わないしやらないよな」で展開諸々おじゃんということがあり、そういうときはキャラクターに合わせてカットや追加を試みます

Yukko Yukko : それは、作品に肉付けしてる際に起きるんですか?
それとも、骨組み時に何度もやり直したりしますか?

ukitukit: 圧倒的に肉付け中ですね、骨組み段階はサッと終わらせてしまうので、悩むのは常に肉付けと本執筆段階です

Yukko Yukko : なるほど、ありがとうございます。

では、次の質問です。
同じく【執筆中、内容面について】から

❴11❵ テーマであるとか軸であるとかの、taleの中心となる要素を決めて書く場合に気を付けている事をお聞きしたいです。

よろしくお願いします。

ukitukit: テーマ、軸というものは私には基本ないものなのですが、これは元となる記事へのリスペクトというのに尽きます。元の記事を読み込み、その内面や裏側を自分なりに想像し、それをブレさせずに、さらに言えば物語の都合に無理に合わせさせず、お話を構築していくことが私にとっては大切なことですね。

Enderman_desuEnderman_desu: 自然な流れで物語を拡張するよう心掛ける、ということでしょうか?

ukitukit: そうですね!ナチュラルさというのが大事です。読者に違和感を抱かれないように、それはそうかもしれないと思ってもらえるスジを作っていくのが大事です

Yukko Yukko : オチや物語などを追求するのでは無くて、あくまで世界観の拡張なんですね。

ukitukit: それでも、ある程度自分の思うオチにつなげていくのは必要ですね。ナチュラルに、しかし物語として面白くなければ意味がないと思いながらやっています。

Enderman_desuEnderman_desu: 軸を崩さないように、しかしストーリーを拡張していくんですね。

Yukko Yukko : 世界観を拡張すると共に面白さを追求するのは、ある意味記事と近い物があるのかもしれませんね。

では次の質問です。
同じく【執筆中、内容面について】から、

❴12❵ 執筆されるtaleによっては前提となる知識を情報収集される場合があると思いますが、その際どの様な手段を用いて、またどの程度詳しいところまで情報収集を行われますか?検索なのか取材なのか、どういった基準を満たせば収集完了と見なして良いのか、といった事をお聞きしたいです。

よろしくお願いします

ukitukit: まず情報を収集するにあたり、とにかく元の記事を読み込みます。可能なら記事著者のSNSなどでの話を見たりとか。あとはウィキペディアなどを確認しておかなくてはならないですね。このコミュニティの住人は本当に厄介ですから「ん?」と思ったらウィキペディアくらいまでは「検証」しに行きますからね
基準としてはそのくらいになるかなと思っています。逆にそれ以上はいらないかなって感じですね。

Yukko Yukko : 間違っている事を書かないのは大事ですもんね。

Enderman_desuEnderman_desu: 情報を集める際に、どうしても専門的な知識が必要であると感じたりした場合は記事に変更を加えたりするのでしょうか?それとも踏み込んだ情報は触れないようにするのでしょうか。

Enderman_desuEnderman_desu: 学術的な内容であったり、より詳細な情報が必要になる場合などに顕著に問題化すると思いますが。

ukitukit: 踏み込んだ情報には触れないのが肝要です。ある程度のリアリティは必要ですが、あんまり先鋭化すると逆につけいられる隙を作ることになります。なんにせよ自分の専門分野以外はなかなか勝負できないです。
そしてそれが面白さにつながらなければ、ただ隙を作るばかりで、得がないですからね

Enderman_desuEnderman_desu: なるほど、やはり面白さが重要なのですね。

ukitukit: 面白さが全てです。それが私のメイン信条でもありますね

Yukko Yukko : ある程度専門的な分野に踏み込むなら、その知識が豊富でないと、「面白さ」を引き出す事も難しくなるでしょうしね……。

では次の質問に行きましょうか。
同じく【執筆中、内容面について】から

❴13❵ (物語上で発生するイベントそのものや登場人物の動作描写、あるいはイベントを飾るという意味合いでの)演出について、〇〇さんが自身の個性として入れ込むもの(=特定の表現や特定作品の影響)について教えてください。

