SCP-1422-JP
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SCP-1422-JPが入っている容器。

アイテム番号: SCP-1422-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1422-JPはサイト-8124の低危険度物品収容ロッカーに収容されています。インターネット上でSCP-1422-JPの宣伝広告が発見された場合は即座に削除し、状況に応じた記憶処理を実施します。
SCP-1422-JPの異常性に曝露した人物はサイト-8124の低危険度人型収容施設にて保護されます。

説明: SCP-1422-JPは“dado”として知られるアマチュア超常薬理学者により作成された、乳白色のクリーム状の物質です。“ぜったいに ころばない by dado”とラベルが貼られたプラスチック性の容器に収められています。
また、容器の内部には文章が紙に書かれた状態で同封されています。以下はその内容です。

dado うわさきいた

ころんですりむいた こどもないた

dado ころんでいたくない おくすり つくった

それふひょう

だから ころばないおくすり つくった

これ あしにぬるだけ たちまち ころばない

こまった わるい あれば ここ でんわする 1-800-iam-dado

SCP-1422-JPの異常性はヒト(以下“対象”)に塗布した状態で対象が転びそうになった時に発現します。対象が転びそうになった時、SCP-1422-JPを塗布した部分は未知の原理により地面に吸い寄せられるように吸着し、対象が再び直立するまでその効果は持続します1。尚、異常性が発現している最中にその部位を地面から引き剥がす試みは全て失敗しています。
一度異常性が発現した後も、再び転んだ場合、再度異常性の発現がみられ、これは恒久的なものだと考えられています。

実験記録-1422-JP-02


実施日時: 2019/01/24
対象: モルモット(Cavia porcellus
概要: 対象の両後ろ足裏にSCP-1422-JPを塗布し、前足を持ち上げ、上体を起こさせた状態から手を離す。
結果: 対象が前足を地面に着けようとした時、即座に両後ろ足裏が床と接着された。対象が補助により再び直立するまで異常性は持続した。

実験記録-1422-JP-03


実施日時: 2019/01/24
対象: D-15726
概要: 対象の頭頂部にSCP-1422-JPを塗布し、実験室内で躓くように指示する。
結果: 対象が躓く素振りを見せた時、即座に対象の身体は前方に回転し、頭頂部が床と接着された。対象が直立することは不可能であるため、異常性は持続している。

SCP-1422-JPは一般人であるジョー・ローガンが使用しているところが監視カメラに記録されており、その様子を不審に思った財団職員によって発見に至りました。この時、ジョー・ローガンの父親であるヨセフ・ローガンに実施されたインタビューにより、SCP-1422-JPの購入を推奨しているweb広告2の存在が明らかとなりました。
以下はヨセフ・ローガンとdadoと名乗る不明な人物が行った通話を記録したものです。

音声記録


<記録開始>

不明な人物: ハロー、dado。あなた広告見た。dadoのおくすり買う?

ローガン氏: ハロー。ヨセフ・ローガンだ。よろしく。ああ、おたくの“ぜったいに ころばない”って商品が気になってね。

不明な人物: あー、ころばないおくすり。あなたお目が高いすばらしい。

ローガン氏: そうかい。だがちょっとどういう効果なのか想像が出来なくてな。どんな効果なのか教えてくれないか?

不明な人物: dado答えられること答える。企業秘密聞くだめ。すぐ電話切って着信拒否ぶちこむ。

ローガン氏: オーケイ、分かった。まずそれはどうやって使うんだ?

不明な人物: おくすりつかう、簡単。あなた足の裏におくすり塗るだけ。たちまちあなた転ばない!ずっと転ばない。転ぶ痛いから転ばないがいい。

ローガン氏: 塗り薬なのか。使うのは簡単そうだな。どういう原理で転ばないんだ?

不明な人物: それ企業秘密!それ以上言ったら電話切る!dado、あなた信じる。あなた、dado信じる!

ローガン氏: あー、分かった。信じるよ。すまない。買う、買うさ。それで?値段は?

不明な人物: 5.7ドル。dadoはAmazon prime持つ。すぐころばない送料無料。

ローガン氏: オーケイ、ありがとう。

不明な人物: はい。今口座から引き落とした。おくすりすぐ送る。じゃあ。

ローガン氏: え?は?引き落とした?お、おい!

[電話が切られる。]

<記録終了>

以下はジョー・ローガンがSCP-1422-JPを使用していたところを監視カメラが捉えた映像の抜粋です。

映像記録


<開始 2019/01/04>

[カメラは住宅街を映している。ジョー・ローガン(以後、ジョー)が自転車にまたがっている。その後ろでヨセフ・ローガン(以後、ヨセフ)が自転車を押さえつけている。]

ヨセフ: いいか?ゆっくり離すからな?

ジョー: うん。

ヨセフ: 焦らずにこぐんだぞ。転ばない薬も塗ったからな。安心しろよ。

ジョー: 魔法のお薬ね。

ヨセフ: そうだ。まさか本当に効果があるとは思ってなかったけど。よし、いくぞ?

ジョー: うん。

[ヨセフが自転車から手を離す。ジョーが自転車のペダルをこぎ、進み始める。]

ヨセフ: おお、すごいぞジョー。

ジョー: うわ、うわあっ。

[ジョーがバランスを崩す。SCP-1422-JPの異常性が発現したように見える。]

[ジョーの両足裏がペダルと癒着し、自転車が横転する。]

ヨセフ: ジョー!

[自転車の下にジョーの頭部が挟まれ、髪の毛がチェーンに巻き込まれる。]

[ジョーの両足はペダルを漕ぎ続けている3。]

[髪の毛が引っ張られたことにより、最終的にジョーの首が折れ曲がる。]

ヨセフ: [悲鳴。]

[ジョーがペダルを漕ぐことを止める。この時ジョーは死亡したと推測されている。]

[ヨセフがジョーの元に駆け寄り、ジョーを車体から起こし、持ち上げる。ジョーの両足とペダルが接着されているため、同時に自転車も持ち上げられ、ガチャガチャと金属音を立てる。]

<終了>


追記: ヨセフ・ローガン含む一連の事件の関係者にはカバーストーリー「交通事故」を適用し、ジョー・ローガンの死因は軽自動車に轢かれたことによる事故死と偽装されています。

補遺: 2019/01/30、ヨセフ・ローガンの銀行口座に不明な人物からの5.7ドルの入金がありました。また、入金と同時に同氏のパソコンにdadoと名乗る人物からの1件のEメールが送信されました。以下はその内容です。

dado じこ きいた
そうていがい の ようほうによる みす
でもdado ちゅういがき わすれてた
だから へんきんした

へんしんふよう くれーむなし ごひいきに
dado

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