荒木: くぎゅう先生は、常々『夜明け』を大切にされていると思います。最新作のタイトルも、『終わりなき夜明け』でしたよね。
くぎゅう: 夜明けはね、大事ですよ。艱難辛苦の先に、人は光を掴まなければならない。どれほど辛く苦しい夜でも、必ず朝日を昇らせる必要があります。
荒木: なるほど。やはり人類讃……
くぎゅう: (笑い声)
荒木: どうされました?
くぎゅう: いやあね、納得しちゃ駄目だよ、そこは。終わりなき夜明けを迎えるためには、終わりなき夜の訪れが必要じゃないか。
舞台と歴史
概略
すべての始まりたる大地、ポーランド。1998年初夏の巨大神格災害はヴェールとこの国を完膚無きまでに引き裂いた。神格撃滅時に発された、同心円状の急激な奇跡エネルギー放射によって、ポーランド南部、ならびにスロヴァキア北部やチェコ東部が甚大な被害を受けた。特に、決戦の舞台となったプロショヴィツェ郡近隣では、あまりの破壊的影響により、人体含む多数の存在が融解して灰白色のぬかるみと化し、巨大なクレーターが生じたほどだ。
(『朝日と魂』。当時の一般人が、事件後に爆心地付近で撮影した写真。昇る太陽を背に、その光を受けた液状化した犠牲者が白く光り輝いている)
爆発中心点から数十km圏内の建造物は概ね溶解し、死者、行方不明者、ならびに人体の一部が融解し、永続的な障害を負った者も数多い。一部の箇所には、ある種の人型の『焼けあと』が生々しく残ってさえいる。およそ100km圏内の建築物の大多数が崩壊し、150~200kmの範囲すら高層建築を中心に損傷を受けた。当然、爆心地に近いクラクフも、首都機能をほぼ完全に喪失し、大部分の歴史的建造物が失われてしまっている。
凄まじい被害を齎した神聖爆発であったが、その被害はこれのみに留まらなかった。
カック灰
ショパン・カルト
ポーランドを中心に東欧圏に分布する宗教思想、ショパニズムの信仰団体の総称。いくつかの派閥が存在する。例としては、以下の団体が確認されている。
- GoI-484A ("聖ショパン正教会")
- GoI-484B ("血漿楽譜教会")
- GoI-484E ("聖ショパン再誕のための音術師協会")
「聖ショパン正教会」はショパン・カルトの総本山たる組織で、かつてアンソニー・ブコウスキ師がジェラゾヴァ・ヴォラで創設した集団の系譜を最も直接的に継いでいる (と主張する)。しかし他にもいくつか後継を名乗る組織や、各種分派が存在しており、その“血縁関係”は案外複雑だ。
音術師協会の設立者、ヴォイチェフ・ノヴァク司祭は本来、とても敬虔な信徒であったという。だがしかし、彼は段々と正教会のやり方を正しくないと考えるようになっていき、(正教会から見て) 異端的な思想や儀式に傾倒していく。正教会からの追放後も、彼は数人の同調者とともに独自の研究を続け、いつしか「図書館」へと到達した。
図書館において、彼は自らの神の真実を求めた。そこで何か間違いが起こったのだろう。ある時、彼は異界の存在と接触してしまう。その存在は彼に力と権威を与え、彼をある種の預言者とした。彼はこの存在こそ自らの崇める神だと考えたが、実際は遥か昔に異世界から追放された、とある神もどきの成れの果てだった。
- ショパン・カルトの七つの聖杯
- MARCH残党と技術流出
- MARCH、ハイブリッド組織。それこそ現代都市伝説的な秘密結社に近い感じの……。
- ショパニズム迫害・ショパンフォビア
- SCP-1710-JP監視と戦術神学部門