よろしくお願いします。

ukitukit: 私が若い頃に傾倒したのが、村上春樹などでした。シンプルな文体、過度に華美であったり強調的でない、それこそ中学生でもわかりやすい・読みやすいを心がけています
。そのうえで些細な仕草やそのキャラクターの背景情報をにじませるような表現をして、深みを出そうとくだくだとやっていますね。

Enderman_desuEnderman_desu: わかりやすい、というのは簡潔であったり、難解でない表現であるという事でしょうか。その上で演出を深め、表現しているのでしょうかね。

ukitukit: そうですね。美美しいとか純文学的なのはどちらかというと苦手でポップで軽い表現のほうが好みです。
その文体でさりげなく深い題材をえぐったりして行きたいなというのが基本スタンスです

Yukko Yukko : 私は美しい文章も好きですが、読み易い文体の方が心に刺さる事も多々ありますもんね。美しい文章より簡単に情景が浮かび上がったり、テンポ良く読めるのも特徴の一つだと思います。

さて、質問も残り三つとなりました。

次の質問は
【執筆中、文章面について】から、

❴14❵ 冒頭書き出し部分について、気をつけていることを教えてください。またこれに関連して、冒頭を書けなくは無いが時間がかかってしまう、台詞やポエムのような文章以外の選択肢が取れない、といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるとの事ですので、そういった悩みへの打開策も併せて伺えますと幸いです。

よろしくお願いします。

ukitukit: 冒頭部というのはたしかに大事ですが、ここをこだわりすぎると本当に読者を逃してしまいます。私がよくやるのはセリフからスタートして、キャラクターに物語を牽引させるパターンや、「一言」みたいな書き出しからキャラクターとキャラクターの会話をはさみつつ、状況説明を展開していくパターンですね。グチャッと20行ある冒頭を会話もなしにやっちゃうと、よほどのファンでもなければ逃げちゃいますね多分。

Enderman_desuEnderman_desu: 冒頭部分にあまり時間はかけないのでしょうか?

ukitukit: 時間自体はかけますね。その密度が問題で、読者を押しつぶしちゃうものだといけないんですよね。
よくネット小説で異世界の歴史とか設定をばーって全部説明しようとするのがあると思うんですが、それは良くなくて読者と歩調を合わせて、説明したいことを小分けにして楽しい会話なんかをはさみながら、うまく語らないといけない

Yukko Yukko : 動き等が無いと、飽きてしまいますしね。
ですが、初手のインパクトも大事だと私は思います。
ukitukit氏はそことの折り合いはどう付けてらっしゃるんでしょうか。若しくは、短く、よりインパクトのある書き方をするコツはありますでしょうか?

ukitukit: なんか妙なことを、惹きつけることを最初にかますのが効果的ですね。「この日、世界は99%のフランスパン濃度を記録した」とか「682が寿司を回してるですって!?」とか

ukitukit: そこから広げてギャグにしたりホラーにしたりやりようは様々です

Enderman_desuEnderman_desu: こだわり過ぎず、しかし読者の目を引く導入が必要なのですね。

Yukko Yukko : まず、読者に「気になる」と思わせないと何も始まりませんもんね。冗調では飽きてしまいますし、短く簡潔に、そして読みたくなるちょっと不思議な文章を書くのがコツなんですね。これに関しては、書き出し、そしてタイトルはより意識した方が良さそうですね。

では、残り二つになりました、次の質問です。
同じく【執筆中、文章面について】から、

❴18❵ これは登場人物の内面や心情の変化をその登場人物自身の視点から捉えて描くことを苦手としている、との方からの質問なのですが、そのような描写を行う際、どのようなことに気をつけておりますでしょうか。

よろしくお願いします。

ukitukit: キャラクター心情変化などは、ぶっちゃけてしまえば機械的に書けてしまう部分ではないでしょうか。もちろん一切の下準備もなくできることではありませんが、キャラクターの背景や個性を十分に練っていれば「こいつはこういうときにこういう事を言う」とか「こういうことを思い、こう言い返すだろう」というように展開が固定化されてきます。
あとは、どうとでもとれるように書いてしまうというのも手です。あえて心情描写を挟まずに短い会話の合間に仕草などの描写を加えて、あとは読者にどういうことか想像させてしまう投げっぱなしジャーマンも時には有効です。

