生存圏共通 開示情報参照システム
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Guest権限で認証済
認証ID: G#000129321
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システム概要: 生存圏管理委員会による声明に基づき、各生存圏において調査・研究・収集・補完されたこれまでの記録のすべてはデータベースに定期的に共有され、全生存圏住民に開示されるよう義務づけられています。当システムは前述の事項に則り、全生存圏住民に付与されたIDで認証される限り、恒久的に開示されたすべての調査研究情報が参照可能です。参照可能データを表示するには、項目内リンクを展開して下さい。
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関連データ#001 - 事案記録29271014: インシデント"Re:BREAK"
ファイル概要: 2927/10/14、北米時間午後14時2分10秒に、全世界で使用されていたXANETディストリビューションが同時多発的に機能停止、もしくは暴走を引き起こした。これによって、XANETにより維持されていた世界インフラの半数以上が大打撃を受け、それによる死傷者は6億人前後にまでのぼる大災害となった。SCP財団はこの災害の総称をインシデント"Re:BREAK"と命名し、世界オカルト連合と共にインシデントの対処に奔走する事態となった。
このファイルでは、現在の世界秩序の崩壊を招いた未曽有の文明災害の被害規模や状況の記録と、インシデント"Re:BREAK"を引き起こした社会基盤システムプログラム「XANET」が如何なるものであるかについての当時の資料が記録されている。
関連文書:
全体容量: 1,598文字
補足文書:
全体容量: 3,731文字
関連データ#002 - A15調査班: 財閥事業体調査記録#2927
ファイル概要: アトラスタ財閥(Atlaster Concern)は、2927年時点で最も大きな影響力と活動規模を有していた超巨大複合事業体である。その影響力は産業、食品、通信、医療、金融、エネルギー、住居、貿易、軍事、研究開発など、ほぼすべての事業形態や市場で多大なる影響力と寡占状態が続いていた。
それは、当時の3大国家影響圏(北米連邦、EUL、アジア経済連合)を合わせ持ったとしても敵う相手ですらなく、彼らとほぼ対をなす複合事業体であったTAPトラストでさえ、アトラスタ財閥の躍進を抑え込むことは不可能であった。それどころかSCP財団やGOCもまた、当時は複合事業体や国家影響圏同士の緩衝材程度にしか機能していなかった点については、よもや語るまでもないだろう。
関連文書:
全体容量: 5,970文字
補足文書:
全体容量: 3,162文字
関連データ#003 - A15調査班: ニューロバンク大規模ダビングアウト事件調査記録
ファイル概要: 2927/10/14、インシデント"Re:BREAK"とほぼ同時発生した、世界5カ所のニューロバンクのうち3カ所で発生した大規模ダビングアウトは、ニューロアーク技術による恩恵で精神を義体に封じ込めていた人々にとって大きな禍根を残す事件となった。ニューロバンクの保存されていた人々の人格データからリモート接続していた義体は各地で狂乱と暴走を繰り返し、それが重なったことで"Re:BREAK"はさらに被害を拡大させる結果となった。
この事件によって、肉体の機械化の次のステージとして精神の機械化がもたらす不死の技術たるニューロアークと、そして世界一安全と謳われたXANETによって加護されていたニューロバンクは、XANETの暴走によってあまりにも脆く崩れ去る幻想でしかなかったことが知らしめられてしまったのである。
関連文書:
全体容量: 10,860文字
補足文書:
全体容量: 4,525文字
関連データ#004 - 追跡記録: UX407.2841 - 政令指定工場調査記録
ファイル概要: 2920年代の社会雇用機会の状況は世界的に芳しい状態とは言いがたかった。それは、現在の複合事業体の台頭とXANETの普及・躍進に伴って反比例するように悪化しており、特にアジア経済連合領の国家のほとんどは、アトラスタ財閥による経済介入とXANETによる労働環境の侵食の結果として「働く必要のない国家」に成り果てていた。
明くるインシデント"Re:BREAK"以降、国家影響圏の複合事業体に対する義務づけに基づいた、最低限の雇用・労働環境の提供のための工業地帯「政令指定工場」の1つ『常盤第八工場』にて、A15調査班はある男のもとを訪ねる。かつてアトラスタ・インダストリアルの副社長の座についていたその男は、200年という生涯の中で虎視眈々と財閥に対する復讐心を燃やし続けていた。
関連文書:
全体容量: 6,626文字
補足文書:
全体容量: 9,803文字
関連データ#005 - A15調査班: MC&D強制捜査記録#2928
