Metaphysician氏の作品まとめ 2

考察作業用
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    SCP-748の内部。

    特別収容プロトコル: SCP-748上部の異常でない建築物はサイト-68に改装されました。民間人との遭遇時は、保安職員は非致死的な武力と記憶処理薬を用いてください。鋼鉄製の有刺鉄線フェンスが、SCP-748周辺の半径4kmの地点に維持されています。有毒物質による汚染の警告サインが3m間隔でフェンスに取り付けられます。

    SCP-748の最近の変化を考慮し、保安職員は増員されています。研究者は少なくとも3人のグループで移動・勤務し、常に武装した護衛を伴わなければなりません。保安職員はヘルメットに取り付けられたライブ音声/映像記録装置を装着する必要があり、全人員はGPS追跡装置を装備しなければなりません。

    説明: SCP-748は異常な技術による量産が可能な工業建築物です。SCP-748はマサチューセッツ州ローウェルに位置する異常性の無い工場の下部に構築されていました。SCP-748の異常な機械群は錆びて損傷しており、大部分は動作不能に陥っています。回収された文書に基づき、これらの機械は核融合炉と同等の動力レベルを必要としたと考えられますが、その意図された動力源は未だに発見されていません。SCP-748の構造は不完全であるように思われ、証拠としてはドア向こうの壁・行き止まりの大広間・何処にも接続されていないワイヤー/配管などが挙げられます。施設各所のポスターには“A HARD WORKER IS A HAPPY WORKER”(勤勉な労働者こそが幸福な労働者である)、“ACTIVE MINDS LEAD TO IDLE HANDS”(頭を働かせると手捌きが遅くなる)などの意欲付け/プロパガンダを意図したスローガンが記されています。

    地下一階にはSCP-748上層構造の崩落した部分を介してアクセス可能です。金属製の案内板は、この場所を”寄宿舎 03/1200 – Ι: 21”と表記しています。この階層は8つの廊下(セルブロック1-8)を特色としており、各廊下は大型機械リフトを備え付けた円形の部屋へと収束します。この”房”は労働者の収容のために設計されています。この階層は、混み合った不衛生な状況下で4000~6000人を住まわせることを意図して設計されたと推定されています。

    地下二階は長方形のチャンバーです。地上との距離が離れているにも拘らず、ここは製品の包装と出荷のために設計されているように思われます。ここの案内板には”出荷 03/1200 – Φ: 5190”とあります。この階には中央エレベーターを含めて21機の機械リフトがあり、リフトは組立担当の階層からアイテムの輸送に使われた可能性が最も高いと考えられます。

    ここには同一設計の機械も4台あり、南側・東側・北側の壁に取り付けられた機械にはそれぞれ”Νότος”1、”Εὖρος”2、”Βορέας”3と表記されています。動作不能ではあるものの、回収された文書は、これらの機械が対象物の輸送に関連していたことを示唆しています。西側の壁にもかつては同種の機械が設置されていたようですが、既に破壊されたと思われます。これらの機械は発見以来SCP-748-1と指定されています。

    酷く錆び付いた輸送用の箱が、エリア全域に無作為に散在しているのが発見されました。箱は非異常性であり、異常な積荷は研究のためサイト-██に移送されています。これらの箱から回収された異常なオブジェクトには以下が含まれます。

    • 生物学的に生きている揺り木馬、500個。観察されている間は悲鳴を上げる。高い放射線レベル。
    • 様々な未知の種の毛皮から作られた毛皮のコート、500着。常に炎上している。
    • 表面的にはスプリングフィールド1903小銃に類似するライフル、2000丁。観察可能な異常性は無いものの、カント計数機は50ヒューム以上を表示し、潜在的な高い非現実レベルを示唆する。
    • 一度着用すると脱ぐことが出来ない山高帽、800着。着用者は全ての開口部からスズメバチを放出する。
    • タバコ、200000本。直接吸入した人物をウバザメに変える。影響者は完全な変化(プロセスに約30分掛かる)の後に爆発する。
    • 腐敗した肉、10トン。遺伝子分析ではヒト・ブタ・イカのハイブリッド種であると判明した。高い放射線レベル。

    地下三階は、中央エレベーターを使ってアクセス可能な半円形チャンバーです。案内板はこの階を”生産 03/1200 - Ω : 91”と指定します。この場所はコンベアベルト・気送管・電子管・配管で構成されており、その全てがチャンバー南部にある大型機械(SCP-748-2と指定)に接続されています。回収された文書に基づくと、SCP-748-2の意図された目的は分子アセンブラー4とほぼ類似したものです。しかしながら、SCP-748-2の設計と力学はそのような仮定上の構築物とも確立された自然法則とも相関性が無く、プロセスを完全に異常なものとしています。

    SCP-748-2は過去のある時点で、恐らくはSCP-748の無力化に関連する出来事によって顕著な被害を受けたことが見て取れます。この出来事は、地上の工場が1915年に閉鎖・放棄されたことが記録上で示されているにも拘らず、1950年代初期に発生したと考えられています。

    補遺: 1996/05/14、構造物全域で使用されている幾つかの大型配管から、骨や金属くずによる閉塞が除去されました。この除去は配管内に水が溢れ返る事態を引き起こし、11名の職員が死亡しました。この事件の後、構造物全体で電気照明が作動し(ちらつきや薄暗さは低電力を示唆する)、かつて中央エレベーターシャフトの終点だった地点に開口部が出来て、地下四階への接続が可能となりました。

    地下四階は中央エレベーターシャフトを介してアクセス可能な球状チャンバーです。金属案内板はこの階を”管理 03/1200 - Δ : 586”と指定しています。この階層には数百台もの柱状の機械があり、お互いに銅線・ブロンズ管・真空管で接続されています。各機械には、正体不明の緑色の液体と保存された人間の脳1つを含むガラスのシリンダーが収容されています。これらの脳は生物学的には生きているものの、ロボトミー手術と一致する損傷を受けています。これらの機械はSCP-748-3と分類され、階層の北東部にあるSCP-748-4と指定された大規模で複雑な装置に接続されています。

    SCP-748-4は、SCP-748の制御および管理に関連した275トンのバイオメカニカルマシンです。SCP-748-4の機械部品は(信じがたいほどに複雑ですが)アナログコンピュータに匹敵し、有機的な構成要素はランドルフ・T・メッツガーを自称する生きた人間の脳です。SCP-748-4の声は多くの場合、歪み、空電によって損なわれています ― どのようにSCP-748-4が話し、聞くことができるのかは分かっていません。

    補遺: 1996/08/14以降、計6名の職員が消息を絶っています。各職員は消失時に他者の視界から外れた地点におり、幾つかのケースでは、近くにいたが機械の裏に回る、あるいは通路の角を曲がるなどしている最中に消失していました。これらの消失の原因は不明のままです。以来、保安プロトコルがこの問題に対処するべく更新されました。

    失踪について質問を受けたSCP-748-4は「事故は起こるものだ。諸君の安全は私の知ったところではない」と述べました。


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    見つかっている中では最も古いSCP-2075の写真。

    アイテム番号: SCP-2075

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: SCP-2075は必要ある際に密閉出来る隔離収容ユニットに留置する事とします。収容ユニットには日に一回の(もし要ありと考えるならば更に)リモート除染が行われます。SCP-2075にはボトル入りの水と栄養カプセルを、空気チューブを通して日に三回供給する事とします。SCP-2075とのやり取りは全てリモートマイク越しに為されるものとします。

    監視窓は防弾加工を施したガラスで構築されます。収容房への如何なる損傷も、対集団災害用レベルA防護装備を身に付けた職員により必ず即座に修理して下さい。SCP-2075-Aは、サイト主任の認可が無い限りは有害廃棄物取扱規約によって焼却処分が為されます。生体組織は極低温保存庫内に個別に保管されます。

    SCP-2075はソビエト連邦崩壊期の1991年██月██日にロシア連邦軍参謀本部情報総局"P"部局(以下GRU"P"部局)より移送され、以後は生物収容サイト66-G区域に収容されています。

    説明: SCP-2075は現在63歳の白人系男性であり、元はGRU"P"部局に警備員として雇用されていたアレクセイ・クラフチュク(Aleksei Kravchuk)です。SCP-2075は神経系統への激甚な変質能力を持つ微生物病原体を吐き出します。SCP-2075により感染した個人はSCP-2075-Aと分類され、SCP-2075の拡張部と考えられます。SCP-2075はその異常能力を距離によらず発揮する事ができ、SCP-2075-Aが破壊されない限りは無期限にその制御を維持します。Dクラスを用いた実験では、SCP-2075が自身の元の身体と同時にSCP-2075-Aを操る事が可能である事が示されました。もしも大元となる身体が破壊されると、生き残りのSCP-2075-AがSCP-2075の役割となり、異常な病原体を放出します。SCP-2075は同時に一体より多くのSCP-2075-Aを制御する事は不可能です。

    SCP-2075は財団職員との会話に対して熱心な意欲を表しています。SCP-2075は紀元1204年10に生まれたと主張していますが、これが本当だとするなら、SCP-2075は財団の管理下に置かれた1991年██月██日の時点で787歳であったと見積もられます。

    SCP-2075はロシア語で話す事を好み、また、英語、ドイツ語、更にはウラル語族のある古い言語にも流暢である事が判明していますが、この言語は現在知られているいかなるウラル語族の言語とも一致しません。対象は識字能力がありますが、文字の書かれた物や筆記用具に関する要求は何ら為されていません。



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    1948/8/7に発掘された後のSCP-2095。

    アイテム番号: SCP-2095

    オブジェクトクラス: Safe

    特別収容プロトコル: 遺物サイト-26がSCP-2095の周囲に構築され、アクセスを防止し、景観から遮断しています。サイト-26は気象観測所を装っており、ギリシャ政府内のエージェントは、サイトが公に観測所として認識される事を確実にしてください。

    説明: SCP-2095はエーゲ海の不毛な無人島・ギャロス島に位置する、大部分が地下に埋もれた寺院です13。この構造物は、以前から存在が知られていた島内の遺跡よりも年代的に先立つものです。内部で発見された碑文にはクレタ聖刻文字、線文字A、ヒッタイト楔形文字、そして以前には未知だった複雑に変化する螺旋形の絵図から成る文字が含まれています14

    SCP-2095は全体が生物学的素材で構築されており、かつては生きた生物だったと想定されています。SCP-2095から取ったサンプルには骨・キチン質・筋肉・脂肪・内臓が含まれていました。放射性炭素年代測定は、対象の死亡時期を西暦紀元前1200-1000年(1σ)と位置付けており、軟組織には防腐処理された形跡があります。

    寺院の各房は、構造的かつ細胞質的にヒトの腸管内壁に類似したトンネルで接続されています。ドアを務めていたと思われる大きな括約筋は恒久的に緩んだ状態にあり、生前は必要に応じて開閉が可能であったと想定されています。

    最大の部屋には、SCP-2095の生体組織の一部である、骨で構成された祭壇があります。法医学的な証拠は、これが生贄を捧げる目的で使われた事を示唆しています。生きた犠牲を捧げることによってSCP-2095が生存するために必要な栄養素が提供された可能性があると考えられており、床自体には酸による腐食の兆候が見られます。祭壇の基部には、SCP-2095の制作者にとって宗教的に重要な象徴と思われるウロボロスが彫り込まれています。

    29巻の巻物がSCP-2095の北端にある房で発見されました。ヒッタイト楔形文字で書かれていたのは4巻のみで、他は解読不能のままです。4巻のうち3巻は哲学的/精神的な性質のものと思われ、残りの1巻は目録のようです。

    財団の考古学者は、島全体に戦争の痕跡を発見しました。これら痕跡の中には、爆縮・内燃機関・分解・放射能中毒・致命的な物理的再構成などの異常な死因を明らかにしている骨格の残骸が含まれます。

    財団は、ギャロス島で大型古墳の研究を行っていたギリシャの考古学者チームによって発見された”骨の大聖堂”の報告を受けて、SCP-2095の事を知りました。考古学者たちはクラスB記憶処理を施されて一般社会に返されました。SCP-2095の確保は容易であり、遺物サイト-24の建築は1949/12/9までに完了しました。

    補遺: 2014/5/24、エーゲ海で地震が発生しました。遺物サイト-26に損害は出ず、異常なオブジェクトも建設以来そのままの状態を保っていました。SCP-2095は幾つかの構造的損傷を受けましたが、これは偶然の出来事であると証明されました。石灰化によって封印され、隠されていた未知の括約筋が祭壇室内で破裂し、開いているのが見つかりました。

    房内を探査した結果、人間男性1名の死体が発見されました。この人物は腐敗の兆候を示しておらず、検出可能な心臓の鼓動を欠いているにも拘らず、脳波スキャンは低レベルの脳活動を明らかにしました。対象とSCP-2095の関係性については現在調査中です。

    房内からは、1巻の保存状態良好な巻物も見つかりました。これは不用意に転がしてあり、恐らく内部に封印するつもりでは無かったと思われます。手紙の内容から推測して、これはSCP-2095を支配していた権威者によって書かれたものの、文中で触れられている出来事が直接原因となって送付されないままに終わったと想定されています。文書は翻訳され、現在は財団職員が閲覧するためにアクセスが可能です。

    プロローグ: はじめに言の葉ありけり | 追憶のアディトゥム


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    SCP-2133

    アイテム番号: SCP-2133

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: 周辺地域との出入り接触を防ぐべく、SCP-2133の周囲10km範囲における警備を必ず維持する事となっています。周囲に沿って警備員が常時配置され、ロシアの軍事施設としての偽装を維持します。民間人または敵対的な存在によるセキュリティ侵害の発生時には、致死性の武器の使用が認可されます。SCP-2133の人里離れた環境により、偶然の発見は稀な事が保証されています。SCP-2133への探査および当共同体との交流時には、職員はレベルAのHazmatスーツを着用する事となっています。

    説明: SCP-2133は北部ウラル山脈に位置する無名の村です。正確な数は記録困難ですが、推定される人口は50人です。様々な病原菌がSCP-2133近郊において発見されており、そのうち幾つかは未知の物です。病原菌には以下の物が含まれます。

    • マイコバクテリウム属のらい菌及びその種(ハンセン病の原因となる)
    • エルシニア属ペスト菌(肺炎、敗血症、線ペストの症状を示す)
    • サルモネラ属エンテリカ種の亜種(腸チフスの原因となる)
    • インフルエンザウイルスA型、B型、C型
    • ビブリオ属コレラ菌(コレラの原因となる)
    • 天然痘ウイルスmajorタイプ及びminorタイプ(天然痘の原因となる。1975年時点で、SCP-2133外部では根絶)

    SCP-2133-1と指定されるSCP-2133の住民は、これらの病気に対して相対的な抵抗性を示します。症状は通常の病気と同様に進行し、外見上にも病態となり衰弱はするものの、死は比較的に稀です。

    SCP-2133-1は、彼らがSCP-2133から去る事を望まない、あるいは出来ない事を示しています。遺伝子分析からは重度の近親相姦が明らかになりましたが、封じ込め下に入ってからの有性生殖行為は一度も観察されていません。病気は彼らの主要な異常性が示す症状であり、病気そのものは異常ではないと仮定されています。

    SCP-2133-1に関する最も重要な異常性は、一種の転生を行うことです。死亡した個体は急速に腐敗し、次の新月の夜に、畑から幼児の姿で収穫されます。SCP-2133-1個体は、転生前の記憶と外観を持ち続けています。畑からの土壌サンプルは、胚に関する流体を含んでいると分かりました。

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    SCP-2133の住民達

    SCP-2133-1は古風なロシア語の方言で話します。定期的にインタビューには応じるものの、彼らは概ね歴史や伝統についての本質的な詳細を打ち明ける事は拒絶します。彼らの生活様式は14世紀の農奴と類似したものが記録されており、高度な技術に対する深刻な恐怖症を示しています。住民たちは文盲であると思われ、当村に言語が記された物は書物も他の如何なる物も全くありません。彼らの文化や信仰について分かっている部分は、観測活動と僅かな回数だけ成功したインタビューを通じて収集されたものです。SCP-2133-1は自分たちの宗教を”赤き収穫の教会”であると語りますが、その教義や神話は余り分かっていないままです。

    SCP-2133-1は財団職員を無視する傾向があり、何らかの行為で彼らの日々の作業が邪魔された際のみ敵意を表します。職員はSCP-2133-1の反感なく建物内にも入る事が出来ますが、これは教会を只一つの例外とします。教会に進入する試みは全てSCP-2133-1およびSCP-2133-2との激しい戦闘行為を引き起こし、結果としてHazmatスーツの損傷を介した病原菌への感染、あるいはSCP-2133-2による絞殺および刺突によって複数の死亡者が出ています。

    SCP-2133-2は、SCP-2133全域で発見される把握力を有した有機構造体であり、色は暗赤色で、触手状です。SCP-2133-2は教会を完全に包み込んでおり、そこに侵入を試みる職員を攻撃、あるいはSCP-2133-1個体の入場を可能とするためだけに動いているように思われます。SCP-2133-2から除去された組織サンプルは、遺伝的に同一であり、ホモ・サピエンスと密接に関連するものでした。

    SCP-2133-1は夜明けから夕暮れまで畑で働きます。日没時にSCP-2133-1全員が教会に入って行き、おそらくは日々の収穫を積み上げると共に、帰宅するまでの約3時間を教会内で過ごしています。SCP-2133-1はその後夜明けまで眠り、翌日になると同じ過程を始めます。SCP-2133の収容記録を通してみても、この日課に特に変化はありません。SCP-2133-1の振る舞いにはまた、2時間程も虚空を見上げている、壊疽した手足や増大した腫瘍を自己切断する(これらは教会内に置かれます)、定期的に支離滅裂な呟きをしばしばする、といったものが含まれます。

    転生という異常な用途を除けば、畑は主にカブを育てるために使われます。SCP-2133-1以外の者の死体では異常な再生はされません。SCP-2133-1個体から採取した糞便は、見たところカブが唯一の食料源にも拘らず、高タンパクの食事を取っていることを示唆しています。

    SCP-2133はGRU”P”部局によって1936年10月3日に発見・収容され、その制御は1991年のソ連消滅後に財団へと委譲されました。アーカイブ文書は、GRU”P”部局がSCP-2133の存在を知ったのは地域で発生した疾病のパンデミックが原因であることを示唆します。SCP-2133の封じ込め及び調査のために、適切な手順が間もなく確立されると共に、数ヶ村が検疫下に置かれました。

    アウトブレイクは、SCP-2133と接触・感染した鉱物調査チームの帰還によって始まったと仮定されています。調査隊らは、南に向かう旅路で集落との接触を介し、意図せずして流行の引き金となった後に死亡したと思われます。

    インタビュー:

    探査:

    機動部隊ベータ-7("マズ帽子店")は、財団工作員およびSCP-2133-1個体の死傷者を出さずに、SCP-2133住民を制圧することが出来ました。MTFベータ-7の工作員12名から成る探査チームは、頭部装着無線・ビデオレコーダー・A型Hazmatスーツ・汚染されていない空気のボンベ(3時間供給)を装備していました。焼夷弾による顕著なダメージを受け、SCP-2133-2の巻き髭は土壌内に後退しました。

    教会内部では、幾つかの呪物(骨と革で製作されたもの)と、鉄鉤に吊り下げられて天井から鎖で下がる有機物(後に腫瘍の塊と判明)が見つかりました。建造物の中心部では大きな亀裂が発見されました。これはSCP-2133下部の洞窟への入り口であり、後日、近隣の山へと拡張している事が判明しました。

    探査開始から約25分後、これ以降SCP-2133-3と指定される数匹の生物が発見されました。生物の大きさと、その場を去りたがらない性質から、MTFベータ-7はSCP-2133-3個体の1匹を終了して解剖のために持ち帰りました。

    死亡したSCP-2133-3個体を運び出した後、探査チームは空気ボンベを交換して任務に戻りました。特に何事も無い探査が約50分続いた後、ビデオおよび無線での接触は争いの様子も無く途絶しました。約6時間の沈黙の後、無線連絡は再確立されました ― ビデオ映像は途絶えたままでした。


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    アイテム番号: SCP-2191

    オブジェクトクラス: Keter (元Euclid)

    特別収容プロトコル: 財団は監視任務を継続しますが、それ以外にはSCP-2191またはホイア森林周辺のコミュニティが行う儀式的風習への直接干渉を行いません。遠隔制御ドローン以外でのSCP-2191探査は禁止されています。

    説明: SCP-2191は、ルーマニアの奥深いホイア森林内に位置する寺院です。建造物の最初の2部屋は、この地域で一般的に見られる東方正教会の修道院に近い類似性を有しています。これは、SCP-2191の本質を隠蔽するための意図的な試みであったと推測されています。寺院のより低い階層ではトラキア風およびダキア風の建築様式が見つかっており、SCP-2191の最も低い既知の部分を構成するトンネルからはククテニ文化に属する遺物が回収されています。SCP-2191の洞窟は自然形成されたとは考えられておらず、およそ紀元前4800年~3000年に構築されたと思われます。

    SCP-2191には、SCP-2191-1と指定される生物の集団が生息しています。SCP-2191-1個体は遺伝的には人間と考えられていますが、いくつかの重要な、一見致命的な変異を受けています。SCP-2191-1には肺・心臓・脳幹を除く全ての主要な内臓がありません。外部表皮には色素が沈着しておらず、ハーレクイン症候群に関連すると思われる罅割れた様な状態を示しています。実体は中性的であり、二次的性徴を欠いているか、あるいは何らかの形で除去されています。退化した目は皮膚の層で覆われており、結果的にほぼ盲目ですが、光に反応することはまだ可能です(100nm以上の波長に対して普遍的に嫌悪感を表します)。基準となるホモ・サピエンスからの更なる逸脱としては、平たく上向きの鼻と、漏斗状の耳が挙げられます。この二つは、共にSCP-2191-1個体が嗅覚と聴覚に依存していることに関連すると思われます。SCP-2191-1は言語を介した意志疎通を行わないようであり、絶え間なく舌を鳴らす音のみを発します ― これはエコロケーションの一形態と推測されています。

    SCP-2191-1は容易に老化しないようであり、収容以来、歳を取っていません。更なる分析によって異常に遅い代謝が明らかになりました。SCP-2191-1個体は生物学的に不死とは思われませんが、壊死を受ける確率は有意に低いものです。

    SCP-2191-2は、蠕虫状生物の一群を指します。これらの生物はサイズ・形状・目的が異なり、それぞれSCP-2191-2A・SCP-2191-2B・SCP-2191-2Cと分類されます。SCP-2191-2の遺伝子解析は、それぞれが密接な関係にある亜属であり、最も新しい共通の祖先はホモ・サピエンスであるという結果を示しました。SCP-2191-2は自然に進化した訳ではないと推測されていますが、真の起源は不明です。

    SCP-2191-2Aは表面的にヤツメウナギ目に似ていますが、内部構造はより密接にヒル綱に類似します。各SCP-2191-1個体は、それぞれSCP-2191-2Aを1匹ずつ腹部に、主として胃や大/小腸が本来存在するであろう位置に有しています。

    SCP-2191-2BはSCP-2191の中空壁全体に棲み付いている蠕虫状生物です。SCP-2191には構築に伴い、SCP-2191-2Bが移動するための導管システムが組み込まれているようです。これらの細長い生物は、SCP-2191-1の開口部から(主に口または直腸を経由して)入っていきますが、その際に危害や不快感を引き起こしている様子はありません。SCP-2191-2Bは、最近捕食行為を行ったSCP-2191-1から抽出した栄養素を、SCP-2191へ再配布する役割を担っていると考えられています。

