アイテム番号: SCP-3159-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: LoI-3159-JPの周辺にはサイト-81JGが建造されています。LoI-3159-JP内に出現したSCP-3159-JPは捕獲後にサイト-81JGに移送されます。SCP-3159-JPは霊的実体収容セル内に収容されます。SCP-3159-JPに関与した民間人には記憶処理を実施し、カバーストーリー「幻覚症状」の流布を行います。
説明: SCP-3159-JPはアキアカネ (Sympetrum frequens) に類似した外見を有するクラスC霊的実体1です。SCP-3159-JPは青森県大河村 (LoI-3159-JPに指定) に出現します。現在までにLoI-3159-JP以外の地点でSCP-3159-JPが発見・観測された例はありません。
SCP-3159-JPは通常の霊的実体と異なり、肉眼での視認が可能です。この理由は明らかになっていませんが、SCP-3159-JPを構成する霊素立体構造内に未知の物質または霊素が含まれているためであると推測されています。現在、SCP-3159-JPを構成する霊素に関する調査が研究チーム内にて実施されています。
SCP-3159-JPの付近では高濃度のイオノン2が検出されます。この際に検出されるイオノンはSCP-3159-JPから発生しているものであることが明らかになっています。肉眼での視認が可能である点やイオノンを発生させる点などから、SCP-3159-JPの発見は比較的容易であるとされています。
SCP-3159-JPは不定期に姿を変化させます。変化後の姿はLoI-3159-JP内にて死亡した生物の姿に類似していることが確認されています。これはLoI-3159-JPに残留している霊素がSCP-3159-JPに影響を及ぼすためです。霊素には生前の個体の情報が含まれており、それがSCP-3159-JPの霊素構造を変更しているものとされています。
姿を変化させてからおよそ50秒が経過すると、SCP-3159-JPの身体は崩壊を開始します。一度崩壊が開始してしまった場合、それを阻止することはできません。SCP-3159-JPの身体は徐々にエクトプラズム流体へと変化していき、最終的にそれらは空気中に霧散します。霧散したエクトプラズム流体はSCP-3159-JPが有していたような性質を保持しておらず、それらをもとにしてSCP-3159-JPを復元することもできません。
補遺: SCP-3159-JPは異常発見部門による国内網羅的調査の過程で発見されました。発見契機はLoI-3159-JPの周辺地域で「死者が帰ってくる村」という内容の言及が複数確認されたことであり、これを受けて調査を行ったところ、異常性が判明しました。その後行われた住民への聞き込みや文献などの確認の結果、SCP-3159-JPの存在が市井に広まっていることが明らかになっています。このことから財団はSCP-3159-JPがLoI-3159-JPにおける文化や生活習慣に影響を与えているものと推測しました。
以下は、前述の推測内容に関する調査の際に行われた、LoI-3159-JPの住民へのインタビュー記録の一部抜粋です。記録の全容は別紙を参照してください。
インタビュー記録3159-JP.1
インタビュアー: ██博士
対象: ██ █氏
付記: 調査を円滑に進めるため、██氏には「██博士は民俗学者である」という旨の虚偽情報が与えられています。
<抜粋開始>
対象: まずそもそも、この村で出る幽霊って本物じゃないんですよ。
インタビュアー: 本物じゃないとはどういうことですか?
対象: この村には昔から「トンボが化けて出る」という言い伝えがあるんです。
インタビュアー: つまり、幽霊の正体はトンボだと?
対象: はい。なんでトンボなのかは分かりませんが。でもまあ、この言い伝えの通りなら、この村に出る故人の幽霊は実はトンボってことになるんじゃないですかね。キツネとかじゃなくて。
インタビュアー: ██さんはその言い伝えを信じているのですか?
対象: いやまさか。流石にそのまま信じてるわけじゃないですよ。ただ、全く信じてないってわけでもないんです。それらしきものは見てしまったし、他の人も見たと言ってましたから。
インタビュアー: 故人の幽霊を見たことがあるのですか?
対象: 1年ほど前に1回だけ、墓参りに行った時に。何年か前に亡くなった近所のお婆さんだったと思います。あまり話したこともないので、絶対にそうだとは言えませんが。
インタビュアー: お墓にいたんですね。その時、何か変なことって起きたりしていませんか? 例えば、物が勝手に動いたとか、変な音が聞こえたとか。
対象: そういったことはなかったですね。遠くの方に立ってただけで、特に動いたりとかもしていませんでした。
インタビュアー: ██さんからその幽霊に働きかけたりしましたか?
対象: そうですね。話そうと思って声を掛けてみました。でもずっと黙ってて動きもしなくて、結局話すことはできませんでした。なので「さようなら」とだけ言ってその場を立ち去りました。
インタビュアー: なるほど。質問なのですが、そのお婆さんの幽霊を見た時、不気味に感じたりはしなかったのですか?
対象: 私は、特に不気味だとは思いませんでした。「言い伝えは本当だったのか」と驚きはしましたが、どちらかと言えば嬉しさの方が強かったように思います。
インタビュアー: それは何故ですか?
対象: 正体がなんであれ、もう会えない人に会えるのって嬉しいじゃないですか。他の人もそうなのかは分からないですけど、少なくとも私はそう思っています。トンボが化けて出るなんてパッと見変なことだと思うんですけど、実際はそうではないというか。
インタビュアー: というと?
対象: 昔、言い伝えに興味が湧いて調べてみたことがあるんです。色々な人に話を聞いたり、本を漁ってみたり。それでわかったことなんですけど、あのトンボって何かこちらに働きかけるわけではないんですよ。私達が勝手に故人の存在とトンボを重ね合わせて感傷に浸っているだけで、あれ自体は私達に何かをもたらすことはないんです。
インタビュアー: つまり、あのトンボはこちらに影響を及ぼさないと?
対象: はい。会えないはずの人にあって、心が動く。それは先生だってそうでしょう?
<抜粋終了>
終了報告書: ██氏は記憶処理の後に解放されました。
追記: 住民への聞き込みや専門チームによる議論の結果、LoI-3159-JP内における文化や生活習慣は非異常性のものであると判断されました。これはSCP-3159-JPが住民へ働きかけないこと、SCP-3159-JPに関連する文化の詳細が一般社会における「会えないはずの人に会った」際の反応と同様であることが理由です。よって、そのため文化や生活習慣の収容は実施されず、特別収容プロトコルに基づいたSCP-3159-JPの収容および保護のみが行われることとなりました。
これに伴い、SCP-3159-JP関連記憶の抹消を目的とした記憶処理活動や、関連文献・伝承に対するカバーストーリー「偽造情報」の流布が行われています。
タグ: scp jp euclid occon25 霊体 変身 節足動物 非実体 異常発見部門
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