ファイル概要: 常盤第八工場への調査以降、インシデント"Re:BREAK"の発端を創造したアトラスタ財閥に対する身辺調査が急速に進められることとなった。500年以上前に創設されたアトラスタ財閥は、その過去の記録のほとんどが喪失ないし散逸している状態だったために、調査は非常に難航することとなった。
現時点までで判明しているのは、アトラスタ財閥の創設には2500年代において「一世一代の最高峰技術者」とまで言わしめられていたヘレボルス・イサナギと、マーシャル・カーター&ダーク社の経営陣一族の出身であったアルベルタ・グレイネス・ダークが関わっていたこと、そして財閥の躍進に対し、TAPトラストの前身として、当時大きな影響力を有していたとされるプロメテウス・ラボ・グループと対立関係が続いていたことに依拠する役員連続暗殺事件が発生していたことの2点である。
関連文書:
全体容量: 5,166文字
補足文書:
全体容量: 10,751文字
関連データ#006 - 内部事案記録: SCP財団北米連邦本部襲撃事件
ファイル概要: 2927/11/4、北米連邦時間午前0時30分24秒、アトラスタ財閥は、財団を含む正常性維持機関に対する宣戦布告を行なった。暴走したXANETとインクリニティウムによる予測不可能な猛攻に、財団は寝首をかかれたような状況だった。これに対し財団は対策を講じる間もなくほとんどの防衛・管理システムがオーバーライドされ、混乱が混乱を呼ぶ恐慌状態に陥ったまま、オブジェクトの脱走を含む収容違反が頻発。財団という組織は事実上の壊滅状態に陥っていった。
本事案を受け、辛うじて残存した職員らは財団の組織立て直しを図るため、GOCなどの各機関と緊密な連携を推し進めていた。その中で、一連の事件の発端がアトラスタ財閥によるものであると推測したA15調査班は、追加の独自調査を行った。
関連文書:
全体容量: 4,432文字
補足文書:
全体容量: 3,695文字
関連データ#007 - A15調査班: 人工神格体創造研究センター"イザナミ"強制捜査記録
ファイル概要: インシデント"Re:BREAK"の発生に伴うインクリニティウムの侵食は、たった1ヶ月で陸地の30%を覆い隠す結果となった(正常性維持機関による鎮圧作業の継続によって食い止めて尚この状況である)。芳しくない状況が刻一刻と進んでいくさなか、特例権限を与えられたA15調査班による追跡の結果として、トリフォリウム・ラグナダ・イサナギとエノラ・アルセリウス・クラッドの所在が特定された。一連のインシデントを引き起こした張本人たる2名は、北米連邦領アラスカ州に位置するアトラスタ財閥の研究施設「イザナミ」で待ち構えていたのである。
イザナミは、アトラスタ財閥がかつて供物交換型発電技術の研究のために100年以上前に使用し、2920年代当時では既に放棄された施設である。そんな閉鎖施設に2名がわざわざ籠城する理由も含め、A15調査班メンバーは現地調査に赴くこととなった。以下のデータはそれに付随する調査記録である。
関連文書:
全体容量: 19,749文字
補足文書:
全体容量: 2,122文字
関連データ#008 - 内部事案記録: 正常性維持機関中枢部壊滅事件
ファイル概要: A15調査班による人工神格体創造研究センター「イザナミ」への立入調査は、事件を解決させる一劇となることはなかった。世界が破滅へと転がり落ちる路線は捻じ曲げることなど出来ず、A15調査班がトリフォリウム・ラグナダ・イサナギを止めようとしたところで止められるものではなくなっていた。さらには、この件を引き金として外宇宙有人軌道ステーション「アストリズム」による直下型攻撃により、O5評議会がインシデントに対する共同対策会議を行っていた極秘領域が消滅する事態が発生した。
今やこの状況を止めることのできる力など誰にも残されていないことを再確認するだけのことしか出来なかった調査班メンバーだったが、彼らがここに足を運んだこと、それ自体は決して無駄にはならなかった。なぜなら、イサナギすら認知していなかった、人類が唯一"生き残る"ための誤算が、「イザナミ」にはわずかに残されていたのだから。
関連文書:
全体容量: 769文字
補足文書:
全体容量: 2,370文字
関連データ#009 - 対策状況報告29601215: "生存圏"の現状と今後
ファイル概要: 現在まで正式に正常性維持機関の管理下に置かれている生存圏は3つ存在している。情報通信技術が衰退した現在において、それぞれは互いに連絡を取り合う手段は「アストリズム」による間接的な手段のみであり、互いのリアルタイムでの情報のやりとりは不可能な状況が続いている。だが、これまでの蓄積されたあらゆる経過情報から、いずれの生存圏も現状維持を続けた場合、40年~100年以内にすべて消滅する可能性が高いことが示されている。
ここでは、その絶望的状況をいかにして打開していくべきかの継続的な研究が行われている軌跡が記録される。この項目で更新されるデータは、2960年現在において常に最新の情報として保存されるようになっている。
関連文書:
全体容量: 5,997文字
補足文書:
全体容量: 6,201文字
全体容量: 3,283文字