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    SCP-2191-2B。

    SCP-2191-2Cは、SCP-2191-2B同様に、SCP-2191の建物内に生息しています。これらの巻き髭状の付属器官は主に神経細胞から構成され、不活性時のSCP-2191-1の背骨の基部に貼りつきます。SCP-2191-2Cが付着している間のみ、SCP-2191-1は知的生物のそれに似た振舞い(祈りを示唆する姿勢を含む)を行います。SCP-2191-2Cが付着している時のSCP-2191-1は不活性状態と看做されます。

    活性化状態時、SCP-2191-1はSCP-2191を離れ、積極的に生きた人間を捜索します ― 人間以外の動物や死者は無視されます。活性化はSCP-2191-1 間で同時発生するものではありません(しかし常に夕暮れから夜明けまでの間に発生します)。また、SCP-2191-1は群れで狩りを行わず、森全体に広がっていくことを選択します。獲物を無力化する際には麻痺毒が用いられ、両手首の下部に位置する毒の棘を介して注入します。

    獲物が何事も無く無力化されると、SCP-2191-1は自らの口を開いて喉を広げ、その過程で顎を外します。その後、SCP-2191-2AがSCP-2191-1の体内空洞から飛び出し、歯の生えた漏斗状の口で犠牲者の首に喰らい付いて、捕食行動を開始します。SCP-2191-2Aはまず体内に消化酵素を注入し、内臓・筋肉・骨を等しく液化した後に、得られた流体を消費します。この過程は、獲物の大きさに応じて20~50分続きます。

    ホイア森林の近くに住んでいた人々には知られていたものの、SCP-2191は、トランシルヴァニアの戦いにおいてオーストリア=ハンガリー第一軍の兵士244名が原因不明の失踪を遂げた1916年8月までは、財団に異常存在として認識されていませんでした。第一次世界大戦中のため、収容のための作戦は1919年始めまでは開始されませんでした。食料源が無くなったため、SCP-2191-1実体群は1924年12月に休眠状態に入ったように思われました。

    1932年から1977年の間に発生した幾つかの事件によって、SCP-2191-3が発見されました。


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    ロンドン塔のマーティン・タワー。

    アイテム番号: SCP-2264

    オブジェクトクラス: Safe

    特別収容プロトコル: SCP-2264-Aが存在する建造物の不可避的公共性のため、保安対策は民間人が異常の入り口にアクセスすることを防止する点に集中します。財団はSCP-2264-Aの存在を隠蔽するためにイギリス政府と協力します。SCP-2264-Aへの隠し通路が構築され、唯一のアクセス手段として残されています。SCP-2264-Aが設置されている部屋の元々の入り口は壁で塗り固められており、認可を受けた職員のみがSCP-2264-Aにアクセスできることを確実にしています。

    説明: SCP-2264-Aは、ロンドン塔19の一角であるマーティン・タワーの下部にある隠し部屋の内部に設置された鉄扉です。門は従来の手段では開錠することができず、高度に儀式的なプロセスを必要とします。SCP-2264-Aには蒸留器・フラスコ・坩堝といった錬金術器具の複合装置が取り付けられています。

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    第9代ノーサンバーランド伯ヘンリー・パーシー。

    隠し部屋の内部で発見された日誌を基に、SCP-2264-A20は英国の貴族であり、錬金術師であり、ロンドン塔に長期間にわたって収監されていた第9代ノーサンバーランド伯ヘンリー・パーシー(1564年4月27日-1632年11月5日)によって作成されたと考えられます。収監されていた時期も伯爵は権力を維持しており、快適な生活を享受すると共に、書籍や研究資料へのアクセスが可能だったと伝えられています。所有する膨大な書籍と、科学およびオカルトに向ける興味から、彼は“魔術師伯”とも呼ばれていました。

    著名な錬金術師でありエリザベス女王に仕えた宮廷占星術師でもあるジョン・ディーなど、パーシーの周辺人物の何人かがSCP-2264-Aの製作に関与した可能性があります。ヘンリー・パーシーが会員になっていたと考えられている“夜の学派”21も関与していたことが想定されます。

    魔術師伯ヘンリー・パーシーの日誌:

    ニグレド ― 黒化:
    我等は魂の昏き夜に直面するであろう ― [松果体]は新たに抜き取られるであろう。火は内に影を呼び起こす。

    アルベド ― 白化:
    不純物を洗い落とす ― 雨は全ての罪を浄化し、エリュシオンに向けて魂を整える。分割せよ、調和の厳しさに因るのではなく、二つの対抗原則に因って。それは後に凝集し、対抗物の融合体となるだろう。

    キトリニタス ― 黄化:
    勝利は月の意識の黄変と一致している。白は夜明けに降伏し、旅する灯火は月を弑する。

    ルベド ― 赤化:
    赤は暗示する。代わりに、装置に血紅色の犠牲を捧げる。

    財団所属の錬金術師が分析したところ、これらの指示は架空の存在である“賢者の石”の創造に用いられる4部構成のプロセス、マグヌム・オプス(大いなる業)と概ね同等のものであると見做されました。この手順の再現に必要とされる[編集済]22

    まだ不確定の形式を通じ、SCP-2264-A内のメカニズムは上記手順の完了に反応して開錠・解放されます ― これにより、SCP-2264-Bへのアクセスが可能となります。

    SCP-2264-Bは、地球上であれそれ以外であれ、如何なる既知の場所にも対応していない異次元の都市です。SCP-2264-B内部に起源を持つ物品は、SCP-2264-Aを通り抜けると非物質化します。このように非物質化した物品は、最初に存在した場所に帰還していることが後に発見されています。

    SCP-2264-Bに入場した人物は、入場時に全ての私物が除去され、服装が変化することを報告しています。出現する衣服は仮装舞踏会で着用される類の物、とりわけヴェネツィアのカーニバルに関連のある衣装に似ていると報告されており、SCP-2264-Bを退出すると非物質化します。SCP-2264-B内にいる間は仮面を外すことができませんが、それ以外の衣服は好き勝手に脱ぐことが可能です。SCP-2264-Bの住民の大半は同じような衣装や装飾を着用していますが、潜入したエージェントは彼らの衣装に多少の、しばしば“キチン質”と描写される有機質が存在することを報告しています。SCP-2264-Bの最も一般的な住民は大雑把なヒト型であり、SCP-2264-1に分類されています。

    空は黄色であると描写されており、そこに不明確な数の黒い星が存在しています。これらの星は、如何なる既知あるいは仮説上の星座にも対応していません。建造物は、単一で継ぎ目のない材質を彫って作られたことを示唆するような造りをしています。報告によると、SCP-2264-B内で発生する色は黒・白・黄・赤のみです。建築様式は非ユークリッド的で、通常の重力の法則は適用されません23。例として、住民たちは上下逆さの階段を上っているのが観察されていますが、彼ら自身の重力源から見ると、彼らはごく普通に階段を上っています。

    この都市は“微かにカビが生えたドライフラワー”または“古い本のそれとさほど違わない”香りがすると報告されています。都市の実際の規模は測定が困難ですが、組成不明ながらも水より粘性があるものとして述べられる黒い液体の海に囲まれた島に位置しているようです。

    工作員はSCP-2264-Bの探索中に、眠気のような倦怠感と、時間・空間を推定することの困難さを報告しています。SCP-2264-Bは有形の場所であり、実際の夢であるとは考えられていませんが、明晰夢を見た経験のある人物は、そうでない人物よりも遥かに強い自制能力と注目を示します。SCP-2264-Bへの心理的な依存の危険性があるため、工作員は毎月交替して再配置を行います。最初の探査試行では8名の工作員がAWOL(無断離隊)扱いとなり、帰還した者たちも、観察したものについて筋の通った/詳細な説明をすることが困難でした。

    補遺: SCP-2264は████/██/██、マーティン・タワーの改修時に偶然発見されました。共に発見された第9代ノーサンバーランド伯ヘンリー・パーシーの手による文書に基づき、王室関係者は潜在的に異常と考えられるアーティファクトだとして財団に接触しました。パーシー伯の文書の中からは、著名な詩人であり劇作家でもあるクリストファー・マーロウに当てた未送付の手紙が見つかりました。手紙の日付は、クリストファー・マーロウが不審死を遂げた1593年5月30日です。


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    SCP-2292、1983年。

    アイテム番号: SCP-2292

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: SCP-2292は生物学的収容サイト-66のセクター21-Aにある中型動物収容室 大型人工収容区画に収容します。収容区画は中央アフリカ山間部の熱帯雨林の環境に似せ、木々・小川の流れ・温度制御・人工風・直近の倫理委員会ガイドラインに基づく現実的な環境音の音声放送を含めなければいけません。SCP-2292は栄養摂取を必要としていませんが、協調行動のために果物を与えても構いません。

    SCP-2292は鎮静剤の影響を受けないため、体組織サンプルは毎週行われる区画内検査と清掃の際に取得します。職員はSCP-2292の収容区画に入る時にはレベルBのHazmatスーツを装備しなければいけません。SCP-2292の近くに 目が届く範囲に 80m以内に死亡した動物を近づけてはいけません。SCP-2292-2は焼却によって終了し、有害物廃棄プロトコルに従って処分します。

    説明: SCP-2292は動物の死骸を蘇生させ、接触を介して致死的な疾病27を広めることが可能なマウンテンゴリラ(Gorilla beringei beringei)の異常な一個体です。SCP-2292は生物学的には生きているにも拘らず心臓を欠いており、代わりに塊根状の構造へと置き換えられています。この構造物はSCP-2292-Aに分類されており、現在、SCP-2292の異常性質の根源と仮定されています。SCP-2292-Aは琥珀色の輝きを放ち、血液と置換されていると思しき同色の物質をSCP-2292の体全体に圧送しています。

    SCP-2292によって蘇生した生物はSCP-2292-2に分類されます。SCP-2292-2は生物学的な生命を取り戻すことは無く(腐敗が自然な速度で継続)、身体の完膚無き破壊や筋肉/骨格系全体の解体と分離によって移動性が完全に失われるまで動き続けます。

    SCP-2292-Bに分類されるSCP-2292の二次的異常は病原性のものであり、SCP-2292と生きている動物の物理的接触で引き起こされます。症状は動物種によって異なりますが、概ね既知の病気に相似しています。ヒトが感染した時は多くの場合、天然痘やペストに似た症状が出ます。SCP-2292-B感染は常に致命的であり(接触後4~72時間で死亡)、SCP-2292との距離に関係なく死後に蘇生します。

    SCP-2292の“代用心臓”を含む異常生物学の直接研究は、鎮静剤に対する免疫・自然に有している体力・異常な能力によって困難です。これまでの研究で用いられてきた生体解剖などの手法は、最早現在の倫理委員会ガイドラインに従う適切なものとは考えられていません。更なる物理的分析は対象の無力化を引き起こしかねないため、SCP-2292の協力を維持することは現在より重要であると見なされています。

    SCP-2292の習性は現在、慢性の隔離状況下に起因する特定の逸脱行為を除いては、マウンテンゴリラの雄に予想される範囲内です。非人間的な心理を有するために、SCP-2292の認知レベルを正確に測定することは困難ですが、SCP-2292は狡猾な知性を見せ、幾度となく収容を突破しています。SCP-2292の知性がある種の異常性質なのか、引き延ばされた寿命の副作用とでも言うべきものなのか、或いは完全に別のものかは未だに不明です。

    SCP-2292は1966年にマーシャル・カーター&ダーク株式会社の子会社が所有するロンドンの倉庫に手入れを行った際に回収されました。この時、SCP-2292は既にアクリルガラス製の格納ユニット内に収容済でした。現地で回収された文書は、SCP-2292が“有用性を使い果たした”後に倉庫内に放棄されていたことを明らかにしました。この文言の意味は不明です。文書は、SCP-2292が当初、1898年に行われたコンゴ盆地の無人領域への遠征で捕獲されたことを示します。

    回収された文書の中からは、ハリソン・T・ウィンチェスター3世の手記が見つかりました。ウィンチェスター氏は経験豊富な探検家でしたが、1898年に説明も無くイギリスのブラッドフォードにある自宅を出奔して以来、帰還することはありませんでした。彼の原因不明の失踪は、頻繁に憶測を呼びました。彼の手記は、彼がコンゴ盆地28への極秘遠征の一員としてMC&D社に雇われたことを示し、SCP-2292の捕獲を詳述すると共に、対象が最初に発見された異常と思われる場所(現在SCP-2292-3に分類)の記述を含んでいます。

    ハリソン・T・ウィンチェスター3世の手記からの抜粋

    SCP-2292-3の発見と適切な収容は最重要とされています。数回の遠征と衛星画像の進歩にも拘らず、SCP-2292-3は再発見を逃れ続けています。

    補遺I: 絵文字のキーボード29でSCP-2292に言語を教える財団の試みは、予期せぬ結果を齎しました。非異常性の大型類人猿は絵文字を介して自身を表現する方法を学習できることから、財団もSCP-2292に対して同じことが可能であるという仮説が立てられていました。

    SCP-2292は“花”のシンボルを教えられた際にキーボードを破壊しました。しかしながら、SCP-2292はその後、収容区画の壁に湿った土を使ってシンボルを描き、繰り返しそれを指す身振りを行いました。新しい実験が開始され、電子的な視覚ディスプレイが収容区画内に ― SCP-2292にも見えるが、手の届かない範囲に ― 設置されました。ディスプレイがある映像を映している間、SCP-2292には数々の非毒性塗料が与えられました。映像はまずSCP-2292の生息環境に住む動植物に焦点を置き、最終的に抽象的な概念へ移行しました。

    SCP-2292が対応するシンボルを描いた場合、SCP-2292の収容区画に甘い果物が送られます。およそ5年間の研究の後、1976年に、SCP-2292は言語を理解できるだけでなく、収容以前にシンボルを利用した意思疎通の訓練を何者かに受けていたことを示す仕草を見せると結論付けられました。これによって事実上、研究者はSCP-2292(というよりもSCP-2292を過去に訓練した何者か)の独自の言語を学ぶ事が出来ました。

    この間、SCP-2292(行動分析プログラムの一環として飼育者からは“イニャキ”と呼称)は、原始的な石器(機能性のある槍を含む)を作ること、象形文字を描くこと、テレビ番組“ミスター・ロジャース・ネイバーフッド”および“ボブ・ロスの絵画教室”を視聴することに愛着を示しました。

    SCP-2292は人工音声を生成する特殊なキーボードを介して意思疎通を行います。SCP-2292には手話と英語の話し言葉を(好ましくは両方同時に)使って意思疎通を行わなければいけません。陽気な話し方にはSCP-2292を落ち着かせる効果があると示されています。


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    ハリソン・T・ウィンチェスター3世の手記より、1898年のカーター遠征とSCP-2292との関連性に基づいて選択された抜粋

    1898年10月14日

    マタディで合流して以来、ダーク氏が語る神秘の採石場の証拠を求めて、コンゴ川の流れ沿いに探索を開始した。プレギュアース号は何とも印象的な汽船であり、ダーク氏の注文に合わせて作られたカスタム使用との事。カーターなる名前の紳士が、ダーク氏に代わり今回の遠征を監督してくれる。

    謎めいたカーター氏に付き従うのは、ブラクという名の無口で堂々たる風采をしたトルコ人の従僕である。私の仲間はと言えば、ニューサウスウェールズ州からどうにか絞首刑を逃れてやって来た冷酷な無法者兄弟、ジャックとネッド・ムーン。インディアン狩りから自由州の元・法執行官まで幅広い傭兵たち。英語を一欠けらも解さない大物狙いのロシア人罠師ペトロフ。そのロシア人よりもさらに理解不能なウェールズ人外科医のブレッディン。ルシウス・アンブローズはイギリス人のオカルティスト(多分“黄金の夜明け団”の神智学系だろう)で、“オドの力”がどうの死んだ神々がこうのとブツブツ五月蠅い。そして最後に、一握りのコンゴ人 ― 労働者・通訳・道案内だ。

    1898年10月29日

    暴力は蛮族が理解できる唯一の言語だ。脅迫や威嚇を通じ、ダーク氏の採石場に関する情報を収集している ― “na nsi ya ntotila”または“地下王国”。万物が真の意味では死ぬことのない場所。

    原始的な異教徒の頭にこびり付いた迷信に過ぎない。カーター氏が連中の戯言に何を見出しているか私には分からないが、それは彼に、我々が陸路で東に移動しなければならないと確信させたようだ。

    1898年11月2日

    11月1日、我々は大打撃を被った ― ある種の変性疾患によって狂った一頭の暴れゾウが襲ってきたのだ。身体が腐敗に侵され、骨や腱が肉眼で見えるというのに、まだあのゾウは生き生きとしていた。連れてきた黒人たちは2人を残して全て踏みにじられ、さらにゾウは残酷にも我々のうち3人を荒々しく血の塊へと変えたが、そこでムーン兄弟によってダイナマイトで吹き飛ばされた。

    神に誓って言うが、自然の摂理に完全に反し、炭化して散乱した肉塊は死後も長々と蠢いていた。

    1898年11月8日

    キリスト教世界の啓蒙的影響と無縁のピグミー部族を発見した。彼らは容易に制圧され、酋長を見せしめにすると生き残りはすぐさま私たちの傘下に入った。

    村の中心には異教の祭壇があり、カーター氏はそこに特別な関心を惹かれたようである。祭壇は貴石で作られており、現代の機械で製作されたかのように滑らかで、金細工の奇妙なマークが散りばめられていた。我々を待ち構える財宝の、疑いようもない証拠である。

    1898年11月16日

    我々は未知の文明の遺跡へと踏み込んだ。オカルティストは、失われて久しいアトランティスの植民地に違いないと考えている。奴の主張に同意とはとても言えないが、優等人種のみがこの手の文明の始まりに関与できるという事ははっきりしている。

    ムーン兄弟の片割れであるネッドは、教育を全く受けていないというのに、驚くほど才能ある芸術家だ。私は彼にスケッチブックとして手記を使うことを許可した。我々が今日目の当たりにしている驚異の証拠だ。

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    SCP-2292-3のスケッチ。

    1898年11月19日

    太陽を数日間見ていない。遺跡は大地の奥深くへと私たちを誘っている。この土地は沼や湿地だらけだというのに、どうやってこの都市は築かれたのだ? おそらく彼らはオランダ人のように運河かダムを作ったのだろう。間違いなく、そういった技術はこの古代文明の人々にとって理解の範疇だったはずだ。

    ピグミーは恐怖のあまり逃走した。臆病者どもを何人か撃ち殺したが、最終的には殆どが逃げ延びたようだ。言わせてもらえれば、いい厄介払いだ。奴らは最早必要ではない。

    時間の流れの中で、顔の造作が風化した像が幾つも聳え立っている。壁にはシンボルが刻まれ、ピグミーどもの祭壇のように金の象眼細工が施されている。ロンドンに帰還した際の証拠として、幾つか風変わりな象形文字を書き留めておいた。もし私が考古学チームを集めたら、王室の支持を得られたら、もう一度戻れたら ― 此処を私のものと宣言し ― 私は非常に裕福な者となるだろう、事によると爵位を賜ることすら夢ではない。この機会を捨てることは出来ない。名声と富が私を待っている。

    1898年11月20日

    壁には男女と動物に加え、怪物の姿も描かれている ― ワニの頭・ゾウの牙・カバの身体を持つキメラだ。

    壁画の男たちは誰一人として武器を持っていない ― 彼らの治世では戦争そのものが根絶されていたかのように。芸術的技巧は美しく、古代のギリシャやエジプトにも匹敵する。

    描かれた者たちは思わず面食らうほど暗い色に肌を塗られ、ネグロイド的な特徴を有している。間違いなく従僕だろう。骨相学によって、黒人がこのように壮大な文明の勃興者足り得ないことは科学的に証明されている。

    この広大な迷路は終わる気配を見せることなく続いている。カーター氏の蒼褪めた顔が凄まじい気迫を帯びている。トルコ人の表情は読めないが、他の者たちは不安げだ。私の目には、影があたかも意図を持っているかのように動くのが見える。誰も話していない時でも囁く声が私には聞こえる。

    きっと、日光の欠如が続いているせいで、少しばかり精神が参っているのだろう。そうだ。そうでなければならないのだ。

    我々は今のところ安全だ。最後の手記以降、多くの事が起こった。問題が持ち上がったのは、古代文明の王の宮廷だったに違いないと思われる場所へと辿りついた直後だった。王座は巨大であり、天空を支える神話の巨人アトラスを彷彿とさせる2頭のゴリラの石像によって宙に掲げられていた。

    王座にはミイラ化した死体が座っており、黄金の装飾(私が今まで見たどんな物とも違う壮大な王冠も含めて)と、絹のようにきめ細やかで、水色に染められたボロボロの布地を身に纏っていた。骨だけの手はまだ華やかな長杖を握りしめており、私はカーター氏がその遺物に上から下まで目をやりつつ微笑むのを見た。彼がやって来た目的はこれだったのか? 私はそう思う。彼は躊躇うことなくミイラの手から長杖を引き抜いたからだ。

    その時、我々は叫びを耳にした。今にして思うと、カーター氏はそれに対して無関心だったような気がする ― まるでこの試練を最初から予期していたかのように。

    動物が、さらには人間が、影の中から這いずり出てきた。それら全てが例のゾウと同じ病に侵されていた。腐敗だ、神よ、腐敗していたのだ。奴らは死んでいるべき存在だった。まるで歩く死体のように、骨が肉から突き出していた。奴らは完全な残忍さを以て這い寄ってきた。酷く損傷を受けていたので、大半はかつて何だったのか見当も付かなかった。殆どキメラのように、様々な獣を繋ぎ合わせた姿だった。私はライフル銃を撃ち、1匹のサルの頭蓋骨を破壊した。

    にも拘らず、奴は動いた。まだ動き続けていた。我々は可能な限り奴らを破壊した、撤退して装備を整え、奴らの進行を遅らせるために遺跡をダイナマイトで吹き飛ばした。まだ石を擦る骨と爪の音が聞こえる。怪物どもは他の音を出してはいない、あの叫び 違う。咆哮は感染者どものものではなかったのだ。あの音は近く、それでいて遠く、何処かに隠れて私たちを見張っているかのようだった。

    暗黒大陸へのかつての遠征で、私はあの咆哮を聞いたことがある。

    あれは、シルバーバックの戦いの雄叫びだ。

    オカルティストが死んだ。感染者の群れに引き裂かれた。ゆっくりと、整然と、我々は移動している ― まだ事態に気付いていないかのように。シルバーバックは数回姿を現し、我々の攻撃をかわして再び闇の中へと姿を消した。それでも我々は撤退しない。あの獣を誘き寄せるつもりなのか? カーター氏に回答を求めたが、彼は私を一蹴した。

    いずれにせよ、あのトルコ人の凝視が私の舌を竦ませてしまった。

    最後の記述以降のページは、明らかに意図を以て手記から引き裂かれ、失われていました。


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    アイテム番号: SCP-2406

    オブジェクトクラス: Safe

    特別収容プロトコル: SCP-2406の周囲に構築された暫定サイト-31は、カザフスタンの軍事施設としての偽装を保ちます。SCP-2406と直接的に関わる作業にはタイプAのHazmatスーツが必須であり、終了時には除染が行われます。不正なアクセスを防止するために、武装警備員を配した保安境界線を常に所定の位置に保ってください。SCP-2406-1との直接的接触にはサイト司令部の承認が必要となります。

    説明: SCP-2406は高さ93m・重さ約210トンの機械的オートマトンです。研究により、SCP-2406は知覚力を持たず、正常に機能させるには少なくとも6人の操縦者を必要とした事が示されています。SCP-2406は内部にある160の異なるバルブとレバーで操縦されていたと仮定されています。四肢は空気圧・油圧・時計仕掛けを応用した機能を介して制御され、胴体内に位置する原子炉から供給を受けていました。

