URA-2396

記録・情報保安管理局(RAISA)より通達

当該ファイルは未登録異常(UnRegistered Anomaly)に言及しています。当該オブジェクトが正式に登録され次第、当該ファイルは破棄され正式なファイルが作成されます。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ

アイテム番号: URA-2396

オブジェクトクラス: [審議中]

暫定収容プロトコル: 七日村(後述)は封鎖されます。七日村在住の人物に対して定期的に生活必需品等の供給を行います。

説明: URA-2396は青森県北東部に存在する集落七日村なのかむらにて発生する何らかの異常現象です。現在まで不明な要因による財団による直接的なURA-2396の認識には至っておらず補遺2参照、現在判明しているのはURA-2396に対する七日村在住者の証言及び言い伝えのみです。以下は言い伝え及び証言の一部抜粋です。

  • URA-2396は7日周期で発生する。
  • URA-2396は死者が帰ってくる現象である。
  • URA-2396が発生する時刻は共通して午前2:00から午前3:00までの間である。
  • URA-2396によって帰ってきた死者が帰ることを引き止めてはいけない。

これらの情報からURA-2396は何らかの霊的存在等の実体の出現を伴う現象であると推測されています。現在調査が進行中です。

URA-2396は2017/5/8に全国霊素検知網1の普及に伴い、七日村周辺で大量のエクトプラズム流体が定期的に確認されたことをきっかけに発見されました。当時は七日村自体が未解明異常領域に指定されていましたが、後の調査で七日村に異常が認められないことから何らかの異常現象であると推定されると同時に未解明異常領域指定が解除されました。


補遺1: 七日村在住者に対するインタビューが2017/9/15に実施されました。

インタビュー記録 2396.1

Record 2017/9/15


インタビュアー: 成瀬博士

対象: 小田切 千代子氏(インタビュー内では小田切氏と呼称/記載)


[記録開始]


成瀬博士: では小田切さん。七日村で発生しているであろう不可解な事柄について教えてくれませんか。

小田切氏: それは「帰らづま」のことかい?

成瀬博士: 現段階でははい、とは言えませんがおそらくそのことだと思います。では、「帰らづま」について教えてくれませんか。

小田切氏: 「帰らづま」ってのはな、七日村独自の言葉で「死んだ人が帰ってくる」ってことを意味するんだ。俗に言う「黄泉がえり」みたいなもんだ。

成瀬博士: なるほど。

小田切氏: 「帰らづま」でこちらに来る死んだ人はな、絶対に夜の2:00から3:00の間までしかこちらに居なくて、その時間を過ぎるとフッと消えてしまうんだ。さっきまでそこに居たはずなのに、気がついたら居なくなってる。

成瀬博士: ふむふむ。

小田切氏: それで、死んだ人が帰ると家の中には金色の卵が落ちていることがあって、それが落ちていたらその家の主の一族は末代まで幸福に包まれるとも言われているんだ。

成瀬博士: なるほど。続けてください。

小田切氏: だが、帰るときに引き止めてしまったら不幸が訪れると言われていてな。実際に病気に罹ったり、神隠しにあったりとかした人もいるんだ。おらが知ってるのはこれくらいかな。

成瀬博士: ありがとうございます。少し質問があるのですが、「帰らづま」が起きる家はどのようにして選ばれているのか知っていますか。

小田切氏: 知らないなぁ。でも。

成瀬博士: でも?

小田切氏: ついこの間起きた時は近頃亡くなった南方母さん2の息子の所に現れたそうだから、もしかしたら最近親族が亡くなった人の家に起きてるんじゃないかな。

成瀬博士: [沈黙]ありがとうございます。


[記録終了]


補遺2: 2017/9/17に、成瀬博士がURA-2396の解明実験の対象として自ら志願しました。成瀬博士は2017/8/31に自身の祖父を亡くしており、インタビューでの小田切氏の証言である「最近親族が亡くなった人」に該当します。この事実から、成瀬博士を対象として実験を行った場合、URA-2396の真相解明に近づくと判断されたために成瀬博士の志願は受け入れられました。以下は実験時の映像記録の抜粋です。

映像記録 2396.1

Record 2017/9/17


対象: 成瀬博士

付記: 成瀬博士には小型カメラを所持させています。また、実験実施地点は七日村に存在する空家に許可をとった上で行われました。


[記録開始]


<AM 2:00.05> 成瀬博士: 夜の2時になりました。実験を開始します。

[数分間、成瀬博士は室内を見渡す]

<AM 2:08.06> 成瀬博士: 何も起きないですね。実験は失敗でしょうか。

[扉が開く音]

<AM 2:09:04> 成瀬博士: これが、「帰らづま」でしょうか。

[成瀬博士がカメラを玄関口に向ける。カメラには老年の男性が映っている]

<AM 2:09.38> 成瀬博士: どうやら実験は成功したようです。そこに居るのはこの前亡くなったわたしの祖父です。

[成瀬博士が老年の男性に話しかける]

<AM 2:10.09> 成瀬博士: あなたは、わたしの祖父ですか?

<AM 2:10.24> 老年の男性: あぁ、そうだよ。孫娘が心配になって帰ってきちゃったよ。元気だったかい?

<AM 2:11.59> 成瀬博士: はい。わたしは元気です。ですが、あなたは本当にわたしの祖父ですか?わたしの祖父は  [口籠る]

<AM 2:12.30> 老年の男性: どうしたんだい?

<AM 2:14.20> 成瀬博士: 違う。あなたはわたしの祖父じゃない。

<AM 2:15.10> 老年の男性: 一体何を言って  

<AM 2:16.31> 成瀬博士: 何ですぐに気づかなかったんだろう。わたしの祖父は、わたしのことを孫娘なんて呼ばないし、元気だったかなんて聞かない。わたしの祖父はもっと荒っぽい人だった。

<AM 2:16.50> 成瀬博士: お前の正体は何だ。

[突如老年の男性の皮膚が溶解する。溶解した皮膚の内側にはキチン質で構成された光沢のある皮が映っている]

<AM 2:17.10> 老年の男性: [不明瞭な呟き]私、はあなた、の  [不明瞭]

[老年の男性が成瀬博士に向かって移動を開始する。皮膚は完全に溶解しきっており、カメラには歪な形をした人型存在が映し出されている。また、カメラに搭載された簡易型ハルトマン霊素測定器は高濃度の霊素を示している]

<AM 2:19.15> 成瀬博士: まずい、これは退却しないと  [悲鳴]

[成瀬博士が転倒する。尚、この時点でカメラから人型存在はフレームアウトしたものと推測される]

[断続的な悲鳴。成瀬博士のものと推測]

[グチャグチャといった音。詳細不明]


[記録終了]



本記録を受け、七日村付近に存在する簡易収容サイトより2名のエージェントが派遣されました。該当地点到着時には人型存在は確認されませんでした。成瀬博士はキチン質の布で覆われた状態で確認されており、成瀬博士の付近には大量のダンゴムシをはじめとする地虫の死骸が存在していました。また、成瀬博士は現在慢性的な疲労感及び吐き気を訴えています。

これらの事態を受け、URA-2396をSkótos3クラスのSCPオブジェクトとして認定するかの協議が行われています。

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