変更点
- Euclidのタグ部分をリライト。自我を削除 (アトリビュートタグ廃止のため) し、また自律性→自律としてタグ名に沿わせつつ、訳文を修整。
- 非標準クラスとしてのDecommissionedを削除し、解体部門の設定に基づく新たな標準クラスとしてのDecommissionedを追加。説明文は全面変更されているため、新たに訳し直した。
- 特殊/物語クラスの説明文の大規模改訂を反映 (訳し直し)。もはや“1回限り”の使用とは限らなかったり、使用を強く忌避されるわけでもなくなった現状を反映したもの。
- FAQにDecommissionedクラスの扱い変更に関する説明を追記 (新規翻訳)。なお、かつてのDecommissionedクラスの説明文から流用あり。
- FAQに特殊クラスの実情と新規OCの追加方法に関する説明文を追記 (新規翻訳)。なお、JPでの登録方法については専用のボックスを設けてタグガイドへ誘導をかけた (実装方法についてはほとんど差異無し)。
- 細かい点だが、訳注の表記を翻訳投稿ガイドで例示しているフォーマットに揃えている。
特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)を必要とする全ての異常な物品、存在、現象にはオブジェクトクラスが割り当てられます。オブジェクトクラスとは標準的なSCP記事テンプレートの一項目であり、オブジェクトの収容難易度の目安としての役割を果たしています。財団世界において、オブジェクトクラスは収容の必要性の識別、研究の優先順位付け、予算編成、その他の考慮事項のために存在します。オブジェクトのオブジェクトクラスは数多くの要素によって決定されますが、最も重要な要素はそのオブジェクトの収容の困難性および目的です。
主要なオブジェクトクラス
以下はSCP記事において使用される最も一般的なオブジェクトクラスであり、オブジェクトの大多数を占めています。
Safe
Safeクラスのオブジェクトは容易かつ安全に収容できるアノマリーです。これはしばしば財団がこれまでにそのオブジェクトを十分によく研究しているため収容にそれほど多くの資源を必要としないという事実か、そのオブジェクトが動作するにあたって具体的かつ意識的な活性化または誘因を必要とするという事実によります。「Safe」と分類されてはいるものの、これはそのオブジェクトを取り扱ったり動作させたりした際に危険がないということを意味するわけではありません。
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Euclid
Euclidクラスのオブジェクトは完全に収容するのにより多くの資源を必要とするアノマリーや、その収容が必ずしも信頼できるものではないアノマリーです。通常これはそのオブジェクトの性質が十分に解明されていないか本質的に予測不可能であることによります。Euclidは最も大きな適用範囲を持つオブジェクトクラスであり、他の標準のオブジェクトクラスのいずれにも分類しがたいオブジェクトは通常このクラスに分類されます。
特に自律的・知性的なオブジェクトは、それ自身が思考または活動することにより本質的に予測不可能であるため、通常はEuclidに分類されます。
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Keter
Keterクラスのオブジェクトは継続的にまたは確実に収容することが極めて困難であり、しばしば収容プロトコルが大規模で複雑なものになるアノマリーです。財団はこれらのオブジェクトに対する確固たる理解を得ていないか、これらのオブジェクトを適切に収容または対抗する技術に欠けているため、これらのオブジェクトを上手く収容できないことがしばしばあります。「Keter」に分類されていることはそのオブジェクトが危険であるということを意味するわけではなく、単に収容するのが非常に困難または費用がかかるということを意味します。
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Thaumiel
Thaumielクラスのオブジェクトは財団が他のオブジェクトを収容するために特別に使用するアノマリーです。Thaumielクラスのオブジェクトは存在そのものが財団における最高レベルの機密であり、その所在、機能、現在の状態はO5評議会以外では非常に限られた職員にのみ知らされます。
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Neutralized
Neutralizedクラスのオブジェクトは故意または過失によって破壊されたもしくは無力化されたことを原因として、もはや異常ではなくなったアノマリーです。
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Decommissioned
DecommissionedクラスのオブジェクトはSCP財団が故意に破壊したか、異常性を喪失させるに至ったアノマリーです。財団は通常、異常なオブジェクトを無力化するよりも収容することを優先するため、このオブジェクトクラスは完全な収容が不可能であるか、収容を続けるうえで過剰なコストがかかる場合にのみ用いられます。必要の無い処分を行わないためにも、解体処分デコミッションされるアノマリーは、O5評議会、倫理委員会、解体部門などの上位機関からの認可を必要とします。
Decommissioned SCPs are anomalies that have been intentionally destroyed or stripped of their anomalous properties by the SCP Foundation. As the Foundation usually tries to contain rather than neutralize anomalous objects, this object class is only used when it is not possible to fully contain an anomaly, or when excessive expenditure of resources is required to keep an anomaly in containment. To avoid any unnecessary losses, decommissioning anomalies requires authorization from a higher authority, such as the O5 Council, the Ethics Committee, or the Decommissioning Department.