    SCP-2406は1985年8月7日に、かつてアラル海35の東部流域だったアラルクム砂漠で、水中の異常に高い放射線レベルを追跡中に発見されました。SCP-2406は当初GRU”P”部局に収容されましたが、ソ連崩壊後は財団の保護下に移されました。回収場所にも拘らず、SCP-2406はエーゲ海の何処かで構築されたと考えられています。

    SCP-2406の大部分は、75~80%の銅、15~20%の亜鉛、そして少ない割合のニッケル・鉛・鉄から成る合金で構築されています。青銅のような外見は混和材料によって齎されています。胴体外装の後部にはエーゲ文明の数字で”9”と刻まれており、SCP-2406が唯一無二の存在ではない事を示唆していますが、現在まで財団に知られているこの類のオブジェクトは依然としてこの機体だけです。胴体外装の前部には様式化された鎚と鑕が刻印されています。

    右腕は20800リットル容量のタンクに取り付けられたノズルを装備していました。発見時タンクは空でしたが、化学的検査によって、内部には松脂・ナフサ・生石灰・炭酸カルシウム・リン・硫黄が充填されていたことが明らかになりました36。左腕はSCP-2406から引き千切られたと思われ、最初はSCP-2406と共に回収されませんでした。詳細は補遺を参照してください。

    人間の骨格6体がSCP-2406の内部から除去され、放射性炭素年代測定で死亡時期を紀元前1200-1000年(1σ)と位置付けられました。全骨格は概ねミケーネ風の鎧を着用していましたが、この鎧は古代の戦争において一度も使われた事のない材質で構成されていました ― 鉛と銅の合金であり、内層はアスベスト布です。兜は完全に顔を覆う形式で、緑に着色されたガラスが前面に配されていました。ヤギの腸で構成されたチューブが直接パイロットの口に外気を供給していました。バルブ#136はこれらのチューブ内に瞬間的に水を放出し、パイロットの水分補給を維持したと考えられます。同様のチューブが股部分にも接続されており、恐らく尿の排出に用いられたと推測されます。

    現在SCP-2406は機能停止しており(仮説上では修理可能です)、戦闘関連の大規模な損傷を明らかにしています。頭部・胴体・左脚には有機的な棘が刺さっているのが見つかりました。これらの棘は外見的にはキチン質と思われ、サンゴに強い構造的類似性を示すにも拘らず、ヒトDNAを含みます。これらのオブジェクトは、現在不明な異常生物によって発射体として用いられたと考えられています。胴周りの窪みは、大きく柔軟で巻きつけるのに適した付属物によって締め付けられた事を示唆します。当初は自然腐食したと考えられていたものの、SCP-2406の外層は、おそらく前述した正体不明の異常生物に関係する強い酸性物質によって被害を受けています。

    物理的な証拠は、動力炉が胴体後部から溶融し、大地を貫通して1200℃以上で燃焼し続けている事を示唆しています。現在は約820mの地下にあると推定されます。動力炉は、無傷であった頃は自然核分裂炉37と同様の形式で機能していたと仮定されており、近代的な設計からは大きく外れます。SCP-2406の制作者は自然核分裂現象を知っており、そのプロセスの模倣を試みた可能性があります。

    数巻の巻物がSCP-2406内の防水シリンダーから回収されました。大半は宗教的な性質のものであり、Mekhaneの信望者 ― 現代の”壊れた神の教会”の歴史的前身 ― に関連しているようです。巻物はミケーネにおけるギリシャ語から派生したユニークな筆記体で記述されており、財団言語学者がこの筆記システムを解読するのには10年の研究を要しました38。これらの文書には、壊れた神の教会の聖典である”欠片の書”第12章のバリエーションが含まれています。

    補遺: 1998年12月12日、SCP-2406の左腕は、本体から32km離れた地点で発見されました。影響による証拠は、左腕がSCP-2406の胴体から切断された直後にその場に放り出された事を示唆します。腕には、地上世界に起源を持つものではなく、異常な製造工程・設計・機能を持つと現在まで仮定されている兵器らしき物が取り付けられていました。SCP-2406の残りの部分と比較して性質が特異なため、この武器は別にSCP-2406-1と分類されています。

    SCP-2406-1の実際の目的は不明であり、装置の異質性は現在の財団の知識を超えたものです。SCP-2406-1は、恐らく損傷のために、近傍の時空を歪めています。カント計数機は70ヒューム以上を記録しており、これは現在まで観測されている潜在的非現実レベルの最高値の一つです。これにも拘らず、SCP-2406-1による近隣時空間への僅かな影響以上の現実歪曲が実際に発生した事は観測されていません。

    SCP-2406-1の使用は、近隣の現実に相当な損害を引き起こすという仮説が立てられています。SCP-2406-1がSCP-2406破壊前に一度でも使用された事があるかどうかは分かっていません。職員はサイト司令部からの承認がない限り、SCP-2406-1の起動を試みてはなりません。


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    アイテム番号: SCP-2408

    オブジェクトクラス: Keter

    特別収容プロトコル: 財団はGoI-0432の活動が疑われる地域の法執行機関への潜入・統制を行うことになっています。GoI-0432の異常な活動に関する情報は隠蔽されます。機動部隊プサイ-13("魔女狩人")はGoI-0432構成員(SCP-2408-1)の捜索及び抹殺任務を課されています。構成員が生け捕りされた場合、終了する前に(必要と見なされた任意の手段を用いた)徹底的な尋問が行われます。;遺体は解剖され、有害廃棄物プロトコルに基いて処分されます。

    機動部隊プサイ-9("深淵を見つめる者")は、SCP-2408-3の研究員の警備を担当することになっています。SCP-2408-3に進入しようとする人物は発見次第終了されます。潜在的なアクセスポイントの捜索のために巡視を行い、ポイントは発見され次第安全に封印されます。

    SCP-2408-3の収容・研究のため、武装遺物・生物収容エリア-06がモスクワの地下に建造されています。

    説明: 主にソ連崩壊後に成立した国々において、異常犯罪組織およびサーキック・カルトとして活動するGoI-0432("ハンターの黒きロッジ")に関連したいくつかのアノマリーがSCP-2408に指定されています。SCP-2408-1は、総体的な肉体変容能力を有する遺伝的には正常な人間です。既知の変化箇所は以下の通りです。

    • 2倍、時には3倍の質量増加(主に筋肉)。
    • 骨密度の増加。
    • テストステロン産生の増加(標準的な成人男性の約6倍)。
    • アドレナリン産生の増加(標準的な成人男性の約4倍)。
    • 肉体の質量増加に比例する精巣・副腎、脳を除く臓器の増大。精巣・副腎は質量増加との比例を遥かに超えるサイズになるが、脳には大きさの変化は見られない。
    • 様々な非ヒト生物の身体的特徴の発現(例として、オオカミ、ヤギ、ブタ、クマ、シカ、タコに類似する特徴が記録されている)。
    • 二脚運動、ないし四脚運動へ移行する能力。
    • 感覚機能の増幅(視覚、聴覚、味覚/嗅覚は人間の知覚的限界を越えている)。
    • 筋力、敏捷性、再生能力の増幅。

    プロテウス-クローネンバーグ症候群とは異なり、SCP-2408-1個体は細胞安定性を維持しながら可逆的な変化を行うことが可能です。こうした変形がいつまでも維持できるものなのかどうかは分かっていません。完全な変身は10~30秒以内に遂げられます。

    SCP-2408はオペレーション・ファルケンラス中に発見されました。

    オペレーション・ファルケンラスはGoI-0432の潜入を含んでいます。"ハンターの黒きロッジ"(あるいは単に"ブラックロッジ")として知られるGoI-0432は、恐喝、殺人、盗難、賭博、売春、人身売買、薬物売買、武器売買、非合法な闘技場と関係しています。これらの活動は本質的には異常なものではありませんが、GoI-0432の異常能力は彼らの活動に常軌を逸した影響を与えてきました。そのような異常案件は以下の通りです。

    • 異常な医薬品の密売・流通、主にアナボリック・アンドロジェニック・ステロイド "Гнев"43として販売されていた。 Гневの静脈注射は、筋肉と骨の異常なレベルでの成長を引き起こす。継続摂取及び(または)過剰摂取はプロテウス・クローネンバーグ症候群及び(または)死をもたらす。分析はこの物質が未確認の動物種の副腎から採取されたものであることを示唆しており、そのためSCP-2408-2Aに指定されている。
    • 強度の麻薬であり、流行しつつある44"クラブ・ドラッグ""である Похоть"45の密売・流通。通常はガラスの小瓶に入れて売られ、副鼻腔への通気を通して体内に摂取される(注射は例外なく致命的であることが判明している)。当該物質は多岐に渡る幻覚、動悸の強まり、性的興奮の増大、幸福感をもたらす。研究によりヘロイン以上の中毒性を持つことが明らかになっている。これらの効果は非異常性(当該物質は恐らく利益を生み出すために製造されている)であるものの、物質それ自体は未確認の種の髄液に由来すると思われ、そのためSCP-2408-2Bに指定されている。
    • 財団によって異常性があると見なされた病原体や毒素を含む生物兵器の密売・流通。"Красная Смерть"46の製造・流通は非常に高レベルの脅威に相当する。既にSCP-███に指定されており、"赤い死"に関する情報は現在、最小権限の原則の下でのみ入手できる。
    • GoI-0432による犠牲者は巨大な有機体の棘47に貫かれるか、バラバラに引き裂かれた状態で発見されている。血による蹄跡、角か牙を持つ動物による刺突と一致する傷、大型のオオカミのような生物を示唆する歯型といったように、死体は複数の異なる動物による襲撃を示唆する損傷を示している。

    ソ連の崩壊を契機として、多くのアノマリーやそれに関する文書がGRU"P"部局の管理下から財団へ譲渡された際に、財団はGoI-0432の存在を認識しました。GoI-0432の実在は、GRU"P"部局の元局員によって更に裏付けられました。彼らはGoI-0432によってもたらされた脅威や関連するアノマリーを完全には収容、あるいは無力化できなかったようで、ある情報源は当該組織が何度か明らかに壊滅したこと - 数カ月後にはどうやらより強化されて再び姿を現したことを記述しています。

    オペレーション・ファルケンラスの一環として、機動部隊プサイ-13("魔女狩人")のエージェント ████ S████は1994年4月11日にGoI-0432への潜入任務を正式に課されました。機動部隊プサイ-13はプロジェクト:シトラ=アキュラの一環として結成された、財団・GOC共同の高機密指定部隊です。機動部隊プサイ-13はサーキック48組織への潜入と脅威度の高い構成員の終了を目的としています。

    プロジェクト:シトラ=アキュラの一環として、機動部隊プサイ-13の隊員は対オカルト欺瞞戦略(Counter Occult Stratagems,COS)及び腐食性/焼夷性の武装運用についての訓練を受けています。各エージェントは焼夷弾及び腐食性の弾薬が使用できるように改造されたSIG Sauer P226を装備しています。

    犯罪者としての名声を高め、最終的にGoI-0432の目を引くために、エージェント S████は雇われの殺し屋 "ドミニク・ムイシュキン"としてモスクワで活動しました。1995/01/20、エージェント S████はGoI-0432構成員からの連絡を受け、Красные фонариに訪れるよう指示されました。

    Красные фонари("レッド・ランタンズ")はゴルヤノヴォ地区に存在する人気のナイトクラブ/性風俗店です。ブラックロッジのフロント組織として用いられており、強制売春・人身売買・違法な(大部分が異常な)麻薬の流通への関与が疑われています。現地の法執行機関は汚職やGoI-0432による脅迫のために介入していないと考えられます。

    任務の繊細な性質のため、エージェント S████は記録装置を装備していませんでした。その代わりに、情報はデッド・ドロップ49を通じて、財団に伝達されました。SIG Sauer P226を携行したエージェント・S████は、1995/01/25の午後9時にナイトクラブへ進入しました。エージェント・S████は近づいてきた用心棒に観察され、短い会話の後に彼の後に付いて行きました。ナイトクラブにいたエージェントは、S████がメインフロアを見下ろす2階のVIPスイートへ送り届けられる様子を報告しています。エージェント・S████は、1995/01/29の午前8時までナイトクラブから退出しませんでした。その後、およそ午後9時にデッド・ドロップ地点へメッセージが送り届けられました。

    以後、財団はエージェント S████からのミッションレポートを隔週で受け取ることになります。


    1995/05/28、エージェント S████のMIAが宣言されました。

    1995/06/04、多くの審議の後に、レッド・ランタンズを含む複数のブラックロッジ拠点に対する強襲が行われました。襲撃中、変身を遂げるSCP-2408-1が直接観察されました。彼らの攻撃と異常に増幅された戦闘能力にも関わらず、SCP-2408-1の脅威は焼夷兵器の使用によって徹底的に無力化されました。(財団側は思いがけない被害によって負傷者が僅かに出た程度でした。)作戦の継続につれて、ブラックロッジが最小限の人員 - 区域内における構成員のごく一部だけを配備していたことが間もなく明らかになりました。

    ミッションはSCP-2408-3の発見をもたらす結果となりました。

    SCP-2408-3は、モスクワ市の地下深くにある巨大洞窟内部に位置する巨石神殿複合体です。およそ3000年前に建造されたと推測されており、これはロシアにおける最古の構造物であると同時に、サーキック文化集団の標式遺跡です。SCP-2408-3の構成物には、無機的構造と有機的構造という2つの形態があります。無機的部位は外側を取り囲んでおり、斑れい岩(一般に"黒御影石"として知られています)の積み重ねられた巨石によって構築されています。異常な有機的部位は内部を満たしており、骨や筋肉、内臓から構成されています。

    複合体の「地表」の中から、闘技場と大祭壇が発見されました。洞窟の天井からは12人の年老いた女性の死体が吊り下がっていました。 - どうやら腹部から腸を取り出され、自らの腸管で縛り首にされたようです。床に設置された鉄格子は食肉加工工場で見られるものと類似しており、おそらくは血液や大まかな臓器を捕えるべく設計されています。

    第一幕: 見よ、蒼ざめたる馬来たりて | 追憶のアディトゥム


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    アイテム番号: SCP-2480

    オブジェクトクラス: Safe Keter Neutralizedと推定

    特別収容プロトコル: 次元研究サイト-13が、SCP-2480異常の位置であるボドフェル邸に隣接して構築されました。民間人によるボドフェル屋敷への接近は、非暴力的な手段で阻止されます。 クラスA、B、およびC記憶処理がフィールドエージェントの裁量で使用可能です。住民の隔離や移転は実現不可能と考えられるため、財団職員はSCP-2480を取り巻く地域社会に溶け込んでいます。SCP-2480異常の最良の情報源と考えられることから、エージェントは地元の捜査を実施し、異常性質に関する噂・報告・主張の調査を行ってください。機動部隊イプシロン-6(“村のアホ”)は地域社会に浸透し、異常現象の発現に注意し続けてください。機動部隊プサイ-9(“深淵を見つめる者”)は拡散事象に備えて待機してください。武力使用は承認されており、異常な存在は先入観を持つことなく破壊してください。

    説明: SCP-2480はマサチューセッツ州にある、沿岸の深い森に覆われた住民12000名 9000名の町、███████に存在する次元的な異常と推測されています。SCP-2480は、伝えられるところによると、1952年11月28日に、世界オカルト連合のエージェントがとある儀式を妨害した際に意図せずして作成されました。この儀式の真の目的は今日まで不明のままであり、財団は、SCP-2480異常はGOC工作員の不適切かつ強引なアプローチの結果であると結論を下しました。

    SCP-2480は、オカルトに強い関心を抱いていた億万長者の実業家である故コルネリウス・P・ボドフェル3世65(1886-1952)の家、ボドフェル邸を中心としていると思われます。生前のボドフェル氏は”アディトゥムの目覚め”として知られる秘密結社のリーダーでした。1932年に財団はこの結社を単なる”退廃的な上流階級社会のクラブ”に過ぎないと片づけており、その異常な一面は1952年11月28日の事件まで認識されていませんでした。

    任務の致命的な失敗により、適切に尋問すべき生き残ったGOC工作員は存在しませんでした。しかしながら、その後、文書が███████にあるGOCのセーフハウスから回収されました。GOCは任務に先立ってこれらの文書を破壊しようとしたと思われます。一枚の引き裂かれた報告書(後半部は紛失)と、ペーパークリップで付随された一枚の写真が、相当量の灰と共に暖炉から発見されました。他の文書は全て焼却されたと仮定されています。

    GOC工作員はPoI-93の暗殺を試みたと仮定されています証明されました。PoI-93は死者の中から発見されず、GOCは第一目標を達成できなかったと推測されます。財団はGOCの救難連絡を傍受・復号した時点でSCP-2480の存在を認識し、直ちに調査チームを派遣しました。36体の死体が屋敷の中に散在しているのが発見され、8体は後にGOC工作員と特定されました。5体を除く70全ての死体は、爆縮・崩壊・致命的な物理的再構成などの異常な死因を明らかにしているものでした。

    SCP-2480は直接知覚できない次元異常であると仮定されています。この認識災害効果が知覚を妨害するため、知覚変化性の化学物質および/または周辺現実へ及ぼされる影響の直接的かつ持続的な観察を通してのみ検出が可能です。現実の変化は微妙なものであり、ボドフェル邸内における不可能な内寸(外見より大きな内装・非ユークリッド的な構造・かつて存在しなかった追加の部屋や廊下)という形に制限されています。

    SCP-2480はSafeクラス分類されています。

    補遺: ボドフェル邸の調査により、コーネリアス・P・ボドフェル3世と”アディトゥムの目覚め”として知られる結社に関わる、憂慮すべき証拠が発見されました。幾つかの注意深く保管された手記や写真集に基づき、ボドフェルとその賛同者たちは頻繁に強姦・小児性愛・儀式的な人身御供・人肉食を伴う乱交パーティーを開催していたことが窺えます。手記からは説教のメモと、富裕層・尊敬を受けている政治家・産業界のリーダー・さらには宗教的権威の名が含まれるゲスト一覧が発見されました。

    ボドフェルの所有物の中には、宗教的経典を含む手書きの大きな本が一冊ありました。彼は手記でこの本をしばしばValkzaronと称しています。筆記システムはまだ解読されていません。

    大ホールでは、ライオンの頭部と虫状の身体を持つ実体を象った大理石像が見つかりました。この像は後に歴史学部門・宗教的要注意団体脅威分析担当の上級顧問であるジュディス・ロゥ博士によって研究され、グノーシス主義宗派に共通するデミウルゴスを表現したものであると確認されました。邪悪な造物主とみなされたデミウルゴス(“ヤルダバオート”、”サクラス”、”サマエル”としても知られる)が崇拝されたという歴史は存在せず、”アディトゥムの目覚め"独自の礼拝の対象となる像と考えられています。像の基部にはギリシャ語で以下のように書かれています。

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    現在記録上にあるサイト管理者サイモン・オズワルトの唯一の公式写真。

    επιθυμία είναι το μέτρο όλων των πραγμάτων . Να μη είσαι δεμένος σε μια ηθική πρόσδεση. Κανε όπως επιθυμείς, σε οποίον επιθυμείς.

    「欲望は万物の尺度である。道徳の鎖に縛られるなかれ。望む事を、望む相手に成すが良い。」

    1988年半ば、サイト-13管理者サイモン・オズワルトは、SCP-2480の状態に関する半年ごとの報告を行いませんでした(最初の収容以降、報告内容に変化はありませんでした)。財団はこれを官僚主義的なヒューマンエラーによるものと考え、サイト-13に直接連絡しようと試みましたが、応答はありませんでした。まず、エージェント サミュエル・ローとエージェント サラ・ヴァレンタインが調査のために派遣されましたが、両エージェントとはこれ以降連絡が取れておらず、現時点では彼らの運命は不明です。

    機動部隊イプシロン-6(“村のアホ”)71がサイト-13との接触再確立とSCP-2480確保のために███████へ派遣されました。MTFイプシロン-6構成員は、新たな住民または観光客を装って、問題なくコミュニティに浸透することが出来ました。

    プロローグ: はじめに言の葉ありけり | 追憶のアディトゥム


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    警告: ミーム反撃エージェントが作動します

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    接種完了

    アイテム番号: SCP-2737

    オブジェクトクラス: Safe

    特別収容プロトコル: SCP-2737関連業務に携わる職員は、毎週カウンターミーム訓練を受けなければいけません。反ミームエージェントがSCP-2737曝露の前と後に適用されます。影響を受けた職員と被験者には記憶処理を施します。過去に影響された人物は再発の兆候が無いかを監視されます。

    説明: SCP-2737は一匹の死んだヤツメウナギです。死亡しているにも拘らず、SCP-2737は腐敗の影響を受けていません。SCP-2737が入れられている骨壺は西暦およそ100年頃のもので、ローマ風の意匠が施されています。SCP-2737の存在を意識する行為はミーム感染を引き起こします。

    ミーム感染による症状には以下が挙げられます。

    • 共感性の増大(感情面、認知面の両方)79
    • 大鬱病性障害
    • 急性のタナトフォビア80
    • 弁神論81 (宗教的思考を持つ人物に特有)、不死性、トランスヒューマニズム、エントロピーの存在に関する強迫的な思考。
    • 集団的経験および相互に繋がりを持つ生活に係る信念

    鬱病については、主要な異常効果による非異常性の副作用である可能性が疑われています。

    SCP-2737は最小限の異常性しか宿していないオブジェクトが収容されている財団の保管サイトで発見されました。問題のオブジェクト(当初はSCP-2737を内包する骨壺の方だと考えられていた)が適切な文書記録上で見つかった際、アーネスト・ビショップ博士はその異常性を再評価して保管庫へ戻すように命じられました。曝露から約2時間後、ビショップ博士は「財団にSCP-████を傷付ける権利は無い」と主張して収容違反を引き起こそうと試みた結果、保安職員によって射殺されました。当日にビショップ博士が扱っていた異常物品はSCP-2737だけだったため、関連性はすぐに確立されました。当該異常物体の性質を理解するため、実験のためのDクラス職員利用が要求され、承認されました。


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    アイテム番号: SCP-2912

    オブジェクトクラス: Safe Neutralized

    特別収容プロトコル: SCP-2912-1、SCP-2912-2、SCP-2912-3の死骸は生物学的収容サイト-66の低温貯蔵ユニット内で個別に保存し続けます。

    説明: SCP-2912は典型的なサーカスの道化師に似た姿をしている3匹の大雑把なヒト型生物を指す名称であり、それぞれSCP-2912-1、SCP-2912-2、SCP-2912-3と呼称されます。遺伝的には人間に近い(全ての個体は1人のHomo sapiens sapiensを比較的最近の祖先として共有しています)半面、SCP-2912個体は重度かつ多様な肉体的・心理的増強を受けています/いました。収容されたSCP-2912個体は全て1998/11/16に唐突に無力化しました ― この事案は、後述するPoI-4569が財団職員に対して関連情報を明かさなかったことに原因がある、完全に偶発的なものと断定されました。

    SCP-2912-1 概要:

    • ほぼ完全に球形の胴体。
    • 骨格系の完全な欠如。
    • 足・腕・頭は存在するものの、それらは全て痕跡器官か、大幅に委縮していることが明らかになった。
    • 膨らんだ状態の風船に酷似しているだけでなく、SCP-2912-1は体内のガス嚢(左の肺が変異したものであり、ひどく拡大して体内空間の大部分を占めていた)から、改造を加えられた肛門括約筋を通してガスを放出し、空気中を飛行することが可能だった。
    • 肌の色は白黒であり、胴体周りに横縞を形成していた。
    • 黒い長い舌を伸ばすことが可能だった ― この動作には“吹き戻し”85が放出する音と似通った発声を伴った。
    • どの程度の知性を有しているかは確認されなかったが、SCP-2912-1は少なくとも幾つかの英単語を(殆どは命令という形で)理解することが可能だった。

    SCP-2912-2 概要:

