アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの出現が確認された場合、アストロプラネッツ・プロトコルに従った活動の抑制が行われます。SCP-XXXX-JPによる被害が確認された場合、関係者への記憶処理とカバーストーリー「行方不明」の流布が行われます。
説明: SCP-XXXX-JPは全国高等学校野球選手権大会および選抜高等学校野球大会1に介入する反ミーム実体群です。個体数は25体であり、全個体が同様の制服を着用しています。SCP-XXXX-JPの身元を特定する試みは、SCP-XXXX-JPの有する反ミーム性の影響により失敗に終わっています。
SCP-XXXX-JPは大会に参加しているランダムな野球チームと試合を行います。この際、関係者らはSCP-XXXX-JPが試合表や出場者名簿に登録されていないことに対する違和感を抱きません。試合は通常の手順・ルールに従って実施されます。試合中にSCP-XXXX-JPが反ミーム性以外の異常性質を行使する様子は確認されていません。
SCP-XXXX-JPが試合に勝利した場合、敗戦校チームのキャプテン (対象と表記) は甲子園球場の土中に埋められます。結果として対象は土中に埋められたことによって窒息し、死亡します。その後、SCP-XXXX-JPは対象の体積と同程度の土をその場で掘削・回収します。これらの行為について観客や試合関係者は一切の違和感を有しません。また、大会終了後にこれらの行為やSCP-XXXX-JPに関する記憶は消失することが明らかになっています。
SCP-XXXX-JPが試合に敗北した場合、全個体は即座に消失します。消失後の個体を追跡する試みは発信機の不具合によって失敗しています。なお、一度敗北した場合、SCP-XXXX-JPが同大会中に再出現することはありません。敗北した場合も大会終了時と同様に、関係者らの記憶は消失します。
現在までに、SCP-XXXX-JPは27回の試合に勝利しています。しかしながら野球の技巧や熟練度は特筆するほどではなく、全ての例において大会優勝に至った例は存在していません。また、試合中に因果律改変によるプレーの妨害や現実改変による戦況の改変を行っていないことから、SCP-XXXX-JPが有する異常な性質は反ミーム性と瞬間的な移動能力のみであると推察されています。
これを受けた財団は、アストロプラネッツ・プロトコルを立案しました。プロトコルの要旨は以下の通りです。
アストロプラネッツ・プロトコル
LEVEL2/XXXX-JP CLASSIFIED
概要: アストロプラネッツ・プロトコルは日本国内に存在する高校球児の育成を行い、大会においてSCP-XXXX-JPの活動を抑制することを目的としています。プロトコルは毎年3月中旬〜4月上旬および8月に開催される全国高等学校野球選手権大会・選抜高等学校野球大会に向けて実施され、具体的には以下の行動が取られます。
- 各高等学校に財団エージェントを派遣し、野球チームの顧問もしくはコーチとする。そのうえで財団考案のトレーニングメニューを実施し、野球の技巧および熟練度の向上を図る。
- 日本高等学校野球連盟に財団職員を派遣し、大会時に記憶処理剤を服用することによってSCP-XXXX-JPの出現を感知・報告する。
- 該当する試合の審判を財団エージェントに差し替え、SCP-XXXX-JPに対して不利となるようなジャッジを行う。
一連のプロトコルを通じてSCP-XXXX-JPを敗北させることにより、異常性や特異的行動を阻止します。プロトコルを円滑に実行するため、財団指導の野球チーム同士での交流試合やイメージトレーニングなども実施されます。
上記のプロトコルを実行して以降、SCP-XXXX-JPの1試合における勝率は以前の5%ほどに抑えられています。多くの場合においてSCP-XXXX-JPは初戦もしくは2回戦で敗退するため、SCP-XXXX-JPによる被害規模は減少しています。
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