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    ライセンス照会結果 - 《██》 該当あり

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      SCP-3000-JPの実態

      インシデントの顛末


      訂正稿(暫定)

      アイテム番号: SCP-3000-JP

      オブジェクトクラス: Apollyon/Truculent.危険かつ予測不能なオブジェクトにつけられる副次クラスであり、主に物理法則などの法則を改変するオブジェクトに与えられます。

      特別収容プロトコル: このオブジェクトは一般生活に拡散、浸透しているため現在収容不可能です。暫定的な対処法として現段階で一般流通の可能な最大値の反射率で鏡(以下SCP-3000-JP-1と表記する)を製造させることでSCP-3000-JPの発現リスクを低減しています。

      また、財団GOC管轄施設内においてSCP-3000-JP-1が合わせ鏡の状態になっているのを確認した職員は、速やかにSCP-3000-JP-1を引き離す/向かい合わせを解除するなどの発現条件解消対策を行ってください。研究に携わる職員はサイト管理官と人事部門による調査を実施し、特定の思想概念による悪用を防止する人員配置が行われます。実験の凍結を受け、新たな人員配置はありません。

      パラウォッチやPAMWACからの前提条件等の情報漏洩、一般社会におけるSCP-3000-JPに関連する情報の監視を行い、当現象を誘発し得る情報、思想に対して、話題の転換や検閲、否定が施されます。また、世界全体にカバーストーリー「統計学的証明」を流布することでSCP-3000-JPの情報隠蔽の補助を行います。

      説明: 現在公開されているクリアランスレベル5に開示される報告書内の説明は、調査の状況から鑑みて実験中に段階的に現実改変が行われた結果を元に設定されたものと推測されています。


      インシデント発生の経緯

      当初、予測された異常性から、SCP-XXX-JPの研究チームに充てられた人員は霊道思想に基づく研究をする人員で固められました。

      田畑博士の提言が示す通り、鏡面に当たる2次元空間上の現実性が現実世界よりも失われていることは、SCP-3000-JPの発見当時の状況から、異常現象報告のあった各地の鏡面を観測した結果を参照し、概ね確実視されていました。

      田畑博士以下研究チームは、当観測結果を基軸として実験を重ね、理論を構築しました。その理論である『鏡を用いた霊的儀式を発端とする鏡面及び周囲現実性の低下に関する鏡面反射率及び空間観測認知論の関係[20██/11/██発表]』に矛盾が見られなかったため、財団は研究費を増額し研究は続行されました。

      結果、世界各地で同時多発的に現実性崩壊インシデントが発生しました。


      原因

      1回目の実験においては、合わせ鏡にしたSCP-3000-JP-1鏡面同士の現実性の低下を観測するのみに留まり、この現象を説明するための理論構築を研究チームと下部サポートチームで行った結果、SCP-540-JPと同様に集団思考の蓄積によって一度目の現実改変が行われたものと推測されます。この時サイト‐81██の現実安定性ビーコン.サイト-74に配置されている現実性の揺らぎ、異常を感知する機器。本サイトのものは同型。は、ごく小さな振れを記録しましたが、極めて低レベルの現実改変が起きたのみ(添付画像『資料1』参照)であり、人類存続に影響を及ぼさないレベルと判断され変動地域を記録するのみに留まりました。

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      資料1: サイト‐81██の現実安定性ビーコンの記録した、SCP-3000-JP調査記録1進行時の現実性の揺らぎ及び現実改変度。上へ振れるほどヒューム値.基準値は100Hmであるが、前記事までとの整合性が取れないため、現実改変された可能性が提示されている。ただし、表記方法以外での問題が見当たらないことや統一の際のSRA再設定、既存記事の大改稿、ヒューマンエラーの可能性が大きいため、日本支部では原則1Hm表記、特別な状況下で100Hm表記も可能と決定された。(『ヒューム表記の整合性異常とその対応』を参照)が低下し、色が赤に寄るほど現実改変度が高い。

      また、低レベルの現実性の揺らぎは比較的頻繁に観測されていますが、多くの場合、発生地点は財団内であり、記録されるのみに留まっています。

      なお、この時点で当初のSCP-3000-JP-1が持っていたと考えられるSCP-3000-JPの異常性の理論は新たなものに置き換わっていると推測され、以前の異常性の詳細は不明です。

      2回目の実験では、調査記録1を元に立てた仮説を基軸にSCP-3000-JPの観測を開始。合わせ鏡にした事でヒューム値の大きな低下を確認しました。(添付画像『資料2』参照)なお、この実験結果は、仮説提唱段階の仮説をもとに現実改変された結果に置き換わっていると推測されます。
      現実安定性ビーコンの振れが小さかったため、記録されるのみに留まりました。