    • 異様に背が高く(2.56m)、ひょろ長い体格(膨張した左手と腹部を除く)のヒト型生物。
    • 非対称的かつアンバランスなその身体から、音楽を流すことが可能だった。
    • 椎骨は比較的大きく奇妙な形状をしており、木琴に似た音を生成していた(“曲目”はSCP-2912-2の背骨の現在の角度と相関して変化するように思われる)。椎骨を直接叩く者がいないにも拘らずこれらの音が生成される理屈は判明せず。
    • 左手は巨大かつ平べったく、膨張した腹部を叩くために使用された ― これによってバスドラムのそれに似た音を奏でることが出来た。
    • SCP-2912-2の顔には目が存在せず、球状の赤い鼻(完全に有機体にも拘らず、つまんでパフパフと音を鳴らすことが出来た)があり、大部分は巨大な口(唇を欠いている)に占められていた。
    • 黄色い皮膚は、赤い“水玉模様”に覆われていた。
    • SCP-2912-2の発声は如何なる既知の楽器にも対応していなかったが、財団の音楽学者からは、アコーディオンとオンド・マルトノ86を組み合わせたものに近いと評された。
    • 命令に応じて特定の音楽を奏でることが可能だったため、他のSCP-2912個体よりも高い知性を有していた可能性がある。
    • SCP-2912-2によって生成される音楽は、聴取者の強い感情的反応を引き起こした ― この反応が異常なものか、単に説明可能な心理的反応であったかどうかは不明のままである。

    SCP-2912-3 概要:

    • SCP-2912-1やSCP-2912-2よりも、より生物学的な人間に近い姿。顔化粧のように見えるのは、自然に有している特徴の一部だった。
    • 唯一可能な発声は、笑い声のみであるように思われた。この笑い声は認識災害を引き起こし、6-32時間にわたって継続する制御不能の爆笑を聴取者にもたらした。
    • 一見して何もない空中からクリームパイを作成する能力。近隣の物体がクリームパイに変化してSCP-2912-3の手元へテレポートしてきたものと推察されている。
    • [データ削除済]

    これらの異常実体は1998/10/05、要注意団体“ハーマン・フラーの不気味サーカス”が、財団工作員が到着するまでの僅か数分間だけ駐留していた催事会場へのガサ入れで発見されました。工作員が駆け付けた際、全ての展示は小さなテント1つを残して消失しました。テントの内部からはSCP-2912-1、SCP-2912-2、SCP-2912-3、そしてPoI-4569が発見されました。

    1998/11/16、全てのSCP-2912個体は04:00-06:00の間に自己終了しました。ビデオ映像は無力化イベント以前の個体に行動の変化が全く無かったことを示しています ― SCP-2912個体群は突然爆発し、収容ユニット内は血液、内臓、紙吹雪、および正体不明の黒い粘性液体で覆われました。この事案について問いただされたPoI-4569は以下のように述べました(逐語的に転写): 「お前らクソッたれのクソ喰い野郎どもはどうせピエロたちのミルク搾りを忘れてたんだろうが? 10年がかりの仕事が台無しだ、ロクデナシどもめ。」

    補遺: 1998/12/25、PoI-4569の房内の監視映像にドアが開く様子が捉えられました(外部の監視映像に映るドアは閉まったままであり、警報は鳴りませんでした)。この時、房内には微かにカリオペの演奏音が聞こえ、PoI-4569は正体不明の一個人と会話を始めました。

    不明な人物: [声は著しく低く無調のものだが、会話内容はこもっており不明瞭]

    PoI-4569: ようやくお出ましかい! その面は笑ってんのか、眉を寄せてんのか? お前のそれはさっぱり分かんねぇよ。

    不明な人物: [不明瞭]

    PoI-4569: 責任? バッカお前、俺はお前が見つけた史上最高のピエロ・ブリーダーだろうがよ、フラーさんだってそのことは分かってらぁ。

    この時点で、不明な人物は房内に踏み込みました ― 体格は筋肉質であるように見えましたが、それ以上の詳細な容姿は、異常な出入り口を介して房内に流れ込んだ煙らしきものの塊によって観測を遮られました。PoI-4569は助けを求めて叫びましたが、保安職員の到着は間に合いませんでした。部検により、PoI-4569の死因は急性心筋梗塞(より一般には心臓発作として知られる)だったことが明らかになりました。


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    アイテム番号: SCP-3288

    オブジェクトクラス: Euclid Keter

    特別収容プロトコル: 20体以上30体以下のSCP-3288人口がヒト型生物収容サイト-282に維持されます。各SCP-3288は独立した収容ユニットに収容されます — SCP-3288同士の接触を必要とする行動研究は万全の注意を払って実施しなければいけません。SCP-3288は遭遇し次第終了し、有害廃棄物プロトコルに従って処分します。

    SCP-3288の蔓延に対しては徹底的な破壊ないし収容を行うことが不可欠です。1体の未収容のSCP-3288個体は、遅くとも来世紀中にSK-クラス支配シフトシナリオを誘発する可能性があります。

    説明: SCP-3288は高い捕食性を有するヒト属(Homo)の一種、或いは亜種です(“ホモ・アントロポファグス”Homo anthropophagusと指定)。SCP-3288は基底人種と明確に異なる数多くの異常な特徴や挙動を示します。最も一般的な差異には以下が含まれます。

    • 極度の過剰歯89および巨大歯90。SCP-3288個体の歯は正常な永久歯の6倍の大きさがあり、全6列の歯列に60本以上が不規則に生えている。このため、顎は基底人種よりも遥かに巨大である(下記参照)。
    • 著しい下顎前突症91
    • 顔面の様々な非対称性
    • 腕のクモ状肢症92。SCP-3288個体の腕は通常、同じ身長の基底人種の2倍以上の長さに達する。
    • クモ指症93および多指症94
    • 脊柱後弯症95
    • 極度に痩せ衰えた容貌と相反する異常な膂力
    • アルビニズム
    • 優れた低光度環境視力96および虹彩異色症(より具体的には完全異色症)97。目は非常に反射性を有しており、色合いは青・赤・紫・黄色などが存在する。
    • 二足歩行と四足歩行の両方に対する依存
    • 異常に急速な身体の成長および発達。妊娠期間は2~3週間であり、性成熟は16~20ヶ月以内に達成される。
    • ゴットシャル-ガートナー症候群98。主に手と指において発症。
    • 全身性脱毛症99
    • 極度の羞明。日光に直接曝露すると身体的・心理的ダメージを負う。
    • 主に誇大妄想と悪性自己愛を特徴とする精神的な不安定性
    • 生物学的・心理的要因による人肉食への依存

    これらの異常性は主として、特定の劣性ないし有害な形質 — 特に不妊症、乳幼児死亡率の増加、免疫機能の喪失に関連するもの — の増加を生じることなく過剰な近親交配が行われてきた結果によるものです。前述した有害形質は表出しないばかりか逆に増幅され、結果的にSCP-3288は長寿命・病気への耐性強化・異常に高い妊孕性を獲得しています。

    財団はウィーンにおける説明の付かない失踪事件の調査中にSCP-3288の存在を把握しました。これらの事件は下水道の穴やアクセス用トンネルに近接した場所で発生しており、主に売春婦・監督者のいない子供・渡り労働者・酔っ払い・その他体調の優れない人物など、人口集団の中でも脆弱な層を狙ったものでした。

    多数の未解決失踪事件が異常なものか否かを確かめるため、エージェント シリル・ノヴァクとダイアナ・フィスカーがウィーンに派遣されました。法執行機関や政府関係者とのインタビューにより、犠牲者3名の遺体が回収されてはいたものの、さらなるパニックを引き起こす懸念があるため一般には公開されていなかったことが判明しました。これらの遺体は速やかに押収され、グラーツのヒト型生物収容サイト-282に移送されました。

    検死解剖を行ったフェリックス・ガートナー博士は、遺体(死体A100、死体B101、死体C102)のいずれも人間の攻撃者に対応する傷害を示さないことに留意し、それらをハイエナの攻撃による犠牲者と比較しました。ガートナー博士は、残っている傷害は全て歯・爪・肉体的暴力の組み合わせによるものという結論を下しました。異常な大きさ(正常な永久歯の6倍)と数(6つの異なる列に不均一に分布した60本以上の歯)にも拘らず、歯形は人間のそれと一致することが確認されました。更なる分析は、歯型の中に、攻撃者が複数存在したことを示唆する特異なパターンがあることを明らかにしました。

    これらの死を招いた実体群は異常なものと分類され、SCP-3288の指定が割り当てられました。機動部隊シグマ-6(“ヘルシンガーズ”)が、記録上の失踪者数が最も多い地区であるレオポルトシュタット地区を秘密裏にパトロールする任務を命じられました。隊員はSCP-3288を追跡ダーツで攻撃し、致死的武力の行使を控えるように指示を受けていました。

    フィールドログ:


    数多くの重要文書がSCP-3288-1から回収され、財団がSCP-3288をより良く理解する助けとなりました。以下の抜粋は原文のドイツ語から翻訳され、時系列順に並べられています。脚注は文書を当時の歴史的・文化的背景の枠組みに収めるために設けられています。

    レオポルト1世による後半の記述は徐々に熱狂的かつ判読困難になり、1705年に死亡するまで精神状態の悪化が続いたことを示唆しています。彼は最後には成功を収めたと見られ、一族の血統に異常な遺伝子を組み込むことによって(意図しない結果ではあるものの)SCP-3288を創造しました。この遺伝子はヒトDNAに、近親交配に関連する特定の有害形質への耐性を付与します。

    ハプスブルグ家は近親婚の実践を継続し、突然変異の発生を加速させました。重大な奇形を示す者たちは一般社会から隠蔽され、ハプスブルグ家ゆかりの君主たちはやがて彼らを住まわせるための広大な地下蔵を作りました。地下蔵に居住するハプスブルグ家の一族は繁殖を続け、最終的には(全く新しい変異の発生可能性を高めるのと引き換えに)生殖率を大幅に増大させる突然変異を発展させました。

    基底人種と密接に似通った姿の者たちが地上に留まっていた一方で、地下の住人たちは地底生活に適応しました。DNA分析は、血縁関係が年月を経てますます込み入ったものとなり、親子や兄弟姉妹の間の近親相姦が19世紀までにSCP-3288の間では当たり前になったことを示しています。

    ハプスブルク家の君主たちは、地下蔵に住む親族たちに、地上と同じ程度に贅沢なライフスタイルを提供するべく尽力したようです。文書記録は食料・ワイン・娯楽の安定供給があったことを示します — 時間と共にこれらの要求は奇矯112かつ異様なもの113に、そしてやがては下劣な内容114に変わりました。全ての証拠はこれらの要求が満たされたことを示唆します。SCP-3288がどれだけ長く外部支援を受けずに生存してきたのかは不明です。ある文書は、1738年の腺ペスト大流行が相当量の“飼料”の供給に繋がったことを暗示しています。

    特異性の高い文書の一つには、SCP-3288-1に類似する地下蔵のリストが含まれていました。財団はこの情報を利用してSCP-3288の巣を発見・無力化していますが、文書自体がカビ関連の被害によって半ば判読不能であるという懸念事項があります。これは、地下蔵の少なくとも半数が発見不可能であり、引き続き一般社会への深刻な脅威を呈し続けることを意味します。

    補遺 2016/09/23: 暴力的な性的暴行や食人行為の報告件数が中央ヨーロッパ全域で増大しています。これら暴行事件の緊密な分析を通して、財団はSCP-3288が暴力の原因であると結論付けました。事案の広範囲な性質から、複数の発見されていないSCP-3288地下蔵が破られた恐れがあります。

    1体のSCP-3288個体が最近になってドイツの“黒い森”で捕獲されました。放棄された狩猟小屋までMTFシグマ-6によって追跡された当該個体は成功裏に確保・収容され、隊員側は軽傷者を出すに留まりました。9名の拘束された女性が小屋の地下から発見されました — まだ生存していたのは1名のみであり、他の遺体は腹部が裂けて部分的に貪られていました115

    生存者は不潔かつ栄養不良の状態で、大きく脹れた下腹部が目に見えて脈動していました。女性は隊員たちに向かって叫び、様々な罵倒や宗教的嘆願に交えて“こいつらを[彼女の]中から出して”ほしいと訴えました。彼女はヘリコプターで緊急搬送されましたが、離陸から約5分後、ヘリコプターは唐突に墜落しました。回収されたフライトレコーダーの転写は以下の通りです。

    20:31:57| 女性が叫んでいる。発言内容は不明瞭。
    20:32:09| 男性の声: 「[不明瞭]中から出血してるぞ!」
    20:32:34| 女性の声: 「大変、モルヒネを投与して!」
    20:32:37| 男性の声: 「もうやったよ! 畜生! 今手術するしかない!」
    20:32:42| 男性の声: 「あれは一体何だ?」
    20:32:45| 女性の声: 「貴方が切開したの? 死にかけてるじゃない」
    20:32:48| 男性の声: 「クソッ! 見えたか? 何かまるで[不明瞭]」
    20:32:50| 女性の声: 「何か出て来るわ」 [背景の叫び声が止む]
    20:32:54| 男性の声: 「大変だ — 今すぐ殺せ! 奴ら[不明瞭]引き裂いてる」
    20:32:55| 複数の新生児の泣き声が聞こえる。
    20:32:51| 男性の声: 「取ってくれ! こいつらを俺から取ってくれ!」 [銃声]
    20:32:53| 幼児の鳴き声が大人の悲鳴と混ざり合っている。
    20:33:04| 通信途絶まで叫び声が継続。

    捕獲されたSCP-3288個体は尋問されました。転写は以下の折り畳みで閲覧可能です。


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    特別収容プロトコル: SCP-4246現象の完全な収容は現在実行不可能です。このアノマリーの妨害もしくは終了の努力は正常性の維持に有害なイベントを引き起こす可能性があるという仮説が提唱されています。SCP-4246-1及びその同調者による主張の信憑性を能動的に毀損する欺瞞情報キャンペーンが維持されなくてはなりません。そのような主張はフィクション作品、精神病の結果、あるいは宗教的迷信として却下されなくてはなりません。SCP-4246-1(及び非異常性の関係者)のコミュニティやカルトは綿密に監視されなくてはなりません。

    SCP-4246-1タイプBは財団及びその内部の活動について知識を得る超自然的な能力を持つため、彼らを可能な限り速やかに確保及び収容することは最重要項目です。SCP-4246-1タイプB実例はサイキック抵抗ヒューマノイド収容セル117に捕縛、収容しなくてはなりません。SCP-4246-1タイプBは、SCP-4246-2やSCP-4246-3のようなSCP-4246送信機の位置の測量時(もしくは近接時)には、彼ら自身の安全のために物理的に拘束しなくてはなりません。SCP-4246-2およびSCP-4246-3、またそれらの製作者の存在は、必要なあらゆる手段を用いて公衆から隠蔽されなくてはなりません。SCP-4246-3の場合、暫定収容エリア-48が建設され、維持されなくてはなりません。サイト管理者の認可のない場合、SCP-4246-3内に入ることを許可される人物は、機動部隊イプシロン-19"精神病棟"の構成員のみです。

    説明: SCP-4246は主として夢、幻覚、妄想、海洋及びその内容物に関連した物事への執着といった病的な心理状態として発現します。SCP-4246を発症した人物はSCP-4246-1に分類され、異常な神経病症状の進展といった大きな行動の変化を呈します。SCP-4246-1の殆どは、結果として彼らの異常な体験をある種の天啓や秘術的な知識をもたらす精神的な心象と解釈し、結果的にカルトまたは関連した組織の創設を行います。

    SCP-4246を無関係な体験と鑑別するための最も直接的な相違点は、エピソードや反応の不可解な共通性です。よく報告される要素には以下のようなものがあります。

    • 不規則に広がった巨大な海底都市のビジョン。窓のない構造物は非ユークリッド的な建築様式を示し、なめらかで継ぎ目がなく、ガラスのようで黒い素材で構成されています。
    • おそらくは人間の視覚スペクトラムを超える、名状しがたい色を呈するサンゴの庭園のビジョン。
    • しばしば自らを危険な状態に至らしめるほどの、自らを海水に浸したいというコントロール不能な心理的衝動118
    • 起源、文脈ともに不明な記号群を含んだ幻覚。通常視界の短い、一瞬の閃きとして出現し、視界辺縁部に次第に消える残像を残します。これらのビジョンは目眩、空間失調、外傷後ストレス、精神異常、躁病及び/あるいはうつ病、殺人/自殺念慮及び行動、さらなる幻覚119を引き起こすことが知られています。発症した人物は家族や友人を、不明瞭にもかかわらず、差し迫ったものとされる大災害から「救う」ために殺害することが知られています。
    • 幻肢痛120に苦しむ人が表現するものに似た感覚と身体完全同一性障害121。しかしながら肉体的には健常な人物が、そもそも存在していたこともない肢を喪失した感覚として発現しています。発症した人物はこの感覚は理屈に合わないものであり、人間は(通常は)4本の手足を持つものであると理解していますが、この理解にもかかわらずこの感覚を体験し続けます。
    • SCP-4246-1の大部分は海洋にて溺れることにより結果的に自己終了します。全員がそうしたいという衝動に苦しんでおり、抵抗できるものは少数です。

    SCP-4246-1はタイプA、タイプB、タイプCのバリエーションに分類できます。タイプAの人物は最も多く、一般的に上述の症状の1つまたは複数を呈します。何人のSCP-4246-1タイプAが存在しているかは不明ですが、SCP-4246への彼らの反応は一般に自制されており、欺瞞情報の流布により容易に打ち消すことができます。

    急激に影響された人物は通常の知覚からは隠された情報を発見する能力、及び対象の思考や記憶の超常的な知識といった、超感覚的知覚(extrasensory perception: ESP)を発現します。これらの人物はSCP4246-1タイプBに分類され、数十年の研究の結果、サイ-陽性(非サイコキネティック)受動的受信者──意図せずともESPを通じて情報を受信するが、能動的に中継することはできない──であると結論されました。

    SCP-4246-1タイプCに関する情報には、レベル4クリアランスもしくは覚醒せし夢見人計画Project: Awakened Dreamer管理者ジョアン・ヘンリケ博士の認可が必要です。

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    ジョセフ・アドラー、宇宙的智慧の団の指導者

    SCP-4246現象を目録化し、説明しようとする試みのうちで、知られている限り最初のものは、英国のオカルティストであるジョセフ・アドラー(1833~1921)によるものです。彼は19世紀後半から20世紀前半のオカルト、形而上学、および自然科学では説明できない現象の研究と実践を行う組織であった宇宙的智慧の団Hermetic Order of Universal Wisdomの指導者でした。彼の著書である「水没せし王国、あるいは原初の仔の永遠の夢The Drowned Kingdoms, or The Eternal Dreams of the Firstborn」では、アドラーは彼の生涯に渡るビジョンと、彼が「原初の仔Firstborn122と呼ぶ長く忘れられた種族の遺跡の「幽界的な」探索について論じています。失われた世界や文明に関する他の主張(当時はありふれたコンセプトでした)と異なり、アドラーの著作には多数の他のいわゆる「夢見人」(SCP-4246-1タイプA)のインタビューが含まれ、異常な現象に根拠を示し、さらにプレートテクトニクス123、進化論、ミーム学、物理学のような概念を論じて科学的で正確な結論を導いています。

    1920年10月29日、アドラーと20人の彼の信奉者は、「原初の仔」についてさらなる知識を得ることを求め、「集団幽界投射astral projection124」を試みました。試みは3名の心筋梗塞(一般的に心臓発作として知られる)と2名の頭蓋内出血(非外傷性)による死亡、及び4名の自己終了(方法は様々)をもたらしました。アドラー自身は結果的には生存しましたが、恒久的に視力を失いました。

    翌日、ジョセフ・アドラーを財団の保護下に置くことを目的として、工作員がブロードムア病院に到着しました。彼は病室で不応答状態で発見され、後に死亡が確認されました。遺体は解剖のためヒューマノイド収容サイト-744に運ばれました。アドラーの死因は確定できませんでしたが、暫定的に未治療の肺炎が外傷により悪化したためと考えられました。

    アドラーの所有物の中に、不明な場所を描写した地図の未完成の下書きがありました。一部分のみが描かれた陸地は、明白な海岸線が既知の場所のいずれとも一致しなかったこと及び、下書きそのものの縮尺が不明であったことから、当初は未発見の島であると考えられました。この島を発見しようとするあらゆる試みは失敗し、地図は1956年まで無関係なものとして放置されました。

    特別収容プロトコルとして、SCP-4246-1タイプA実例が追跡、監視され続け、SCP-4246-1タイプB実例はヒューマノイド収容サイト-744に確保され続けました。財団のSCP-4246現象への理解は長らく変化しませんでしたが、1954年、チャールズ・ベイカー博士がSCP-4246-1Bのメイナード・シジウィック試験結果に特定のパターンを見出し、SCP-4246に影響された人物は真にサイ陽性なのではなく、彼らは外部の力により単に送られた、および/あるいは移動させられた情報を受信しているのみであるという仮説を提唱しました。この仮説の検証には、新たな情報の提示に対しての、失敗と成功のタイミングを考慮に入れる、新たなサイ評価法の開発が必要でした。

    SCP-4246-1タイプBは情報取得のために比較的近傍に対象がいることを必要とすることが発見され、このことは移動される情報は元来の位置から離れるのに応じて劣化すること、あるいは情報源(精神)の数に依存し移動距離には依存しないことを示唆しました(後者の場合、SCP-4246-1タイプBを地球上の反対の位置に配置したならば、SCP-4246の波が通過した後、情報を希釈する他の精神が存在しないなら、互いの精神を明瞭に読み取ることが可能と考えられます)。

    タイプ-B実例らとのインタビューの際、インタビュー担当者が質問/回答をあらかじめ知っていた場合と、知らなかった場合の事例の間で、大きな違いがあることが判明しました。前者の事例では、SCP-4246-1タイプBはインタビュー担当者の持つ情報を把握することが可能でした。しかしながら後者の場合、1~12秒の遅れが生じました。同時に複数のインタビューを行うことにより、研究チームはSCP-4246現象はその発信源からサイト-744に達するまでおよそ12秒を要すると結論しました。このことはベイカー博士の仮説は正しく、SCP-4246は電磁放射よりも遥かに遅い(もしその発信源が妨害されておらず、地上にあるならば)が、情報の移動/増幅を引き起こし、不特定多数の人物により(様々な程度で)受信されるに十分な能力がある、不明な波長の周波数のようなものであることを示唆しました。

    チャールズ・ベイカー博士の声明:

    Xに発信源を持つSCP-4246が速度Yで移動し、サイト-744に12秒で到達する。私はこれはSCP-4246-1タイプBを世界の様々な場所の多数のサイトへと移送し、再度実験を行う事により解くことができるという仮説を提唱している。仮説上、新たに"認識するまでの遅延"を求めることにより、SCP-4246現象の発信源となる場所を測量する助けとなるだろう。

    その実験は再度、既に記述したように行われたが、結果は予測外の問題を明らかにした。当初の仮説はSCP-4246の発信源は1つであるという想定のもとに予想されたものだったが、実験結果はSCP-4246は複数の場所から中継されていることを示し──我々の研究を遥かに困難なものとした。

    しかしながら、我々のデータからは1つの重要な詳細が得られた。遅延時間は海洋に近い地点では劇的に減少した(内海や淡水にはそのような効果はなかった)。理由は不明だが、大西洋は比較的長い遅延(およそ8秒)をもたらし、太平洋は最も短い遅延(およそ2秒)をもたらした。

    これだけは言えるだろう、SCP-4246の発信源は海にある。

    ベイカー博士の研究と並行して、SCP-4246-1実例間の症状の類似性についての研究が行われました。ステファン・ガートナー博士に監督された研究により、特定の、しかし以前には記録されていなかった、芸術性の高いSCP-4246-1でしばしば発現する習性が見出されました。これらにはジョセフ・アドラーによる未完成の地図の下書きに似た描写が含まれていました。推定12000の特徴ある絵画が比較され、(アドラーの下書きと共に)組み合わされ、複雑な都市や地理学的な特色を示す完全な地図が作成されました。仔細まで卓越した描写があったにも関わらず、地図のおよそ20%は空白でした(概ね"C"字型をしており、中央やや左寄りにある)。詳細の大部分は当初は水と仮定された地域に書き込まれ、多くのものがアドラーの地図は島というよりも湖を描いたものだという仮説を抱きました。

    1956年、財団がプレートテクトニクス理論を受け入れ始めた頃、SCP-4246現象の研究者は、アドラーの地図の完成版のこれまでの解釈全ては誤りであり、地図の空白部分は古生代後期から中生代前記に存在したパンゲア超大陸を描いたものであると気づきました。反面、地図の詳細に描かれた部分は、海底──予想もできなかった、しかし否定できない文明の痕跡を完全に備えた──を描こうと意図されたものでした。

    ステファン・ガートナー博士の声明:

    ひとつづつ、パズルのピースのように、アドラーの地図は1ヶ月の苦難に満ちた努力のあと完成した。当初、我々はどう考えればよいかわからなかった──完全なイメージは、完成してもなおSCP-4246-1の集合無意識から生まれた漠然とした夢の光景であるかもしれないと。しかし科学的なコンセンサスは急速に不可欠な味方となった。プレートテクトニクスの結論は、さもなくば何十年も悩んだかもしれないパズルを解いたのだ。

    SCP-4246-1についての私の研究の一部として、私は毎週のインタビューにこの地図を導入し、この地図が何かわかるかと質問した。彼らの反応は息を止めるほどの恐怖から、多幸感に至るほどの興奮まで様々であった。これが彼らの夢に取り憑いた世界なのだ。

    しかし、何故であろうか?

