SCP-1382-JP |
---|
アイテム番号: SCP-1382-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1382-JPはサイト-48の低危険度オブジェクト収容ロッカーに、一般的なマンドリンケースに格納された状態で収容されます。ケース内には小型カメラが設置され、収容状態を監視します。実験時以外でSCP-1382-JPを肉眼で視認しないでください。
SCP-1382-JPは、サイト-48の標準オブジェクト収容ロッカーに、一派的なマンドリンケースに格納された状態で収容されます。研究員によるSCP-1382-JPの視認は禁止されています。また、オブジェクトに接触した職員にはAクラス記憶処理を適用してください。個人的に楽器を所有する職員はSCP-1382-JPの管理から除外されます。サイト-48の職員が受診する定例検査には、SCP-1382-JPの影響の有無を判断する項目が追加されます。
説明: SCP-1382-JPは全長63cmのマンドリンです。材質に異常性は認められませんが、非常に強固な外部からの破壊に対する耐性を持ちます。製作した楽器メーカーには特異な点は認められませんでした。
SCP-1382-JPは優れた楽器破壊能力を持ちます。SCP-1382-JPを視認した人間(以後SCP-1382-JP-1)は楽器破壊への強い欲求を抱き、オブジェクトを手に取り積極的に周囲の楽器を捜索し始めます。種類・大きさ・場所に関わらず楽器を発見したSCP-1382-JP-1は、SCP-1382-JPを両手で強く握りこみ、ゴルフクラブのスイングと近しい、振りかぶりを伴う打撃によりこれを破壊します。SCP-1382-JPを用いた楽器破壊はSCP-1382-JP-1の腕力や対象の材質から計算される規模を大幅に上回り、爆発や轟音を伴いますが、これによるSCP-1382-JP及びSCP-1382-JP-1への影響はありません。SCP-1382-JPの精神的影響はクラスA記憶処理によって除去できます。SCP-1382-JPの精神的影響の完全な除去には未だ成功していません。
実験記録 - 日付2023/██/██
対象: ヤマハ YRA-38BIII アルトリコーダー (1980円)
SCP-1382-JP-1: D-4855
監督: 新原博士
<記録開始>
新原博士: D-4855、実験室に入り、中の楽器ケースに入っているマンドリンを取り出してください。
D-4855: わかりました。
新原博士: D-4855、横にリコーダーがあるのが見えますね。
D-4855: はい。小学校で使うような、白いリコーダーです。(D-4855はリコーダーに接近し、様々な角度からリコーダーを観察する。)
新原博士: D-4855、どうかしましたか?
D-4855: あの、先生、妙なことを言っているとは思うんですが、ちょっとこのマンドリンでリコーダーをたたいてみてもいいですか?
新原博士: 許可します。
D-4855: ありがとうございます。では…
(D-4855は体を大きくねじりながら両手で持ったSCP-1382-JPを振りかぶり、リコーダーを殴打した。大きな爆発音や閃光とともに、実験室の強化ガラスに亀裂が走る。計器は爆発がTNT火薬1キログラム1相当のものであることを示している。)
D-4855: わぁ、これ、すごいですね。またやってみたいです。ほかに楽器はないんですか?新原博士: 本日の実験はこれで終了です。お疲れさまでした。
(D-4855が悪態をつく)
<記録終了>
後書:実験後、D-4485は楽器破壊への軽度の執着を見せた。これは24時間後には見られなかった。
補遺1-インシデント記録-1: 2023/██/██、新原博士監督のもと、SCP1382-JPを用いておよそ30万円相当のコントラバスを殴打する実験が行われました。結果として爆発の規模はTNT火薬5キロトンに相当し、小規模のキノコ雲が発生しました。同博士および三名の研究員が爆発に巻き込まれ死亡し、SCP-1382-1であったD-4485も爆発の影響により収容違反したオブジェクトによって殺害されました。調査の結果、新原博士の私室のすべての楽器類が複数の私物の工具により破壊されていることが判明しました。これを受け、オブジェクトクラスが現在のものに変更されました。
補遺-2-インシデント記録-2: 2024/██/██、サイト-48の3名の職員がSCP-1382-JPの影響を受け、共謀しSCP-1382-JPの収容違反を発生させました。以下は再収用時の記録です。
映像ログの書き起こし
日付: 2024/██/██
対象: サイト-48第3廊下/SCP-1382-JP-1となった3名の職員
隊員: 石田研究員
[ログ開始]
施設内の楽器を探索するSCP-XXXX-JP-1群が逃げ遅れた石田研究員に接触する
石田研究員: しまった、こちらに来ていたか。
SCP-1382-JP-1: お前、楽器を持っているな?
石田研究員: え?まあ、持っているが。
SCP-1382-JP-1: 出せ!早く!
石田研究員は困惑しながら私物のオカリナを取り出し、SCP-1382-JP-1群に提出する。
SCP-1382-JP-1: 楽器を発見。破壊する。
石田研究員: 待て、それは大切な―
SCP-1382-JP-1が石田研究員のオカリナにSCP-1382-JPを振り下ろす。SCP-1382-JPはオカリナの表面で静止する。
SCP-1382-JP-1: ん?
石田研究員: え?
SCP-1382-JP-1が石田研究員のオカリナに再び、重ねて数回、SCP-1382-JPを振り下ろす。SCP-1382-JPは全てオカリナの表面で静止する。
SCP-1382-JP-1: なぜだ、なぜ壊れない!
警備部隊がSCP-1382-JP及びSCP-1382-JP-1を確保する。SCP-1382-JP-1群はオカリナの破壊に執着していたため、確保は容易に成功する。
[ログ終了]
補遺3: 後日の調査により、オカリナは石田研究員の亡母の手製であったことが確認されました。当インシデント後、特別収用プロトコルが現在のものに改訂されました。また、SCP-1382-JPの収容違反の際は手製の楽器を囮として利用する計画が立案されています。