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      資料2: サイト‐81██の現実安定性ビーコンの記録した、SCP-3000-JP調査記録2進行時の現実性の揺らぎ及び現実改変度。上へ振れるほどヒューム値が低下し、色が赤に寄るほど現実改変度が高い。

      3回目の実験では、調査記録2で理論通り急激なヒューム値低下が発生したことで、詳細な数値を計測および、ほかの反射率でも理論が適用されるかを実験し、予測値と限りなく合致する数値が観測されました。なお、この実験結果は、SCP-3000-JPの数値予測を忠実に現実改変された結果と推測されます。
      現実安定性ビーコンで中程度の振れを観測したため観測場所に機動部隊を派遣。(添付画像『資料3』参照)
      発生アノマリーのうち1つに現実改変能力を持つ対象を発見、収容。今回の現実改変における支障はほぼ見られないと判断され、以降の実験にSRAを使用する事でアノマリー発生を防止する対応がなされ、本事案は収束、記録されました。

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      資料3: サイト‐81██の現実安定性ビーコンの記録した、SCP-3000-JP調査記録3進行時の現実性の揺らぎ及び現実改変度。上へ振れるほどヒューム値が低下し、色が赤に寄るほど現実改変度が高い。

      インシデント3000JP発生時、現在報告書に記載されている内容と同じ理論をほぼ確定した状態で実験を開始。結果、SRAのワームホール投錨先の宇宙が消失。同座標宇宙を利用していた各国のSRAが一時的に機能を停止。世界的な重大インシデントが発生しました。
      サイト‐81██の現実安定性ビーコンは観測限界を振り切り、正確な諸数値は不明です。(添付画像『資料4』参照)

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      資料4: サイト‐81██の現実安定性ビーコンの記録した、インシデント発生時の現実性の揺らぎ及び現実改変度。上へ振れるほどヒューム値が低下し、色が赤に寄るほど現実改変度が高い。

      このインシデントを受け正式に調査が進行。田畑博士が理論を発表し、その理論を基に再現性実験を行った結果、矛盾点が存在しないことから、.矛盾の発生がなかった理由として、kejelの法則は比較的理論が確立、単純化されているが故に理論が破綻しづらい事が要因と見られます。正式に本SCP報告書が編集、公開されました。

      これにより当理論は基底現実において超常科学技術として一般的な理論と認識され.理論の超常科学的解明は成功しましたが、この異常性の観点からExplainedへの分類は見送られました。、SCP認定後にインシデント群を含む理論の詳細は最高機密となり、実験中に発生しうる問題への対策が世界規模になり得るため締結された『国際現実性保全協約』の影響で実験による初期段階への常識再改変実験は凍結されました.アンニュイプロトコルはその実施規模や発動要件、記憶処理材の原料生産の問題点と規模に対する在庫数及び、予期はされていなかったもののSCP-3000-JPについての理論が確立されていることから実行の段階にないと判断され、発動を見送られました。

      田畑博士の理論の完全性に疑問を持ち、この現実改変の存在に疑問を呈した日本支部理事会”升”による再調査要請により上記4枚の画像を含む現実性安定ビーコンの情報と照会した結果、実験記録1以降の実験に対応する期間中、常に現実性の揺らぎを継続して観測していたことが判明しました。なおSCP‐3000-JPは平常時、鏡面の現実性の低下のみを引き起こし、世界全体の鏡が普遍的にこの現象を持つため現実性安定ビーコンに、目に見える影響は記録されていません。

      上記の事実が判明したことにより、懸念点として、その他のSCPオブジェクトの実験中に現実性が低下していた場合に集団による度重なる現実改変の結果、収容当初の異常性が消失あるいは変容している可能性が提示されています。

      レベル5クリアランスを要求するSCP-3000-JP記事にてRAISAから開示されている各SCPのインシデントレポートにSCP-3000-JPに関する言及はないと表記していますが、インシデントSCP-3000-JPによるSRA停止が引き起こす、SCPの異常性由来の現実性変動・拡散による擬似的なSCP-3000-JPが生成された環境下において、現実改変が行われていると推測される結果がログから明らかになりました。

      SCP-3480


      『インシデントシミュレーション3000-235-8.3版』手順に沿った対応の結果、算出された物的、人的資材の被害規模に概ね一致する結果が得られました。

      SCP-1280-JP


      『インシデントシミュレーション2000-13.5版』手順に沿った対応の結果、SCP-1280-JPの拡大速度は理論値と概ね一致する結果が得られました。

      SCP-5██-FR


      SCPS[Andy]、SCPS[Cate]、SCPS[すざく]乗組員への聞き取りの内容及び、『インシデントシミュレーションSCP-5██-FR 19版』のシミュレーションにおけるSCP-5██-FR船体の拡散速度を大幅に上回る拡散速度の観測から、乗組員の大半が、観測不能状態のSCP-5██-FRに対して類似した想像をしていたことが現実性拡散速度の加速という現実改変に至った可能性が高いと見られています。