    アドラーの地図はテクトニクスのプレートに応じて分割され、現在の大陸の配置に合致するように並べ替えられました。ベイカー博士の認識するまでの遅延実験からのデータを用い、財団はSCP-4246中継の最も可能性の高い場所を推定することができました。これらの中継装置はSCP-4246-2に分類されました。

    さらに18のSCP-4246-2実例が存在しうる場所があり、その総数は21になります。これらの中継装置はその現在の地理上の位置に明白なパターンもしくは利点が無いように思われます。しかしながら、3億年前のパンゲア超大陸が存在した頃の地図に挿入すると、SCP-4246-2は海洋上にて到達範囲を最大化するパターンを形成し、結果的に何らかの知性によるデザインがSCP-4246アノマリーの背後にあることを示唆します。

    ジョアン・ヘンリケ博士はSCP-4246-2に関する未だ残る疑問への解決を提案しました。SCP-4246-1タイプB#0027のコメント131を参考として、彼女はSCP-4246の製作者はSCP-4246-2の存在を次元操作により意図的に隠蔽したという仮説を提唱しました。これらの場所を再調査した結果、カント計は安定して周辺環境に関して60ヒュームの相違を記録し、高い次元不安定性を明らかにしました。ヘンリケ博士はさらに、SCP-4246-2はSCP-4246周波数を受信して中継できる一方で、何らかの未知の方法で基底現実外へと事実上安定して接続されているという仮説を提唱しました。

    SCP-4246-2を適切に調査するために、3台のスクラントン現実描(SRA)が海中環境に耐えられるよう改造され、SCP-4246-2Aの推定位置の周辺に三角形に設置されました。1965/08/07、0900時、SRAは起動され、高さ600メートルの、平滑で継ぎ目のない黒い素材で構築された、4重螺旋型の構造を出現させました。物体は基底現実に1分26秒間繋ぎ止められましたが、その時点でおそらくは次元繋留過重イベントによりSRAユニットは破壊されました。翌日0700時に、SCP-4246-2Bに対し2度目の試みがなされました。同様の結果となりましたが、持続時間は55秒でした。さらなる試験は仮説が修正され、統計的に予想されるさらなる財団の資産の喪失は受け入れがたいと考えられたため禁止されました。他のSCP-4246-2も2Aや2Bと同様の構築を持つと想定されています。

    現在の根拠に基づき、SCP-4246は全世界を覆うネットワークとして機能するという理論が提唱されています。当該アノマリーからは目的と思われるものが見出されていないため、その目的が不明となっています。SCP-4246の影響のうち観察可能なもの(SCP-4246-1を通じて)はさらなる大規模な現象の意図しない副作用である可能性があります。もしもSCP-4246-1を作り出すことがSCP-4246-2の製作者の本当の目的だったとしたら、更に簡素な方法(例えばミーム)で達成できていたでしょう。

    ニュースメディアの定期的なスキャンの際、南極大陸の異常な地震活動の報告が発見されました。財団に関連があるのはその発生時間でした。1965/08/07、0900時に1分26秒、1965/08/08、0700に55秒間であり、SCP-4246-2AとSCP-4246-2BのSRA現実繋留と一致していました。2つの地震イベントの震源は南極の氷河の下、南緯79度西経172度でした。機動部隊デルタ-21"忌まわしき雪男"の工作員がこの地点へと派遣され、以前には記録されていなかった施設を発見しました。

    施設はナチスドイツにより建設、運用された前哨基地であり、損傷し放棄されたと判断されましたが、その理由は一見してはわかりませんでした。直径1キロメートルの穴と工業的な採掘設備は大規模な発掘プロジェクトであることを示し、後に公式な文書により確認されました。建造物を調査し、それらが無人であることを確認したあと、MTFデルタ-21は居住施設を確保し、財団の研究者の到着を待ちました。

    回収された文書により、採掘の計画はアーネンエルベ・オブスクラ軍団132の失われた文明と思われるものの証拠を回収する作戦の一部だったことが確認されました。アーネンエルベ・オブスクラ軍団はSCP-4246アノマリーに少なくとも1930年代前半から気づいており、財団に感知されずに当該事象への独自の研究を進めていました。SCP-4246-1の分析とそのビジョンを通し、彼らは南極のこの地点に何らかの重要性があると推測し、財団より以前にこの情報に取り込むことができました。彼らはこの理論上の文明を何らかの「支配種」とみなしていましたが、この結論は完全に誤った疑似科学もしくは人種差別主義的信仰に基づいています。

    不運なことに、彼らの研究は意図的に破壊され、現存する文書には計画については曖昧な記述しか見つかりませんでした。採掘作戦の背後には切迫性があったと見受けられることとあわせ、投入された資源の量は、SCP-4246に学術的興味以上のものがあったことを伺わせます。アーネンエルベ・オブスクラ軍団の最終的な目的はアノマリーの兵器化であったと考えられますが、彼らがどのように完遂しようと計画していたかについては不明なままです。

    基地全体を通して、散乱した薬莢や凍った遺体などの紛争を示すものが発見されました。ドックは破壊され、船はすべて意図的に沈められ、発掘のための機械は妨害工作され、ディーゼル燃料を抜かれていました。日誌の記述および散乱したメモには、労働者とアーネンエルベの監督者たちの間に次第に敵意が高まったことが描写されていました。

    発掘計画は結果として氷の下の人工構造物の存在を突き止めていました。SCP-4246-3に分類されたこの構築物は、非ユークリッド的構築を呈し、異常に強固で継ぎ目のない素材で作られていました。この素材の化学的分析では、炭酸カルシウム、キチン、火山ガラス、マグネシウム、鉄が検出されましたが、研究室内でこの素材を複製する試みは失敗しました。この素材のスペクトル解析では、人間の可視スペクトル外の周波数の光を知覚できるもののためにデザインされた、常に変化するシンボルの存在を明らかにしました。

    SCP-4246-3は音声に異常な影響を及ぼします。その内部で発話された囁きは、反響し、ボリュームを上げます。1秒間の発声はSCP-4246-3を通して5分弱共鳴します。遺跡の近くにいる人物は、近くにいる人物の思考を聞くことになります。暴露が続くと、記憶のオーバーラップが生じることがあります。例えば、パートナーと同じ妻を共有していると信じるようになった財団の工作員がいます。 思考と記憶は、影響された人物が精神障害もしくは緊張病になるまで曖昧になり続けます。幸いにして、これは初期ならば記憶処理の適用により修正することが可能です。

    当該遺跡の探索は多数の急な段差や傾斜、加えて内部で発生する激しい知覚異常のために困難であると判明しました。フジツボや同様の非移動性(固着性)生物の存在は、構築物の全てではないとしても大部分が新生代氷河期(3390万年前)以前は海中にあったことを示しています。SCP-4246-3の異常な影響に対する防御は知られていないため、人員の暴露時間を制限する必要があります。このことは、結果的に遺跡の大部分を到達不可能にしています。地面貫通レーダーによると、SCP-4246-3複合体は地表に822km2、ニューヨーク市よりも広く広がっていることが判明しました。

    SCP-4246-3の多様なトンネルのうちひとつから、日誌が回収されました。署名はありませんでしたが、内容からドイツ人労働者の1人のものであることが示唆されます。内容の一部は以下になります:

    あいつらは俺たちを奴隷みたいに働かせるが、目的については話そうとしない。あいつらは祖国のためだと言うが、何の説明もない!俺はSSは最高のドイツ人の集まりだと聞いてきたが、俺はあいつらを信用できねえ。あいつらは奇妙で、俺たちの仕事のやり方を否定的に見ている。

    俺はヨハンの声を聞いたがあいつの口は動いていなかった。俺はお袋を思い出した。俺たちがいなくてどれほど悲しいだろうか。俺のお袋は死んだしヨハンは俺の兄弟じゃねえ。何だこれは?

    ここに来てから変な夢を見るが、俺だけじゃないようだ。俺たちはみんな氷の下の黒い街を見ている。アダムより古い王国を。

    石が俺たちに歌いかける。
    俺たちは聖なる土地を侵している。
    こんなことは続けてはならない。

    計画が実行に移された。俺たちは神々が俺たちに見せたものをあいつらに見せる。
    黒い街は光と共に生きている──なぜあいつらには見えないのか?
    あいつらもその美しさがわかるようになるだろう。だが俺たちは戻れない──総統がここをダメにする。
    誰もこの凍った地を生きて離れてはならない。

    機動部隊イプシロン-19「精神病棟」が探索と内部の地図作成のためにSCP-4246-3へ動員されました。MTFイプシロン-19は多くの訓練、精神修練、および外科的強化133によりテレパシー、認識災害、そしてミーム的アノマリーへの耐性を身につけています。

    SCP-4246-3の内部の多くは浸水しており、大部分の区画への到達のためにはダムや排水システムの設置が必要でした。SCP-4246-3の非ユークリッド的構造と迷宮的な垂直のシャフトはリペリング装備と技術を必要としました。8年間の探索と様々なベースキャンプの設置により、MTFイプシロン-19はSCP-4246-3の探索を終えました。結果として設置されたロープとアンカーのネットワークは最小限のリフトシステムを作るために使われ、財団が更に効率的に職員と補給物資を複合体内部を移動させることを可能にしました。MTFイプシロン-19のメンバーのみが複合体内部に安全に留まれるため、研究は映像フィードのライブ中継により遠隔的におこなれました。

    SCP-4246-3の最深部には推定容積720,000 m2の球形の空間があり、SCP-4246-4を内包しています。SCP-4246-4は主にニューロンとグリア細胞──あらゆる自然発生した地球の生物種の脳に見出される2種類の細胞の大分類です──で構築された有機的な塊です。これらの細胞は明白な保存手段を欠いているにもかかわらず生きており、クラスター全体を通して青い血液(ヘモシアニン)を運ぶ血管が走っています(閉じた循環系の存在を示唆)。SCP-4246-4本体は水中に沈んでおり、半透明のドームに守られています。

    徹底した分析の後、SCP-4246-4はその不自然なサイズと複雑さ134にもかかわらず、完全に機能する脳であると結論されました。現在はSCP-4246はSCP-4246-4の神経発振(脳波)と、世界中での、そして潜在的にはそれ以上での受信とさらなる中継のために設計されたSCP-4246-2により引き起こされているという仮説が提唱されています。SCP-4246-4はこの脳波をSCP-4246-2(強い受信機と中継機)および全ての生物のニューロン(弱いが遥かに多数の受信機と中継機)に構築されるニューラルネットワークを通して世界中に拡散していると見られます。SCP-4246-4は理由は不明なれど、結果として地球全体を連続的なサイクルでスキャンし、情報を収集していると考えられています。したがってSCP-4246-1は、その異なった脳を通じ、この情報の一部をフィルターのように収集し、意図しない汚染により数十年かけて精神の不安定さが進行するという仮説が提唱されています。


    警告:以下のファイルは4/4246に分類されています。


    レベル4-4246認可無しでのこのファイルへのあらゆるアクセスの試みは記録され、即座に懲戒されます



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    無光層の海が、
    黄緑の空の反射を拒むところ。

    そして黒き星々昇らずして治め、
    何ものかの残響決して意味を持たぬ。

    数多の罪の骨の上に、
    いつとも知れず作られし街。

    争いと罪の混沌の宮廷で、
    来訪者は見出される。

    誰も彼も与えられし役割演ずること強いられしがごとく、
    ここにて狂える舞踏御し難し。

    我らが定命の知恵及ばぬものがため
    我らは死し、生き、また死す。

    我らが君主は彼の玉座の上で苦悶す、
    彼の栄光の前で、
    この吊られし王のものたる我らが血にて、我らは贖う、
    よりて我ら彼を絡繰る糸にて窒息せん。

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    序文:

    もっとも親愛なる読者へ、私はとある図書ネクサスからあなたに向けて書いています。私は影たちと取引し、私の最新の旅行記が少しずつ無限の世界へと到達することを期待しています。彼らは私のページを飾るであろう昏き街角、秘密の場所、そしてヤヌスの扉を知っています。

    私は貴方の喜びと啓発のために、言葉を血のように流し、これらのページのため我が身をすり潰します。

    堂守、吊られた王の宮廷で:

    私は腐りゆく花の芳香と鋭い金属の香りが、より優勢になろうと争い、そしてどちらも相手を消して残る異臭となれないでいたのを覚えています。私が鉤爪で掴んでいたのは肉で結び付けられた魔術書。初めて掴んだとき、私の手に噛み付いた気難しい書物でした。まるで数瞬前に読み終え、その意地の悪い本を本棚に戻したかのように、その内容に見覚えを感じました。

    思い起こすと、私はその一単語も思い出すことはできません。

    私は左目に次第に強くなる痒みを感じました。本能的に痒みを鎮めるため掻こうとして、私の鉤爪は磨かれた表面を滑りました。私の特徴を隠す、外れないように思われる陶器のマスクを。

    私は手の届かない、激しい痒みに苛まされ、鳴きました。

    高い円錐の実体が様々な付属肢を揺らし、シッと言いました。フルムのフルムクル・フルマメムThe Frmmmk'l Frmamem of Frmは畢竟、図書館では、私がしたように邪魔される権利となります。謝罪のため頭を垂れ、私は断絶されし言語でアテナイオンと適切に名付けられた場所に、探索の意欲に満ちて別れを告げました。

    私は2つの地点の間で何が起きているかわからないまま、異常な速度で移り気の美徳の広間Hall of Mercurial Virtueへとたどり着きました。それがアラガッダの性質なのです。時間と空間の制約は、ここでは法則ではなく、1つの示唆に過ぎません。経験を積んだ異邦人である私でさえ、街の夢に似た停滞感にあまりにも屈服してました。

    移り気の美徳の広間は、美と怪奇さの間で揺らめいていました。巡礼者たちと皇帝、神々と怪物たち、あらゆるありうる世界から来た実体達が、永遠の仮面舞踏会で役割を演じていました。空の星々のように黒い欲求に突き動かされ、多くは吊られた王その人からの恩恵を求めていました。

    私の精神は壮大な広間とその奇妙な住人たちに過剰に刺激され、私の鉤爪がお互いに当たり音を立てました。陰険な魅力の退廃的な提示、アラガッダは最初に予想していたような陰鬱な世界では到底ありませんでした。「吊られた王」のような呼び名は、賑やかな宴会ではなく、死と腐敗、荒廃と絶望のようなイメージを呼び起こすものでした。私の目は
    十六のスペクトル受容体を持ちますが、未だに赤、白、黒、そして黄色しか見ていませんでした。色の体系は予想外に限られたものでした。来訪者には未だに消えない紫の味がついていました ‐ 錆びた汗と甘い肉の臭いにほとんど隠されてはいましたが。

    私は混乱させるような無秩序の反射を無視しようとつとめ、部屋の角から見ました(相対的に言って ‐ アラガッダは非ユークリッド的構築の典型です)。

    明確な観察を書き記すことは、私にとって単純にあまりに猥褻です。しかしながら、終わりなき乱交について考えると、人は単純に想像力をたくましくするものです。あなたが何を想像されたにせよ—それは実際に移り気の美徳の広間にあります。様々な恥の器官の陳列 ‐ 通常は他の恥の器官と絡み合っていましたが ‐ があったと想起なされれば十分でしょう。私の最初の観察では以下のものが見られました。

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    左右非対称な真珠色のマスクをしたアディトゥムの肉の成形者Flesh Shaper of Adytumは、その手と触手でダエーワの血の処女Blood Vestal of Daevaを愛撫していました—二人はお互いの耳に恐ろしい秘密を囁いていました。彼らのオーラは絡み合う歴史、私の見たところ殆ど近親相姦的な性交を示していました。私の嫌悪は殆ど限界に近く、私の感覚にとってもっと受け入れやすいものを私は探しました。

    オネイロイのケンタウロスの夢匠Centaurial Dreamsmith of Oneiroiは、もっとも現実に近いものであり、明らかに優位に立っているロンドンの不死の商人the Deathless Merchant of Londonと取引していました。商人は同意の言葉を鼻がかった発音で発声し、法律用語を吐いていました。夢匠の、読み取るのが難しい儚い存在から、私は過去も未来も見つけることができませんでした。対して、商人は長い影を投げかけ、そこには死者の魂が集まり告発するように指差していました。

    しばしば対立していると考えられる三人の神族が、彼らの定命の信徒を嘲っていました ‐ 彼らの辛辣な舌鋒は毒と恩着せがましさを吐き出していました。三人はパンジスの有角の暴君Horned Tyrant of Panthissザイノルゾックズッシーの混乱の妖精Bedlam Sprite of X'nol'zok'thussss'iエルドナイの高位智天使Hierarch Cherub of Eldonaiでした。その間、神族は捻れてかすみ、湧きたつシンボルを彫られた祭壇に腰掛けていました。

    まるで食事を運ぶもののように、キチン質の従者が幼体を霊廟に運んできました。ダガーが掲げられ、ダガーの持ち手の唱えた言葉は翻訳されませんでした。私は死の一撃を見たくなく、目をそらしました。刃が肉に入る音と、血の溢れる音がしました。

    従者は身の毛もよだつ死体を片付け、一瞬で消える前にお辞儀をしました。ディナーは供され、様々な種たちは満足したようでした。食事というよりも残虐さの象徴性を味わったためのようでした。象徴というものは、そのようなクリーチャーたちにとって、力を持つものなのだと、私は自らに言い聞かせました。

    上を見ると、伝説的なアラガッダの仮面君主たちが見えました。

    勤勉の面被りし白の君主 - 細い目、殆ど一直線の口の陶器の仮面。

    嫌悪の面被りし黄の君主 - 眉が刻まれ、口は憎たらしい冷笑に曲げられた陶器の仮面。

    陽気の面被りし赤の君主 - 目は躁で見開かれ、笑みは頬から頬へわたる陶器の仮面。

    苦悩の面の着用者である黒の君主の気配は見えませんでした。それは驚くことではありません。それは忘れられた次元の淀みを彷徨うものです。原因は自然における政治的なものであったと書かれていますが、詳細は不明です。そのような場所での宮廷陰謀というものを想像することは困難です。

    突然の震えとともに私の羽が逆立ちました。私の二つの心臓の音楽を不協和へと変化させながら、恐れがその螺旋を巻き始めました。しなやかで艶やかに黒い来訪者が、荘厳に入場しました。媚びへつらう道化師と、張り子の護衛の一団を伴いながら。それはマスクをしておらず、その顔のない容貌は舞踏会では異様でした。

    アラガッダの大使のいる前では、私の希望は暗くなりました。

    その称号は誤りでした。その名称ではその力と威光の完全性を指し示すことはできません。アラガッダの大使は吊られた王の声であり、その意思は宣言となり、仮面君主たちでさえその操られた頭を垂れました。

    私はなけなしの勇気を振り絞り、とっさの退却をしました。宮廷は迷宮で、韻も道理もありませんでした。物理の神は酩酊しているようで、伏魔の街に曲げられ、上も下も意味をなしませんでした。

    私は自分自身に何度か出会いました。それは常にどこか到達不可能 ‐ 私の過去や未来の反復 ‐ な場所にいました。私の盛装は赤、黄、白、黒で、そして全くけばけばしいものでした。私はどうもアラガッダ風の服装を推進することに、時の絡み合いよりも関心を持っているようです。

    そしてその時、恐怖の若芽を感じました ‐ 見えない脅威がすごい速度で迫ってきました。

    私の記憶があるべき場所には、私の到着に気付くこともなく、虚無がありました。自らの無知の中で裸で、私は冷たい陰鬱に抱かれたかのように震えました。風は哀れみ、悲しみの歌を歌い ‐ それが消えるとき、私に警告をささやきました。「ここには悲劇がある。」

    私はアラガッダの影、錆と腐敗と苦悩の融合物 ‐ 全ての終焉にある死した街を見つめました。その空虚な通りを彷徨い、引き裂かれた看板や割れたガラスの上を歩きました。積もった埃が足跡を残し、私の不注意な曲がりくねった歩行を通して景色に命を与えました。宮殿は廃墟となり、かつて荘厳であった門はその蝶番から割かれていました。

    移り気の美徳の広間には生命はなく、欠乏と空虚の墓でした。部屋の中央には大きく開いた穴 ‐ いえ、ただの穴ではありません、感染した傷口より悪い何かがありました。粘性の膿汁が割れ目から吹き出し、琥珀色の物質が、失敗した創造の病んだ臭いとともに流れ出ていました。

    私は傷口に入り、アラガッダの臓腑の中を泳ぎました。私を圧倒したものが、ここまで追ってくることはないと確信していました。私は最初からこの役割を演じることを最初から運命づけられていたのでしょうか?私が今いる場所から、人形を操る糸が見えます。私が降りてきたときのことを殆ど思い出せません ‐ ただ、隠されたものを見たいというひとつの欲求がありました。私は学者でした、探索者でした、そして私の役割をよく演じようとしていました。

    時間と空間の壊れた法則が、再び私をあらゆるところへ出現させました。セピア色の霧に隠され、アラガッダではありふれていた絢爛さを奪われた粗末な石造りの、窓のない部屋。そのベールに隠された廊下に私は名前を感じられませんでした。円熟した書物の臭いで飽和した、病んだ蒸気が私の周りを滑りました。反対側の壁には、下へ下る螺旋階段があり、その段は粗雑で不均等で、上にある街(あるいは下、私にはわかりませんでした)に比べ比較的原始的でした。

    そして、読者には退屈でしょうが、さらなる階段の凡庸さを感じながら、私は進みました。私は自分がまるで物語の、三百万の不自由の沼を抜け探索したという、菌類の冠をかぶったザイゼウスXitheus, Retainer of the Fungal Crownになったように感じました。一歩一歩、まっすぐに進みました。底に近づくにつれ、私は知らない言語のささやきを聞き始めました。もしそれが作りごとだったならば、おそらく陳腐だったでしょうか?しかし私はその混沌の言葉は、深く冒険しすぎたことへの普遍的な警告だとわかりました(より深くお知りになりたいならば、異世界の法則と普遍なるものをお読みください)。

