アイテム番号: SCP-2897-JP
オブジェクトクラス: Uya
特別定義/Uya: アイテムは予測されていますが、発見されていません。
特別収容プロトコル: SCP-2897-JPに相当する存在/現象/異常は現時点では発生していません。SCP-2897-JPの発生を未然に防ぐために、有効的な打開策の考案がSCP-2897-JP収容担当チーム内にて行われています。SCP-2897-JPの発生を防げなかった場合、事態収束プロトコルである、"インヴェード・プロトコル"が実行されます。
説明: SCP-2897-JPは2021/09/14に日本国内にて発生するとされている異常です。SCP-2897-JPは財団内部部門の共同で行われた潜在的脅威測定の際に発見に至りました。
SCP-2897-JPの異常の内容については判明していませんが、"未来予知"カテゴリに分類される複数のオブジェクトからは「百鬼夜行のようである」との証言が得られています。このことから、SCP-2897-JPは複数の異常が同時多発的に発生することに起因するものであると推測されています。しかし、これ以上の情報については判明しておらず、具体的な対策プロトコルの制定には至っておりません。
補遺.1: 事態予測
SCP-2897-JPによる異常事態発生時の被害規模/地点についての予測が2021/07/17に複数の内部部門の共同によって行われました。現時点での被害の発生地点は██県物床町に発生すると推測されています。被害規模は██県物床町を中心とする周囲██Kmに被害が発生するものであるとされています。
これを受け、財団内部では物床町の重点的な監視・警備を行うことが決定しました。警備部隊の導入及び監視用機材の搬入は2021/07/22に完了する予定です。
補遺.2: 対話記録
2021/08/06に、警備の一環として、物床町の巡回警備を行っていた財団エージェントに対して、住民が会話を試みる事例が発生しました。会話内容は物床町にて伝わる言い伝えについてであり、同時に巡回していたエージェントによって会話内容の録音が行われました。以下は会話内容の抜粋です。
記録 2897-JP
Record 2021/08/06
[抜粋開始]
警備員さん、この街に伝わる言い伝えについて知ってますか?
あ、やっぱり知らないですよね。来たばかりですし。
この街の地下には、妖怪の王が封印されているっていうんですよ。巨大な妖怪の王が。多分、皆さんが思い浮かべる妖怪の王って、閻魔大王とか、そこらへんだと思うんですよ。あちらが"王"だというなら、こちらは"魔王"ですかね。
平安時代位に、邪悪な妖怪を従えて、人里に降りて来ては若い娘や子供を誘拐したり、金品や食料を盗んでいったり。歯向かうものには呪いの類のものを掛けたり。とにかく好き勝手やっていたようです。住民たちも、呪いをかけられるからってことで何も出来なかったと聞いてます。
そして、何より恐ろしかったのが、"魔王"は生きている人間を自分の傘下 — つまり妖怪に変えてしまうんです。変わってしまった人は意識を操られて、"魔王"の言いなりになってしまうんです。
その力を持っていた"魔王"は、「妖怪になりたくなければ金品と食料、生き血を献上しろ」と住民に脅しをかけていたとか。
そんなあるとき、この街の噂を聞いた凄腕の霊媒師がやってきたんです。
霊媒師は、"魔王"を封印すると言っていて、「返り討ちにされる」という住民の警告を無視して"魔王"の棲み処である物床山に向かったんですよ。
それからしばらくしてですかね。
山の方からすごい光が発せられたらしいです。山からは傷だらけの霊媒師が出てきて「封印した」とだけ言っていたとか。
ところどころ端折りましたが、まあ大体こんな話です。
あ、何でこんな話をしたかって?
どうやら、封印が解かれるのが今年の9月らしいんですよ。
警備員さんがいつまでここにいるのか分からないけど、一応伝えておこうかな、って。
[記録終了]