SCP3000JP-あの夏でまってるから-ページ遷移後
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アイテム番号: SCP-3000-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 夏化イベントの発生、またはSCP-3000-JP-Aと思われる人物の確認の際は機動部隊な-2("Break the Summer")による影響地域の無力化・収容が行われます。

インターネット上においては財団のウェブクローラーなどを用い、「夏」という概念に強い執着を見せる人物がいないかを監視し、発見された場合は当該人物はマークされます。

説明: SCP-3000-JP、並びにSCP-3000-JP-1、-2につきましては前リビジョンを確認してください。

SCP-3000-JP-Aは伝染性ミーム及び「夏化イベント」と呼称される現象の媒介となる人物です。

SCP-3000-JP-Aとの意志疎通等で接触を行った人物は当該実体に対する強い執着心を持ち始めます(以下、接触者をSCP-3000-JP-Bと呼称)。SCP-3000-JP-BのSCP-3000-JP-Aへの執着心が一定以上強まるとSCP-3000-JP-Aは消失します。この際、SCP-3000-JP-Aの状態は不明ですが、目撃例から日本国内の別の場所へ移動し、夏化イベントを誘発していると考えられています。

SCP-3000-JP-Aの消失後、SCP-3000-JP-BはSCP-3000-JP-Aとの遭遇に対する強い欲求を覚え、以降はSCP-3000-JP-Aの捜索を優先します。

財団による推測では、夏化イベントの影響範囲がおおよそ日本の国土の半分程度となると、SCP-3000-JP-BはSCP-3000-JP-Aと接触可能になり、最初に接触したSCP-3000-JP-B実例とSCP-3000-JP-Aの二人だけでの会話が行われます(以下接触イベントと呼称)。接触イベント終了後、SCP-3000-JP-Aが消失し、以後出現しないと見られています。一方、接触イベントを発生させたSCP-3000-JP-Bが新たにSCP-3000-JP-Aとしての性質を保有するものと思われます。

補遺: 現在のSCP-3000-JP-Aは財団所属の遠野博士であると推測されています。遠野博士は2025/03/04に失踪しており、それと同時に15~17歳相当の外見の遠野博士が各地で確認されるようになりました。調査の結果、上記の様な詳細が判明しました。遠野博士は2024/12/25に当時SCP-3000-JP-2と指定されていた人型実体と接触イベントを行っており、この段階でSCP-3000-JP-Aに変化したと考えられています。現在遠野博士が居住していたマンション内は夏化イベントにより空間的異常が生じており、警備員により封鎖されています。

荒田海博士による補足

旧版の報告書を読んだ君は、なぜ不自然に遠野博士の日誌が添付されているのか、疑問に思ったことだろう。その理由がこれだ。つまり、あの手記はSCP-3000-JP-Bの精神が次第に汚染され、次のSCP-3000-JP-Aに変貌していく過程を記録したデータなのだ。もし新たにSCP-3000-JP-Aと思われる人物が生じた際には、あの日誌の記述を参考にして、判断してほしい。

さて、SCP-3000-JPは幻想的な夏を作り出し、夏化イベントにより世界を破壊し、少年少女と化した二人だけが、二人の感情だけで世界を再構築する一連の流れであるが、これはまるで世界の命運が運命の二人にかかっているかのようだ。さながらひと夏の冒険を描いたドラマのようだ。

だが、世界には運命の二人だけではなく、様々な存在が絡み合って存在している。たった二人の意思が世界の全てを決定するということ、それこそが幻想に他ならない。我々が守るべき世界のあり方はより複雑で多様だ。

我々は二人だけの世界を存在させないために、幻想的な夏を壊すのだ。

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