    一歩、そしてまた一歩、私は自分の魂が炎に爆ぜるのを感じました ‐ エゴを生贄に捧げ、霊魂の残滓を風に燃え殻として投げました。想像の及ばぬほど巨大な何かの重力に引かれて、周りへ周りへと私の欠片は渦を巻きました。私はまるで ‐ 太古の知性の前の、逃亡者の感傷のように考えられました。

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    ここにて夢見る死者の中で、

    私は天空を彷徨う

    灰、

    残り火、

    そして燃える羽根。

    風に運ばれ、

    まるで私の翼が痕跡器官ではないように

    殺意を秘めた重力で

    私は地面に繋ぎとめられる。

    私は引き裂かれるために、

    再構成される、

    もう一度、

    そしてもう一度、

    あらゆる足跡

    かつて私が何であったかを示す、

    再生された忘備録。

    私は罪人の手の上で、

    血となった。

    私は私自身の喉の周りの

    輪縄となった

    死より出でて私は

    現実に一歩近づく

    混沌の中心から、私の破片は大いなる叫びの振動、狂える苦悶の生の放射を感じました。物質と形は、実存の傷の周りに引き合い集まりました。神聖でもなく不浄でもなく、吊られた王は形をとりました ‐ 私の自我の欠片も、玉座の間の壁と、地下牢へと結実しました。

    ベールをかけられた実体が、茨の輪縄で窒息させられ、手枷、鈎、槍で繋ぎとめられて玉座の上で苦悶していました。そこでは、宇宙的な叫び声で留められ、アラガッダの大使が立っていました。吊られた王と比べると小さく見えましたが、二体は似た表情をしていました。その類似は、彼らの王国の市民にはないものでした。

    吊られた王はその拷問者に、王の尊厳というよりはもっと根源的に、突きかかりました。彼らは息をつき、大使は冷酷に、落ち着いて、そのベールを漆黒の手で上げました。

    顔の代わりに、私は虚無の容貌を見ました - 神の形をした穴。

    全ては虚空でした。

    最初に慣れ親しんだ芳香が来ました ‐ バニラの兆候、一滴の柑橘、そしてカビのにおいに固定されました。

    私は目を見開き、ランタンが幽玄の炎で照らすのを見ました。本棚は秘術と現実の書物で溢れていました。

    私は指を私の左の粘土の容器に落とし、中身をかき回しました。満足して、私はインクに浸された爪を取り出し、羊皮紙の巻物の上に置き、そして私の経験を記憶から書きおこし始めました。

    気まぐれのイッキスIckis the Wayward、クル=マナスの堂守 ‐ 幽界を歩くもの、天の海を渡るもの、そして次元の深みを探索するもの。



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    サーキシズムへの人類学的アプローチ

    人類学部門、マシュー・デスマレMatthieu Desmarais博士

    前書:
    我々の サーキシズムへの理解はここ数十年で劇的に変わりました。この情報は、当初仮説付けられていたような単一の信仰系統からは全く違った、多様で変化していくパラダイムを明らかにするものです。我々は今では、サーキックの宗教、その様々な教派と文化的伝統に関してより多様で、さらに詳細な像を描くことができます。

    現代的な教派は異なった解釈の産物であり、多くはその古代の前身となるカルトとの、単に表面的な類似を帯びるのみです。最も予測していなかったこと ― 特に私のようなサーキシズムの初期の研究者の間で ― はその創設者たちの、見かけ上は善なる意図でした。よく言われるように、地獄への道は善意で舗装されている ― 財団が常に心に留めおかねばならない警句ですが、我々と彼らの間には永遠とも言える距離があるにも関わらず、まさに同じ深淵を覗いているのです。

    そして古代のサーカイトと同様、我々はそれが怪物に満ちていることを発見しました。

    デスマレ博士は、自身を大きな危険に晒しながら、サーキシズムのより良い理解と、そのいまだに変化していくパラダイムを、現存するコミュニティの研究を通して ― 滅びゆくものや、アーティファクト、そして死すことのできない死者を明らかにして ― 探索しています。その手法は非典型的(少なくとも財団においては)ですが、彼の業績は否定できず、継続した支援に値します。

    ジュディス・ロゥ博士、歴史部門上級顧問―宗教的GoI脅威分析担当。

    ケーススタディ02: プラハのディヴォジ

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    ディヴォジに所有され、居住されている集合住宅。

    概要:

    ディヴォジDivoši(スラブ語の"divoch"に由来し、異教徒あるいは蛮族を意味します)は中央ヨーロッパに居住する隠れサーキック137です。私の研究はついにチェコ共和国の首都であるプラハへと私を導きました。そこは都市部に居住するディヴォジのコミュニティの住むところです。血統の侮辱、排斥、強制的な改宗、そして虐殺 — ディヴォジの歴史は迫害に彩られています。そのような出来事により、彼らは禁欲的で厳格で、サーキックの平均と比較してさえも外部の人間に対し疑い深い人々となりました。彼らはその秘密を維持するために苦しんできており、彼らの信頼を得ることは難しいでしょう。

    歴史:

    ディヴォジは紀元前1200-1000年のサーキックの流浪に続いてこの地域に来ました。アディウムの陥落後、サーキシズムの信者たちは孤立し、分散して、ユーラシア全域へと拡散しました。この出来事は、サーキックのカルトと文化集団の広範な多様性の主要な原因と考えられています。

    ディヴォジは当初ラインラントに定着し、紀元700年代後半のカール大帝によるキリスト教化までの間、ゲルマン族やスラブ族の中で比較的平和に暮らしてきました。その他の異教徒と同様、彼らは強制的な改宗や追放の犠牲となりました。中世を通じて、異端および/あるいは魔女として告発され火刑に処されました。近代の始まりまでは、ローマ人やユダヤ人とともに、それらとの目に見える関連は無いにも関わらず、虐殺されました。1600年代までには、生き残ったディヴォジは、チェコ人の寛容さのもとで138ボヘミアやモラヴィアに移住しました。

    しかしながらプラハを安全な避難所とした他の人々と同じように、ディヴォジも1938年から1945年のドイツによるチェコスロバキアの占領の間、多数の犠牲者を出したと思われます。ディヴォジによる記録では、20世紀初めにヨーロッパ全土でおよそ12,000人いた人口は、1945年には600人前後まで減少していました。アーネンエルベ・オブスクラ軍団139にその異常な性質が知られ、生存者も人体実験を経験しましたが、彼らは辛くも絶滅を免れたと考えられます。

    財団はディヴォジを、その後間もなく解放されることになるテレージエンシュタット強制収容所近くのナチスの最高機密科学施設アイゼンブルートの被験体として発見しました。彼らのリーダーであるカルキスト・ナキアッケンNakiakken(SCP-████)との間で取引が行われ、名目上は財団のコントロール下ではありましたがそれらのサーカイトたちは通常ではありえない自由を喫する事となりました。カルキスト・ナキアッケンは無抵抗で収容下に入り、協力を約束したことにより、この条件を引き出しました。この取引の詳細は現在はプロジェクト・シトラ・アキュラに認可された職員にのみ閲覧可能です。このプロジェクトのシニア・メンバーであるジュディス・ロゥ博士は私に、財団は当初取引を拒否し、ディヴォジの人々に敵対しようと試みたと伝えました。彼女は詳細を明かすことを認可されていませんでしたが、カルキスト・ナキアッケンには非常時の計画があり、それが財団に交渉せざるを得なくさせたようです。

    文化、伝統、そして迷信:

    ディヴォジは、ナラカNälkä140を彼らの信仰の精神的なガイドラインとするものの、自らの宗教を罪食らうものの教会The Sin-Eater's Churchと呼んでいます。外部的に彼らの宗教と文化を偽装しようとする努力は、不注意にも内面的な伝統と信仰への混交的な変化を招きました(言い換えると、秘儀的、開放的の両面の伝統と信仰は、アブラハム系、ペイガニズム系、及びサーキックの影響の混合物へと発展しました)。この例には、サーキックのハギオグラフィー141にそぐわない「聖人(svatých)」の存在があります。彼らの崇拝は、崇高なるカルキスト・イオンや彼のクラヴィガルに限定されていません。

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    聖アンタル(左)と聖イマンタ(右)を描いたフレスコ画。

    そのような聖人には以下のようなものがあります:

    • アンタルAntal、三度帰りしもの — 復活142、変形、そして子供たちの守り手の守護者。
    • ビエラBiellá、神々を貪るもの — 戦士(特に信仰の守り手)、自己犠牲、そして神々やその地上への使いへの反抗の守護者。
    • ヨングJoŋgu、毒の月 — 医療、錬金術、治療者の守護者
    • イマンタImanta、肉飼い — 助産婦、外科医、屠殺業、そして肉の工芸art of fleshcraftingの守護者。
    • ミランMilan、慈悲の赤き鈎 — 正義の暗殺者、死刑執行人、そしてその他の正義の執行者の守護者。
    • サボルツSzabolcs、灰色のもの — 公正な法と良き統治の守護者。
    • ウクサーシカUksáhkká、真夜中の蠕虫 — 追放されたもの、貧困に落ちたもの、病にかかったものの守護者。
    • イラーサスYrathas、不屈のもの — 職人、骨の折れる仕事を耐えての勝利の守護者。

    ディヴォジは社会的に自己を隔離しています。ほとんどの一般市民はディヴォジに気づかず、その異常な性質を知っているようには見えません。ディヴォジは主に異常な手段でこれを達成しますが、このような小規模なアノマリーは結果として正常性を保護することにより、財団の利益になっています。このアノマリーは外部の人間から彼らがどのように認識されるかを変調させるように作られており、彼らとその住居/寺院が特に気づかれにくく、容易に忘れられる、あるいは無視されるようにします。この効果は伝統的に生物化学的溶液(ネメスnémeth143と呼ばれています)と、ディヴォジの建造物に書き込んだり、人物に入墨された反ミーム的認識災害シンボル(ウルマūrmaと呼ばれています)によって発揮されます。

    ウルマの使用は特に特筆すべきものがあり、受け取られた情報が記憶されるのを防ぐ効果があります。例えば、対象が路地を見たとき、その情報は目から脳へ障害なく転送されます。しかし、路地の入口に特定のウルマが描かれ、あるいは彫り込まれていた場合、対象が見た情報は認識されますが、脳へ解釈されることができません。このような情報のギャップを人間の精神はうまく処理できず、代わりに周囲の環境をもとに最も有り得そうなもので埋めようと試みます。財団によるテストでは、ほとんどの被験者はただの壁や、濃密な植物、一例では警察のバリケードを認識しました。ウルマはドアを消えたように見せたり、人間を認識されないようにしたり、書かれた文字を隠すため等の用途に用いられます。ディヴォジはウルマをクラヴィガル・ナドックス144が発明したものとしています。

    戒律はディヴォジにとって特に重要なものであり、罪食らうものの教会はユダヤ教やイスラム教と同程度にこれらに関与します。一見するとサーキックの戒律と、一般社会の宗教的戒律や世俗の法律との間にはほとんど違いがないように見えるかもしれません。殺人、強姦、窃盗、暴力は禁止されています — しかしながら他の文化や宗教と同様に、これらの一見直接的な禁止事項は解釈の余地があるものです。これらの特定の戒律には以下のようなものがあります。

    • "汝肉を生にて食ふべし。炎にも贅沢145"にも触れらるべからず。
    • "汝の預言者、すべての罪を貪るものを讃え、彼の名を徒に呼ぶべからず。"
    • "汝は第3の目を開き、感覚を呼び覚ますべし。汝は酔ひにより自身を真実より封ずるべきならず。"146
    • "汝あらゆる形の堕落を慎むべし。"
    • "汝ジャカjaka147の道を強めよ。邪悪へ対せぬことはそれ自体悪なり。"

    ディヴォジは外部の人間を歓迎しませんが、そのことはその歴史と風習を考えると予想できないことではありません。財団を通じて、そしてその様々な合意と脅威を持ってのみ、私はこの人々を研究できます — そしてこのことを持ってしても、彼らに私の任務を尊重させることができるわけではありません。インタビューをすることはとても難しいことでしたが、若い世代への接触にはある程度成功し、不可能ではありませんでした。

    正式な認可申請はO5評議会により以下の条件下で承認されました:

    • イベントはプロジェクト・シトラ・アキュラに監督される。
    • ディヴォジに捕縛されたものはD-クラス職員として分類される。
    • MTF-プサイ-9("深淵を見つめるもの")により警備される。
    • アノマリー/異常な現象は指定された儀式の場から出てはならない。
    • 儀式の場には録音/録画機器が設置される。
    • 異常な肉体の生成や変形が発生しそうな場合、組織サンプルは確保され、財団職員のもとに届けられる。
    • 職員の大部分は儀式を30秒の遅延のあるビデオフィードを介して非直接的に観察しなくてはならない(発生しうる認識災害に対する防御手段)。

    公的なレポートは申請すれば取得できますが、特定のファイルはレベル3以上のクリアランスを要求します。以下は私のイベントに対する個人的な観察と意見です。O5の要請により一部が抹消されています。

    「裁き」を見学した後、私は休暇を取ることが最良と考えました。私の休暇はトモコ・ムソウ博士からの特別要請により中断されました。ムソウ博士は単に彼女の担当する収容棟の、SCP-████ — カルキスト・ナキアッケン、確保収容されているディヴォジのリーダーの要請を伝達したに過ぎませんでした。私はこの実体に会うために、ドイツのヒューマノイド収容サイト-486へと向かいました。

    SCP-████との私の前回のインタビューを振り返ると、私が敵意を生じさせてしまったと思わずにはいられません。裁きの心をかき乱す記憶と、SCP-████の独特のコミュニケーションによるストレスが加わり、私はインタビューには不適切な心理状態でした。私はSCP-████と多数の手紙を交わし、我々は2度目のインタビューに同意しました。そのカルキストは結局の所、他では得られない情報を知っているのです。

    この新たな情報を持って、財団の考古学チームと共に私はドイツへ移動しました。数日間の発掘の後、我々は明らかに骨をベースに構築された村の廃墟を発見しました。骨となった死体、多量の灰と焼けたものの残骸も同様に発見されました。その場所で虐殺があり、村は意図的に破壊されたと結論されました。

    死体の中には、異常な遺骸も発見されました。シカ類と人間の両方の特徴、及びその他の変異を呈し、カルキストであることを示すヒューマノイドでした。骨は硬いタールと同様の粘度と粘着性の油状の黒い物質でで覆われており、死亡時の形と姿勢を保持していました。死体は膝をついて頭を低くし、腕で未知の物体を抱き込んでいました。遺骸は掘り出されて検視のためにサイト-282へ移動され、多数の錆びた矢じりや剣が身体に刺し込まれているのが発見されました。

    この遺骸は、ディヴォジの記録によるとおそらく紀元774年にカール大帝の命を受けたキリスト教徒の兵士により殺害された故カルキスト・ヴィエクダのものであると仮説付けられました。石製のパズルボックス161が遺骸から回収され、おそらくはカルキストはこれを守りながら死亡したと思われました。サーキックのパズルボックスは以前考古学的発掘現場やネオ-サーキックのカルト構成員の個人的コレクションから発見されており、失敗した試みにより発動する異常な罠の存在により極めて危険と考えられました。

    幸運なことに、これらの抑止手段(通常化学的もしくは生物学的な薬物を放出する162)は生命体に影響するように作られており、非生命の素材には効果はありません。そのため、財団は無菌の密封された環境下において、遠隔操作の機械を用いてパズルを解くことが可能でした。パズルボックスには以下のものが内包されていました。

    • 骨のフルート: このオブジェクトは非異常性であり、感情上の理由により容器内に保存されていたと思われます。この楽器により奏でられた音楽を聴いたものは、"陰鬱"かつ"取り憑かれたように美しい"と表現しました。
    • 金の鎌: ローマの歴史家、タキトゥスは金の鎌はドルイドの儀式で用いられると報告しています。サーキックの武器や道具は伝統的に骨や同等に強靭な生物素材から作られているため、この金の鎌は贈答品であり、おそらくはサクソン人からのものであると仮説付けられています。
    • 編み細工の人形: オブジェクトは非異常性であり、骨のフルートと同様、感情上の価値があったと仮説付けられています。
    • 黒森写本The Black Forest Codices: この写本は何らかの異常な機序により形を変え続ける記号により記述された不明な言語で書かれた13巻の古い巻物です。文書は財団にとって新発見となるものですが、いくつかの記号はサーキックとダエーバイトの筆記法の両方で見出されるものです。巻物は不明な動物の皮でできており、およそ紀元前1100年のものと測定されました。インクの分析により、全てではないにせよ主要な成分は血液であると示されました。黒森写本を翻訳する試みと同時に多数の異常な事案が発生し、そのためこれらはSCP-████に再定義されました。これらの巻物の多くにはナドックスの紋章が含まれています。
    • カルキスト・ヴィエクダによる滅びの唄: カルキスト・ヴィエクダの著作物を書き込んだ巻物です。文書はおよそ紀元600年のものです。後期アディタイトからの翻訳が以下に掲載されています:

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    Credit to Perelka_LPerelka_L.

    日は昇り、ナドックスは彷徨っていた。

    どこから来てどこへ行くのか、ダエーワの時代には、それは重要な問題であり、血塗られた玄武岩で刻まれた未だ痛む傷に呈される疑問であった。そしてそれはやがてイオンへの彼の義務に、今はそれ自体の答えに呈されるようになった。時々、ナドックスはそれが未だに問う意味のある疑問なのかを疑った。何時、何故、何を、如何様に……全てがもう少しだけ重要に見えた。

    それとは無関係に、季節の巡りと共に書庫は建てられ滅び、無知と知識は同じ程度に膨れ、様式は生まれ同じ不可思議な終焉へと向かった。その全てはナドックスの脚には遅すぎ、臓腑に開いた恐れの穴には速すぎた。書物はただ多くを語り、知識は山々が血を流すたび谷へと流れ込んだ。しかし時と共に景色は変わり、ナドックスには時間があった。

    日は落ち、ナドックスは彷徨っていた。

    啓発、神化、準不死……それらが存在の至高だとしても、不死の放浪者は未だ彼の不具の形象に囚われ、ナドックスは周囲の人々を哀れんでいた。彼には膝をついて玉のように丸まり、叫びたい時があった。そうするためのわずか数秒の幸福を、彼の存在が続く前に、アルコーンの踵が汚泥の上に彼を潰す避けられぬ運命の前に、世界を止めることを願ったことが。最も暗い世界の片隅へと這い、許されるだけの長さ静かに横たわることを願ったことが。ナドックスはそのような時があることも、その頻度がイオンの消失以降増えていることも恥じた。

    食事、飲水、睡眠、それらは負債であり、神化への過程で捨てられるものであり、神々が残酷にも卑賤なるものに科した下劣で基本的な欠乏であった。肉体的には、ナドックスはそれらなくして歩むことができたが、精神的には、彼がかつてそうであった今は遠い受難者の断片が、周囲の希少な生命を嫉妬深く見つめていた。彼は肉の味を、飲物の冷たさを、夢の平穏を惜しんだだろうか?あるいは狩猟を、日々の糧を得るための労務を惜しんだだろうか?

    もしかしたら、彼は失った人間性を惜しんだのかもしれず、もしかしたら、彼はいまだ人間であったのかもしれない。千里眼は全てを見た。あらゆる論理、あらゆる証の断片、あらゆる矛盾の断片を。挿入された静脈は失われた心臓へと血液を返し、そこでは全く収まった動脈が千の臓器を養うのを我慢強く待っていた。

    ナドックスの足は痛んだ。彼はそれらを使ってもいなかったのに。


    遠視能力のある目がナドックスを遠くから観察し、捕食者と獲物の言外の縁を結んでいた。ナドックスはただ気づかずに捕らわれていたわけではなかった。むしろ、彼は注意に満ちた状態でいることしかできなかったのだ。彼は歯車の回転を、蒸気の噴出を、壊れた神の平坦な発声を聞いた。

    ナドックスは歩みを遅くし、不審に思われることなく彼と彼の追跡者の距離を縮めた。剣を抜く音が、歯車仕掛けの加速する音が、単一の目的に向かってエンジンが発火する音が近づいてきた。奇妙なことに、ナドックスは暗殺者と思わしきものに最初に攻撃することを許した。刃は彼の脊椎を突き抜け、身体を曲げて現れつつある星々と向き合わせた──今夜の夜空は幾分美しくなりそうだ。

    「死ね、サーカイト!」メカニトの叫びはブリキのような響きがした。彼の変換は不完全だった。「Mekhaneの永遠の設計のもとに、清められよ!」

    ナドックスの縫い合わされた唇はあと少しで微笑みと言えるものまで曲げられた。以前貫かれたときから少なくとも二つの千年紀が過ぎていた。ナドックスが追跡者に気づいたときから、追跡者がナドックスをより低級の肉飼いと思っていることは明らかだった。

    ナドックスは、攻撃者に彼の間違いの深刻さを説明しようと努力した。

    不安定な肉が彼の傷口から吹き出した。のたうつ塊は彼の張った、内包する力を見せる皮膚よりはるかに大きかった。骨は砕け、新たなる四肢を支えて再構築された。筋張った触手が、変態を済ませた昆虫のように彼のかつての殻を裂いて現れた。百の拳が形成され、蓮が咲くように指が広がり百の瞬きもしない目が現れた。彼の上昇した形の真実に讃えられ、彼は空へと突き立った。

    殆どのものは、恐怖に逃げるか、崇拝のために膝をついただろう。ナドックスはすでにこの男は違うと予見していた。その姿に怯まず、真鍮の戦士は彼の刃をのたうつ依代から引き抜き、戦いを再開した。

    愉悦する好奇心が百の肉の手を押し留め、真鍮のそれらを是認した。メカニトはナドックスの割れる肉を裂き、裂き、裂き、斬って突いたが、さらなる肉を露わにするのみだった。彼の得た成果は、彼の刃よりはるかに速くナドックスに再統合されたが、奇妙にも彼は戦い続けた。

    しかしメカニトの精神は彼の神の力を受けた武装へと流れており、ナドックスは観察は終わったと考えた。

    一撃でメカニトは砂丘の間を放り投げられたため、二撃目は無駄となった。メカニトは体勢を整え、ナドックスの百の手による攻撃を避けるのに辛くも間に合った。ナドックスの次の攻撃、気怠げな手背が、彼の敵の武器に受け流され、その分メカニトは時間を稼いだ。

    今や守勢となり、メカニトは飛び下がった。突撃するには近すぎ、しかし刃は届かなかった。彼は時間稼ぎをしている。ナドックスは焦りひとつ浮かべずにそれを知れたのだろう。

    メカニトは走り、転がる肉の塊がそれを追いかけた。それは無駄だった。メカニトが先に走り始めようと、ナドックスがより速かった。同じ砂丘を巡ることは、ナドックスに遥かに優れた駆動力と、進路の正確さを与え……

    ……そしてナドックスは手遅れになってから気づいた。旋回力は落ちていた。

    メカニトは側方へと身を投げ、勢いのままナドックスの進路から直角に退却を続けた。慌てて、ナドックスは自らの動きを見誤り、大きな円弧を描いてメカニトの眼前を通り過ぎた。奇怪な動きはさらに目標から逸れていったが、にもかかわらず、目の眩むような軌道は彼の敵を取り囲んでいた。

    ナドックスは渦を描いて着実にメカニトへと近づいていった。しかし狙いをつける時間はメカニトに避け、さらに時間を稼ぐ方法を考える時間を与えた。

    そうであったので、ナドックスはメカニトの逃走を予測するよりも前に、数百の手で自らを地面に釘付けて停止した。その手のひとつが敵を捕らえるために砂の下から伸び上がった。