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Apollyon
Apollyonクラスのオブジェクトは収容できないアノマリーであり、差し迫った収容違反または他の同様なシナリオが予想されるものです。このようなアノマリーは通常、世界を終わらせる脅威またはある種のK-クラスシナリオに関連しており、対処するには財団の多大な努力が必要です。
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Archon
Archonクラスのオブジェクトは理論上は収容できる可能性があるものの、何らかの理由により収容されないままにしておくのが最善なアノマリーです。Archonのオブジェクトは、現実世界1の一部となっているために完全な収容が困難であるか、もしくは収容すると悪影響をもたらす可能性があります。これらのオブジェクトは収容不可能ではありません。このクラスの決定的な特徴は、財団がアノマリーを収容しないことを選択することです。
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Pending
SCP報告書のうち、オブジェクトクラスがまだ割り当てられていないものはPendingに区分される場合があります。これは財団がその異常存在を積極的に調査しているものの、オブジェクトクラスを付与するにあたり十分な情報が得られていないことを示します。このクラスは話が進行中であることを強調するためにあえて使用されるものであり、著者がどのオブジェクトクラスに割り当てればいいのか分かっていないのとはまた異なります。
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非標準のオブジェクトクラス
以下のオブジェクトクラスは主要な(または現在廃止されている)オブジェクトクラスの分類を補うサブクラスです。
Explained
Explainedクラスのオブジェクトは、一般にはその性質が今や主流科学によって説明できるまでに完全に解明されたアノマリーや、これまでアノマリーと捏造または誤認されていたことが明らかにされた現象です。
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特殊/物語風クラス群 (Esoteric/Narrative Classes)
特殊クラス群(物語風クラス群と呼ばれることもある)は、上記の項目のいずれにも分類されないオブジェクトクラス群です。これらは通常一度のみ、特定のオブジェクトの物語性をさらに豊かにする目的で使用されるものですが、中には複数の記事で繰り返し用いられるものも存在します。基本的にはここのリストに載っている標準のオブジェクトクラスを使用し、非標準のオブジェクトクラスについては、記事中でそれを正当化するに足る十分な理由が描かれる場合にのみ用いるのがいいでしょう。
Esoteric Object Classes, also occasionally referred to as Narrative classes, are Object classes that do not fall into any of the above sections. They are generally created to further the narrative in a particular SCP and only used once, although some have been used consistently in multiple articles. It is recommended to use one of the standard Object Classes listed here for most SCPs, only using a non-standard object class if there's a good reason to justify it in the article.
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オブジェクトクラスのFAQ
「鍵の掛かった箱テスト」(the Locked Box Test)とは?
「鍵の掛かった箱テスト」とは、オブジェクトの「最も適切なオブジェクトクラス」を判断するために使われる非公式のガイドラインで、下記のように行います:
- 「それ」を箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置したとき、何も悪いことが起こらないのであれば、それはおそらくSafeです。
- 「それ」を箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置したとき、何が起こるか予測がつかないのであれば、それはおそらくEuclidです。
- 「それ」を箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置したとき、それが容易く脱走するのであれば、それはおそらくKeterです。
- 「それ」そのものが箱なのであれば、それはおそらくThaumielです。
- 「それ」を箱に入れられず、かつそれが世界を終わらせようとしているなら、それはおそらくApollyonです。
- 「それ」を箱に閉じ込められたとしても、そうしないことを選んだなら、それはおそらくArchonです。
特筆すべき注意点として、「自律性を持つもの」「生命を持つもの」「知性を持つもの」は、ほとんどの場合最低でもEuclidに分類されます。というのは、生きているものを箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置してそのことを忘れてしまったら、それは最終的に窒息死するか餓死してしまうでしょうし、そうなるのは望ましい結果ではないからです。知性を持つ存在は学習することによって収容プロトコルの裏をかけるようになる恐れもありますし、財団による収容の試みに対する協力を止め、そうでない場合よりも危険なものとなる恐れもあります。
誤ったオブジェクトクラスが使用されているSCP記事を見つけたら?
執筆者の創作上の自由を制限しないよう、オブジェクトクラスはあえて曖昧なままにされています。オブジェクトクラスの厳密な定義体系を定めてしまうことは執筆者が書きたいように書くことを妨げかねないため、新しい定義体系を作る提案は過去に幾度も却下されています。
もしあなたが「オブジェクトクラスが不適切かもしれない」と感じるSCP記事を見つけた場合は、ディスカッションページで議題を提起して他のサイトメンバーの意見を聞くことができます。もし説明に納得できないならば、その問題についてのあなたの見解を示すことも結論に基づいて投票することもあなたの自由です。
オブジェクトが非常に危険であるならそのオブジェクトクラスはより高いものにすべき?
