蒐集院ハブ
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蒐集院概略

七哲連名による蒐集院解体宣言


蒐集院ハ昭和二十年九月三十日ヲ以テ財団カベルリンニ於イテ発シタル宣言ノ掲フル諸条項ヲ追認シ、此レヲ支持スル為ニ保有スル全テノ資産及人員ヲ解散シタル後財団ニ合流スル
蒐集院顧問官会議タル七哲ハ全員連署テ蒐集院ニ属スアラユル者ニ対シ、財団ヘノ敵対行為ヲ止メ彼等ノ指示ニ従ウヨウ命ス

(昭和二十年 九月十一日)

O5-11による蒐集院の合流に関する声明


本日より、日本国地域内での活動は蒐集院構成員との連携を前提に行われる。蒐集院の管理下にあったオブジェクトの収容引き継ぎや、日本国内で活動する各要注意団体への対処に彼らの助力は不可欠だ。今月中に蒐集院は解体され、構成員は財団職員として順次雇用される予定である。我々が日本における収容体制を速やかに確立するために、諸君が彼らとの過去を水に流し親愛なる同僚として受け入れることを期待する。

(西暦1945年 9月11日)


古来より、この国には神秘が偏在している。
、そして
それらに連なる存在、あるいはそのどれにも当て嵌まらない常ならぬ存在。
あらゆる術を駆使して、そういったものどもを封じ蒐集していた機関。
それが"蒐集院"。

かつては、国の歴史の影でその使命を全うし続けていた。
現在、その役目は"財団"が担っている。


壱、概論
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蒐集院の神紋。特定の神を奉じることのない蒐集院では、普遍的かつ効果的なモチーフを組み合わせた神紋が時代ごとに作成されました。

蒐集院は財団進出以前の日本国内において、非常に古くから活動してきた超常機関です。その主目的は異常物品・異常存在の"蒐集"であり、「確保・収容・保護」という財団の理念と通じる部分があります。

しかし蒐集院と財団は大きく異なる存在です。科学に基づき活動する財団と対照的に、蒐集院は卜占や呪術、神道や修験道などの伝統的もしくは宗教的な手法によって蒐集を行ってきました。

厳密には、蒐集院は財団のような正常性維持機関ではありません。その主目的は正常性の維持ではなく、自身や国家・為政者等の利益確保を目的とした"蒐集"の遂行であり、これを他者に阻害されることのないよう異常存在や自身を一般社会から隠蔽していました。

太平洋戦争終結後、財団が日本国内における影響力を強めて以降、蒐集院の構成員・資産等の大部分は財団へ継承されました。蒐集院が培った技術は、多くが非科学的・非論理的であるため財団ではそれらによる手法を採用していません。しかし、極一部の有用であるもしくは代替不可能であると判断されたものは特別収容プロトコル等に役立てられています。一方で、世界オカルト連合やその他の要注意団体へ加わった構成員も存在する他、独自の活動を続け蒐集院の復権を目論む残党/派閥の存在も確認されています。


弐、略史

参、組織

蒐集院の組織構造は時代ごとに変化しており、また中世から近代に至るまでを除く多くの期間で資料が散逸しています。以下に示す組織図は明治中期頃のものであり、また、主要でない部署や機密性が高く実態が把握できていない部署は省略されています。