      SCP-2222-JP


      『インシデントシミュレーションSCP-2222-JP 38.3版』のシミュレーションに、クラスD現実性希薄領域の拡大プロセスが概ね一致する結果が得られました。

      既に、明確に当事案に含まれると確定された実例としては、そのSCPが現実改変能力を持っていると判明していたSCPの一例としてSCP-1308-JPSCP-███SCP-███-PTなどが挙げられます。

      追記: 現在SCP-3000-JPに対する全実験は凍結されているため、新たな発現条件に対する実験は凍結解除申請を要します。現在まで5回の凍結解除申請が行われましたが、いずれも反対多数で却下されています。申請内容詳細は以下のファイルを参照してください。

      第一次『国際現実性保全協約』実験凍結解除草案具申
      第二次『国際現実性保全協約』実験凍結解除草案具申
      『国際現実性保全協約』改訂具申
      『国際現実性保全協約』改訂具申及び現実性干渉技術の進歩振興案の提示
      『国際現実性保全協約』下における収容実験規制の緩和に対する提言書

      SCP-3000-JPの発現条件がSCP-3000-JP-1を用いた特定動作以外にも存在すると確証を得られた上で、実験凍結解除申請が許可されない場合、財団は収容放棄の上、内部からの情報流出の形式を装い、部分的な『捲られたヴェールシナリオ』実行による民間の研究機関への委託と、フロント企業としての取り込みを行わない形での監視.外部組織(オカルト連合所属組織やその他要注意団体)からの干渉を防止する措置を行う。による研究保護へ方針を切り替える草案を提案します。

      むすび



       この実験において、SCP研究に伴う重大なジレンマが浮き彫りになりました。研究職は名の通り、それぞれの分野のエキスパート達で構成されています。よって、ある程度の原因予測の出来たSCPの研究にはそこに見合った分野の研究チームをつけるのが我々財団のセオリーです。しかし今回のインシデントはそれが原因となって引き起こされました。
       研究には大前提として専門的な知識が必要ですが、今回のようなケースでは寧ろ専門的な知識で異常性を凶悪にし、幻想は科学で塗り固めてしまっています。現在、我々は我々の作り出した幻を収容しているのです。

       SCP収容に際して、財団は無数のインシデント対応プロセスの考案と多方面からの検証を繰り返し、対応はある程度のマニュアル化された手順に沿う形で進行します。考えうる最良の結果を齎すための措置であり、経験則上このプロセスが齎す結果は思惑通りの結果に落ち着いています。今回のインシデント3000JPにおいても、用意されていたインシデントシミュレーションは正確な数値を導き出していたことが明らかになりました。このように財団とその理念の維持には理論構築やプロセスの明確化は必須要綱であり、得られる結果は財団の基盤となります。人類の発展の中で、分類主義や合理主義というものは大きな役割を担ってきましたが、財団もオブジェクトクラスや実験による異常部分の発見、既知技術に照らし合わせて解明しようという試みはこれらの主義思想に基づいています。
       SCP-3000-JPがこの事例の最たるものでしょう。田畑博士と研究チームは量子物理学の技術を用いることで科学として確立した理論を導き出しました。初期ナンバーのSCP群も収容保護に留まらず、多くのクロステストを経て異常性のメカニズムが解明され始めており、物流、製造、科学、医療、考古、天体・概念・量子物理、誤伝達、反ミームに挙げられるような様々な特殊部門の創設もなされました。当初はただ異常で危険、未知で不気味なだけの存在だったにも関わらずです。しかし現在これら全てに、理論で固めた虚構、幻想の可能性が浮上しています。

      SCP-3000-JPは我々の理屈などは擦過で崩れ去る机上の空論であるという可能性を示唆してきたのです。
      この訂正稿すら何かを改変した私の想像かも分からないなんて言われて我々はどうすればいい?
       この事態に対し、今現在財団は有効な手立てを用意できません。クロステストを含む実験申請の受理は、現実性の関わるSCPを含めた全てのSCPで、より一層の吟味が為されなければならないでしょう。

       なお、SCP-3000-JPに類似する現象による影響の範囲は未だ予測の範疇を越えてはいないものの、現在まで████件が候補として挙げられています。(詳細
      我々の実験に意味はあるのか? 我々の理論に価値はあるのか? 我々は手段を誤っていたのか?
      確保・収容・保護は本当に行われているのか?

      桝.png

      20██年1月16日
      財団日本支部理事会
      日本支部理事"升"

      当記事は日本支部理事-升による現実改編済みの古い情報である可能性が示唆されています。






keter apolliyon scp jp 幻想 現実改変 esoteric-class 3000jp 世界オカルト連合 k-クラスシナリオ 構造 不定形 未収容 時空間 異次元 ポータル 観測



ページ情報

執筆者: kihaku
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最終更新: 16 Dec 2022 06:18
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