ロヴァタールと玉座 の下書き


評価: 0+x

ロヴァタールと玉座

私は人々を開放するために征く。

彼女のŋäcämatse恋人、彼女の愛する者の言葉。それは彼の怒りの燃え盛る炎に、彼の留められぬ意志の力に支えられ、そのような静かな決意と共に発された。彼らが二人で座った時、それは何年も前のことであったが、何日にも渡り語り合い、彼女は心から、彼が正しいと知ったのだった。

彼らは誰が正しいかについて議論したことはなかった。もしそれについて議論したことがあったとしたら、彼女は決して、彼の狂った夢の探求に加わりはしなかっただろう。いや、彼女は、ほぼ最初から彼が正しかったと知っていたのだ。むしろ、彼らは彼がその理想を叶えることができる方法について議論していたのだ。

ダエーワが地に栄えていたのは過去となっていた。彼らの残酷さ、嗜虐性は最初から続き得るものではなく、彼らがどれほど早くその悲しい真実の確立された証へと落ちていったことか。地は栄え、人々は生き延び、ダエーワは斃れた。それが現実であった。

ロヴァタールは城壁の上に立ち、イオンが開放した土地を眺めていた。彼が歩いた所はどこでも、地は革命の炎で燃え、ダエーワの軍勢は倒れた。剣で、囁きで、あるいは彼の意志の真の力で、彼はhalkostänä大ハルコストをダエーワの土地へと進軍させ、それを民衆へと返した。

今、ここアディウムの聖なる都市で、イオンはhalkostänäを休ませるために連れてきていた。ここで、彼はしばしの間留まるだろう。賢者たちがKalmaktama死無きこと、不死について囁やこうとも、彼女はそれが永遠に続くわけではないとわかっていた。それは計画にはなく、彼女のŋäcämatseが予言した未来にもなかった。

遣る瀬ない怒りと悲しみの衝動に支配されそうになり、彼女は手を伸ばし、欄干の暖かい表面に手をついた。要塞であり、王宮でもあるものはどのようにしてか彼女の中で苦悶が立ち昇ると同時にその深みを感じ、彼女が触れると震え、彼女の足元を揺らした。彼女はそれが彼女を安らがせようとしていることを、巨大な怪物がその中心において守り、奉仕するために手を伸ばすのを感じることができた。

柔らかなため息が彼女の唇から漏れ、彼女は巨大なKiraak即身院を落ち着かせるため慰撫の言葉を呟きながら、城塞を優しく撫でた。それは再び眠りに落ちたが、彼女はその巨大な質量を伝わるさざなみからその愛情と強固な目的意識を感じた。彼女は取り留めのない考え事をしていたが、王宮が彼女の苦悶を感じ取れたのならば、他の者もそうなのかもしれなかった。

「まだ悲しむには早いわよ、お嬢様。」声は影に放たれ、彼女のいるバルコニーの入り口に集結した。そしてロヴァタールはサァルンが彼女に礼をするために歩み出すのを見た。ロヴァタールは小柄なサァルンに微笑みかけ、そしてサァルンはそこに反響していた悲しみに敬意を表すため礼をした。

「わかってる。私は心の一部で、知らなければよかったと、彼がビジョンを私に見せなければよかったと思っていることを。」彼女は端から離れ、王宮が彼女のために浮かび上がらせたベンチに座った。ロヴァタールがそうする間、サァルンはベンチのそばの床に足を崩して座った。

「信じられなかったでしょうね、でも何事にも代償はあるものよ、お嬢様。あなたにもわかっているでしょう?」

ロヴァタールは暗殺者に同意したくなかった。皮肉への憤りは彼女が相手の言葉に自己批判の底流を感じ取ると消散した。彼女は少し間を置いて考えをまとめ、返答として嘆息した。

「勿論、そのとおりよ。何事にも代償はある。私はただ思っただけ……」この城塞を囲む、うねる丘に目をやりながら、彼女の語尾はか細く消えっていった。彼女のエゴを、この少女にどう説明すればいいのか。彼女のŋäcämatseと空間を共有するときに、あるいはサァルンが知らぬであろうやり方で、彼に自らを明かすときに感じる喜びをどう表現するればよいのか?