    再び、ナドックスはタイミングを見誤った。自分はずっと、瞬間的な素早い対応をする必要があったことなどなかったなと彼は思った。メカニトは彼の指を滑りぬけ、本能的に指の関節の間でバランスをとった。彼には選択肢があった。落とすか、そのままでいるか。結果的にはほとんど違いはなかった。

    メカニトは飛び下がり、そのまま短い破裂音がした。

    ナドックスには時が止まったように見えた。

    ナドックスはメカニトの角度を、メカニトの姿勢を、メカニトの軌道を、樋の上の松脂のように流れる砂漠の空気の粘性を分析した。彼は決死の形相に歪むメカニトの顔の装甲を分析した。止まった時の中で、ナドックスは統合された映像を心に浮かべ、それに意味を与えた。そして彼の肉塊の中心に向けられたメカニトの武装を分析し始めたときは、すでに手遅れだった。

    ***

    痛み。

    迸る痛み。

    苦痛に満ちた喘鳴がナドックスの幾多の呼吸器系から漏れ、それらを繋ぎ止めていた結合を無益に引き裂いた。まだ熱で焼ける音を立てる溶けた肉が彼の体を流れ落ちた。衝撃が彼の体を後退させ、あらゆる微細な瞬間ごとにさらに肉が溶け落ち、砂を赤と白と茶に染めた。

    ナドックスの中に肉体の叫び声が響いた。それはナドックスが死につつあることを、何度も何度も死に、何度も何度も、そして何度も何度も死ぬであろうことを、それでもなお生き続けるだろうとナドックス自身が認識していることを、同時にすでに死んでいるのであろうことを叫んだ。

    ナドックスは砂の下へと退却し、そして待った。

    表層の下の冷たい砂は彼に考える時間を、計略を練る時間を与えた。どれほど彼の肉体が否定しようとも、ナドックスは生き続けるだろう。だがその考えは、彼の焼かれ、疼く肉を鎮めることはできなかった。去勢、縫合、強制された沈黙、ナドックスはそれらの苦しみに慣れていた。だが信仰の炎は全く別の問題だった。彼が再生するためにどれほど長くかかろうとも、それは残るだろう。

    メカニトは目障りだ。アルコーンの厚意によって遣わされた時間の無駄だ。彼は死ななくてはならない。

    ナドックスの周囲に肉の触手が突き出し、砂を掘り進んだ。触手が地上の動きを感知し、千里眼が地上の生命の精神を探った。高速で流れる知覚は即座の理解を困難にし、焼かれた肌の感覚がさらにそれを歪曲した。潰されまいと焦る蠍。食物を探して当惑した蛇。殆ど死んでいる低木。メカニト。ナドックスの一部であった、あるいはそうではなかった無数の砂の山。

    砂は流れ、メカニトも流れた。生物たちは穴を掘り、あるいは駆けていた。ナドックスは、何がどこに立っているのかを痛みにぼやかされながらも、そのようなものを地表に感じていた。次第に明瞭になっていき……

    今だ。

    ナドックスはメカニトの足元の砂から現れ、彼を腕と触手と尖った骨で飲み込んだ。メカニトの抵抗には意識を払わなかった。そのようなものは肉の繭に包み込まれては無為だった。

    メカニトの脳は、それと彼の金属の姿をつなぐ緑柱石青銅の殻とワイヤーとは対照的に、手を加えられておらず人のままだった。四角い穴の丸い釘のように場違いに、青銅に嵌まり込んだ肉は、ナドックスによりすぐに取り除かれるだろう。

    ナドックスは何故自分がメカニトの精神を覗いているのか、理解できなかった。

    メカニトの脳の皺の向こうから、デルデケアスと言う名の男が見つめていた。

    デルデケアスはMEKHANEのレガーテ・フェイスフルであった。彼はそれまで、ナドックスを砂丘の影に、低木に、岩と木に隠れて追い続け、三日と半日不眠であった。好奇心が記憶の回廊を、共に彷徨う仲間を欲する渇望を舗装していた。だがそれは、彼をFLESHの使徒と見出して、裏切られた。

    デルデケアスはMEKHANEの導きのもとに、より良い、より理性的な世界を欲していた。彼は求めた。秩序を、安寧を……神化を?FLESHの、ヤルダバオートの、緋色の王の、蠕虫の形をした穴を作ったものの支配を終わらせるために。

    ナドックスは止まった。

    デルデケアスは恐怖を感じ、裏切られていた。仲間を求めて、彼はサーカイトに、FLESHの堕落の生きた遺物に対峙した。いつもの浄化であるべきだった戦いはその顎で、確実な死の籠に捕らわれて終わった。MEKHANEの聖なる武具すらも彼を救えはしない。

    デルデケアスは死のうとしていた。

    デルデケアスは死にたくなかった。








    ナドックスは体を伸ばし、メカニトデルデケアスをその身から吐き出した。

    ***

    五度日は落ち、五度日は昇った。

    デルデケアスは賢かった。彼は強く、我慢強く、刃と炎を操る恐るべき戦士だった。彼は諦めず、速く、情熱があり、そして最も重要なことに、彼は人間だった。

    六つの昼と五つの夜の間、デルデケアスはナドックスを攻撃し続けた。灼けたガラス、崩れた砂丘、ナドックスの血の川、全てが彼らの長い戦いを描写する様々な攻撃、交戦、個人戦技の印だった。デルデケアスは軍勢の獰猛さと穴熊の勇気で戦った。勇気が溶け消えると同時に、獰猛さも衰えていった。

    おそらくは六日目の正午、デルデケアスは突撃の四歩目を踏んだところで足元を誤り、砂の上に仰向けに転がった。

    彼の突進を支えていた炎は弱まり、彼の目へと戻った。彼はナドックスを睨む以外何もできなかった。彼は頭の中で、「それに値する」FLESHの従者の手で死ぬことは怖くないと自らに嘘をついた。

    ナドックスはただ見つめ返した。

    ゆっくりと、着実に、彼は変形した。骨は鳴り臓器は裂け、ありえない小さな旅人の形へと圧縮した。砂漠に伸びる影は普通の人間の形へと縮んだ。

    デルデケアスは笑い、それから意識を失った。

    ***

    デルデケアスはナドックスに三時間遅れて目を覚ました。

    ナドックスは明らかにあまり注意を払っていなかった。彼の意識は最後に訪れた町で買った数点の巻物に向かっていた。彼の頭部を突き抜けた刃はほぼ奇妙にすら感じられた。

    "目覚めたか。"ナドックスの頭部の肉は収縮し、刃をゆっくりと吐き出した。"よく眠れたのだろうな。"

    ナドックスは次の拳を自由な手で受け止めた。「俺の心から出て行け、サーカイト!」デルデケアスは半ばやる気なく彼の側面を蹴った。それは何にもならなかった。今は戦う意志はあったが、殺そうという意志はなかった。

    "すまないが、それはできない。"巻物にはあまり価値はなかった。ナドックスはメモをとってから、次の街で売ろうと思った。"私には舌が無いのでな。"

    デルデケアスはナドックスの肩越しに覗き込むために膝をつきながら怒鳴った。「お前は俺の言葉を話すが、お前の文字は……ダエーバイトか。」

    "そう生まれた。選んだわけではない。"

    「お前は……」デルデケアスは勢いよく立ち上がり、苛立ちから叫びそうになって自らの肩を抱いた。次に話そうとして、抑えきれなくなった叫びに中断された。デルデケアスは落ち着くために数分置いてからやっと話しだした。「そうかい!お前は誰だ?」

    ああ、もうわかった。ナドックスは研究の道具を鞄へしまい、立ち上がった。"クラヴィガル・ナドックス、'千里眼'。失礼する。"ナドックスは歩き去ろうとした。

    ナドックスが一歩歩くと、メカニトは更に一撃を加えたので、去ることはできなかった。武器でというよりも、言葉で。

    「クラヴィガル!まだ終わってないぞ!」デルデケアスは砂漠用強化の優美とは言えない振る舞いで追いかけた。もしナドックスが望めば、それが神化に比べれば役になど立たないものであるかを思い出させる事ができた。「どこへ行くのだ?何を目指すのだ?」

    ナドックスは沈黙していた。舌があったとしても、何を言えばよいのか?

    「千里眼が全てを見通すならば、あと何を見るというのだ?」後ろから、デルデケアスは歩調を合わせた。ナドックス自身の歩く速さは、そのような移動しながらの尋問を可能にした。「俺はお前を見た。お前は何も変えない、何も書かない、何も言わない。お前は観察する。だが肉は単純ではない。ならば、何を目指すのだ?」

    ナドックスの足元の砂が熱く流れ、その感覚が強くなり彼は立ち止まった。"研究だ。私は研究をしている。"

    ナドックスが立ち止まっても、デルデケアスは歩き続けた。熱い砂と長時間接して焼かれないよう、猟犬のように彼の周りを回った。ナドックスは自分の心が、強い、しかし彼の頭蓋よりも薄い好奇心の虚飾に隠され、足と同じように落ち着かなくなっているのを感じた。混乱と焦りの間で迷いながら。「ハハッ!千里眼が研究と言うか。パズルのピースでも探しているのか?」

    デルデケアスの命を助けたのは過ちだったのかもしれない。もしそうならば、過ちは続いていた。始まりの過てる日々、イオンの言葉の不十分な理解。そうでなければ一瞬の怒りに過ぎないのか?

    砂が焼いた。

    「ああわかった。お前にはわかっているんだろう。」デルデケアスは本当は感じていない、虚仮威しの優越を演じながら立ち止まった。「ピースはあるが、あー、パズルの間違った場所に嵌め込んだというところか!」もう一度歩き出して言った。

    ナドックスも歩き出した。半分は務めのために、半分はデルデケアスの溶けそうな足に配慮して。「お前は証を見た。肉を越えたものが、そこから外れた救済がある。」ナドックスの足元の砂は以前よりも粒が大きくなっていた。心の一部で、熱を逃がすために服を脱ぎたいと考えた。「だがああ、儀式や組織は神々しさの虚飾だ。お前自身やイオンを越えた力への屈服だ。」

    ナドックスは止まった。

    「お前は肉を支配したと思ったが、」デルデケアスは指を一本立てた。「肉がお前を支配した。お前はアルコーンのようにその過大さで自らを包み、その中で転げ回る。そして──」

    ナドックスは瞬きした。そして自分が骨の棘をデルデケアスの喉に突きつけている事に気づいた。

    デルデケアスの目を通して、ナドックスには自らの代わりに、赤く染まった玄武岩の刃を持った、ダエーバイトの女司祭が見えた。

    ナドックスは武器を脇へ捨て、できるだけ速く歩き出した。

    ***

    ナドックスには暖まる必要も、休む必要も、突き出た岩の影で炎にあたって得られるものは何も必要としてなかったがが、今そうしていた。

    熱は長くは続かないだろう。砂漠の厳しい寒さとの対比は激しくなっていった。見える限りには、炎に焚べる低木は十分になく、そしてナドックスはそのような一時的で表面的な理由で脂肪を捧げる167べきか確信が持てなかった。どうなろうと、あるいはどうにもならなかろうと、ナドックスは生きるのだ。

    彼は目を閉じた。










    「……また会ったな。」

    ナドックスの物理的な目は閉じたままだった。

    短くも永遠とも感じる時間の間、デルデケアスの機巧の鳴る音が、夜風と炎の爆ぜる音の作る沈黙を割いた。ナドックスは元いた場所から動かず、胎児のような姿勢で炎に当たっていた。

    "……すまなかった。お前を脅かすべきではなかった。"

    デルデケアスの心は、ナドックスが彼の心を深く覗き込みすぎないように抑制していてさえも、記憶を探られまいと不安を感じた。「俺は……俺は……」風よりも大きく、炎よりも小さく、ナドックスは座ろうとするデルデケアスの旅装の衣擦れを聞いた。「すまなかった。俺は……お前と敵対する必要はなかった。」

    "お前は……謝る必要はないぞ、レガーテ。"デルデケアスの精神の底には混乱に隠され、真の悲しみが、真の希少な感情の欠片があった。"知らなかったのだから。"

    「俺は……そうだったのだろうな。」

    二人は静かに、日の出が炎の最後の燃えさしを風へと消し去るまで座っていた


    続く数日の間、デルデケアスは黙っていた。彼の心は閉じていた。ナドックスはそれを覗かないようにしようとしたが、それは空を見て月を見ないようにするようなものだった。デルデケアスの思考は無の砂漠の中の毒のオアシスだった。

    ナドックスは歩き、デルデケアスは後ろをついてきた。彼の顔の装甲の造形はほぼ無表情であり、ナドックスのローブの動きをようやく捉えられるほどに低く視線を投げかけていた。デルデケアスは気怠げな部品の軋み以外にはほとんど音を立てなかった。ナドックスは彼を助けたが、いずれにせよ死人のように歩いていた。

    ……ナドックスはどういうわけか道に迷った。

    数日間迷い続けた。デルデケアスは必要な質問に対する肯定、否定と、どの方向へ歩くべきかの気のない提言、次第に意味を失う穏やかなメカニトの祈り以外にはほとんど喋らなかった。彼はただ歩調を一定にしていた。向かう先には迷っていたが。

    二人がついに次の町に着いた時、ナドックスは態度に変化をもたらすような景色の変化があり、デルデケアスが少しは安堵して見えるだろうと見込んでいた。しかしいまだ、デルデケアスはただ気怠げに、今は舗装され、行き交う人の多い地面を見ていた。彼はナドックスの旅の、陰鬱な乗り合い客だった。

    ***

    同じ文章。ナドックスは同じ文を読んだことがあった。

    この町の図書館とされた小さな建物は、ナドックスとデルデケアスを除いては無人だった。町の住人は壁の外で静かに、あるいはナドックスの研究から遮音されて彼らの仕事に興じていた。デルデケアスは殆ど動かず、稀にしか話さず、遠くの角に座っていた。結果的に、そこはナドックスの研究に最適な環境、機会となり、ナドックスはできる限り努めたが、結果的に同じ文章に時間を浪費していた。

    デルデケアスは何かを変えた。研究の過程の場違いな一歩か、それとも全体としては大規模なものとなるのか?

    ナドックスは目を閉じた。

    彼はイオンのことを考えた。彼の慈悲深い眼差し、柔らかい言葉の告白、裂かれた肉と臓腑での再生のレトリック、彼らが最後に話した半死の荒野。ナドックスは彼の完全なる美しい形態を、そしてそこに懐妊された悍ましく発生するアルコーンのことを考えた。彼のクラヴィガルがいかに完全なる外科の導きなくして失われたかを、風に吹き散らされたかを。残された究極の疑問を。

    彼の心は彼の旅路へと彷徨った。彼の周囲が次第に堕落していったことへ、貪欲な蝉へ、紫に振動する叫ぶ雲へ、そして無数のその悪辣な眷属へ。

    彼はデルデケアスの精神の皺で見たもののことを考えた。情熱、変化しようとする意思、共通の敵。

    "デルデケアス。"

    小さな金属の軋みが答えた。

    "お前も加わるか?"

    「俺は……」デルデケアスは立ち上がった。すでに十分な回復があったようであった。「どういう意味だ?」

    "研究にだ。"ナドックスが覚えている文書を秘密裏に書き出すことは容易ではなかった、少なくとも、他人と共同しては。それでもなお、デルデケアスは比較的衝撃少なくナドックスの内面を覗くことができることを勘案した。

    デルデケアスは注意深く、ナドックスがこの数週間、与えるべきではないと配慮した警戒を、しかしそれでも与えてしまった警戒を胸に近づいた。テーブルと彼の間の見えない断崖でデルデケアスは止まった。

    空気は固まり、風は静かだった。

    「……警戒したのを、許してくれるか?」

    落ちようとする陽がデルデケアスの目の炎で反射した。

    "もう許した。"

    日没が古い神の物語とともに、その下で生きる者たちの上を通り過ぎた。


    日が昇り、デルデケアスはナドックスについて歩いていた。

    「……わかったぞ。」

    ナドックスは工芸を続けていたが、心の目で振り向いた。 "単純な蝶番関節だ。"

    デルデケアスの顔は青銅のものに取り替えられており、目を細める筋肉の必要はなかった。それでもなお、ナドックスにはかつてあった肉の筋の記憶がそのように試みるのを感じられた。「ああ、だが……構造だ。全体として、お前が腕を作るときの構造を理解した。俺の内部構造もほぼ同じように見える。」

    手を止めて、ナドックスは自らが作ったものを見て、デルデケアスの内部の構造とそれを比べた。

    ナドックスは作業を再開した。

    デルデケアスは、彼らの患者に向き合うために屈んだ。「具合はどうだい?」

    羊飼いの少年は様々なものを感じていた、あるいは少なくとも、羊飼いの少年の思考を通してナドックスは多くのものを感じた。戸惑い、彼の新たな腕への。恐れ、払えないほどの値段を要求するかも知れない二人への。感謝、この状況にも関わらず。その全てが、四肢が再度完全に揃った今何をするべきかという思案へと混ざっていた。

    彼の心が報酬について考え始めると、ナドックスは振り向いて去った。

    日は沈み、デルデケアスはナドックスと共に歩いていた。

    その本は、予想されたとおり、数日前に訪れた図書館とは違う言語で書かれていた。それは問題ではなかった。言語の壁は、はるか昔に、イオンがナドックスに取り組むよう押し付けたものだった。ナドックスが読み取った精神表層の思考の泡からすると、デルデケアスはそれほど幸運ではなかったようだが。

    ナドックスは印を、歴史を、可能な解決策の断片を書きとめ、あらゆる欠片を書かれた記録へ、小型の図書館へ、アルコーンに対抗する個人的な計画へとまとめ上げた。デルデケアスの言語でそれをするのには利便性があった。それはナドックスが自らに課したことだった。たとえ新たなアルファベットに慣れるのに彼の指の筋肉が苦心するとしても。

    ナドックスが研究を、記録を、見直しを進める間、デルデケアスは読み、読み、読み、読もうとした。彼の理解力には限界があり、越えることのできない言語の壁があった。苛立ちが彼の精神から、失望に修飾され発されていた。

    ナドックスは目を閉じた。その全てが、近い将来の任務に必要とされるものだった。

    数分が過ぎた。そして数時間が。

    デルデケアスが近くのシートに崩折れたとき、ナドックスは、王冠を被った蝉と、蠕虫の形をした穴に捧げられる古代の儀式の巻物を読んでいた。「ダメだ!何一つわからない。俺にはこの文章は読めない。」

    "気の毒だな。"

    「いいさ。」デルデケアスはナドックスがついたテーブルをただ見つめていた。「……もう何週間にもなる。一時間くらい休んだっていいだろう?」

    強いて考えるなら、もうすぐ夜明けだ。今がちょうどいいくらいだった。 "好きにしろ。"

    デルデケアスはナドックスにもたれかかり、夢を見始めた。彼の素体は暖かかった。

    日は昇り、ナドックスとデルデケアスは歩いていた。

    「重ね重ね、本当にありがとうございます。」二人の前の太った男が言った。彼はデルデケアスに、荷馬車を直してくれるように頼み、そして二人を殺そうとしていた。悪意が破裂した嚢胞のように彼の頭から吹き出していた。彼は緋色の王のためにそれをしようと意図しており、ナドックスはそれを興味深いと思った。

    彼は失敗するだろう、もちろん。彼の毒は心臓を締め付けるが、ナドックスは複数のそれを持っており、デルデケアスのそれは青銅だった。一旦失敗すると、彼は初歩的な魔術と隠し芸で彼らの腸を引き抜こうと考えていた。茶番はナドックスが彼をケラチンの刃で断頭し、その肉を消費し、旅を続けることで終わりそうだった。それもナドックスが付き合えばの話であり、彼には神の宦官の仲間に関わるのに比べれば、行かなければならないはるかに重要な仕事があった。

    「お礼として、私にできる何か、何かしらのことがあると思います。」ナドックスは少なくとも驚いた。緋色の王への信仰は伝統的にダエーバイトに限られていたが、それがこれほど南にまで、特に海から離れて広がっているのは何か恐ろしいことを示唆した。アルコーンの仕業だろうか?

    骨がナドックスのローブの下で融合し裂けた。ナドックスは静かにイオンに祈り、そして──

    「何でも無いさ。」デルデケアスはすでに修理を終えていた。「何もいらないよ。じゃあな、よい旅を。」

    デルデケアスは振り向いて歩き去った。そしてナドックスはついていくことしかできなかった。

    まだ彼はついてきているのか?」

    デルデケアスが言っているのは太った男のことだった。彼の悪意はデルデケアスの熱の背後から、荒野の空虚を通して感じるのに十分なほど強かった。ナドックスはまだ彼を殺すために引き返してはいなかった。この先はわからないが。

    この先はわからないが。

    デルデケアスは場違いな配慮を発揮して、日没と共に止まるだろう。それは問題ではない、太った男は二人を殺すには能力が足りなかった。

    彼の接近は注意深かった。ナドックスには、彼らが彼に気づいていることを彼が感づいていることがわかっていた。彼の意図を知り、推測することができた。その試みが無駄であることを、その男は推測し、ナドックスとデルデケアスは知っていた。つまるところ、ナドックスには、その男がなぜ接近を続けているのかわからなかった。

    暑さと疲労が一歩ごとに彼の上に覆いかぶさった。しかし男は接近を続けた。彼の献身は印象的だった。彼の無能さをもう少しで覆い隠すように。もう少しで。だがナドックスとデルデケアスには時間があった。一方で、その男の定命性は彼が生まれた日から少しずつ時間を奪っていた。

    時間はナドックスとデルデケアスから12歩ほどのところで切れ、その男は倒れた。彼はすぐに死ぬだろう。二人は彼をその運命のままにするだろう。

    ナドックスはデルデケアスが水袋に手を伸ばすのを見た。

    日は昇り、ナドックス、デルデケアス、そしてファンが歩いていた。

    ナドックスは必要品のために硬貨を出しながら、不思議に思っていた。このところずっとそうだった。

    二人、今や三人は、歩みが遅くなっていた。彼の旅路を振り返ると、デルデケアスは結果的には進みを速める要素と思われた。例えそうだとしても、三人めを加えたことはそれを相殺しているように見えた。どの程度そうなのか、ナドックスにはわからなかった。抽象的な評価方法が定量的であることはあまりない。特にナドックス自身が将来の進展を完全に展望できていないときには。

    日々が短くなっているわけではないと、ナドックスにはわかっていた。ただ彼にとって、時間についてより注意を払う必要が生じただけだった。デルデケアスにとって時間は月単位で、ファンにとっては時間単位で流れる。時間について非難するなら、その原因は主にファンにあった。最も簡単な解決は彼を殺し、彼抜きで旅を続けることだった。どういうわけか、それも難しく思えた。

    流れ落ちる砂に改めて注意すると、彼の指から取りこぼされるものに気づくようになった。日々はより輝いた。砂はより熱く流れた。胸をかき乱す、しかし心地よくもある感覚は、最近まで彼が気づくことがなかったもので、より強く乱れた。イオンを失ってから、誰かと肩を並べて戦うことがなくなってから、ただ歩き、読み、書く以外のことをしなくなってから、感じたことのなかった激しさだった。再び、人々と複雑な深さまで繋がるようになった。

    ナドックスが歩くと、彼は足跡を、乱れた砂を、引きずる跡を残した。ナドックスはを残した。いつも残していたのだろうか?そのはずだ。そのはずだったのだ。

    ナドックスはもう一度デルデケアスのことを考えた。彼のことを考えるとき、ナドックスは自分の思考が分析も、比較も、解釈もしようとしていない事に気づいた。ナドックスはただ彼のことを考え、幸運を感じた。ダエーバイトの糸は、それが縫い合わせた穴の縁ちょうどを貫いており、彼の唇が曲がることを止められなかった。