いいえ、危険性はオブジェクトのオブジェクトクラスにそれほど影響を及ぼしません。上記で何度も繰り返し述べてきたように、オブジェクトのオブジェクトクラスは収容しなかった場合にそれがもたらす危険性よりもむしろ収容の困難性に基づきます。例として、押されたときに全宇宙を破壊することができるボタンはSafeに分類されるでしょうし、その一方で地球上のあらゆる場所にいる別の猫と無作為に入れ替わる猫はKeterに分類されるでしょう。
もう記事を「解体処分」デコミッションしないって話じゃなかった? いつからこんなことに?
I thought we weren't Decomissioning articles anymore? When did that change?
当初、Decommissionedクラスはスタッフによって、品質が低く好ましくないと考えられた記事をただ削除するだけでなく、してはいけないことの例として一種の「恥の壁」2に並べ立てるために使用されていたオブジェクトクラスです。この際、当該SCPオブジェクトの「解体処分」デコミッションを説明するために記事を書き直すことが行われており、大抵の場合は著者のアバターたちが無茶苦茶な方法でオブジェクトを破壊する様子が描かれました。この敢行はもはや行われていません。その理由としては、SCPスタッフによるこのような強権的編集がもはや許されていないことや、「解体処分」デコミッションが執筆の改善を促すどころか逆効果になってしまったことが挙げられます。Decommissioned記事はかつてこのページに掲載されていましたが、今では削除されています。サイト史におけるこの時代の詳細に関しては、財団の歴史ハブを参照してください。
Originally, the Decommissioned Object Class was used by staff to place unwanted articles deemed to be of low quality in a sort of "Wall of Shame" rather than simply deleting them, keeping them around to serve as examples of what not to do. This involved rewriting the article to describe the SCP object's "decomissioning", generally involving author avatars destroying the object in an over-the-top manner. This practice is no longer performed, partly because such heavy-handed edits by SCP staff are no longer allowed and partly because decommissioning ended up backfiring, rather than encouraging better writing. The Decommissioned articles, formerly listed here, have now been deleted. See the History of the Universe Hub for more information about this period in the site's history.
現在のDecomissionedクラスは、解体部門 ハブで述べられるように、一新されたものとなります。名称こそ元の「解体処分」デコミッション処置から取られてはいますが、今のDecomissionedクラスは、SCP財団が何らかのSCPオブジェクトを実利的・倫理的理由から破壊しようとするとき、いったいなぜそうせざるを得ないのかを追求するためのクラスとなっており、低品質の記事を吊るしあげるためのクラスではなくなっているのです。
The modern Decomissioned Object Class, as described in the Decommissioning Department Hub, is very different. Although the name references the original process of Decommissioning, it's about exploring the reasons why the SCP Foundation might want to destroy a particular SCP object for pragmatic or ethical reasons, and is not about mocking low-quality articles.
特殊クラスと、このページに掲載されている主要なクラスの違いって何?
What's the difference between an esoteric class and the primary classes listed on this page?
究極的には、オブジェクトクラスの使用頻度に帰着します。大多数のオブジェクトはSafe、Euclid、Keterに分類されますが、一部の記事では異なる分類を用いています。これらの多くは特定のオブジェクトのために作られ、一回限りで使用されるものですが、別の著者が有用だと思えば再使用されることもあります。一般的なガイドラインとしては、このページに掲載されていないオブジェクトクラスを用いる場合は、読者がその意味をわからない可能性が高いため、SCP記事の中でしっかり説明しておくのがいいでしょうということです。
Ultimately, it comes down to how often an object class is used. While the majority of SCPs are classified as Safe, Euclid or Keter, some articles use a different classification. While most of these are created for a specific SCP and used only once, a narrative object class can be reused if another author thinks it is useful. As a general guideline, if you use an object class that isn't listed on this page, it's worth making sure that it's clear what it means within the SCP article, because your reader is unlikely to know what it means.
ApollyonやArchonなど、上記に掲載されている主要なオブジェクトクラスの中には、元々は特殊クラスだと見做されていたものの、何度も再使用されるうちにこのページに追加されることになったものもあります。現在、オブジェクトクラスが独自のタグを獲得し、このガイドで定義されるようにするには、計25個のSCP記事で使用されている必要があります。
Several of the primary object classes listed above, including Apollyon and Archon, were originally considered to be esoteric, but were reused often enough to be added to this page. Currently, an object class must be used in 25 SCP articles before it can be given its own tag and be defined in this guide.
注記: SCP財団 日本語版Wikiにおける新規オブジェクトクラスの登録方法については、タグガイドの「タグの作り方」の項目を参照してください。