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  • 総裁
    蒐集院の代表職です。しかしながら限りなく名目的であり、その実態は傀儡か名誉職、あるいは空位であったと推測されています。蒐集院に対する呪的攻撃の避雷針として機能する防衛機構として設けられていたという見方が現在に至るまで有力です。
  • 顧問官会議
    蒐集院の実質的な指導者集団で、七哲と呼ばれる最高位幹部たちによる合議制が取られていました。戦国時代に形成されてから蒐集院解体に至るまでその制度は維持され続けました。初代の七哲は、蒐集院幹部であった千利休の高弟として知られる利休十哲と深い関係がありました──利休十哲のうち利休と特に親しかった芝山宗綱、古田重然に関しては、実際に初代七哲の一員であったとする説が主流です。
  • 本院/内院
    本院は江戸時代初期まで京都に存在した蒐集院の本拠点です。江戸時代以降の蒐集院では、徳川幕府の成立に伴って出現した新たな人口密集地に対する監視や政権との対話確立のため、一定の拠点を関東地域に設置する必要性が生じました。それまで京都に置かれていた本院が江戸に移され、京都には新たに内院が置かれました。七哲を始めとする意思決定機関が京都に残ったことから、蒐集院内部での権力基盤は依然として内院にあり、本院の移設は江戸幕府に対する表面的な恭順を示すパフォーマンスに過ぎなかったと考えられています。以後、中枢機関としての内院・政権との仲立ちや東国の管理を担う本院の二重体制は蒐集院の解体まで存続しました。20世紀後半の蒐集院における離反者の多くが本院所属であったことが示すように、関東の本院における内院のプレゼンスは完全なものではなかったようです。
  • 別院
    別院は蒐集院が勢力圏内に持つ主要な地方拠点の総称です。共通する特徴として、本院及び内院と異なり表向きは著名な寺社として設置されていたことが挙げられます。特に力を持っていた別院として、出雲国の八雲別院、日向国の高千穂別院、山城国の宇治別院が挙げられます。
  • 総長官房
    内院・本院・各別院はそれぞれ代表として総長が置かれました。総長官房は明治に入ってから内院及び本院の総務所を改組する形で設置された総長に近しい側近たちが重要執務を執り行う部署です。各別院における会計や人事は変わらず総務所が担っていました。
  • 秘衛府
    秘衛府に所属する構成員は衛士と呼ばれ、蒐集院の実力部隊として機能しました。非戦闘員や要人の警護、異常存在や他勢力との交戦、各種諜報を担っていました。
  • 秘戴部
    表向きは対非超常組織を専門に諜報を担当していた部署です。秘衛府の下部に設置されたものの、院の上層部の意向が強く反映され秘戴部とは異なる動きが目立ちました。蒐集院内部に対しての監視役としての役割も持ち、最も表に近い裏側あるいは最も裏に近い表側の部署としての働きが期待されていたとされています。
  • 按察司
    按察司は秘衛府に属し、単独で国内を巡回しての情報収集や表立った身分での活動の影でスパイ行為にあたる役職です。特に按察司として有名な人物として以心崇伝が挙げられます。彼は戦国時代に徳川家康の参謀を務める裏で按察司として蒐集院に通じていました。
  • 蕃客司
    蒐集院と国外の機関の窓口を務める部署です。帝都本院から人員が異常事例調査局(IJAMEA)に流出した際、必要とされ総務所ないし総長官房から機能を分離する形で帝都本院に設けられたとされますが、その成立経緯に反して閑職であったとされ、寮ではなく司であることもそれを示しています。国内勢力に対する渉外を担っていた本院及び内院の総長官房が海外情勢に無頓着であったとも、彼らが蕃客司を嫌ったからともされていますが、その実態は不明瞭です。
  • 弾正台
    蕃客司と同じく、蒐集院からの大規模な人員流出を期に設置された部署です。本院内部及び各別院において背信行為が発生しないかを監査する役目を負っています。内院に対しての活動は確認されておらず、これは内院には同様の機能を持つ独自の部署が存在するためと推測されていますが、該当する部署の実在を示す資料は発見されていません。
  • 大学寮
    蒐集院独自の学校であり、蒐集院の構成員としての基礎的な教養・心得の伝授を担っていました。世襲的な側面が強く、また秘伝の術などを継承する一族も多かった蒐集院ではあまり重要視されていませんでしたが、明治期に入り傭人制度などが新設されると必要性が高まり、内院から本院への移転を機に蒐集院内部での影響力を強めていきました。
  • 図書寮
    蒐集院が長い歴史の中で集積してきた文献の管理を担う部署です。また、新規の文書編纂も担っています。
  • 系譜室
    図書寮の中でも血統の記録を担当しています。皇室や有力豪族、蒐集院内外の呪術的素養のある一族の系譜図を更新し続けていました。
  • 覚書室
    図書寮の花形で、極めて重要な部署です。異物や異界など、蒐集院が捕捉ないし蒐集してきた異常存在の記録である覚書の管理・現代語訳を任されています。所属する人員には認識災害や情報災害の対策、あるいは加工技術も要求されるため、極めて高度な人材が揃う部署でもあります。
  • 諸陵寮
    古くは古墳や墓を管理する部署でしたが、時代を経るにつれ業務内容が拡張されていき霊脈や霊地の調整保持も担うようになりました。
  • 蒐集寮
    異物の蒐集を担う部署です。蒐集院の前身とされる蒐集寮との関係性は不明ですが、原初の蒐集院はこの蒐集寮が持つ機能のみを持っていたとする見方もあります。
  • 傭人連
    明治期に入り、超常勢力の新興や海外勢力の流入に伴い異物蒐集の手を増やすべきとする論が蒐集院内部では有力でした。そこで、蒐集の前段階である異物の捕捉のために民間から雇用されるようになったのが傭人です。傭人連は傭人たちを束ねる他、新規雇用をするに足りる民間人の選定を行っており、東日本と西日本をそれぞれ関東傭人連と関西傭人連が担当していました。特に有名な傭人として、関東傭人連の総代を務めていた柳田國男が挙げられます。このように、一般社会で文化人と知られる人物が副業として蒐集院の傭人活動をしていたことはそう珍しくなかったとされています。
  • 内匠寮
    蒐集院の建築物の新築・改築・点検を広範に担う部署です。
  • 奉斎使
    蒐集した異物の封印・鎮護を担う部署です。内匠寮の内部部門ではありますが、内匠寮に対して強い影響力を持ち、実質的な独立部署でした。
  • 研儀職
    蒐集した異物の研究を担う部署です。その特異性から、さまざまな部署に対して極めて高い独立性を付与されていました。

総長官房や按察司や傭人を除いた殆どの寮・司・職において、人員は一等から四等の四階級に分けられました。時代によっては四階級にそれぞれ「準」を含めた計八階級であることもあったことが確認されています。蒐集官・研儀官・奉斎官1のような所属名の前に等級を付け、内院準一等研儀官というように身分を表しました。
ただし、○○官という呼び方は明治政府との協力関係を構築したころから使われだしたという説が主流です。官吏ではないのにも関わらず蒐集院の構成員にこの呼称が使われたということは、何らかの形で政府の庇護下にあったことを示していたと推測されています。


肆、関係

伍、文献

陸、執筆ガイド

漆、フォーマット指南

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