Exp 0035 - クリックウィンドウ
「天気・災害予報です。全域的に現実崩壊tokjo_i004.png傾向が強まっており、気象庁はレベル4現壊警報を発令しています。

「京心地域の環境指数です。アキヴァはAk1、Hm2、2.8kCa3、ヨコームはAk、Hm、kCa、マイハマでAk、Hm、kCa、の見込みです

The Explopolitan News探京通信が7:30のニュースをお伝えしました」

[ここまでニュース入れる]

顔を上げると⬜がコーヒーカップと固形高栄養食品パスコフレンドを差し出してきた。

「⬛、どうだ?拾えたか?」

乾いた栄養の塊を咀嚼し、微かに残る眠気とともに喉の奥へ流し込む。

「なんとか受信だけな。だが状況は悪い、レベル4現壊警報が出ているらしい。それも南関全域にだ」

「マジかよ、うかうかしてられねえな。で、座標は特定できたのか?」

「いいや、ノイズが多くて無理だった。ビークルの調子はどうなんだ?」

「バッチリだ。タイヤも取り替えたしガンも計器も動作は良好。それこそ災害にでも会わんことには問題なしさ」

「それは良かった。足がなければこのまま藻屑となるだけだからな」

灰色の静寂が訪れる。喉の奥からバターの香りが消えたころ、⬛は再び口を開いた。

「……結局一晩経っても座標は分からなかった。L4が出ているならこのまま続けても望み薄だろう。それで提案があるんだが、ここは探示計を信じて進んでみないか?」

「目隠しして大海原へ漕ぎ出すようなもんじゃねえか?クラーケンか嵐にでも出くわして、そのままドボンがいいところだ」

「絶海の孤島で餓死するよりはマシだ。それにボートでおっちら漕ぎ出そうってわけじゃない。ビークルや計器はあるし、1人でもない。勝算はある。仕事を完遂する為にも生き延びる為にも必要な賭けさ」

逡巡の後、⬜はニヤリと笑って言った。

「大穴狙いは嫌いじゃないぜ」

「決まりだな。」

手元からタブレットを取り出し、地図を広げる。

セミでも分かる東京事変
  • 正式名称「東京現実崩壊性広域災害」は2017年12月7日に発生した大規模な自然災害である。一般には東京大異災とも関東大異災とも言われる。
  • 災害の内容は多岐にわたるが主に現実崩壊によるものが多い。現実が崩壊し、融合・消滅・増殖する効果であり、現実改変・歪曲を発生させる。
  • 東京を中心に約100km圏、一都八県を襲ったこの災害は、1000万人近い死者・行方不明者を出し、世界最大の都市圏の1つである東京を破壊し尽くした。
  • 異災によって日本の社会が破綻するとともに世界的な大恐慌を巻き起こした。これを総称して「東京事変」と呼ぶ。
  • 災害は約15年以上が経過した今もなお続いており、旧東京と呼ばれる巨大な空白地帯が生じている。
  • またその周縁には東京サークルと呼ばれるスラムが形成され、政府やNPrOと癒着した企業や犯罪組織の城下町となっている。
  • 旧東京では遺物探索業やODSE産業が盛んであり、各地に成立した特別自治区を拠点に多数の探京家たちが活動している。
  • この災害の発生要因は未だ不明だが、一部研究者たちは現実次元の近接効果によるものであると説明する。
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License