    支払いを終えると、ナドックスは彼の友と仲間のもとへと戻った。

    日は昇り、ナドックス、デルデケアス、そしてファンが歩いていた。

    次に日が昇ったとき、ナドックス、デルデケアス、ファン、そしてジュンサイが歩いていた。

    ある日、日が昇ると、ナドックス、デルデケアス、そしてその仲間の旅人たちが歩いていた。

    後に、ナドックス、デルデケアス、そして彼らの仲間に日が昇った。

    すぐに、友に。

    従者に。

    家族に。




















    日が沈んだ。

    ナドックスは一人で座っていた。

    彼の周囲では、仲間たちがテントを立て、補充品を数え、来たる夜の準備をしていた。選ばれた何人かが起きて、調査し、理論を立てていた。ヴォルタールはメカニトと、仕事をすすめるために眠りを犠牲にするほどの情熱のあるものたちと混ざっていた。静かに、世界は次の夜へと移り変わっていた。

    デルデケアスは彼の向かいに座り、課題を、概要を、一日中彼が集めたものを書き取っていた。ナドックスが目を通した繋がりを、ナドックスが書いた議論から派生する結論を、パズルのピースを、すでに書かれたものへと融合するために。

    幾世紀ぶりに、ナドックスは自らに休むことを許した。


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    サーキックの魔導書のページの合間で発見された記章。奇妙な意味を持つ印章のヴァリエーション(そして個々のシンボル)が世界中のサーキックの遺跡で発見されている。

    サーキシズム (ギリシャ語のσάρξ、すなわち “flesh/肉”に由来する)は様々な伝統、信仰、 “崇高なるカルキスト・イオン”168として崇拝される創設者の教えに基づく所の大きい霊的実践を包摂する、宗教/哲学体系です。信奉者は儀礼的なカニバリズム、人身御供、肉体の増生、魔術、次元操作、そして他世界存在との契約を実践します。有機物の操作によって、一部のサーカイトたちは異常な肉体状態を実現し、通常の人間の肉体的限界を超越します。

    極めて秘密主義的であり、一般大衆は彼らの実在についての直接的知識を殆どもしくは全く持っていないと思われます。世界オカルト連合や境界線イニシアチブのような組織は彼らを認知していますが、一方で壊れた神の教会は彼らを黙示録的終末と見なしています169。このことは調査を困難にしますが、彼らの秘密主義的な性質は結果的に正常性の維持に有益となっています。

    疾患はしばしば敬意を持って見られ、サーキックの寺院にはしばしば腫脹したリンパ節や腫瘍状の増殖体が供えられていることが見出されます。特定のサーキックの教派は感染を神聖な献身であり、"弱いものを淘汰"し集団を純化する手段であり、そのような活動が彼らの繁栄を促進すると見做しています。サーカイトは全てではないにせよ大部分が病原体への生得的な抵抗力を持ちますが、これが異常性のものなのか、自然発生した性質なのかは不明なままです。

    サーキックのアノマリーはその使用者に必ずリスクを齎します。サーカイトは自身を肉体的により優れた形態へと強化する事ができる一方で、そのような変更(あるいは、彼らの神格化への道の途上で彼らが学んだ秘密の真実)は精神の安定性を損なう影響を持ちます。

    財団は既知のサーキック・カルトを2つの宗派に分類しています。プロト-サーキックとネオ-サーキックです。170プロト-サーキック・カルトはユーラシアにおけるほとんど孤立した地域の至る所に存在する閉鎖的なコミュニティに見出される傾向があります。信者は概して貧しく(自給自足している場合)、質素で、部外者に対し敵意を持っています。そのようなグループは一般に近代化を避け、激しい科学技術恐怖症を見せ、迷信と禁忌に縛られています。対照的に、ネオ-サーキック・カルトは通常は国際派であり、近代化を公然と取り入れ、科学技術に対する明らかな不安を見せません。ネオ-サーキックの人々は彼らが属する文化や社会的地位における一般人と殆ど変わらない生活を送っています。信者は概ね裕福な一族であり、歴史や醜聞に事欠きません。プロト、ネオともに以下の観念を含む中核的な信仰を持つ単一の教義に帰依しています。

    神格化
    一個の人間が神格へと昇華できるという信仰。これは、サーキシズムは崇高なるカルキスト・イオン(広義には、彼のクラヴィガルも含まれます)を神格化を経た存在だと見なしている点に表れています。プロト-サーカイトにとって、神格化はいつの日かイオンを通じてのみ実現されるだろうものです。ネオ-サーカイトにとって、神格化はイオンからその権能を盗む者が現れれば、間もなく実現するものです。 - そうすることは彼らの権利(そうでなければ義務)です。神格化への道とは即ち力への意志です。
    意志
    力への意志は人間を突き動かす根源的な力です。力(効果)の向きを働かせることで、人間はあらゆるものを征服し手中に収めようとします。一方で他の人間も同じように行動し、しばしば対立が生じます。力にとっての意思は質料にとっての形相と同じです、つまり、"欲望は万物の尺度である"。171
    Theophagy(神食)172
    神を聖餐として消費すること。サーキシズムは、この宇宙には無数の神(彼らはそのいずれも崇拝していません)が存在し、それらの存在を何らかの方法で"貪り喰らう"ことができるとしています。究極的には、信者たちはこのような寄生関係(それが文字通りの意味であろうと比喩的な意味であろうと)が彼らの魔術的な能力の源泉だと信じています。
    犠牲
    プロト-サーキック・カルトの間では、これは大勢が恩恵を得るための自己犠牲として現れます。ネオ-サーキック・カルトにおいてはまったく対照的で、個人が恩恵を得るための大勢の犠牲と信じられています。筋肉は損傷し、治癒した時にのみ前より強くなります。因習的な信じ難い苦行に対する忍耐を養うことを通じて、精神にも同じことが言えます。 - 破壊と再生の輪廻。サーキシズムに言わせれば、闘争は最高の師ということです。
    "肉飼いたれ"
    あらゆる生命は単一の祖先から発生したと信じられています(神話部門によって更なる研究が行われています)。信者はこの共通祖先173が肉体の増生(すなわち "リハクタァク")への鍵と捉えています。このことは、神秘主義のベールに隠された、遺伝学への並外れた理解を更に示唆するものです。有機体を導き、培養することはサーカイトの正道です。もっとも習熟した肉の成形者は他の生物から遺伝子を盗み、完全に新しい生物を創造することができます。

    ほとんどのプロト-サーキックの教派は、イオンが神格化に至った、あるいは至る過程にあり、彼の変態が成就した暁には、この"損なわれた、死産の"宇宙は破壊され、“イクナーン”として知られる楽園へと新生すると信じています。楽園では数多の魂が"薔薇色の空の下で"ようやく救済され、歓喜に包まれます。しかしながら、イオンは神々の企みから人類を守るために犠牲となって死んだと信じる教派も存在します。

    ネオ-サーキック・カルトの解釈はプロトのそれとは著しく異なっており、イオンにはあまり関心を払っていません。彼らの唯一の関心は神格化、力を得、技能を磨き、個人の潜在力を制限する倫理の軛から解き放たれることにより、神となることです。崇高なるカルキストは預言者や救世主的な像と言うより、むしろ神に最も近づいたものと見做されています。彼らは彼の道徳的な教えを弱さとして退け、古い経典の多くを無視しつつ、儀式を利用することを好みます。

    ネオ-サーカイトとプロト-サーカイトの間では、神話と実践の多くが共通していますが、別の宗教であるとみなすのが適切かもしれません。プロト-サーカイトにとってネオ-サーカイトは、真の信仰の要素を流用したイデオロギー/哲学と言うよりも、異端であり、完全にそうでなかったとしても、汚らわしいものです。彼らは古い伝統にで一般的な倫理、道徳の抑制174がなく、そのアンチテーゼとなるほどである可能性もあることも合わせ、このことはネオ-サーカイトを特に危険にしています。ネオ-サーカイトが、かつてイオンが説教で禁じた、異世界の存在(アルコーン)との契約を結ぶほどになっている証拠があります。

    サーカイトはウラル祖語を中心に、インド・ヨーロッパ語(おそらくはダエーバイト語)、γλῶσσαχάος175 が混じり合ったアディタイト語 (古アディタイト語入門はこちら) で読み書きを行います。サーキシズムの実践者は実際には自らを"サーキック"とは呼びません - これは古代のメカニト176 が彼らの敵に対し、侮辱として使った言葉です。彼らの本当の名称だと考えられ、世界オカルト連合と、後にプロジェクト:シトラ=アキュラの一環として財団で取り入れられました。実際には、サーキック・カルトは彼らの信仰体系をNälkä177 と呼びます。関連カルトに潜入している時、財団エージェントはどんなことがあっても"サーキック"もしくはその派生語を使ってはいけません。

    メカニトの専門用語を採用することで、財団とGOCは"FLESH対MEKHANE"という壊れた神の教会の宇宙的物語178を意図せず受け継いでいます。これはサーキシズムの引き起こしたことを不正確かつ大まかに単純化したものです。当文書では過去の誤りを認め、訂正を心掛けつつも、"サーキック"(とその派生語)を財団の標準語彙として留めています。

    最後に、財団とGOCがサーキシズムの引き起こしたことやその信者の意図を一端しか把握していないという点が危惧されます。入手できる情報を基に推測されたサーキック・カルトの目的は、XK-クラス世界終焉シナリオの可能性を含むSK-クラス支配シフトシナリオに相当します。




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    アイテム番号: SCP-2454

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: SCP-2454は鋼線ロープで現在の位置に固定した状態を保ち、ロープは隔年または司令部が必要と認めた際に交換します。巡視船でSCP-2454の周囲5kmの境界を維持し、認可無き接近を阻止してください。環境条件の都合上、全ての財団職員は防寒着を着用することになります。SCP-2454-1の耳を劈くような叫び声のため、耳栓の使用が必須となります。

    低温環境・場所の遠距離性・直射日光の欠如・SCP-2454-1の絶え間ない発声による生理的かつ心理的なストレスのため、担当職員は3ヶ月ごとに交代されます。

    SCP-2454への乗船は、追って通知があるまでは厳密に禁止されています。

    説明: SCP-2454は全長134.16mのクルーズ船です。起源の研究により、この船舶は便宜置籍船国219であるバハマの管海官庁に匿名で登録されていたことが判明しました。財団は取引記録とバハマ管海官庁従業員への尋問を通して、SCP-2454の所有権を持っているのが映画監督である第五教会の高位メンバー、ルーファス・ドレッチャーであることを突き止めました。

    赤外線検査の測定値により、SCP-2454下部の船倉には、発見以来SCP-2454-1と指定されているヒト型実体が存在することが明らかになっています。SCP-2454-1は150デシベル以上の声で絶え間なく発声しています。これらの発声は、 観測された行動と共に、SCP-2454-1が永続的に苦痛を感じていることと、自分がいる部屋を退出できないことを示唆しています。SCP-2454-1は超高エネルギー宇宙線(UHECR)220と同等の放射線バーストを断続的に発します。これは極めて致死性が高い221ものですが、不明な理由からすぐに消散します。これらのバーストは約9分おきに発生します。SCP-2454に乗せられた電子装置は、バースト事象の発生に関係なく即座に動作不能に陥ります。探査のために割り当てられた限られた時間の中で情報収集を行う際に実行可能な手段は非デジタル写真です。SCP-2454から除去された物品は急速に崩壊するため、写真が発見されたアイテムや文書から情報を収集する唯一の手段となります。

    SCP-2454は1979年9月22日、アメリカの衛星222が座標47°S 40°Eにおいて”二重の閃光”を検出した際に発見されました。この出来事は公には、南アフリカ共和国が治めるプリンスエドワード島の近くで行われた、南ア共和国とイスラエルの共同核実験であると仮定されました。財団は異常事象の可能性を疑い、調査を進めました。

    SCP-2454から回収された乗客名簿と関係書類は、かつて大量の乗員乗客が存在したことを支持するものです。しかしながら、言及されている1892名のうち、SCP-2454で発見された文書以外で存在が証明されたのは1名のみです。社会保障番号や銀行口座は、生死を問わず、あらゆる人物のものと合致しませんでした。船内で見つかった日誌や手紙は、SCP-2454が第五教会の信者(および元・信者)の再教育センターとしての機能を目的としていたことを示唆します。一般的な居住区域は窮屈でドアが外部から施錠可能であり、刑務所の独房に酷似していると判明しています。第五教会の高位メンバーが住んでいた区域は、十分な広さと贅沢な内装を備えているのが確認されました。船内で人間の遺体は発見されていませんが、衣服が船の内部に散在しています。これらは丸ごと脱ぎ捨てられたかのように見えます。

    SCP-2454-1は、デブラ・サラザール ― 第五教会の裕福な高位メンバー、カルロス・サラザールの妻 ― であると考えられています。デブラ・サラザールは、第五教会に関与していない友人や家族から行方不明であると報告されていました。ロサンゼルス警察は問題を調査するためにカルロス・サラザールのハリウッドの大邸宅を訪問し、デブラ・サラザールは安全であると宣言しました。これにも拘らず、彼女は1974年以来、公の場に姿を現していません。

    工作員の報告と撮影された写真は、SCP-2454全域に、様々な程度の劣化を示す財団関連の装備が存在していることを示します。IDカードは生死を問わず記録されている人員と一致せず、おそらくは偽造と看做されています。殆どの衣服は1970年代後半の財団で使用されていた物と一致しますが、現代的な装いも撮影されています。財団の制服は合計で数百着はあると見積もられており、最大で600着と予想されています。SCP-2454の一部は、衣服・拳銃・無線機・IDカードが障害物となっているためにアクセスできません。探査が限られた時間しか許可されていない為に、これらのアイテムの起源は不明のままです。






    補遺: 1991年6月21日、Dクラス職員によって1枚の写真が撮影され223、財団の船まで無事に帰還しました。写真には、一枚の観察窓が付いた分厚いドアが写っていました。写真の独房内は無人でしたが、赤外線測定値に基づくと、そこはSCP-2454-1が存在する部屋であるように思われます。これはSCP-2454-1が肉眼では観察できない可能性を示しています。写真のより緊密な分析は、独房の奥の壁に文字が刻まれているのを明らかにしました。読むのに困難を要したものの、画像検索ソフトウェアを使用したスキャンで文字の内容も判明しました。

    カレラノナトキオクハケサレネバナラヌ

    最近の写真は、私服と白衣を上回る量の、オレンジ色のDクラス職員用ジャンプスーツがSCP-2454内に存在することを示唆しています。加えて、船内に廃棄されたカメラの量が突然急上昇していることが指摘されました。

    O5評議会は、追って通知があるまで、全てのSCP-2454関連の探査と実験の停止を命じました。


    タグ: euclid scp 乗り物 人間型 放射性 水棲 第五教会


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    アイテム番号: SCP-2510

    オブジェクトクラス: Euclid

    特別収容プロトコル: 武装次元収容サイト-08がSCP-2510内部への入り口を中心に無事構築されました。職員はサイト司令部からの許可を得ずにSCP-2510-1へ入場してはいけません。タイプAのHazmatスーツがSCP-2510-1内部では必須であり、終了時には除染を行います。施設への不正アクセスを防ぐため、武装警備員が常に所定の位置に待機します。民間人や敵対的実体によるセキュリティ侵害の発生時には致死的武力行使が許可されています ― SCP-2510-1内部からのセキュリティ侵害が発生した場合、現地の核弾頭を起爆します。武装次元収容サイト-08は、フランスの衛星追跡基地としての偽装を維持します。

    研究スタッフには線文字B224、古代の自動機械、ピタゴラス学説、初期の”壊れた神の教会”における歴史や教義について精通している人物を加える必要があります。偽情報戦略によって科学的報告書は改竄され続けており、SCP-2510は疑いようも無く、一連の大規模な火山噴火により1.1億年前に形成された陸地であるという説を永続的なものとしています。

    SCP-2510内部の探索には特別の注意が必要となります ― 一部区画は危険なレベルの電離放射線を含んでいます(0.1 Gy以上)。その巨大なサイズゆえにSCP-2510を完全収容することはできない為、保安対策はSCP-2510およびその内部への頻繁な訪問を阻止するために制定されました。

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    SCP-2510の内部への入口。

    説明: SCP-2510は、地理的にはケルゲレン海台として知られる、大部分が深海に沈んだ機械です。現在の状態は、腐食・沈降・火山活動・地球の岩石圏の大規模な構造変形などの累積的影響によるものです。主に損傷が原因となってSCP-2510は機能しておらず、本来の目的は未だ不明です。リバースエンジニアリングがSCP-2510の単離区画に施され、幾つかの肯定的結果を得る事が出来ました225。内部は概ね漆黒の素材で構成されており、これはウルツ鉱型結晶構造を有する立方晶窒化ホウ素と判明しました。金属板の間には薄暗い緑の光を放つチューブとワイヤーが見えます。SCP-2510内部の95%は、浸水または激しい損傷のために直接アクセスすることが出来ません。

    SCP-2510-1は円形の次元間ゲートであり、SCP-2510の部品を再利用して構築されています。内側のリングには花のような六角形の対称構造を持つパターン226が彫られています。外側のリングには時計回りにΑ(アルファ)、Β(ベータ)、Γ(ガンマ)、Δ(デルタ)、Ε(イプシロン)のシンボルが彫られています。SCP-2510-1は活性化すると広がり、幾つかの環境空間への出入り口として機能します。SCP-2510-1は、SCP-2510内部にある未だ到達していない動力源からエネルギーを得ています。SCP-2510-1はSCP-2510-2を介して操作します。

    SCP-2510-2はSCP-2510-1の真向かいに構築されたヒュドラウリス227です。SCP-2510-1と同様、SCP-2510-2は元々SCP-2510の一部だったとは考えられていません。台座には、上から順に1・2・3・4の計10点4列で描かれた三角形のシンボルがあります ― これは4番目の三角数の幾何学的表現です。この四列三角形はピタゴラス学派の神聖な象徴であり、各列は”天球の調べ / Harmony of the Spheres”228を表現していました。三角形はピタゴラスの音楽システムと一致すると仮定されています。これらの列はそれぞれ4:3、3:2、 2:1の比に分割できます。音楽的に、これらの比率はピタゴラス音律の基本的構成要素である完全四音・完全五音・完全八音に対応しています。

    SCP-2510は当初ブルトン系フランス人航海士のイヴス・ジョセフ・ド・ケルゲレン=トレマレックによって1772年2月12日に発見され、フランス領として宣言されました。財団は1949年8月20日に連合軍軍政期のドイツで、1940年12月下旬にドイツの補助巡洋艦アトランティスが関与した事件の軍事報告書を発見し、SCP-2510の本質を知りました。当時、問題の艦はSCP-2510に停泊し、乗組員は保守点検と水の補充を行っていました。氷の採掘中、 乗組員は人工的な構造物のように見える物を発見しました。まずこれを古代の難破船と想定した水兵たちは、”財宝”を見つけられるかもしれないという期待を込めて発掘を試みました。アトランティス号へ帰還した19名は精神錯乱状態であり、急性放射線中毒に苛まれていました。生存者は回収時、”maschinenstadt / 機械の都市”を発見したと報告しました。

    財団はフランス政府の許可を得て、ケルゲレン諸島での待機状態を確立しました。広範な調査の後、ケルゲレン海台全域がSCP-2510に分類されました。武装次元収容サイト-08の構築は1951年10月20日までに完了しました。

    武装次元収容サイト-08に関する更なる文書についてはサイト管理者にお問い合わせください。

    SCP-2510-1の異常性質の確立後、探索のために機動部隊アルファ-5”パラノーツ”が結成されました。

    機動部隊アルファ-5”パラノーツ”構成員名簿:

    ウィリアム・ハドリー隊長 ― 司令官
    アルバート・クローネンバーグ博士 ― 動物学者/遺伝学者/微生物学者
    ジョセフ・マクスウェル博士 ― 技術者/数学者
    ジュディス・ロゥ博士 ― 考古学者/歴史学者/人類学者
    ジェイコブ・アーミテージ博士 ― 天体物理学者
    ローラ・ベイカー博士 ― 地質学者/地理学者

    ハドリー隊長、マクスウェル博士、アーミテージ博士は第二次世界大戦の退役軍人でした。豊富な軍事訓練と経験を積んでいることから、彼らは予防措置として単純な携行武器を装備していました。

    補遺: ローラ・ベイカー博士はSCP-███の最初期の記録と考えられている感染症で死亡しました。ジェイコブ・アーミテージ博士とジョセフ・マクスウェル博士は、両者ともに不明な状況下で失踪しました。最後に目撃されたジェイコブ・アーミテージは”第五音の世界(Fifth World)”と”黒き星々”のことを呟いていたと判明しています。ジョセフ・マクスウェルは数名の職員を負傷させ、オブジェクト2309を盗み出しました。両者ともに1958年以降は目撃されていません。詳細はインシデントレポート136Bを参照してください。

    2人は2014年10月1日現在まで捕縛されておらず、既に故人の可能性が高いと考えられます。


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    ERROR
    

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    タグ: メタ ポータル サーキック euclid scp 地質 壊れた神の教会 夜闇の子ら 彫り物 楽器 機械 異次元


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    アイテム番号: SCP-3000

    オブジェクトクラス: Keter

    特別収容プロトコル: SCP-3000は考え得るいかなる方法でも直接収容が不可能です。財団はSCP-3000と基底現実間における潜在的アンカーの探索・破壊を続行します。

    説明: SCP-3000は、A)地球の別反復(あるいは多くのそうした反復の融合物)、またはB)地球とある程度の表面的類似を有する異次元の発現、のどちらかであると現在仮定されています。SCP-3000に関する情報はすべて、かつてエージェント・アレクシス=ケネディの右眼窩に取り付けられていた、サイバネティック的眼球拡張部内に保存されていたデータから回収されました。身体は回収されておらず、彼女の継続的生存の見込みはないと考えられています。

    エージェント・ケネディは、プロジェクト・シトラ=アキュラの一環として結成された財団/GOC共同の高機密指定部隊、機動部隊プサイ-13("魔女狩人")の一員です/でした。機動部隊プサイ-13はネオ-サーキック231組織への潜入、ならびに高脅威構成員の終了を任務としています。

    プロジェクト・シトラ=アキュラの一環として、機動部隊プサイ-13はオカルト交戦時戦略Counter Occult Stratagem(COS)及び腐食性/焼夷性の武装運用について習練・熟達しています。各エージェントは焼夷弾及び腐食性の弾薬が使用できるように改造されたSIG Sauer P226を装備しています。機動部隊プサイ-13の隊員は以下を含む少数のサイバネティック的拡張を施されています:

    • 両眼球は眼球インプラント7型Ocular Implant Type 7(OI-T7)により改造され、着用者がビデオデータを記録することを可能にしています。このデータはライブ映像として財団司令部に順々に送信されるとともに、内部ハードドライブに保存されます。OI-T7は焦点距離・低光度環境に合わせた調整が可能であり、またGPS観測器を装備しています。
    • 頭蓋骨の一部には補助頭蓋聴覚インプラント2型Sub-Cranial Auditory Implant Type 2(SCAI-T2)が外科移植されており、音声記録を可能にしています。またこの記録は順々にOI-T7内の記録チップに保存されます。
    • バイタルサインの追跡を目的とする、補助皮膚下バイオテレメトリー観測器。

    2015/08/07、財団はエージェント・ケネディのGPS座標を受信し始めましたが、音声通信の接続再確立には成功しませんでした。エージェント・ケネディは香港湾仔区の路地まで追跡されました──彼女が最初に行方不明になった場所から12, 000km以上離れた地点です。先述の通り、当該座標から回収されたのは彼女の拡張を受けた右眼球だけでした。

    警告: O5認可要求

    あなたがアクセスしようとしているファイルは、シトラ=アキュラ職員ならびにレベル4/3000認可を有する人物のみ閲覧可能です。このクリアランスには標準レベル4セキュリティプロトコルは含まれません。これより先に要求クリアランス無しでアクセスしようとする場合、終了の事由となります。