Enderman_desuEnderman_desu: 心情を想像させるという点で、過不足ない描写のバランスを保つにあたり気を付けていることはありますか?あと、キャラクター性を考える上では、基礎となる部分のプロットを書いたりするのでしょうか?例えばキャラクターについての説明を軽く書いておいたりなど……

ukitukit: キャラクターの設定は書き出さないですね。リアルで出会った人をコピーして出力したものを手修正してキャラクターに仕立てたりしてます。
描写は「俺がそう言うと、彼女は軽く髪をかきあげた」とかで「ああ女の方はなんかつまんなかったんだな」みたいなぽやっとしたのをよくやりますね。青筋を~とかあからさまなのはあんまり多用しないですね

Yukko Yukko : 敢えて解釈の余地を大きくするんですか。
それは何かしらの、ukitukit氏の考えというか、理由があったりするんですかね?

ukitukit: 解釈の幅をもたせるのは、そこからの発展可能性を考えてのことですね。自分で書いてても、ここは微妙にはぐらかしてあるから加筆修正が容易。あとに続いてこれを読んでなにか書く人に対しても、拡張性を確保できる。
あとは、物語をどう受容するかは読者それぞれですから、いろんな読み方ができるものを作りたいんですよね

Yukko Yukko : なるほど! 読者が色々な解釈が出来るようにするというのは私もなんとなく分かって居たのですが、そこからの発展可能性までに目が届いてませんでした。ありがとうございます。

さて、質問も最後になりました。では、最後の質問です。
同じく【執筆中、文章面について】から、

❴21❵ 所謂「クサみ」が出るのが怖くエモ系の会話文に苦手意識がある、という方からの質問です。これについて、気を付けているコツなどはありますでしょうか。

よろしくお願いします。

ukitukit: クサいというと、舞台演劇的な台詞回しや映画の吹き替えのようなものが結構いろいろなところで目に付きますが、これに関しては「日常会話+α」くらいで抑えていきましょう。読み物というのは結局は内話的に読者の頭の中で展開していくものなので、演劇的な台詞回しがその人に合わなかったり、映画の吹き替えのような普段しないような台詞回しだと、やっぱりその人に合わなかったりということが発生します。
ある人には刺さるけど、ほか多くの人には刺さらないという表現より、広くいろいろな人に刺さる表現のほうが初心者のうちは気が楽だとおもいます。

ukitukit: 私の場合は、とにかくシンプルであることを心がけていて、その上で「キャラクターしか言わない」ようなしっくり感のある台詞回しにしたいなあと日頃は思っていますね。

Enderman_desuEnderman_desu: そうなんですね。感情的な会話文を書くと露骨にクサくなったりする場合が人によってはあると思うのですが、雰囲気を出すために意図的な表現を用いることはあるかと思います。そういった場合、台詞のシンプルさと雰囲気を両立させるにはどう心がければ良いのでしょうかね?

ukitukit: 私だとということになりますが、セリフはシンプルにしてその後の地の文での描写で補うようにしています。
「そう」
単体では「そう」以外の意味はありませんが
「そう」
彼女は顔を背けたままそう言った。そしてそのままタバコに火をつけて、ふーっと煙を吐く。風で流れた紫煙が、すぐさま吹き流されていった。
と、このようにしてセリフからクサみを飛ばしつつ、地の文で描写を重ねていく感じですかね

Enderman_desuEnderman_desu: 描写の精密さは維持できるように、表現の方法を変えるのですね。

ukitukit: そうですね、セリフでクサくなったら次はシンプル。地の文でクサくなったら、次はセリフを重めにして地の文をシンプル……こればかりではないですが、全体のバランスは取りつつうまいことまとめるのがやりやすいでしょうか。

Yukko Yukko : 質問に答えて頂きありがとうございました。

では、これ以上質問が無ければ、これにてインタビューは〆となりますが、エンダーマン氏は、最後に何か気になる事はありますかね?

Enderman_desuEnderman_desu: 私の方からはこれ以上は特にありません。

Yukko Yukko : ukitukit氏は、何か伝え忘れていた事や、最後に一言ございますでしょうか。

ukitukit: 私からは特には!
今回はこのような機会を設けてくださりありがとうございます。本企画の成功をお祈りしております。
重ね重ね、本日はありがとうございました!

Enderman_desuEnderman_desu: ありがとうございました!

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