
The RSO Association──解放、拡散、観察
概要
「RSO協会」は2018年6月頃にかけてTwitter上で急速な盛り上がりを見せたが、それに伴いサイトメンバーの批判が集まったことで発案者がアイデアを取り下げ、消失した要注意団体案である。沈静化した後も、発案者以外の一部のメンバーが自主的にGoI化プロジェクトと称して組織化し、地下活動を継続していたが、次第にそちらも停止した。
発端
MAD動画制作を中心に活動していた眠々蝉氏がTwitter上にアップロードしたショート動画がRSOの起源である。この動画内では、SCP財団のロゴが反転し、“RSO協会”なる組織のロゴに変貌するアニメーションが流れる。(おそらく5月末に動画が投稿されたものと思われる)
以後、眠々蝉とその周辺人物を中心に、RSO協会の設定が形作られ、妄想がタイムラインに流されていくこととなる。RSO協会は"Release, Spread, Observe"を理念に、アノマリーを解放して経過を観察する集団と設定され、反財団的な要注意団体として構想された。
2018年組の新人メンバーやTwitter上でのみの活動が多い界隈者を中心に、6月7日前後に一気に話題が拡散。ほどなくして、それ以前に参加していたメンバーも話題に言及し始める。新GoI案として好意的に捉えて理性的に助言するメンバーもいた一方で、既存GoIとのテーマ的衝突や新人中心のアイデアであることから成立を不安視する者、あるいは攻撃的態度を取るメンバーも現れ、事態は混沌とし始める (やや古参vs新人のような不穏な空気が醸成されていたとも言える。代表的な批判者の一人はサイト上で活動していたわけではなかったが)。
最終的に、6月9日に眠々蝉氏がアイデアの取り下げと今後の不干渉を宣言し、RSO関係から身を引く。とはいえ、既に活発にアイデアを流していたり、創作を企図し始めていた人物もいた。同日中に虚言術師が新要注意団体「RSO協会」設立に関する議論スレッドをフォーラムに設置するかどうかTwitter上でアンケートを取るが、今はそっとしておくべきだという意見が最も優勢であった。
他方、はるりん氏がアイデアをこのまま腐らせるべきではないとして、一部希望者を募ったうえでTwitter上に関連グループトークを設立する。
グループトーク時代
グループトーク時代、参加者は主にSCP界隈に参入したばかりの初心者らが中心であった。このため、いくつかの興味深いアイデアは出たものの、全体的には稚拙な会合であったと言える。
この間、以下の計7つのグループが目的別に並行して使用された。
- The RSO Association
- RSO協会の出自案
- RSO協会のオブジェクト案
- RSO協会の報告書案
- RSO協会のアイディア倉庫
- RSO協会投票用グループ
- RSO協会連絡用グループ
ここでは、RSO協会の新規GoI化に向けての議論が10月中腹まで継続して行われた。炎上のほとぼりが冷めるまでの間は地下議論を続け、沈静化した頃に本格的に記事作成を始めるかたちであった。
議論の過程で、RSO協会は1つの団体ではなく、複数の中小異常団体の連合体という形に設定され、傘下団体に関する設定創発が行われた。例としては、以下のような団体が考えられていた。
- 密徒祈祷院: 日本の密教異端派。呪術師集団と化している。
- プラーナ観測会: 異端エネルギー研究会。外部エントロピーを探し求める。
- 聖杯委員会: 基督教異端派。三位一体のこの世界への顕現を捜す。
- 回転: 螺旋こそ至高とする集団。螺旋エネルギーや構造で優れた開発も希にするが、ほぼほぼゴミしか作らない。
- 真実会館: 世界の真実を求める集団。魔術、科学、哲学、あらゆる手段で真実を求める。GOCと重複所属。
- トンネル: 異世界に行きたい変人集団。しかもゲートになりそうな技術が全然作れない。
- Candy Harmony: アノマリーは美味しいという信念の元に集った狂人集団。アノマリーなら682だろうが現実改変者だろうがとりあえず食べようとする。
- 遥かなる眠り: 死の先にこそ心の安寧があるとし世界の破滅を目指す教祖が立ち上げた宗教団体。現在は恒久的な睡眠を可能とするオブジェクトを研究している。
- パヴァロン結社: 異世界から迷い込んだ存在により作られた秘密結社。元の世界に帰る方法を探している。
- アスクレピウス医師会: 特異性を持つ技術による不治の病の治療、及び死者蘇生の方法を研究する組織。主に特異性を持つ薬品を製造。
- ヘルメスの叡智: 錬金術を研究する集団。究極目標は賢者の石の錬成だが基本的に色々な形で失敗する。
また、これら団体に所属する人事キャラクターの設定創作も並行して行われていたが、これはクリエイターべースの成熟度もあり、全体的に稚拙であったと言える。協会の報告書フォーマットも構想され、それを用いた記事案も書かれていたが、こちらも稚拙な内容が多かったように思われる。
協会の出自についても議論されていたが、これがどうなったかは定かでない──もしかしたら厳密な出自や目的は決めなかったのかもしれない。ログが膨大であるため、漁りきれないのが現状だ。
最終的に、専用のDiscordサーバーが製作され、徐々にそちらへ活動は移行していった (それとともにグループトークからは参加者が離脱していった)。しかし、私は当時Discordをやっていなかったため、このサーバーに参加しなかった。現在招待リンクは機能していないため、サーバー移行後のRSOムーブメントの展開についてはもう分からない。
ただメインサイトに登場していないところを見るに、おそらくは自然消滅したのだろう。
余談
当時の7happy7氏がRSO協会用のCSSテーマを作成されていたりする。