「あなたが残らなくてはならなくて、彼が戦いに赴かなければならないときにも、彼と共にいる方法があればいいと思っているのね。」

勿論、彼女にはわかっていた。この小さく、注意深い間諜が見逃すものなどほとんどなく、その目と耳から逃れるものなどなかった。全てを見て、より多くを知る、それはサァルンの才能であった。零れ落ちそうな涙を隠そうと無駄な努力をしながら、彼女は目を閉じ、ただ頷いた。

「まだ時間はあるわ。メカニトはクーリテスに疑いの種を植え始めたばかりで、まだケメトエジプトには使者を送っていない。あの古代の土地の人々に感情が呼び起こされるには時間がかかるわ。でも、」暗殺者は掌を上にして、細い手を差し出し、拳の形へ握った。「そのうちには、怒りに包まれる。」彼女は頭を振った。

「Mekhaneの信者たちは私たちを嫌っている。彼らの肉への憎しみは私には理解できない。でもイオンはプタハの信者の編みだす魔術を最も恐れているのだと思うわ。」彼女は頭を振り、手で侮蔑的なジェスチャーを作った。

「政治の話なんてしたくなかったでしょう、お嬢様。こんな話で割り込んで、ごめんなさいね。」

今度はロヴァタールが頭を振る番だった。「いいえ、我が友よ。私たちはそれぞれ自分に向いた方法で奉仕しているだけ。私はあなたに自ずとわかるようなことを隠したりはしない。あなたは私を元気づけようとしてくれたし、私はそれに感謝しているわ。」

彼女は体を伸ばしてベンチの背に体を預けた。「そしてあなたは正しいわ。まだ時間はある。」


1そしてその頃、地に平和がもたらされる日々が実現した。オジルモークを受け入れたものはダエーワの土地の多くを手に入れており、彼らに抗えるものはいなかった。2イオンはアディトゥムの街に根を下ろし、繁栄のうちにしばしの時を過ごした。

3その時、クラヴィガル・ロヴァタールを大いなる悲嘆が襲い、彼女はイオンの元へと行き、寄り頼んだ。4「汝の怒りを汝の敵に放つことなきよう5汝の手を留め、汝の正義の炎を消散せしめるよう。その道は苦しみと死へと続くゆえ。」

6そして見よ、イオンの心は動き、ロヴァタールを大いなる愛情を込めて見上げた。彼は彼女の前に膝をつき、彼女を掻き抱き、彼女の耳に慰めの言葉を囁いた。7その時、彼女の心は宥められ、しかし未だ成就せぬ予言のために、彼女は泣き続け、彼女の決心はより強められた。

8その頃、彼女は彼女の主への贈物を作り始めた。三十の昼と三十の夜、彼女は大いなる苦しみをもって働き、愛情をもって見たもの全てが驚くほど比類なく美しく、精緻に作られた椅子を作った。

9その頃、カルマクタマはsukanta上昇の饗宴を祝っていた。それは、彼による人民の解放の記念日に行われるよう、イオンが布告したのだった。 10その饗宴の最終日となる十日目に、ロヴァタールは彼女の労働の成果をイオンに渡した。彼女は彼女の肉の工芸を取り上げ、ケメトの王国の最も美しい瑠璃と、遠いジョングォ中国の最も美しい翡翠で飾った。11サァルンとともに、彼女はその表面を、イオンがその上で休めるように柔らかな綿で覆った。そしてそれは彼女ら自身の黒髪から作られており、それは彼女らの愛とともに生き続けた。

12そしてイオンはその贈物を見て、ロヴァタールがそのような贈物を作るために支払った代償を知り、再び彼の心は動いた。そして彼は大いなる饗宴の出席者に静粛を求め、彼らに彼女の愛を語った。13そしてその時、彼が導く者たちの愛によってのみ、彼は導かれることを常に思い出させるために、彼はその椅子を、彼がどこへ赴くときも持ち運ぶと宣言した。

- カルマクタマの勃興、3:1-13; ソロモナリ・ヴァルカザロン


特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License