「京心地域の環境指数です。アキヴァはAk1、Hm2、2.8kCa3、ヨコームはAk、Hm、kCa、マイハマでAk、Hm、kCa、の見込みです
「The Explopolitan News探京通信が7:30のニュースをお伝えしました」
[ここまでニュース入れる]
顔を上げると⬜がコーヒーカップと固形高栄養食品パスコフレンドを差し出してきた。
「⬛、どうだ?拾えたか?」
乾いた栄養の塊を咀嚼し、微かに残る眠気とともに喉の奥へ流し込む。
「なんとか受信だけな。だが状況は悪い、レベル4現壊警報が出ているらしい。それも南関全域にだ」
「マジかよ、うかうかしてられねえな。で、座標は特定できたのか?」
「いいや、ノイズが多くて無理だった。ビークルの調子はどうなんだ?」
「バッチリだ。タイヤも取り替えたしガンも計器も動作は良好。それこそ災害にでも会わんことには問題なしさ」
「それは良かった。足がなければこのまま藻屑となるだけだからな」
灰色の静寂が訪れる。喉の奥からバターの香りが消えたころ、⬛は再び口を開いた。
「……結局一晩経っても座標は分からなかった。L4が出ているならこのまま続けても望み薄だろう。それで提案があるんだが、ここは探示計を信じて進んでみないか?」
「目隠しして大海原へ漕ぎ出すようなもんじゃねえか?クラーケンか嵐にでも出くわして、そのままドボンがいいところだ」
「絶海の孤島で餓死するよりはマシだ。それにボートでおっちら漕ぎ出そうってわけじゃない。ビークルや計器はあるし、1人でもない。勝算はある。仕事を完遂する為にも生き延びる為にも必要な賭けさ」
逡巡の後、⬜はニヤリと笑って言った。
「大穴狙いは嫌いじゃないぜ」
「決まりだな。」
手元からタブレットを取り出し、地図を広げる。
「サイソーマScithauma」